東京工業大学(東工大)ってどんなところ?キャンパス情報や特殊な入試システムを解説

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こんにちは、四谷学院の奥田です。

今回は、国公立理工系のトップクラス校である、東京工業大学(東工大)のキャンパスと学部の特徴、入試の仕組みなどをご紹介します。

(2023/08/17  キャンパスに関する一部の内容を加筆修正いたしました)

東工大の正式名称は?

「東工大」という呼び方がすっかり浸透していますが、正式名称は「東京工業大学」です。

「東工大」以外にも「東農大」や「農工大」などの似たような略称があるので、間違えないように正式名称をしっかり覚えておきましょう。

なお、「東農大」=東京農業大学(私立)、「農工大」=東京農工大学(国立)です。さらに、日本工業大学(私立)という大学もあります。

東京工業大学の3つのキャンパスと学部

まずは、東京工業大学がどこにあるのか確認しましょう。

東京工業大学には、3つのキャンパスがあります。

ここでは、各キャンパスの特徴を詳しく解説します。東京工業大学を目指す方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

東工大の大岡山キャンパスの特徴

東京都目黒区に位置する大岡山キャンパスは、東工大のメインキャンパスです。

入学後1年間は、大岡山キャンパスでリキュラムの大部分を過ごします。

大岡山キャンパスにある学部(学院)は、以下のとおりです。

  • 理学院
  • 工学院
  • 物質理工学院
  • 情報理工学院
  • 生命理工学院
  • 環境・社会理工学院

また、大岡山キャンパスには、以下のような魅力的なスポットがあります。

  • 半分に割った円柱が張り出しているような外観の東工大博物館
  • 大きな三角柱の形をした理工系大学トップクラスの蔵書量と広さを持つ図書館
  • ウッドデッキが設置され、地域の人も散歩に訪れる桜並木や銀杏並木 など

東工大のすずかけ台キャンパスの特徴

神奈川県横浜市緑区に位置し、おもに生命理工学院に所属する学生が通っているのがすずかけ台キャンパスです。

キャンパス内には、化学生命科学研究所やフロンティア材料研究所、未来産業技術研究所などのさまざまな研究施設があります。

さらに「すずかけホール」と呼ばれる東京工業大学すずかけ台大学会館では、研究会や学会などのさまざまなイベントで利用されています。

すずかけ台キャンパスはたくさんの緑に囲まれ、勉強や研究に集中して取り組めるでしょう。

東工大の田町キャンパスの特徴

田町キャンパスは東京都港区に位置し、JR田町駅からすぐの場所にあります。

このキャンパスには、東京工業大学附属科学技術高等学校や、大学院で社会人が学ぶ環境・社会理工学院の技術経営専門職学位課程、イノベーション科学コース(系)などが存在しています。

