通信制高校についてネットで調べると、「通信制高校に行ったら人生終わり」という言葉を目にすることがあります。なぜそのように言われてしまうのでしょうか?理由は何なのでしょうか?また、本当に人生が終わってしまうのでしょうか?
この記事では通信制高校に行ったら本当に人生終わりなのかということについて解説していきます。
目次
「人生終わり」と言われる理由
「通信制高校に行ったら人生終わり」と言われる理由にはいくつかの思い込みがあるようです。
その中でも、3つの思い込みをピックアップしてみました。
思い込み(1)全日制高校に行くのが普通だから
現在、日本においては全日制高校つまり毎日通い、朝から夕方頃まで授業がある高校に通う生徒が最も多くなっています。
しかし、2023年度の文部科学省が発表した通信制高校に通う生徒の調査によれば11人に一人が通信制高校に通っており、中学校の1クラスに3人程度は通信制高校に通うという計算です。
全日制高校の生徒数が減っているというニュースがありましたが、決して少子化だけが原因で生徒数が減っているわけではありません。
昭和60年のデータと比較すると、全日制高校は60%に減っていますが、逆に通信制の生徒数はおよそ160%に増えているんです。
全日制高校に比べて、圧倒的に自由度の高い通信制高校は、やりたいことがある高校生にとっては非常に魅力的です。自由度の高さを生かし、専門性の高いカリキュラムや全日制にはないコースを設定している通信制高校も増えてきました。そのため、「通信制高校でしか実現できない高校生活を送りたい!」という生徒たちに積極的に選ばれています。
「自分らしさ」が尊重されるこの時代、「普通だから」という理由で全日制一択の選択肢ではなくなりつつあります。
自分らしく過ごすために通信制に進む生徒がさらに増えていくかもしれません。
思い込み(2)大学進学に不利だから
公開されている進学率を比べてみると、通信制高校からの進学率は全日制高校の約半分と、確かに通信制高校から進学する人は全日制高校に比べて少なくなっています。ここから「通信制高校の出身者は、大学進学や就職に不利である」という思い込みにつながっていると考えられます。
進学率 ※1 | 就職率 | |
全日制高校 | 79.9% | 14.7% |
通信制高校 | 48.6% | 15.0% |
※1 進学率は大学等進学者と専修学校(専門課程)進学者の合計です
参考:『高等学校通信教育の原稿について』文科省初等中等教育局より作成
しかし、近年では大学進学や資格取得、就職へのサポートが充実している通信制高校も増えており、全日制に比べて通信制高校は大学進学や就職に不利とは言い切れません。
実際に「大学進学」に絞ったデータも見てみましょう。
大学への進学率 | 専修学校への進学率 | |
全日制高校 | 60.75% | 16.21% |
通信制高校 | 24.08% | 22.75% |
全日制高校から専門学校への進学率は16%程度ですが、それに対して通信制高校からの専門学校進学率は23%程度となっています。つまり、通信制高校はそもそも「大学進学を希望していない人が多い」そのために大学進学率が低いという側面もありそうです。
参考:『学校基本調査』令和5年 文科省より作成
全日制より通信制高校からの大学進学は不利とは言い切れないようです。
多様なコース・カリキュラムを選べる通信制高校が増え、卒業後の選択肢はさらに増えています。
思い込み(3)高校生活を満喫できないから
通信制高校は、全日制高校と違って毎日学校に行く必要がありません。自分のペースで勉強を進めていくことが可能なカリキュラムになっています。
しかし、「高校生は毎日学校に通うものだ」という価値観を持っている人からは「学校に通うことこそが学生生活だ」とか「学校で友達と過ごす時間が楽しいものだ」という考えから、通信制高校に否定的な意見をもつことがあります。
しかし、学校に毎日通わなくても充実した日々を過ごすことはできます。学校以外の活動、例えばスポーツや芸能など自分にとって大切なことに集中でき、また気の合う仲間と過ごすことも可能でしょう。
■全日制と通信制の違い
全日制 | 通信制 | |
登校 | 毎日 | 週1~5回 もしくは 年数回のスクーリング ※学校によって異なる |
カリキュラム | 学年制 成績不振の場合には留年 | 単位制 卒業に必要単位&3年以上の在籍で高卒資格を取得 |
授業形態 | 集団授業 | 自宅学習 オンライン学習 対面指導(集団・少人数・個別など) ※学校によって異なる |
