こんにちは、四谷学院の化学担当の山中です。
このページでは、東京大学入試「化学」について、傾向と対策をお話していきます。東大合格を目指す方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
東大化学の試験情報
試験時間は、理科2科目で150分、実質的には化学の試験時間は75分です。
東大二次試験の配点は全科目で440点です。合格に必要な二次試験の得点は、理科一類であればおよそ220~240点、つまり50~55%の得点率が目安といえます。
二次試験440点のうち、理科は2科目で120点です。理科は早めからしっかり準備していくことで60点,70点と点数を積み上げていくことができます。
化学の大問は3問構成で、ほとんどの大問がⅠとⅡに分かれているので合計6問の中問を75分で解く必要があり、問題を処理するスピードも重要な要素といえます。
東大化学の出題傾向
有機化合物・高分子化合物
2017年度入試以降、第1問は有機化合物・高分子化合物からの出題です。必ず両方が出題されるわけではなく、有機化合物のほうが出題割合は高い傾向にあります。有機化合物では、情報量が多く複雑な構造決定が出題されますが、「各物質の反応・性質」「異性体」などについて、穴のない知識と正しい理解が求められます。
また、高分子化合物では糖やアミノ酸・ペプチドなどが中心に出題される傾向があります。これらの分野は手薄にしている受験生が多いですが、むしろ得点源にしやすい分野でもありますので、しっかりと準備をしてライバルに差をつけましょう。
無機化合物
単独のテーマとして出題されることはほとんどありません。第2問・第3問の中で部分的に出題される形です。錯イオンの構造をはじめ、幅広く出題されますが、いずれも重箱のすみをつつくような難解なものではなく、基礎~標準レベルの知識です。
東大入試では1点の積み重ねが合否を分けますので、出題が少ないからといって軽視せず、むしろ出題されたら完答して得点を稼ぐという意識のもと、教科書レベルの知識を定着させておきましょう。
理論化学
第2問・第3問は理論化学がメインとなる出題です。つまり、化学60点のうち、理論化学が30~40点を占めることになるので、しっかりと対策をしましょう。
どの分野からもまんべんなく出題されますが、特に「気体の性質」「溶液の性質」「化学平衡」「酸化還元」は出題頻度が高いといえます。
東大化学の対策
冒頭にも書いたとおり、東大入試では限られた時間で多くの問題に解答していく処理速度が求められます。そのため、まずは教科書レベルの基本事項をぱっと使いこなせる力を身につけましょう。ちょっと考えれば思い出せるというレベルでは、入試攻略の武器にはなりません。いつでもぱっと思い出して使えるレベルにするため、基礎を繰り返し反復しましょう。
ただし、基礎を反復するというのは、ただ丸暗記をすればよいというものではありません。大切なのは、1つひとつの用語や現象を“自分の言葉で正しく説明できる”レベルになっているかということです。
「自分の言葉で正しく説明できる」とは?
例を1つ挙げてみます。
「気液平衡と飽和蒸気圧」についてあなたは友人に説明できるでしょうか。
こう聞かれて、ぱっと説明ができる人は、基礎を正しく勉強できているといえるでしょう。
逆に、ぱっと説明ができなかった人は、もう一度教科書を読みなおしたり、先生に質問に行ったりして解決しましょう。
ちなみに「気液平衡と飽和蒸気圧」について次のような説明ができるとよいでしょう。
実際に、2021年度入試第2問のⅠでは、この考え方をぱっと思い出せた人は、与えられた状況に応用し、解答することができたでしょう。
ほかの科目の攻略法
化学以外の科目についても、こちらの記事で詳しい攻略法を解説しています。あわせてチェックしてみてください。
→東京大学の日本史対策!東大に合格するためにつかむべき日本史入試問題の特徴
まとめ「東京大学「化学」入試傾向と対策!合格のための勉強法を解説します」
東京大学の化学では、基礎の正しい理解、穴のない知識、基礎の理解をもとに応用する力が求められています。この出発点として基礎の正しい理解が必要不可欠です。
四谷学院のクラス授業では、難関レベルの授業であっても、基礎の本質を理解させることを重視しています。55段階指導では、自分の書いた答案をもとに先生と1:1で対話ができるので、「なぜこうなるのか?」という疑問をどんどん解決することができ、本質の理解につながっていきます。
「基礎を鍛えたい」と思う方はまずは四谷学院の相談会に参加してみてください。東大合格に必要な受験戦略をお話しいたします。