また、他大学のサテライトオフィスなどが入るキャンパス・イノベーションセンターがあります。

それほど広い敷地ではありませんが、附属高校にはグラウンドやテニスコート、体育館などを備えています。

東京工業大学の入試の仕組み

東京工業大学では、6つの学院に学問領域を分け、入学者を学院別に決定しています。

  • 「理学院」
  • 「工学院」
  • 「物質理工学院」
  • 「情報理工学院」
  • 「生命理工学院」
  • 「環境・社会理工学院」

受験者は、6つの学院から2つを志望順に選択して出願し、1年目には文系の教養科目や理工系の基礎科目を中心に幅広く学びます。

その後、2年目に進む際に自身の興味や適性に応じてどの「系」に進むかを決める仕組みです。

 ここでは、それぞれの学院の特徴と偏差値をご紹介します。

 「理学院」の特徴

理学院は、自然界の法則や論理を探究する学問に興味を持つ人におすすめの学院です。

論理を重ねて構築される定理やミクロの世界の仕組み、宇宙の構造などを学べます。

自分が好きな分野の基礎力をしっかり鍛えられるため、就職活動もしやすいといえます。

また、気の合う仲間や優秀な仲間との出会いがあり、刺激し合える環境で勉強や部活などに打ち込めます。

なお、理学院の偏差値は70です。

「工学院」の特徴

工学院は、機械系、システム制御系、電気電子系、情報通信系、経営工学系の5つと大学院課程で構成され、快適で豊かな生を実現するための工学技術を学びます。

福祉機器から宇宙ロケットまで幅広い領域のものづくりを学べ、創造性を育成する実習やコンテストを通じて、発想力と実践力を培うことができます。

なお、工学院の偏差値は70です。

 「物質理工学院」の特徴

物質理工学院は、新しい物質や材料の創出を通じて、環境・資源・エネルギー・健康医療などの課題解決を図り、未来社会の構築に貢献している学院です。

材料系と応用化学系で構成されており、将来の物質・材料開発をリードできるグローバルな研究者・技術者を育成しています。

また、日本の産業を支える基幹産業とも連携しており、就職先の選択肢が幅広くなっています。

なお、物質理工学院の偏差値は69です。

「情報理工学院」の特徴

情報理工学院は、「情報」を理学と工学の視点から追究する学院です。

数理科学や計算機科学の基礎理論の学習を通して、大規模かつ多様な情報を解析する能力を養えます。

実用的な技術に加え、情報とそれを処理する計算に関する真理の探究も可能です。

なお、情報理工学院の偏差値は71です。

「生命理工学院」の特徴

生命理工学院では、テクノロジーとライフサイエンスに関わる専門的知識を広く学びます。

学士課程では、生命に関連する理工学専門科目の基礎を学び、卒業研究で最先端研究に取り組みます。

欧米やアジアの先端大学への留学、企業でのインターンシップなどを通して、世界規模で通用するスキルの習得を勧めています。

なお、生命理工学院の偏差値は69です。

 「環境・社会理工学院」の特徴

環境・社会理工学院は、建築学系と土木・環境工学系、融合理工学系、社会・人間科学系、イノベーション科学系の5つの系と、技術経営専門職学位課程からなる学院です。

環境・社会理工学院では、現在の地球・都市環境や社会情勢の変化における問題の解決に貢献できる人材を育成しています。

なお、環境・社会理工学院の偏差値は69です。

東京工業大学のカリキュラムはどうなっているのか

東京工業大学への入学後、まずは所属する「学院」で学習をスタートします。

その後、2年生で「系(他大学での学科のようなもの)」を選択します。大学院(修士課程以降)では「コース」を選択し、専門性を深めていきます。

例として、理学院に所属する場合、どのようにカリキュラムが進んでいくのか見てみましょう。

理学院には、以下の4つの「系」があります。

  • 数学系
  • 物理学系
  • 化学系
  • 地球惑星科学系

2年生になると、この4つの系から進路を選択します。

そのため、出願先を考えるときは、まず自分が学びたい「系」を考え、その「系」が含まれる「学院」を選ぶことが大切です。

入学後は、1年生の間に理工系の基礎科目(数学・物理学・化学・生命科学など)、文系の教養科目や英語、学院ごとの専門分野の科目を学びます。

2年生以降の「系」には、従来の「学科」よりも多くの教員がかかわり、幅広い専門分野を学べます。

広い分野をまんべんなく学びながら、自身の専門性を築けるのが東京工業大学での学びの特徴です。

また、教師になるための教職課程も選択でき、中学校の数学・理科、高等学校の数学・理科・情報・工業の教員免許を取得できます。

東京工業大学の一般選抜と総合型選抜って?

ここでは、東京工業大学のおもな選抜方法である「一般選抜(前期日程)」と「総合型選抜」の詳細をご紹介します。

東工大には「一般選抜」と「総合型選抜」がある

一般選抜(前期日程)は、6つの学院すべてで実施される全学統一試験です。受験者は、学院を第2志望まで選択して出願します。

総合型選抜は、理学院以外の5つの学院を対象にした選抜方法です。

現役・既卒の出願を受け付けており、学院ごとに試験内容が異なります。

入学者の選抜方法(大学入学共通テスト・2段階選抜)
一般選抜(前期日程)・総合型選抜ともに、入学者は大学入学共通テストの5教科7科目と個別学力検査、調査書などの提出書類をもとに選抜を行います。

