武蔵大学 国際教養学部 国際教養学科 東郷 賢 先生 | 大学受験予備校・四谷学院の学部学科がわかる本        

Interview

経済停滞の原因を探り、一国の成長を導く

武蔵大学 国際教養学部 国際教養学科 教授
東郷 賢 先生


40年近く探り続けた経済成長の鍵

私は国家が経済的に発展する様々なプロセスを分析する「開発経済学」という分野の中の「経済成長」というテーマを研究しています。一国の経済が成長するためには何が必要なのか? ということを40年近く考えています。その過程で、統計的な実証分析の結果や、各国の歴史、政治、産業構造なども併せて勉強してきました。この分野に興味をもったきっかけは、大学1年生の頃(今から40年以上前!)です。「これからは英語くらい話せないとダメだな」と思い、夏休みに2か月間、アメリカのシアトルにある英語学校に留学したときのことでした。

メキシコで目の当たりにした途上国の現実

当時ルームメイトだったメキシコ人の学生と親しくなり、毎晩のようにメキシコ人たちとパーティをしていたわけですが、その中の1人が、日本へ帰る前に「俺んちに来ない?」と言ってくれたので遊びに行ったのです。彼の家で寝ていると、朝、ベッドの周りをモップで掃いている少女がいました。初めは友達の妹かと思ったのですが、友達は白い肌で金髪、その少女は自分に近い肌色で黒髪だったので、よくわからず、友達の母親に「彼女は誰?」と聞きました。すると、「お手伝いさんよ。あの山から来ているの。」と指さされた山にはバラック(掘っ立て小屋)が沢山建っていました。少女は7歳くらいでしたが、学校には行かず、お手伝いさんとしてその家で働いているのでした。その後、友達と街に遊びに出かけても、ストリートで物を売っている子供をたくさん見ました。このことは結構ショックで、私は「途上国」の現実をいきなり目にしたわけです。

途上国を理解すべく始めた経済学の勉強

私は青春偏差値日本一と言われる神奈川県立鎌倉高校に通っていたので、「途上国」のことをその時点では何も知らず、無知な自分をとても恥じました。そして、できれば途上国の人たちを助けることができるような人間になりたいと思ったのです。
帰国して、高校のときの友達に、そのことを話したら、「おまえ、途上国のことを知りたかったら経済学を勉強しなきゃわからないよ。」と言われて勉強を始め、今に至っています。「経済学」は、とても人の役に立つ学問です。目の前にある現実の問題の「原因」が何か? 自分の頭で考えることができます。経済が停滞している原因がわかれば、その原因を取り除いてあげれば、経済は回復するわけです。日本はアジアの中でかつては一番豊かでしたが、四半世紀近く経済が停滞したため、既にシンガポール、台湾、韓国に抜かれてしまいました。私は私なりに、この原因がわかっています。皆さんも「経済学」を勉強すれば、自分の頭で考えることができますよ。

東郷先生からのメッセージ

日本の高校生は「受験勉強」に追われ、現実の政治・経済のことや科学技術のことに関して無知な人が多いのではないでしょうか? 自分の反省も込めて言いますが、受験勉強の息抜きにNHKのドキュメンタリーを見たり、通学途中で本屋に行ってブラブラしたりしてみるのもいいと思います。また、せっかく大学に入ったら、是非勉強に熱中してください。日本の大学生の多くは遊んでいますが、日本以外の大学生は自分の将来のために真剣に勉強しています。将来、皆さんの上司や部下は外国の人、ということも珍しくなくなるでしょう。大学のときに遊んでばかりいると、「えっ、そんなことも知らないの」と言われ、恥ずかしい思いをするかもしれません。

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