社会で活躍する先輩への
インタビュー
東京大学文学部
さん
高校時代はクイズ研究会に所属し、「高校生クイズ学力王2017」「東大王 天才東大生VS天才高校生軍団★高校生クイ ズ優勝の高校は東大生に勝つか?」などのテレビ番組に出演。2019年4月に東京大学に現役で入学。2020年に日本テレビの「最強の頭脳日本一決定戦!頭脳王2020」に出演。大学では西洋史を専攻し、ヴァイキングの研究を行いながら、四谷学院の個別指導講師として生徒の学力アップをサポートしている。
東大で出会った人たちのおかげで
世界観を広げることができた
―― 大学では主に何を勉強されていますか? また、大学生活についても教えてください。入学当初は心理学に興味があったのですが、教養学部(1・2年時)で幅広い内容を学ぶ中で、自分が最も興味を持ったのが中世北欧史でした。とりわけヴァイキングの研究をしたいと思い、西洋史学科に進みました。今はコロナ禍で授業もサークルもオンラインですが、東大で多くの同級生や先生方に出会い、自分の世界観を広げることができたと思います。また、大学は高校までと比べて活動の自由度が格段に高くなるので、学業・私生活共に刺激のある生活を過ごしています。また、アルバイトで四谷学院の個別指導講師をして3年になりますが、生徒の皆さんの成績向上や成長を共に喜べることにやりがいを感じます。
――サークルはクイズ研究会で、なんとクイズ番組の「頭脳王」にもご出演経験があるとか。はい。東大のクイズ研の先輩から「頭脳王のオーディションがあるよ」と聞いて参加したら、なんとオーディションに通って出演させていただけることになりました。もともとクイズ番組が好きで高校のときからクイズ研に入っていたので、自分が出演する側になれたことは感慨深かったですね。本番前はもちろん緊張したのですが、実は大学受験のときの方が緊張したかもしれません(笑)。
暗記のコツは
好きこそものの上手なれ
――テレビに出演されるほどの知識量、凄いですね!ぜひクイズの面白さを教えてください。小さい頃から何かを覚えることが好きだったんですよね。5歳頃から国旗と国を覚えたりしていました。知っていることが多いと褒められるじゃないですか、それが嬉しくてまたいろいろ覚えようっていうところから始まっているんだと思います。クイズはその覚えた知識で勝負しますが、それが自分にとっては面白さを感じるところでした。クイズは暗記効率がとても大事です。完全に覚え込むまでは反復するしかないですが、そこに時間を割くわけなので、一つの事をどこまで広げて覚えるのか、どこまで深く掘り下げて覚えるのか、その見切りをつけることがとても重要です。
―― なるほど、クイズで得た暗記のコツは受験勉強にも通じそうですね。そう感じています。僕は受験勉強をするにあたり、深 く追いすぎないように気をつけました。例えば難しい数学の問題でよく見かける別解までは基本的に手を伸ばしません。それよりも基本的なところを完全に押さえることを重視します。クイズでも重箱の隅をつつくような出題は限られるので、必要な知識がどこまでで、それをどれだけ完璧に自分のものにするかを意識するというポイントは共通しているのではないでしょうか。
受験は将来の目標達成の手段であり
自分を成長させてくれる機会でもあった
――もう少し受験生のときのことを教えてください。塚本さんはどのような受験生活を送っていらっしゃいましたか? 気をつけていたことがあれば教えてください。決してずっと順調だったわけではなく、毎日ただただ必死に目標に向かって努力し続けた日々だったと思います。平日も休日も、最後まで自習室に残って勉強していました。夜遅くまでやれば良いというものではないですが、「自分が一番粘っている」という自己満足が受験を乗り切るモチベーションになりました。夏休み以降は1日13時間前後の勉強量を維持していました。最初は集中し続けるのが難しいですが、初めは30分、慣れてきたら1時間、2時間、とだんだん集中できる時間が延びていきました。また、単語や用語の暗記において1日に決めた量を進めることと前日覚えたところの復習をすることは、どんなにやる気が起きなくても、勉強に時間が割けない日でも、必ずやり切るようにしました。そして、大事にしていたのは目的意識を持って勉強することです。英文の読み方を少し変えてみたり、数学の問題へのアプローチを工夫してみたりして、その勉強時間で確実に得るものができるようにすることを意識しました。
―― ちなみに大学受験での経験で、今も役に立っていることはありますか?長期的な目標に向けて逆算する計画性や自分を客観的に分析する力は様々な場面で自分を助けてくれているように感じます。また、一つのことに対する集中力も大きく向上したと思います。
―― ずばり、塚本さんにとって大学受験の意味は何だったと思いますか?受験は大学進学、そしてそこから繋がっていく将来の目標達成のための手段であると同時に、自分を大きく成長させてくれる機会であったと思います。それは学力面に限った話ではなく、精神的な強さや論理的な思考力、的確な分析力など自分の内面についても、大学受験を経て一皮剥けることができたと思います。せっかくなので高校生の皆さんにお伝えしたいのですが、「必死に勉強する」というのは「闇雲に勉強する」ことではありません。ただ時間をかけたり量をこなしたりするのではなく、自分の足りない部分などをよく考えた上で、必要な量・質・方向性を確保して初めて勉強の成果が出ると思います。あと暗記のコツについてもお話しましたが、一番はまず好きになることだと思います。無理に難しい内容をやるのではなく、最初は簡単な内容から始めて楽しさを知っていくのが大切です。
クイズに繋がる話題は常にチェック!仲間とオンラインで早押し対決もしています。
やっぱりクイズが好きなんですよね。実は東大クイズ研に入るために東大を受けたみたいなところもあるくらい(笑)。やるからには一番レベルが高いところでやりたいなと。今はオンラインで早押し対決もできるんです。時事問題は押さえておきたいので、日頃からニュースで出てくる面白い単語はチェックするようにしています。時には自分で問題を作成して仲間と情報共有することも。ちなみに僕は全ジャンル満遍なく覚えるバランス型ですが、強いていうならスポーツ・エンタメ系が得意です。