通信制高校の入試の場合、多くの学校で面接試験が行われています。何となく面接のイメージはできるけれど、実際はどんな雰囲気なのか、何を聞かれるのか、不安に感じることも多いでしょう。もしかすると「人生で初めての面接試験」かもしれませんね。
そこで今回は、面接試験での不安が軽くなるように、よく聞かれる質問や服装、マナー等の注意点をわかりやすくポイント解説していきます。
目次
通信制高校の入試では、面接が重視される
私立の通信制高校では、学科試験(学力検査)は行われず、作文や面接で合否判断をする場合が多くなっています。
入試に面接が含まれる通信制高校は、全体の70%にもなります。中には書類や作文もなく面接のみという高校もあります。それくらい面接は重要視されるということです。
書類審査・面接 29.8%
面接・作文 20.0%
学科試験(※) 18.2%
書類審査・面接・作文 15.6%
書類審査 7.6%
面接 7.6%
その他 1.2%
参考:学びリンク
面接で何をチェックされる?
通信制高校の入試では、志願者の人柄ややる気を確認しています。
・この高校に合っているか?
・継続して通うことができそうか?
・卒業まで頑張ることができそうか?
それに加えて、
・どんなサポートが必要か?
・どうしたらこの生徒は伸びるか?
・この高校に何を求めているか?
といったこれから高校生活を過ごしていく中で、高校側ができることを確認していく場でもあると言えるでしょう。
出願するまでに、パンフレットを読んだり学校説明会や相談会に参加したりして、生徒や保護者は学校の理解を深めているはずです。学校としても、書類や面接を通して、生徒を理解したいと考えています。
通信制高校の入試での面接は、生徒と学校の相性を「最終的に確認する場」であると言えます。
面接で聞かれること
面接では互いのことを最終チェックするということがわかりました。それでは、具体的にどんなことが質問されるのでしょうか?何故その質問をするのかという理由も合わせて解説していきます。
あいさつと自己紹介
➡ 基本的なマナーが身についているかを確認します。
「自己紹介をお願いします」
「お名前をどうぞ」
一番はじめに、必ず聞かれます。ここで、態度が悪かったり、声が聞こえないほど小さかったり、あるいは無視して答えないというようなことがあると、「入学の意思がない」とみなされてしまいます。
最初の一言は緊張すると思いますが、姿勢を良くして相手に聞こえるようにできるだけ大きな声でお話ししましょう。また、目を見ると緊張してしまう場合には、相手のアゴあたりを見るとよいでしょう。
受験番号については手元の受験票を読んでもかまいません。
志望動機
➡ あなたの入学の意思や学校生活への意欲を確認するための質問です。
「この学校を選んだ理由を教えてください」
言い回しは色々ありますが、志望動機は必ず聞かれます。たくさんある通信制高校の中で、どうしてこの高校を選んだのかということを、あらかじめ短くまとめておくとよいでしょう。「この高校にはほかにはない○○コースがあるから選びました」「学校説明会に参加して、○○が自分に合っていると思いました」など、具体的なことを話せるとよいでしょう。
入学後の抱負
➡ あなたの入学の意思や学校生活への意欲を確認するための質問です。
「高校で何か学びたいことはありますか?」
実際に入学した後のイメージをお互いに確認するための質問です。「自由な時間をうまく活用して〇〇に取り組み、充実した毎日を過ごしたいです。」「○○学を勉強したいので、高校では勉強を頑張って大学に進学を目指します。」「〇〇コースでの学びを通して、●●な人に成長したいと思っています」など、あなたのイメージしている高校生活やその先の将来についてお話してみてください。
中学校での生活について
➡ あなたのこれまでの頑張りを知るための質問です。
「中学校で力を入れてきたことを教えてください。」
中学時代のあなたの活動について質問されることがあります。勉強や部活動、委員会活動、学校行事、そのほかの課外活動、スポーツや芸術、芸能活動などについて答えることができます。
体調不良や学校に通っていた時期が少ない場合には、趣味や習い事でがんばったこと、独学で取り組んだことなど、学校以外を答えてもよいでしょう。「魚釣りが趣味で週末には海に行き、釣った魚は自分でさばけます。」「色々な世界を知ることができるので読書がとても好きです。感想をメモしたり、本の世界をイメージした絵を描いたりもしています。」など、学校以外のことでも、自分が好きなことや興味のあることであれば何でも構いません。
将来の夢や目標
➡ あなたの入学の意思や学校生活への意欲を確認するための質問です。
「卒業後の目標などはありますか?」
入学後の抱負から、さらに突っ込んで、卒業後の進路希望や将来の夢について、聞かれることもあります。あなたの答えた将来の夢や目標、それ自体が採点されるわけではありませんので、安心してください。「あなたの思いを知りたい」という気持ちからくる質問です。
もしも、まだ将来の夢や目標定まっていないのであれば、「これから見つけたいと思います」「こういう方向性で探していきたいと考えています」と答えてもかまいません。ただし、「夢はありません」「何も考えていません」と答えてしまうと印象はよくないので気をつけましょう。
長所・短所
➡ あなたの性格や自己分析できているか知るための質問です。
