社会で活躍する先輩への
インタビュー

パナソニック株式会社

さん

2015 年に東京工業大学工学部を卒業、2017 年に東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻を修了後、パ ナソニック株式会社に入社しオートモーティブ社に配属。開発本部で自動車メーカー向け車載インフォテイメントシステムのソフトウェア開発を担当。2020 年からコネクティッドカーの技術戦略立案や自動車をサイバー攻撃から守るセキュリティ技術の事業化を担当している。

100年に一度の大変革期の中で
技術の力で社会に貢献する

――現在はどんなお仕事をされていますか?私が所属するオートモーティブ社は、100年に一度の大変革期と言われている自動車産業と向き合い、デジタルAV機器の技術を活かしてカーナビゲーションなどの車載インフォテイメントシステムの開発を行っています。その中で私は、コネクティッドカー(インターネットへの常時接続機能を具備した自動車)の普及に向けた技術戦略の立案や、車をサイバー攻撃から守るセキュリティ技術の事業化を担当しています。世界の自動車メーカー様との連携は勿論のこと、Googleなどの異業種企業とも連携しながらシステム開発や自社の戦略策定を行っています。

―― 電動化・自動化・コネクティッド化など、大きな変革期を迎えている自動車産業で、守屋さんは重要な役割を果たされているのですね。仕事のやりがいはどんなところですか?やはり、このようなダイナミックな変化の中で仕事をできることが、この仕事の大きな魅力の一つです。また、どれだけ優れた技術を保有していてもそれが世の中に届かなければ、その技術の価値は限定的なものになってしまいます。その意味で当社が保有する優れたセキュリティ技術は、悪意あるハッカーによって自動車が遠隔操作されるといったサイバー攻撃の脅威が増す現代で、大きな価値を持つものだと思います。私はこういったサイバー攻撃から自動車を守るサービス事業の検討に当初から携わっており、事業化に向けて米国のセキュリティ企業との協業も進めています。この例のように、技術を活かして自動車の安全性を高めることで社会や人々に貢献できることが今の仕事のやりがいに繋がっています。

ユーザーのことを考え商品を
デザインする技術者になりたいと思った

――守屋さんのお仕事の原点は何ですか?私は父親が電気機器メーカーに勤めていたこともあり、小さい頃からそのブランドの家電が家にたくさんありました。そのような環境に影響を受け、電気機器や自動車など、日本の基幹産業と呼べる分野で技術者として商品開発に携わりたいと思うようになりました。そして、大学では機械系のコースに進みました。

――大学や大学院では何を研究されましたか?学部のときは機械系の4力の一つである流体力学の研究室に所属していました。それはそれで非常に面白い分野だったのですが、研究の途中で偶然、サイクロン式掃除機で有名な英ダイソン社に、デザイナーとエンジニアを同じ人が担うデザインエンジニアという職種があることを知りまして。技術者としても一般のユーザーや、企業向けサービスであれば企業内ユーザーのことを中心に商品をデザイン(設計)するという考え方が必要なのではと考えるようになりました。そこで大学院では、人間の感性を科学的手法によって活用する感性工学やデザインエンジニアリングをテーマとした研究室に所属していました。テーマとしては、仮想現実(Virtual Reality, VR)や拡張現実(AugmentedRea lity, A R)技術を用いて商品設計の段階でユーザーのニーズをいかに反映しやすくするか、というものでした。この研究室がフランス出身の指導教官に率いられていたこともあって、助手や学生が世界中の国から集まっていました。私のテーマもインド、フランス、コロンビア出身の学生とプロジェクト形式で全て英語で進めたこともあって、大変でしたが今の仕事に通用する経験が積めたと思います。

目標に向かって取り組む経験は
その後の人生でも大きな財産になる

――守屋さんにとって、大学受験の意味は何だったと思いますか?ほとんどの方にとって大学受験は初めて自分の将来に対する意志を大事にしながら、目標を決めて長期間で計画を立てて取り組むプロジェクトのようなものだと言えるのではないでしょうか。仕事や大学院での研究でもそうだと思いますが、その道中ではなかなか簡単に結果が出ない、前に進んでいるのかわからないと感じることも多いと思います。実際に私の受験勉強中もそうでした。だからこそ、将来の自分が後悔しないように自身に対して誠実に取り組むことの大切さや、集中して勉強できる環境を作ってくれた両親に対して感謝の念を持てたのは非常に意味あるものでした。

―― 大学受験の経験で、今も役に立っていることはありますか?月並みですが、初めは高すぎるように思える目標でも楽しみながらコツコツ取り組むことができれば、次第に力がついてきていずれは到達できる、と思えるようになったことでしょうか。私は大学受験時代にそのような経験ができたことが幸運だったと感謝しています。私は大学・大学院時代は機械系の講義が多い学科・専攻にいましたが、卒業後はソフトウェア技術者として働いています。大学受験で学んだ経験を活かして、ソフトウェアの知識やこの業界のことを楽しみながら学ぶ姿勢に応用できたことで、今の業務に従事できる力がついたと思います。

メッセージ Message

大学や大学院というアカデミックの世界は、自分の意志を確固たるものにしたり、それを表現する土台を形成したりするのに最適な環境だと思います。皆さんも将来の自分をイメージしながら、自分の意思を大切に、自分に誠実に思い切り頑張ってみてください。応援しています。

生け花をしていると心が落ち着くのは勿論、仕事に活かせる“気づき”をもらえます

趣味は社会人になってから始めた生け花です。始めた理由は、大学院の研究をきっかけに何か自分の審美眼を磨く趣味を持ちたいと思っていたことと、師事している先生が生け花の叡智を経営やリーダーシップに活かすことを目指していると知ったことです。定期的に先生の教室に通ったり、自宅で生けたりしています。やっているときは心が落ち着くのは勿論、生け花のマインドセットは「個性ある花1本1本を生かす」ということが特徴的なため、仕事でもプロジェクトメンバー一人ひとりの力をいかに最大化できるかということを自然に考えられるようになりました。

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