「入試のない高校を探しています」という声をよく聞きます。基本的には、どこの高校も入試は必ず実施しています。ただし、その入試は学力試験とは限りません。
通信制高校にも入試はありますが、作文や面接が主流です。

そこで今回は、通信制高校の受験対策として「作文」と「面接」について分かりやすくお話をしていきます。

通信制高校とは?

まず確認になりますが、通信制高校とは高校の通信制課程のことを言います。毎日学校に通わなくてよいことや中間・期末などの定期考査がないことなどが特徴として挙げられます。

全日制との違い

全日制高校は、毎日学校に通うことが基本となりますが、通信制高校は自宅学習が基本です。また、全日制の場合には出席日数が足りなかったり定期テストの点数が基準点に満たなかったりする場合には進級できず、留年することがある一方、多くの通信制高校が単位制を導入しているため、全日制と違い、卒業・進級するための要件としても出席日数はカウントされません(スクーリングの参加を除く)。

通信制高校の中にも、季節ごとの行事など年間でたくさんのイベントが開催されているところもあり、卒業に必要な特別活動の活動時間に含まれる場合もあります。また、学校によっては部活動も盛んで、スポーツ・音楽・ゲーム・ダンスなど、友達と一緒に好きな活動に参加することができます。

通信制高校と並行して、単位修得のための学習支援を受けるためにサポート校に通う学生も多くいますが、サポート校でも高校と同じように部活や行事を実施しているケースも多くあります。

通信制高校の種類

公立と私立

通信制高校には公立高校と私立高校があります。
学費を比較すると公立高校の方が圧倒的に安いことがわかります。ただし、近年、就学支援金制度が導入されており、公立・私立に関わらず高校の学費が実質無料になっている自治体が増えてきています。
また、公立通信制高校の場合には、月数回程度の通学(スクーリング)が必須としている学校も多く、私立の通信制高校の方がスクーリングを含めカリキュラム等が柔軟で、かつ充実していると言えるでしょう。

狭域と広域

通信制高校には「狭域」と「広域」の2種類があります。多くの公立通信制高校は学区が決まっている狭域制なので、高校の近くにお住いの人・お勤めの人しか通うことができません。一方で、広域通信制高校は私立高校に多く、日本全国あるいは世界中どこにいても学ぶことが可能です。

通信制高校の特徴

通信制高校の特徴は大きく4つあります。

通信制高校の4つの特徴

①毎日通学する必要がない
②単位制の学校が多い
③スクーリングに参加する
④高校卒業の資格が取れる

特徴①毎日通学する必要がない

通信制高校が毎日登校ではありません。定期的に通学は必要ですが、その頻度を選ぶことができるなど、柔軟にカリキュラムを選ぶことが可能です。

例えば…

女の子2

四谷学院高校のオンラインコースの場合、通学日数を最低限に押さえることができます。
年間10日程度のスクーリングと試験で登校すればOK。

男の子2

四谷学院高校の進学コースの場合、毎日キャンパスに通って授業を受けることができます。
MAX週5日通えます。

特徴②単位制の学校が多い

通信制高校はほとんどが単位制です。学年制と違って自分のペースで勉強できるので、例えば「5年計画で勉強する」ということも可能です。あるいは「2年で卒業に必要な単位をほとんどとってしまい、残りの1年は大学受験対策に集中する」ということも可能です。

特徴③スクーリングに参加する

通信制高校は、一切の通学が不要というわけではありません。科目ごとに対面指導が必要と定められています。スクーリングは卒業に必要な単位として認定されるため、スクーリングに参加しないと高校を卒業することができないため注意が必要です。
とはいえ、その時間は全日制高校に比べればほんの僅か。試験も含めて年間10日程度の通学です。

特徴④高校卒業の資格が取れる

通信制高校は「高校」ですから、卒業すれば高校卒業資格を得ることができます。すると、国家資格の受験が可能になったり、大学入試にチャレンジすることもできるようになります。
高校卒業の資格だけを取るならば、「高認資格(高校卒業程度認定試験)」もありますが、高校生のうちにいろんな体験をしたい!ということであれば、自由な時間が多い通信制高校がぴったりです。

通信制高校 入試の流れ

通信制高校の入試の流れについて見ていきます。

出願

まずは高校に問い合わせて、「入学願書」を手に入れましょう。高校によってはWeb出願ができます。そして、入学願書に必要事項を記入します。
また、そのほかに必要な書類や写真なども準備しましょう。必要書類は、入学願書に記載があります。一般的には、在籍・出身学校で「調査書」(内申書)などが必要です。学校に連絡して発行してもらいますが、1週間程度時間がかかることがあるので早めに準備しておくとよいでしょう。最後に、受験料を振り込めば出願完了です。