なお、一般選抜(前期日程)では、全学院の合計志願者数が合計募集人員の4倍を超えた場合、大学入学共通テストの成績により、第1段階選抜を実施されることがあります。一方の総合型選抜は、2段階選抜です。

試験内容(科目と試験時間)
ここでは、大学入学共通テスト5教科7科目の内訳と、試験時間をご紹介します。

教科科目試験時間
国語「国語」80分
地理歴史

公民

「世界史B」「日本史B」「地理B」「現代社会」「倫理,政治・経済」から1科目60分
数学「数学Ⅰ・数学A」「数学Ⅱ・数学B」の2科目合計130分
理科「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目合計130分

(うち解答時間120分)

外国語「英語(リスニングを含む)」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」から1科目英語:リーディング80分、リスニング60分(うち解答時間30分)

その他科目:80分

東工大の学校推薦型選抜は大学入学共通テストの受験が必要!

東工大で、一般選抜(前期日程)と総合型選抜に次いで募集人員が多いのが「学校推薦型選抜」です。学校推薦型選抜は、理学院と生命理工学院のみで実施されます。

個別学力検査は免除されますが、推薦書・調査書などの提出書類と、大学入学共通テストの受験が必要です。

大学入学共通テストで受験が必要な科目は「一般選抜(前期日程)」「総合型選抜」と共通です。

東工大二次試験の特徴とポイント

ここでは、東工大の一般選抜(前期日程)における個別学力検査について解説します。個別学力検査で受験するのは、英語・数学・物理・化学の4科目です。

<英語>

英語は大問2つで構成され、どちらも長文問題です。試験時間90分で1,000~2,000語程度の英文を2つ読まなければならないため、英文を素早く読む力に加え、記述式の設問に答える集中力と処理力が要求されます。

東工大は、教育において英語重視の姿勢を明確にしているので、「英語はできなくても理系科目が強ければ何とかなる」という考えは禁物です。

 

<数学>

出題ジャンル・形式は、理系として標準的なものです。大問は5つ、試験時間は180分と長めのため、しっかり時間をかけて解答できます。

年度によっては極端に難度が高かったり、計算量の多い問題が出されたりすることがあるので、解答しやすい問題から解いていく練習を過去問で行いましょう。

 

<物理>

物理は大問3つで、試験時間は120分です。典型問題に新しい設定を追加した問題が多く、問題文を正確に理解する読解力が必要です。

新たな設定の問題に柔軟に対応するため、公式や数学への理解を深めましょう。また、試験時間は長いものの、すべて記述式で計算量も多いため、時間的な余裕はあまりありません。日頃の学習から時間配分を意識した演習を行いましょう。

 

<化学>

化学は物理と同じく、大問3つで試験時間120分です。

無機化学や有機化学、理論化学などから広く出題され、計算量の多い問題や正誤問題、有機化学の構造決定問題などが頻出傾向にあります。

頻出分野の基礎知識をしっかりと押さえ、正確な計算力を養うことが大切です

 

東京工業大学を目指すあなたへ一言

今回は、東京工業大学のキャンパスや入試情報についてご紹介しました。

東京工業大学を目指している方は、ぜひ一度キャンパスを訪れて大学の雰囲気を味わってみてください。きっと、「東京工業大学に行きたい!」という気持ちがより具体的になるでしょう。

最後に、東京工業大学に合格するために大切なことをお伝えします。

あなたは「難関大学に合格するためには難しいことをやらなければいけない」と考えているかもしれません。

しかし、東京工業大学の受験を考えているあなたに覚えておいてほしいのは、東京工業大学だからといって特別な対策が必要なわけではないということです。

必要なのは特別な受験テクニックではなく、基本的な知識の理解であり、それをもとに自分で解ける力です。

この力を身に付けるためのシステムが、四谷学院にはあります。

東京工業大学に合格した生徒の声とともに、東京工業大学に合格するための戦略を以下のページでご紹介しているので、ぜひ一度ご覧ください。

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