近年、通信制高校の注目度が上がり、生徒数も右肩上がります。生徒数が増えただけでなく学校も増えており、それぞれの特徴を生かした学校独自のカリキュラムが魅力となっています。全日制や通信制、普通科や特別コースなど、たくさんの選択肢がある今、「どの通信制高校を選んだらいいかわからない!」と迷っている方も少なくないでしょう。

そこで今回は、様々な特徴を持つ通信制高校の選び方について5つのポイントから解説していきます。ぜひ高校選びの参考にしてみてくださいね。

迷う理由は不安から?

通信制高校選びで迷う理由は人それぞれですが、中でも「続けられるかな?」という不安を持っている人は多いのではないでしょうか。
「通信制高校でがんばれるかな?」という不安が生じてしまう理由は様々です。

・中学校や前の高校で不登校だったから
・体調が不安定だから
・仕事やアルバイトと両立したいから
・勉強があまり好きじゃないから
・大学に行きたいけど難しそうだから
・高校よりやりたいことに時間を使いたい気持ちだから

それぞれの不安を軽くして、「ここなら卒業までがんばれそう!」と思える通信制高校を選びたいですよね。

あなたにぴったりな通信制高校の選び方には5つのポイントがあります!

今だけでなく、高校卒業後の進路や将来のことも考えながら、高校選びをしていきましょう。

選ぶポイント①入学条件

通信制高校には入学条件があります。簡単に言えば、中学校を卒業した人、卒業見込みの人、これと同等の学力があると認められた人です。

○学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)
第五十七条 高等学校に入学することのできる者は、中学校若しくはこれに準ずる学校若しくは義務教育学校を卒業した者若しくは中等教育学校の前期課程を修了した者又は文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者とする。

通信制高校の場合は、入試は書類審査と面接というところはほとんどで、作文や学力検査(筆記試験で英国数など)が課される場合は少数派です。また、内申点や学力を理由にして不合格になるケースはほとんどないと言ってよいでしょう。中学校を卒業する予定やすでに卒業しているのであれば、あとは「ここで勉強してみたい」という気持ちがあれば大丈夫です。

転入・編入もできるの?

すでに高校を卒業している人は、通信制高校に入学することはできませんが、今ほかの高校に在籍している人や過去に在籍していたけれど中退した人は、通信制高校に入学(転入学・編入学)することができます。

新入学中学を卒業した人、卒業見込みの人などで、現在高校に在籍していない人。(高校卒業者を除く)
転入学ほかの高校に在籍中の人(休学を含む)
編入学高校を中退した人

転入・編入の時期は、高校によって異なります。私立の通信制高校の場合であれば、随時入学が可能な高校も多くありますが、転入学は4月10月等時期が決まっている高校もありますので、受け入れ時期についての確認しておくとよいでしょう。

学校がスタートする時期は?

新入学は4月スタートです。11月頃から募集が始まり、入学のおよそ1か月前までには入試がありますので、それまでに学校説明会や相談会に参加して、準備をしておきます。
学校説明会は早いところでは6月頃から実施していますで、気になる高校があれば積極的に参加してみましょう。

通信制高校の学校説明会とは?聞くべきこと・見るべきこと・服装は?

選ぶポイント②登校頻度

通信制高校は自宅での学習がメインなので、「学校にはまったく通わなくてよい」を思っている方もいるかもしれません。通信制高校でも通学が必要です。直接先生と対面で指導を受ける「スクーリング」があります。スクーリングの頻度は学校ごとに様々です。

【登校型】
週1~5日、回数を決めて学校に通う
メリット
・友達が作りやすい
・勉強習慣・生活リズムが作りやすい
・先生に直接質問しやすい
 
デメリット
・通学日数が多い
・通学可能圏内の高校からしか選べない
【集中型】
ゴールデンウィークや夏休みなどに数日間学校等に通い、集中して授業を行う
メリット
・スクーリングの頻度が少ない
・都合に合わせてスクーリングに参加できる
 
デメリット
1日の拘束時間が長い
・交通費、宿泊費が必要な場合もある
【合宿型】
ゴールデンウィークや夏休みなどに数日間、施設等に宿泊し、集中して授業を行う
メリット
・スクーリングの頻度が最も少ない
・家から遠い高校も選べる
・勉強以外の体験も可能
・ほかの生徒との交流も可能
デメリット
・交通費、宿泊費が必要

毎日学校に通って生活リズムを整えるのもよいでしょうし、通学頻度はできるだけ減らしたいということなら、短期集中でスクーリングを受けるのもよいでしょう。全日制高校よりもずっと通学が自由です。通学スタイルを確認して、続けられそうかどうかをチェックしてみてくださいね。

選ぶポイント③サポート体制や実績

通信制高校選びには、サポート体制や実績もポイントになります。
通信制高校は自学自習が基本です。最短で3年間で卒業することができますが、やはり完全な独学では難しいというのが現状です。

私立の通信制高校では特に、インターネットを活用した学習や動画教材など、学習しやすい環境を整えることも大切にしています。タブレットやスマートフォンで気軽に取り組めることも、勉強へのハードルを下げてくれるでしょう。これまで勉強経験が少ないということであれば、こうした学習サポートが充実している高校を選んでおくと安心です。

サポート校の活用

通信制高校の学習支援を行い、高卒資格に取得をサポートするために誕生したのが、「サポート校」という制度です。通信制高校と連携する民間の教育施設です。サポート校は交通の便が良い立地にあることが多く、通いやすさも配慮されています。通信制高校には年数回のスクーリングだけ参加し、サポート校に毎日通うという使い方も可能です。

サポート校は通信制高校以上にカリキュラムが豊富なので、通信制高校と提携しているサポート校はどんなものがあるのかという点も、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

通信制高校とサポート校の違いとは?サポート校についてわかりやすく解説します

選ぶポイント④学習カリキュラム

通信制高校には、普通科のほか専門学科、総合学科などがあります。様々なコースやカリキュラムが準備されています。

カリキュラムの例

・大学進学
・英語(海外留学・海外大学へ進学)
・e-スポーツ
・プログラミング
・動画編集・動画クリエーター
・K-POP
・ダンス
・福祉・介護・保育の資格取得
・メイク・ネイル
・美容師
・調理
・製菓
・美術・デザイン
・公務員
・起業   など

高卒資格の取得を目指すだけでなく、自分のやりたいことを同時に学ぶことができます。専門学校や大学など将来の夢を見すえて、高校生活を過ごすことができます。

通信制高校から大学進学を目指すなら

通信制校では大学や短大、専門学校への進学を目標とした「進学コース」を設置している場合もあります。しかし、難関大学を含めた大学進学を視野に入れた場合には、学校の勉強だけでは受験対策が十分ではない、というのが現状です。全日制高校に通っている生徒であっても大学受験のために塾や予備校に通っていますから、通信制校から独学で大学合格を目指すのはかなり厳しいと言えるでしょう。

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