高校には入学試験があります。通信制高校も例外ではありません。全日制の高校よりも難易度は低いものですが、どんな内容が出題されるのか、準備は必要なのか気になっている人も多いことでしょう。

今回は、通信制高校の入試について分かりやすく解説していきます。

通信制高校の受験資格・入学条件

通信制高校の入学条件は、以下のように定められています。

○学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)
第五十七条 高等学校に入学することのできる者は、中学校若しくはこれに準ずる学校若しくは義務教育学校を卒業した者若しくは中等教育学校の前期課程を修了した者又は文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者とする。

これは全日制でも通信制でも同じです。すでに高校を卒業している人は対象外となり、もう一度通信制を含む「高校」に通うことはできません。
ここにもある通り、年齢や経歴は問われないので、上記条件を満たせばだれでも通信制高校を受験することができます。

転入と編入の違い

通信制高校へ通うには、中学卒業後に入学する方法と、ほかの高校に一旦入学してから、転入もしくは編入することができます。転入と編入の違いは以下の通りです。

転入学

ほかの高校に在籍しており、そこから通信制高校に籍を移すことを転入(学)と言います。休学中も含みます。小・中学校の転入と同じと考えるとよいでしょう。

編入学

ほかの高校に在籍していたけれど中途退学(中退)して、高校に入り直すことを編入(学)と言います。例えば、高校を中退してから社会人として働き、その後に通信制高校に編入する、ということもできます。ブランクが長くても全く関係ありません。

学域が決まっていることもある

公立の通信制高校のほとんどは高校の所在地のみ、もしくは隣接する1都道府県からのみ入学することができます。これを「狭域通信制高校」と言います。一方で、それ以外の地域からも入学できる高校を「広域通信制高校」と言い、私立の広域通信制高校は各校によって地域条件が定められています。

通信制高校は自宅で勉強できるため、「通える地域」を意識しにくいかもしれませんね。実は学域(学校に通える地域)が決まっているので、志望校を決める場合には確認しておくとでしょう。

広域通信制高校とは?通信制なら日本全国どこからでも通えるの?

通信制高校の入試内容

通信制高校の入学試験の内容は以下の通りです。

・書類審査
・作文
・面接
・学力検査(筆記試験)

高校によって入試内容は様々ですが、多くの通信制高校では学力検査(筆記試験)は行われません。学力試験が課される場合でも国語・数学・英語の3科目のみの場合が多いです。また学力試験の内容だけで合否が確定することもありません。

通信制高校の入試内容は、書類審査や作文、面接などを通して、本人の高校生活に対する熱意や意欲、適性などを見ていきます。

学校説明会や相談会への出席が必須の場合もある

通信制高校では、入学試験とは別に「学校説明会」や「個別相談会」への参加が必須になっている場合もあります。都合がつかなくて参加できなくとも、心配は不要です。多く高校では説明会や相談会を定期的に実施していて、複数回のチャンスがあります。早いところでは6月頃からスタートしますから、気になる学校の説明会には早めに参加して、入試内容などを確認して検討しましょう。

チェック

お子さんがどうしても参加できなかった場合には、保護者のみの参加を認めている高校もあります。もしも参加できない場合には直接高校に相談してみるとよいでしょう。

通信制高校の入学時期と入試時期

入学時期

通信制高校の入学時期は、学校によって異なります。公立は4月入学、私立は4月・10月入学を認めている学校が一般的です。転入学・編入学も同様です。私立高校の場合には1年を通して転入・編入を認めている場合もあります。

募集時期と入試時期

新入学の募集は11月12月位以降から行われることが多くなっています。一方、転入学の募集は12月くらいまで随時行っているケースが多くなっています。
通信制高校の入試時期は、入学の1か月ほど前に実施されることが多くなっています。

全日制高校と併願できる

通信制高校に行こうか、全日制高校に行こうか迷っている人も多いことでしょう。通信制高校と全日制高校は併願することができます。「不登校だったので通学に不安がある」「内申点や偏差値が足りない」などの理由で全日制高校を受験するかどうか決めかねている場合には、ぜひチャレンジすることをおすすめします。

1点注意として、高校によって入試の時期・制度が異なります。「単願(専願)」などで、ほかの高校との併願受験を認めていない高校もありますので、あらかじめ確認しておきましょう。

まとめ「通信制高校の入学試験はどんな内容?いつ?誰でも受験できるの?」

今回は通信制高校の入試について、詳しく解説してきました。高校によって違いのある入学試験。まずは行きたい高校をいくつか絞り込んでいくとよいでしょう。そのうえで、どんな準備が必要か、いつ・何を対策すればいいかが見えてくるはずです。


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