特別活動 | HR 部活動 学校行事 など | HR 部活動 学校行事 など |
今、つらいなら…
通信制高校に行く理由は、みんなそれぞれです。
人間関係がうまくいかなかったり、勉強についていけなかったり、起立性調節障害などの体調不良や家庭の事情など、本当に様々なんです。
今、無理をしていたら、それこそ人生が終わってしまいます。
人生を終わりにしないために、通信制高校という新しい環境で過ごす方がずっと大切なはずです。
通信制高校で充実した日々を過ごすために、意識していくことにはこんなことがあります。
・目標や目的を持つ
・やるべきことをやる
難しいことをする必要はありません。今、自分ができることからスタートするだけです。第一歩を踏み出してみましょう。
通信制高校は、全日制の高校と違って「自分でやる」ということがとても多い環境です。一般的な高校生よりも自律が求められると言ってもよいでしょう。
もちろん、それをサポートしてくれるのが通信制高校です。「やってみたいな」と思ったことをサポートしてくれる人たちがいますから、安心してチャレンジしていきましょう。
四谷学院高校はあなたのチャレンジを応援します
四谷学院高校が大事にしているのは「体験」です。
実際にやって見なければ分からないことは、世の中にたくさんあります。たくさん経験をすることで、様々な価値観に触れ、人生の選択肢が増えていきます。
まずは、お気軽に学校説明会オンライン)に参加してみてくださいね。
積極的な選択肢としての通信制高校
ある調査では、「子どもの進学先として通信制高校を勧めるか?」という質問に対して、積極的に考えている人が7%、1つの選択肢として考えたいと答えた人が19.9%いました。全体の27%ほどが通信制高校を進学先の1つとして検討しているということです。通信制高校を選ぶことは、特別なほんのひと握りの人の選択肢ではなくなっているということが、この調査からもうかがえます。
通信制高校出身の有名人
通信制高校出身で各界で活躍されている皆さんを、ほんの一部ですが、ご紹介します(敬称略)。
通信制高校を選ぶことで自分の能力を伸ばし充溢した高校生活を送ったことが、活躍につながったのではないでしょうか?
クラーク記念国際高等学校
・市原隼人/俳優
・竹内智香/スノーボードアルペン選手
・安西慎太郎/俳優
・大坪由佳/声優
・門谷優/写真家
NHK学園高等学校
・田村芽実/女優・歌手
・月本千景/マンガ家
・近藤龍一/科学作家
ルネサンス高等学校
・半田陸/プロサッカー選手
・池田美優/ファッションモデル(N高へ転校)
N高等学校
・原口沙輔(SASUKE)/音楽クリエーター
・相原翼/eスポーツ選手
・岩見天獅/プロサーファー
・上野愛咲美/プロ棋士
・紀平梨花/フィギュアスケート選手
まとめ・通信制高校に行ったら人生終わり?!
通信制高校のことをよく知ってみると、実は心配したようなことは一つもない!!ということがお分かりいただけるかと思います。
通信制高校と言うと、何らかのネガティブなイメージがありました。しかし、それはもはや前時代の話となりました。現在では、通信制高校では専門的な学びのコースやカリキュラムを設置する等、いち早く高校生のニーズに応えています。また仕事やスポーツ、芸能、芸術活動と両立させるために、制約の少ない通信制高校をあえて選ぶという人がさらに多くなっています。
ただ「高卒資格ほしい」という理由だけでなく、より積極的な理由で通信制高校が選ばれていると言えるでしょう。
四谷学院高校「学校説明会」はオンラインで!
今回は、「通信制高校って何?」「興味はあるけどよくわからない」という方のためのオンライン・ガイダンスです。四谷学院高校のことをご紹介するとともに、初めて通信制高校について知る方のための入門的な内容となっています。
参加費は無料。通信制高校を検討されている生徒ご本人、保護者の方が対象です。 学校説明会 特設ページ
通信制高校を検討されている中高生とその保護者の方にお役に立てるよう、通信制高校や大学受験に関する情報を発信していきます。
だれでも才能を持っています。でもその才能は優れた学習システムと優秀かつ熱心な先生との出会いなしに開花することはできません。「英語が苦手」「数学が苦手」という人は、教え上手な先生に出会ってこなかっただけ。正しいやり方で学びの楽しさを味わうことができれば、「英語が好き」「数学が好き」に変身します。
「だれでも才能を持っている」という理念のもと、あなたに「やればできる」「学ぶことは楽しい」という体験をさせる、これが私たちの使命です。