「通信制高校から大学進学は無理。もし大学に行けたとしても難関大学合格なんて嘘。」
そんな話を聞いたことがあるかもしれません。最初に言っておくと、それは全くの誤りです。
四谷学院では、実際に難関大学をはじめとする様々な大学に通信制高校から合格者を輩出してきました。とは言え、実際には通信制高校から難関大学へ進学する人はまだ少数派です。
今回は、通信制高校から難関大学への合格を勝ち取るためのポイントを解説していきます。
目次
大学受験において出身高校は無関係である
大学入学試験において、在籍する高校・出身高校によって加点・減点されることはありません。まずは安心していただきたいと思います。
ただし、推薦入試の1つ「学校推薦型選抜の指定校制」は例外です。
そもそも推薦入試とは?
推薦入試は一般選抜とは異なり、共通テストや大学ごとの筆記テストが課されることはほとんどなく、面接や書類審査、小論文などにより総合的な評価で合否が判定されます。
推薦入試は大きく「学校推薦型選抜」と「総合型選抜(旧AO入試)」の2種類に分けられており、学校推薦型選抜はさらに「指定校制」「公募制」「特別枠」に分けられます。私立大学・公立大学を中心に多くの学校で導入されていますが、それぞれ試験の内容が異なるだけでなく、出願や入試時期が異なりますので要注意です。
なお、大学入試の総合型選抜と学校推薦型選抜を合わせて「年内入試」と呼ぶことがあります。これは筆記試験中心の一般選抜(一般入試)が年明け以降に実施されるのに対し、9~12月に実施・合否が出ることが多いためです。
学校推薦型選抜(指定校制)とは
まずは、「学校推薦型選抜の指定校制」について詳しく見ていきます。
学校推薦型選抜の指定校制の大きな特徴は、学校長の推薦が必要ということ、そして大学が指定する高校からのみ出願が可能ということです。特に2つ目の自分の通っている高校が「指定校」でない限り、出願することができない、ということが学校推薦型選抜・指定校制の特徴です。大学が指定する高校の場合には、1校あたり1~2名の指定枠であることが多く、大学の系列高校や附属高校の場合には人数が多くなります。
指定校であった場合にも、人気大学の場合には希望が多く、校内選抜が行われることも珍しくありません。出願条件に「評定平均4.0以上」など、学校成績に基準が求められることも多いため、高校入学当初からよい成績を収めていないと学校推薦をもらうこと=出願することはできません。しかし、校内選抜を勝ち抜いて出願することができればほとんど100%合格することができます。ただし、専願制である場合が多く、合格した場合には必ずその大学に入学しなければならず、1校しか受験することはできませんから、注意が必要です。
なお、国公立大学の場合、学校推薦型選抜のほとんどは公募制・特別枠です。指定校制は多くの私立大学が採用している入試制度ととらえておくとよいでしょう。
このように、学校推薦型選抜(指定校制)は在籍している高校によって受験できる・できないが決まる入試制度となっています。
こんにちは、四谷学院の受験コンサルタント田中です。 文部科学省の発表によれば、2021年度の入試において「学校推薦型選抜(旧推薦入試)」「総合型選抜(旧AO入試)」による大学入学者が全体半数を超えました。大学入試で「推薦を狙っている」という高校生も多いのではないでしょうか。 大学入試は、高校入試以上に様々な選抜方法がありますが、これまでは「一般選抜」がメインの方法でした。しかし、近年「学校推薦型選抜」「総合型選抜」での受験者も増加傾向にあります。 なかでも、早めの対策が重要な「学校推薦型選抜」のうち「指定校推薦」について解説してきます。 学校推薦型選抜とは 2021年度入学者向けの大学入試から、推薦入試は「学校推薦型選抜」と改称されました。 「学校推薦型選抜」には、「公募制」と「指定校制」の2種類のしくみがあります。 公募推薦 学校推薦型選抜のうち「公募推薦」とは、各大学からの基準を満たし、かつ在学高校からの推薦を得ることで受験することができる入試制度です。 大学の学科ごとに基準が設けられるので、それらの出願要件と募集要項に記載の条件を満たす必要がありますが、学校長からの推薦を受けることができれば、どの高校からでも応募できます。 なお、公募推薦で求められる評定平均は4.0程度となっています。 評定平均について、詳しくはこちらの記事も併せてチェックしてみてください。 https://www.yotsuyagakuin.com/b_geneki/hyoteiheikin-naishinten/ 指定校推薦 指定校推薦は、大学から推薦校として指定を受けた高校からしか応募できません。 大学が認定する指定校の枠は、一般的に以下のような基準があります。 [su_note note_color=#fcf8cb]・その高校の前年度までの一般入試の結果 ・過去に指定校推薦で合格した生徒の大学での成果 [/su_note] こうした条件があるため、原則的には専願(単願)入試で、合格した場合は他大学を受験することはせず、必ず入学するということになります。 指定校推薦は通常「専願」であるので、合格したらその大学に進学しなければいけません。指定校推薦の入学を辞退したり、大学に入学はしたもののすぐに退学してしまった、などの場合、出身高校の推薦枠数にも影響します。翌年からその高校への推薦依頼がなくなることや指定校枠が経てしまうこともあり得ます。 大学と高校との信頼関係によって成り立っている制度ですから、必ず毎年推薦枠が約束されているわけではなく、「昨年前は指定校枠があったけれど、今年からなくなる」ということもあり得るということにも注意が必要です。 指定校推薦の合格率 指定校推薦は、主に私立大学の入試形式で、大学が高校ごとに推薦枠を設定しています。ただし、推薦枠は1つの高校で数名しか割り振られないことが一般的で、人気の高い大学の指定校枠を巡っては、推薦者を決めるための学内選抜も行われます。 先ほども説明した通り、指定校推薦は高校と大学との信頼関係から成り立っている制度なので、高校内選考を勝ち抜けばほとんど100%の確率で合格できます。ほぼ確実に合格が見込め、「確実に合格できる」という点から人気の高い入試制度となっています。 指定校推薦の選考方法 書類審査 一般選抜と異なり、高校在学中の学業成績(評定平均)や課外活動(部活・ボランティア活動など)といった日頃の努力が評価されるのが指定校推薦の特徴です。 学校成績だけでなく、部活動、スポーツ、文化活動などの推薦基準があり、大学によって提示された基準を満たしている生徒を高校(学校長)が推薦します。 [su_box title=書類審査 box_color=#4169E1 title_color=#ffffff radius=6]学業成績(評定平均).調査書・推薦書・資格や検定など [/su_box] それ以外の試験 書類を見ただけではわからない部分への注目度も高いのが、指定校推薦の特徴です。小論文や面接、プレゼンテーション等によって受験生の思考力・人柄・個性などをみていきます。 [su_box title=それ以外の試験 box_color=#f7ab68 title_color=#ffffff radius=6]小論文・プレゼンテーション・口頭試問・実技・共通テストなど [/su_box] 選考スケジュール 学校推薦型選抜は一般選抜よりも早く実施されます。 校内選考がある場合には9月頃からスタート、11月頃から出願、12月頃に合格発表です。 受験スケジュールのピークは11月から12月となっていますが、大学・学部学科によって時期は異なります。 ※ただし共通テストを課す場合は1月 出願条件 指定校推薦は誰でも受験できるわけではなく、評定平均値が一定以上でないと出願することができない場合がほとんどです。 高校1年生の頃から早めに出願条件を確認して、高校の定期テスト対策を行っていきましょう。高1の成績が振るわないと、高校2年生になってからではもう遅く、取り返しがつかないという場合もあります。 指定校推薦の受験対策の注意点 まずは、学校成績を上げることが指定校推薦の場合、非常に重要になってきます。早めに志望大学を決めて、高校の定期試験の成績を上げていくことで評定平均の基準をクリアすることが出願のための最低条件となるためです。 さらに、出願書類の作成や面接対策など、一般選抜の受験よりもかなり早くから受験対策をスタートさせなければいけません。 指定校推薦の合格率はほぼ100%ではありますが、校内選考がある場合には、併願大学の検討も忘れずに!不合格だった場合には、すぐに一般選抜に切り替えられるように準備はしておきましょう。 [su_note note_color=#fffffd] 基礎学力が合否を握る 指定校推薦にしても、一般選抜にしても「基礎学力」が非常に重要です。 四谷学院で学力の土台をつくり、高1・高2の学校成績を上げていきましょう! [/su_note]
学校推薦型選抜(公募制)(特別)とは
指定校制以外の学校推薦型選抜についてですが、学校長の推薦が必要であることは指定校制と同じですが、必要な条件さえ満たせばどの高校からでも受験することは可能という点が異なります。
成績や出席日数などの基準を満たしていれば学校長からの推薦をもらうことができます。さらに、スポーツや文化活動等での活躍や課外活動などでの実績をアピールする公募制特別推薦選抜もあります。
総合型選抜とは
総合型選抜とは、各大学のアドミッション・ポリシーに合致する人物を選抜する入試です。アドミッション・ポリシーとは、「大学の入学者受け入れ方針」のことです。大学側が「こんな学生に入学してほしい!」という考えをまとめたもので、総合型選抜ではこのアドミッション・ポリシーに沿って入試が行われます。学力を含めた様々な切り口から受験生を見ていき総合的に合否の判断を行います。
