通信制高校を検討している中で、卒業は難しいという話や卒業後の進路などを考え、心配している人もいるでしょう。せっかく通信制高校に入学しても「その先」が見えないと不安は解消されません。
そこで今回は、通信制高校の卒業の要件や卒業率、そして卒業後の進路について解説していきます。
目次
通信制高校の卒業要件
通信制高校を卒業するための条件は大きく3つあります。
- 在籍期間・・・3年以上
- 修得単位数・・・74単位以上
- 特別活動の時間・・・30時間以上の出席
それぞれ詳しく見ていきましょう。
在籍期間
通信制高校の卒業要件には「在籍期間3年以上」と学校教育法で定められています。そのため、もしも必要な単位を2年間で修得できたとしても卒業することはできません。最短で3年で卒業ができるということです。
また、3年“以上”とある通り、4年5年と高校に在籍することも可能で、長い場合には10年かけて通信制高校を卒業したという人もいます。自分のペースで学校を続けられるので、病気で体調がよくなかったり仕事で忙しかったりしても安心ですね。
編入・転入の場合
通信制高校に編入・転入した場合は、以前通っていた高校での在籍期間もカウントされます。
全日制高校に1年在籍 + 通信制高校に2年在籍 =合計3年の在籍期間とカウントされます
単位制と学年制の違い
通信制高校の多くは「単位制」の高校です。全日制の場合は「学年制」が多いので、少しイメージがしにくいかもしれませんね。単位制と学年制の違いを簡単に説明しましょう。
学年制の場合は修業年限が3年と定められていて1年生から3年生まであります。学年単位で様々なカリキュラムがあります。そして、条件を満たさなければ次の学年に進級できず、同じ学年に留年してしまうわけです。高校3年生の課程を終えたら卒業となります。
一方で、単位制の場合には「学年」という概念はありません。たとえば1年目で卒業に必要な単位のほとんどを修得することも可能なわけです。学年はないので「高校2年生にあたる年齢」というような言い方をします。
修得単位数
通信制高校の卒業に必要な修得単位数は、全日制高校と共通の要件です。卒業に必要な修得単位数は74単位以上と、学校教育法施行規則や高等学校学習指導要領で定められています。
単位の修得に必要なのは「レポート提出」「スクーリングの出席」「試験」の3つです。
レポート提出
科目ごとに課されるレポートは、教科書の内容をまとめるものであったり自分の考えを述べるものであったり、問題を解くものであったり様々です。レポートは添削・採点されて返却されます。
スクーリング
スクーリングとは正式には「面接指導」と呼ばれます。スクーリングの内容や頻度は高校やコースによって様々です。
スクーリングについて詳しくはこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
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試験
レポートを提出し、スクーリングに参加すると、試験を受けることができます。正式には「単位認定試験」と呼ばれます。一定以上の得点で単位が修得できますが、再試験なども認められています。
特別活動の時間
特別活動は30単位時間以上出席していることが条件になります。
特別活動は一般的な教科・科目の授業以外の集団活動のことを指します。具体的には、ホームルーム、生徒会活動、部活動、入学式や体験活動と言った学校行事などが特別活動にあたります。
通信制高校の場合、特別活動はスクーリングで行うことが多くあります。1単位時間は50分が標準時間となっていますので、3年間で50分×30単位=1,500分およそ25時間の活動が卒業のためには必要です。
卒業後の進路は?
通信制高校卒業後の進路をまとめてみました。ご参考までに、全日制高校の場合のデータも合わせて掲載しています。
通信制高校 | 全日制高校 | |
大学等進学 | 24.1% | 60.7% |
専修学校(専門課程)進学 | 22.7% | 16.2% |
就職 | 14.9% | 14.2% |
そのほか | 38.3% | 8.9% |
この表からも分かる通り、通信制高校の卒業者のおよそ半分が大学や専門学校に進学、約15%が就職、そして「そのほか」は40%程度います。「そのほか」とは進学も就職もしてない人なので大学受験の浪人生やすでに芸能活動やスポーツ選手としての活動をしている人、仕事についている人が含まれます。
これは全日制高校との大きな違いです。通信制高校とは、すでに活動しながら通信制高校に通っている人がかなりの数含まれているということがよくわかるでしょう。
大学進学に不利なのか?
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推薦試験、特に総合型選抜においてはむしろ有利になることすらあります。総合型選抜での大学受験を検討している人はこちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。
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