「あなたの長所(短所)を教えてください」
長所は答えやすいですが、短所はなかなか答えにくいかと思います。この質問は、あなたの性格を教えてほしいというだけでなく、客観的な自己分析ができているかを確認するためのものです。具体的な長所や短所が合否に影響するわけではないと考えて良いでしょう。
ただし、「私の短所は暴力をふるうことです」とか、明らかにマイナスな短所は避けましょう。短所を述べる時には、「短所を直したいと思っている」ということ、「短所を直すためにやっていること」をセットで伝えられると理想的です。
「私の短所は気が短いことです。でもじっくり考えることも大事だと思っているので、発言する前には一呼吸置くようにしています」「短所は忘れっぽいことです。最近は付箋を使って忘れないように工夫しています」などと答えます。
余暇の過ごし方
➡ あなたの学校生活をサポートの参考にするための質問です。
「あなたの趣味はありますか?どんなことですか?」
通信制高校は、全日制高校にように学校で長い時間を過ごすわけではありません。ほとんどが自宅学習です。そのため余暇の過ごし方を面接で質問する高校もあるようです。こちらも実際の行動や趣味の内容が合否に関係するわけではありません。入学後のサポートの参考のために聞いておきたいという意図です。
「体調が良い時には、家族と近所に散歩に行ったりしています。ゆっくりと歩くと面白い建造物を発見したり、季節の移り変わりも実感でき、そうした時間を楽しんでいます」「趣味は音楽を聴くことです。K-popが好きで少しだけですが韓国語もわかります。いつか韓国に旅行に行ってみたいと思っています」どんなことを話せばいいのか分からないかもしれませんが、趣味は特別なものでなくてもかまいません。
受け答えのコツ
面接対策は、自分の考えていることを整理して言葉にしておくが大切です。内容によって合否が判断されることはほとんどありません。嘘をついたり、話を盛って誇張したりせず、正直に話しましょう。
また、実際の面接の場では、相手から何度も聞き直されないように、普段より少し大きめの声で答えられると一生懸命さも伝わります。ご家族や先生に向かって答える練習などもしておくと安心です。
基本的に聞かれたことに対して素直に答えられれば大丈夫です。
面接の「内容」で不合格になることはほとんどありません!
態度が悪い・やる気がない様子は評価を下げてしまいます。一生けん命に伝えようとする姿勢が大切です。
面接で不合格になるケースとは
「落ちたらどうしよう」と心配をしている人も多いかと思いますが、通信制高校の面接の試験では、ほとんど不合格にはならないと考えてよいでしょう。
ただし、先ほど記載の通り、やる気がなく入学の意欲が感じられない場合には、不合格になることもあります。
そのほか、入学希望者が多く定員オーバーしてしまった場合には、不合格者が出てしまうケースもあります。
面接のマナー
姿勢
姿勢を崩して座る、足を組む、スマホをいじるなどは、避けましょう。
真剣に入学したいと思っていることを伝えるために、背筋を伸ばし、姿勢よく座ることが大切です。
言葉遣い
いわゆる「タメ口」は避けましょう。敬語が苦手という生徒さんもいますが、できるだけ丁寧に話そうとすれば相手に伝わります。
一人称は「私」もしくは「僕」を使いましょう。普段使い慣れていない場合には、事前に練習しておくといいでしょう。
基本のあいさつは3つです。「失礼します」「よろしくお願いします」「ありがとうございました」は、確実に言えるように練習しておくとよいでしょう。
※もちろん言えなかったら不合格というわけではありません!
入室時 | 「失礼します」 |
面接開始前 | 「よろしくお願いします」 |
面接終了後 | 「ありがとうございました」 |
退室時 | 「失礼します(失礼しました)」 |
服装
制服がある場合には、制服を着用しましょう。私服の場合には、落ち着いた、清潔感がある服装を心がけましょう。例えば、シャツ+カーディガン+パンツなどです。余り露出が多い服装は避け、アクセサリーは最低限にしましょう。メイクはしてもかまいませんが、華美にならないよう控え目にしましょう。
オンライン面接
基本は対面(オフライン)の面接と変わりません。1点注意点としてはインターネット環境についてです。お話の途中でネットワークが切れてしまうのは避けたいので、あらかじめインターネット環境は確認しておきましょう。
万が一切れてしまった時の対処法も確認しておくと、いざというときに落ち着いて対応できます。
質問や答え方、服装などは対面の面接と同じですが、自宅で面接が受けられるので、移動の負担も少なく、また精神的にもリラックスした状態で試験に臨むことができるというメリットがあります。
四谷学院高校はオンライン面接です
オンラン面接は自宅から面接試験に参加することができます。
ほかの生徒さんの目も気になりませんから、リラックスしてお話しできますね。
まとめ
通信制高校の面接は、落とすための試験ではありません。あなたのことを知るための試験ですので、恐れることはありません。高校側の意図がわかれば、面接試験での不安が軽くなるかと思います。よく聞かれる質問についてはしっかり答えを準備して、当日はリラックスして面接に参加しましょう。
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