学校を長期で休んでいる人の中には、「休学したい」と考えている人もいるのではないでしょうか。一方で、「休学したらデメリットがあるんじゃないか?」とか「復学が大変そう」「将来に悪影響があるのでは?」と、踏ん切りがつかない人もいるかもしれません。

今回は、高校を休学したらどんなデメリットがあるのか?高校休学する際に気を付けておきたいポイントを解説します。

高校の休学とは

まずは、高校の休学システムについて解説します。

「休学」とは学校を一時的に休むことのことを言います。風邪をひいたときに学校を休むときと違い、休学には手続きが必要です。
休学はあくまで「休み」であって、学校には在籍したままですが、卒業に必要な在籍期間には原則カウントされません。
なお、休学している間の成績はつきません。

退学との違いは

休学と退学(中途退学、中退)の違いは、高校に籍があるかどうかです。
休学の場合、籍はそのままなので、その高校の生徒で居続けることになります。そして、手続きをすれば学校に戻る(復学する)ことができます。
退学の場合、学校をやめるので籍はなくなり、その高校の生徒ではなくなります。

高校休学の手続き

休学をする場合には、「休学届」を提出、学校長の許可を得る必要があります。病気が理由である場合には、医師の診断書を添えて提出します。
担任の先生に口頭で「休みます」と伝えても休学にはなりません。

なお、休学の手続きについて、校則に詳しく書かれているので確認してみましょう。

高校休学の理由

休学が認められるのは以下のような場合です。

二 休学の理由
(一) 傷病等のため、三か月以上休養を要すると認められるとき。
(二) 外国等に旅行のため、三か月以上出席が困難と認められるとき。
(三) その他、法令等で特別の措置を講ずることが生じたため、三か月以上出席が困難と認められるとき。

まず、病気やケガで療養が必要な場合には、休学することができます(その場合には、医師の診断書が必要です)。
また、留学などで海外に行く際にも休学の制度を利用することができます。高校によっては、単位互換制度などを利用して休学扱いにならない場合もありますので、留学を考えている人は、一度学校に確認しておくとよいでしょう。
そのほか、休学した方が良いと判断されれば、休学することができます。

高校を休学できる期間

休学の期間は3か月以上2年以内と規定されています。
なお、休学期間は卒業や進級に必要な「在籍期間」としてカウントされませんので注意が必要です。

復学するには

休学の際には「復学をする意思がある」ということが前提になります。もしも復学する意思がない場合には、退学するように促される可能性もあります。

復学の際には、復学を希望する日の2週間前までに「復学届」を提出します。復学届は、正式には「復学の理由が認められることを証する書類」というもので、休学届の際と同じく、復学の理由を書く欄があります。「体調が回復したので」「留学の満期終了」など記載します。

休学の注意

休学にあたってはいくつか注意点があります。休学を決める前に確認しておきましょう。

高校休学中の学費

休学中でも学費は必要です。
ただし、休学期間中には授業料が免除もしくは減額される学校もあります。授業を欠席する場合には学費は通常通り支払いますので、もし免除規定があり、3か月以上休みが続くようならば、休学手続きをした方が経済的負担は軽くなります。

高校によって休学中の学費の扱いは大きく異なります。また、休学理由も関係する場合が多いため、高校に直接問い合わせて確認しておきましょう。

留年の可能性

休学期間は卒業や進級に必要な在籍期間としてカウントされないため、長期間休学する場合には留年してしまう可能性もあります。その場合、復学後は1年下の学年の生徒と同じクラスになります。留年することで居場所がなく感じてしまい、結局は高校中退してしまったという話も珍しくありません。
留年しなかったとしても、久しぶりにクラスの友達と顔を合わせることになり、「どうして休んでいたの?」など聞かれて、やや気まずく感じる場合もあるようです。

ただし、そうした心構えをしておけば、最初は居心地が悪くとも徐々にクラスに打ち解け、互いに気にならなくなるということも、もちろんあります。今は休学のことしか考えられないかもしれませんが、休学中には復学後についても想定して、心構えをしておくとよいでしょう。

就職で不利になる可能性

高校卒業後に就職する場合には、休学((もしくは留年)すると不利になるのでは?と心配されている方もいるでしょう。採用面接の際に休学の理由を質問される場合がありますが、休学を前向きに捉えて面接官に伝えることができれば、就職に不利になることはないと言えます。

高校休学のメリットとデメリット

休学のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

・休学時の授業料が減免されることがある(高校による)
・病気・けがの療養・治療に専念できる
・留学など、様々な経験に時間を使うことができる

デメリット

・休学中も学費が発生することがある(減免制度は高校による)
・留年する可能性が高い
・復学時にはややハードルがある
・就職活動の際に、休学理由を聞かれることがある

そのほかの選択肢

高校を休学した場合、復学するのが前提であるとお話をしました。休学ののち、復学してそのまま高校を卒業するというルートのほかに、どのような選択肢があるかをご紹介しておきます。

休学後、別の高校に転校する

休学には、メリットもたくさんあります。例えば、体調が悪ければしっかり療養できます。しかしデメリットにも上げたとおり、留年などの理由で元の高校に復学しにくいという場合もあります。その際には、別の高校に転校するということも可能です。新しい高校、新しい環境、新しい気持ちで高校生活を送ることもできます。
休学中は元の高校に籍はありますから、転校という形となり、中退にはなりません。

休学せず、別の高校に転校(転入)する

休学の理由が「その高校だから通えない」ということであれば、転校することで解決するかもしれません。元の高校で単位が取れていれば、同じ学年に転校することができます。また、全日制のほか通信制高校や定時制高校を選ぶこともできます。環境を変えることで気持ちも新たに頑張ることができます。

退学して、別の高校に再入学(編入)する

一旦高校を退学して、別の高校に転校することができます。休学を終えて復学したけれど、やはり毎日高校に通うのが難しく中退してしまったというケースもあります。
中退後に入り直すことを「編入」と呼びますが、全日制高校のほか通信制高校や定時制高校にも編入することも可能です。

退学して、高校卒業程度認定試験で資格を取得する

「“学校に通う”ということが難しいけれど、大学は行きたい!」という場合には、高校卒業程度認定資格(高認)というものがあります。試験は年に2回。合格すれば、文字通り高卒と同様に見なされるので、大学に進学することもできます。就職試験や公務員試験等の各種試験においても「高卒」と同様の扱いとなります。

▼高校卒業程度認定資格高認についてくわしく知りたい方はこちらもチェック!

通信制高校という選択肢

通信制高校には、以下のような特徴があります。

通信制高校の特徴

・毎日、通学しなくてもよい
・入学(転入・編入を含む)において、学力試験や内申点(出席日数やテストの点数など)が必要ない
・単位制で、主にレポートやスクーリング等で単位が認定される

通学はゼロではありませんが、年数日おこなわれるスクーリングに参加することで、卒業に必要な単位を修得することも可能です。
高校によってカリキュラムは多様で、あなたに合わせて学校やコースを選ぶこともできます。例えば、大学進学コースがあったり、オンラインで完結できるWebコースがあったり留学準備ができる学校も存在します。

昨今、通信制高校を選ぶ高校生が増えてきており、高校生のうち11人に1人は通信制高校に通っているという数字もでています。全日制高校で休学や中退を検討しているのであれば、一度、通信制高校も検討してみてはいかがでしょうか?

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