例:大阪大学
アドミッション・ポリシーとは、能力や適性を含めた大学が求める学生像、および入学者選抜の実施のための基本的な考え方を示したものです。大阪大学では、全学の学士課程・大学院課程のアドミッション・ポリシーに基づき、各学部・研究科のアドミッション・ポリシーを以下の通り定めています。
◆【学部】アドミッション・ポリシー
大阪大学は、教育目標に定める人材を育成するため、高等学校等における学修を通して、確かな基礎学力及び主体的に学ぶ態度を有し、自ら課題を発見し探求しようとする意欲に溢れる人を受け入れます。
このような学生を適正に選抜するために、多様な観点からの評価を行います。◆文学部アドミッション・ポリシー
【求める人材像】
文学部は、古今東西の思想、言語、歴史、文学、芸術の分析的かつ総合的な探求を通じて対象を本質的に理解し、そこで得られた知見をもって現代社会の諸問題の解決に積極的に取り組む人材の育成を目的としています。そのため、本学部では、大阪大学のアドミッション・ポリシーをもとに、次のような資質を備えた学生を求めています。
(1) 高等学校等で履修する主要教科の基本的な知識。
(2) 日本語および外国語の文章を正確に読解する能力。
(3) 論理的に思考し、自分の考えを口頭および文章で明晰に表現する能力。
(4) 人文学についての基本的な理解と学問探究への強い意欲。
【入学者選抜の基本方針】
本学部の入学試験では、上記の学生を多様な評価基準によって選抜するために、一般選抜、総合型選抜、私費外国人留学生特別入試を実施します。
【具体的選抜方法と、資質・能力との関係】
一般選抜では、(1)、(2)を重視し、大学入学共通テストで国語、地理歴史、公民、理科、数学、外国語、情報を、個別学力検査では地理歴史又は数学、外国語、国語を、それぞれ課します。(3)のうち、論理的思考力および文章表現力については、個別学力検査で評価します。総合型選抜では、(3)、(4)を重視し、志望理由書や活動実績報告等の書類の提出を求め、小論文、面接を課します。(1)、(2)については、大学入学共通テストで評価します。また、私費外国人留学生特別入試を実施し、高い日本語能力と学問探究への意欲をもつ外国人留学生を選抜します。
通信制高校は推薦入試に有利
通信制高校において、指定校推薦を除く年内入試・推薦入試で大学合格を目指す場合、全日制高校より圧倒的に有利であると言えます。
その理由を詳しく見ていきましょう。
通信制が有利な理由①評定平均が取りやすい
全日制高校の成績のつけ方は相対評価です。一般的には5段階の成績評価で、5が学年生徒の上位10%、4が上位10~30%…とあらかじめ決められています。しかし、通信制高校の場合には絶対評価で成績がつきます。周りの人との比較によって評価されるわけではないので、レポート課題やテストなどをきちんとクリアできていれば、オール5も実現できるということです。このことから、全日制高校に比べ評定平均が高く取りやすいとされます。
通信制が有利な理由②学校の拘束時間が短い
通信制高校は、卒業するために必要な学校過ごす時間が全日制高校に比べて圧倒的に短くなっています。全日制高校の場合、授業や学校活動(部活や行事・生徒会活動)は年間で1,000時間くらいになりますが、通信制高校の場合はその1/5以下の170時間程度。スクーリングの減免があればさらに少なくなり、毎日の通学時間もありません。
全日制高校に比べて、高校に制限される時間が少なく、自由になる時間が圧倒的に多いことがお分かりいただけるかと思います。周りの生徒と合わせて行動する必要もなく、興味を持ったことに対して、徹底的に追求することが可能です。自分の好きなことを見つけてそれに夢中になれる環境が整っていると言えるでしょう。
通信制が有利な理由③興味のあることを追究できる
自由になる時間が多いゆえに、やりたいことに集中できる時間が多く確保できます。そもそも高校生の11人に一人が通信制高校生、約9%です。「普通の高校生」にはできないような特別な経験をしているともいえるでしょう。今の自分にしかできないことをやったり、考えられないことを表現したり、そういった活動が総合型選抜に挑むほかの受験生との差別化につながります。
通信制高校からの大学推薦入試の注意点
通信制高校から推薦入試での大学進学が有利であることをお話ししましたが、注意すべき点もあります。それは「入試対策」です。
推薦入試のノウハウと、一般的な大学受験対策はまったく違うものです。通信制高校から推薦入試での大学進学を視野に入れているならば、公募制推薦や総合型選抜に強い通信制高校を選んだり予備校併用したりするのが良いでしょう。
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