日本大学 危機管理学部 危機管理学科 福田 充 先生 | 大学受験予備校・四谷学院の学部学科がわかる本        

Interview

人生を賭けるに値する
新たな学問領域「危機管理学」への挑戦

日本大学 危機管理学部 危機管理学科 教授
福田 充 先生


世界初、世界で唯一の研究が、人と社会を守る

僕の研究分野は、新しい学問領域の「危機管理学」です。世界には多様な危機が存在します。地震や台風などの自然災害、原発事故や航空機事故などの大規模事故、犯罪やテロリズム、戦争紛争やミサイル攻撃など安全保障問題、サイバー攻撃や情報流出などの情報セキュリティ事案、新型コロナなど感染症パンデミック……こうした危機から、社会や人々の生命、生活をどう守るかを研究するのが「危機管理学」です。社会に存在するあらゆる危機に対応するための危機管理の在り方を「オールハザード・アプローチ」と呼び、この研究ができるのは、世界でも日本でも、日本大学危機管理学部が初めてで唯一です。それ以外にも、組織のガバナンスやコンプライアンスを確立するための危機管理、またはSDGsやLGBTQなどの人々の価値や人道主義、ダイバーシティのような理念を確立して、人々の自由・人権を守るための危機管理など、新しい危機管理の領域にも挑戦しています。

かつて危機管理研究の遅れが招いた甚大な被害

僕が東京で大学院生として研究していた1995年、阪神淡路大震災が発生し、生まれ故郷の兵庫県西宮市が被災しました。その西宮市や神戸市など被災地の調査をしたとき、日本は災害対策研究、防災研究が遅れていることを実感し、これは天災ではなく人災であると感じました。その被災地調査から東京に戻ってすぐ、今度はオウム真理教による地下鉄サリン事件が発生しました。現地調査をする中で、当時の日本にはテロ対策という制度や、テロ対策研究が存在しなかったことに気づきました。このように、危機管理の研究と教育が存在しない、あるいは遅れているから、災害や大規模事故、テロなどの危機が発生したときに人々の命が失われるのだと、怒りや矛盾を感じました。それから「危機管理学」という学問領域を自分で創り上げようと決意して以来、21年間研究を続け、2016年に日本大学危機管理学部を開設しました。

自分が研究し、社会に提言しなければ人々の命は救えない

社会において極めて重要な問題を解決するための研究なのに自分しかやっていない、ということに責任感とやりがいを感じています。例えば、テロリズム、テロ対策の研究をしている研究者は、日本には3人ほどしかいません。僕はその中の一人です。また、北朝鮮が発射する弾道ミサイルに対するJアラートの情報伝達と市民の避難行動も重要なテーマですが、この研究をしているのは日本で僕一人しかいません。なので、自分自身が毎日研究して、教育して、社会に提言しなければ、日本社会では何も進まない、人々の命は救えない、という希少価値、オリジナリティがこの研究分野にはあります。だから、安倍元首相が暗殺されたときも、岸田首相が襲撃されたときも、僕が取材を受けて毎日メディアに出演することになりました。北朝鮮のミサイルが発射されてJアラートが発表されたときも、メディアの取材は僕に集中します。これは、僕自身というよりは、この研究をしている人、このテーマを学んでいる人が社会に求められているという証拠です。だからこそ、この研究を頑張ろうというモチベーションが高まります。

福田先生からのメッセージ

ロシア・ウクライナ戦争や、パレスチナ紛争のような戦争をなくして世界をどうやって平和にできるか、自然災害が発生したときに住民の命をどのように守るか、原発事故のような人為災害をなくして社会をどのように安全にしていくか、それを学び、社会に役立てるのが「危機管理学」であり、それは文系でも理系でもどちらのアプローチからでも実践できます。これらは答えのない難しい課題であり、常に新しい現象、事件と向き合わねばなりませんが、だからこそ人生を賭けるに値する、面白い挑戦です。歴史がない新しい研究分野だからこそ、皆さんのような若者たちの柔軟な思考が求められています。僕たちと一緒に、新しい「危機管理学」を共に創りましょう。

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