必要な書類

・入学願書
・調査書(内申書)

※高校から転校する場合には、「在学(在籍)証明書」なども必要です。

先生

【注意】調査書や成績証明書(単位修得証明書)を中学校で発行してもらう書類は「厳封」されており、受験生は勝手に開封してはいけません。一旦開封されたものは無効になり、出願に使えなくなってしまいます。そのため、必要に応じて、出願用と自分用の2通を発行してもらうとよいでしょう。自分用にコピーを発行してくれる中学校もありますから、受付の際に確認しましょう。

内申書について

通信制高校の入試において内申点(調査書)で合否が決まることはないと言ってよいでしょう。定期試験の成績が悪かったり出席日数が少ないことから、内申点が低くて心配される方もいらっしゃいますが、安心してください。

先生

【注意】通信制高校にはスクーリング(対面授業)があります。カリキュラムによっては通学日数が多いコースもあるので、中学時代に欠席日数が多い生徒がそのコースを選んだ場合には、スクーリングにきちんと参加できるかどうか確認されたり、中学時代の欠席理由を聞かれたりする場合もあります。面接でしっかり答えられるようにしておくとよいでしょう。

全日制との併願

通信制高校は、全日制高校と併願できます。ただし、同じ高校の中に全日制と通信制がある場合には、併願できない場合もあります。志望校を検討する段階で確認しておきましょう。

入試の内容・受験科目

私立の通信制高校の場合には、学科試験(学力検査)は行われず、作文や面接で合否判断をする場合が多い傾向となっています。

【通信制高校の入試】(2018年度入試)
書類審査・面接    29.8%
面接・作文      20.0%
学科試験(※)    18.2%
書類審査・面接・作文 15.6%
書類審査        7.6%
面接          7.6%
その他         1.2%
参考:学びリンク

入試の難易度

「落ちたらどうしよう」と心配をしている人も多いかと思いますが、通信制高校の入試ではほとんど不合格にはならないと考えてよいでしょう。
ただし、入学希望者が多く定員オーバーしてしまった場合には、不合格者が出てしまうこともあります。

通信制高校の偏差値

入試の難易度を表す際によく使われるのが「偏差値」ですが、通信制高校の場合には学力試験が行われる学校はごく一部です。都立高校の通信課程の場合、国数英の3科目(合計60分)です。
ほとんどの学校では面接・作文、書類等で合否を判断します。そのため学科試験の点数が計算できないので、通信制高校には偏差値はありません。

先生

【注意】通信制高校は偏差値がない=学力が低い生徒が通うというわけではありません。体調不良などの理由で通えなくなり中高一貫校から通信制高校に入学する生徒や、難関大学合格を目指すためにあえて自由な時間が多い通信制高校を選ぶ生徒がいたりと、様々な可能性を持った生徒たちがいる学校です。入試の形式上、偏差値がないにすぎません。

四谷学院高校の入試


四谷学院高校では、通信制高校の入試で実施されることの多い「作文」「面接」が行われる予定です。詳しく解説していきます。

作文

作文はWeb出願時に提出します。学校に来て決められた時間内に書く作文の試験ではなく、自宅で取り組んむので焦らずに自分のペースで書くことができます。

面接

面接は、オンラインの個人面接です。ほかの受験生と一緒に受けることはありません。できるだけ緊張しないような雰囲気でお話を聞かせていただければと思います。なお保護者の方にも同席していただく予定です。

いずれの入学試験も、四谷学院高校があなたのことを知るための内容となっています。ぜひあなたのことを教えてくださいね。

選べる4つのコース

四谷学院高校では、「進学コース」「教養コース」「個別コース」「Webコース」の4つのコースから選ぶことができます。大学進学の希望や通学頻度、どんな高校生活を希望しているか等、あなたのニーズにぴったりのコースがあります。
まずはお気軽にご相談ください。オンラインの学校説明会も実施中です。
 


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今回は、「通信制高校って何?」「興味はあるけどよくわからない」という方のためのオンライン・ガイダンスです。四谷学院高校のことをご紹介するとともに、初めて通信制高校について知る方のための入門的な内容となっています。
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四谷学院ブログ編集部

通信制高校を検討されている中高生とその保護者の方にお役に立てるよう、通信制高校や大学受験に関する情報を発信していきます。
だれでも才能を持っています。でもその才能は優れた学習システムと優秀かつ熱心な先生との出会いなしに開花することはできません。「英語が苦手」「数学が苦手」という人は、教え上手な先生に出会ってこなかっただけ。正しいやり方で学びの楽しさを味わうことができれば、「英語が好き」「数学が好き」に変身します。
「だれでも才能を持っている」という理念のもと、あなたに「やればできる」「学ぶことは楽しい」という体験をさせる、これが私たちの使命です。