こんにちは、四谷学院の岩佐です。
今日は国公立理系のトップ校、「東工大」についてお伝えしていきます。
あなたは「東工大」の正式名称を知っていましたか?
『東京工業大学』が正式な名前です。
「東工大」以外にも「東農大」や「農工大」などの似たような略称があるので、間違えないように正式名称をしっかり覚えておきましょう。
「農工大」=東京農工大学(国立)
ちなみに日本工業大学(私立)という大学もあります。
ではそんな東工大について・・・そもそもどこにあるのか、という基本の部分から、どのように入試が行われているのか、入学後はどのように勉強していくのかという入試に関する情報まで、お伝えしていきます。
目次
東工大のキャンパス
まずは東京工業大学がどこにあるのか、確認しましょう。
東工大には、大きく分けて2つのキャンパスがあります。
・すずかけ台キャンパス(神奈川県横浜市緑区)
学部1年生は全員大岡山キャンパスで学び、学部2年生からキャンパスが分かれます。
生命理工学院に所属する学生はすずかけ台キャンパスに、それ以外の学院の学生は大岡山キャンパスに通うことになります。
大岡山キャンパス
「半分に割った円柱が張り出しているような外観の東工大博物館」
「大きな三角柱の形をした理工系大学トップクラスの所蔵量と広さを持つ図書館」
「ウッドデッキになっていて、近くの人もお散歩に訪れる桜並木や銀杏並木」
大岡山キャンパスには、魅力的なスポットがたくさんあります。
すずかけ台キャンパス
すずかけ台キャンパスはたくさんの緑に囲まれており、歩いているだけで気持ちの良くなるキャンパスになっています。
東工大を目指すとなれば、ぜひ一度は足を運んでみましょう。
東工大は「学院別」入試
東京工業大学は他の一般的な大学と違い、「学部」「学科」といった名前を使っていません。
学部と大学院を統一した「学院」ごとに大学入試が実施されます。
「学院」は以下の6つに分かれています。
「工学院」
「物質理工学院」
「情報理工学院」
「生命理工学院」
「環境・社会理工学院」
一般入試では、この6つの学院から3つの学院を希望順に選び、出願します。
そして成績の高い人から順番に、希望に従って所属学院が決定されていきます。
入学後は、まずは所属する「学院」で学習をスタートします。そののち2年生では「系」を、大学院では「コース」を選択し、専門性を深めていきます。
他の大学でいう「学部」が「学院」で、「学科」が「系」と考えましょう。
例:東工大の理学院の場合
たとえば、理学院に所属する場合をみてきます。
2年生では以下の4つの系の中から選択することができます。
「物理学系」
「化学系」
「地球惑星科学系」
出願先を考えるときには、まず自分が学びたい「系」を考える。そして、その「系」が含まれる「学院」を選ぶということです。
入学後、学部1年生では、理工系の教養科目(数学、物理学、化学、生命科学など)、文系の教養科目や英語、そして、学院ごとの専門分野の科目を学んでいきます。
2年生以降の「系」には、これまでの「学科」よりも多くの教員がかかわっているため、幅広い専門分野の学修ができるようになっています。
広い分野をまんべんなく学ぶ中で、自分自身の専門性を築くことができる、というのが東工大での学びの特徴です。
また、学校の先生になるための教職科目も選択することができ、中学の数学・理科、高校の数学・理科・工業の教員免許を取得できます。
【参考】2018年4月入学以前は「学院」ごとではなく、「類」というカテゴリーごとに入試を実施していました。
東工大の入試は特別入試と一般入試
では最後に、東工大の入試について。
入試は大きく分けて「特別入試」と「一般入試」に分かれています。
東工大の推薦AO入試はセンター試験の受験が必要
「特別入試」には、理学院で行われる推薦入試と、その他の学院で行われるAO入試があります。
どちらもセンター試験の受験が必要なので、注意してください。
東工大一般入試はセンター試験の得点に注意
「一般入試」の形式は他の国公立と同じですが、注意点が2つあります。
・センター試験の得点の扱いが特殊
・後期日程は生命理工学院しか実施していない
特に気をつけたいのが、センター試験の得点についてです。
前期日程では二次試験に進むための「基準点」が設定されています。基準は600/950点とされていますのでこの得点を上回ることができれば、前期日程の試験を受けることができます。
ただし、実はそれ以降の選考にセンター試験の得点は関係ありません。後期日程は、志願者数が募集人員の約10倍を超えた場合に、センター試験の得点による第1段階選抜が実施される場合があります。
600点さえ超えればいいなら、センター試験は重要じゃないの?」と考える人もいるかもしれないですね。
しかし、センター試験を軽視してはいけません。
センター試験の得点は、私立大学のセンター利用入試にも使うことができますし、国立後期ではその得点が判定に使われることになります。
もちろん、国立二次できちんと得点するためには、センター試験でもしっかり得点をとれるような力が必要になってきます。
東工大二次試験の特徴とポイント
東京工業大学の二次試験は英語、数学、物理、化学の4科目です。
<英語>
東工大の英語で最も注意すべき点は試験時間です。
90分で1000~1500語程度の英文2つを読む必要があります。そのため、短時間で大量の英文を読み、記述式の設問に答える集中力と処理力が要求されます。
東工大は、大学教育における英語重視の姿勢を明確に打ち出しているので、「英語はできなくても理系科目が強ければ何とかなる」という考えは禁物です。
<数学>
出題ジャンル・形式は理系として標準的なものです。
また、大問5問で180分という時間についても、難関理系の中ではそこまで厳しいものではありません。
年度によっては極端に難度が高かったり、計算量の多い問題が出題されることがあるので、答案を作りやすい問題から解いていく練習を、過去問で行いましょう。
<物理>
大問1つ1つが「重厚長大」であるため解答はハードです。
しかし、基本原理から一つずつ解きほぐしていく、という物理における基本姿勢は変わりません。日々の学習において、「原理から解く」姿勢をしっかり実践することが重要です。
大問3問で120分ですが、各大問は2~3のブロックに分かれています。各大問のボリュームは大きく、計算量も多いため、時間的な余裕はありません。
日ごろの学習から時間配分を意識した演習を行いましょう。
<化学>
120分で計15題の単問を解いていく形式で出題されています。
1問1問は短いですがが、15問が化学全体の範囲から出題されているため、1問1問をスピーディーに処理する力が求められます。
よって、確かな知識をもとにした素早い思考力・判断力が必要になります。
正答(誤答)を1つまたは2つ選べ、という形式の正誤問題が出題されるのが特徴的です。
この正誤問題では、確実に判断できるものには○・×をつけ、悩ましい選択肢については、いったん保留にして次の問題にとりかかるというような柔軟さも必要です。
東京工業大学を目指すあなたに
東工大のキャンパスや入試情報について紹介しました。
ぜひキャンパスを訪れて大学の雰囲気を味わってもらいたいです。
最後に、現役で東工大に合格するために必要なことをお伝えします。
「難関大学に合格するためには難しいことをやらなければいけない!」
と考えている人もいるかもしれませんね。
しかし、東工大受験を考えているあなたに覚えておいてほしいのは
東工大だからといって特別な対策が必要なわけではない
ということです。
必要なのは特別な受験テクニックではなく、基本的な知識の根本的な理解であり、それを試験の現場で、自力で使うことができる力です。
この力を身につけるためのカリキュラムが四谷学院にはあります。
東工大に合格した生徒の声とともに、東工大に合格するための戦略を以下のページで紹介しています。ぜひ参考にしてください。