こんにちは、四谷学院の山中です。
この記事では、物理や数学における計算の考え方についてお話しします。
計算が苦手、あるいは計算が得意になりたい!という方はぜひ目を通してみてくださいね。
計算過程に注目
物理・数学では、単位を見れば計算過程を丸暗記しなくてよいものが多くあります。
実は・・・公式の暗記でさえも不要になる場合もあるんです。
信じられませんか?
では、証拠をお見せしましょう!!
2021年1月実施の共通テスト「数1A 本試験」の出題です。
陸上競技に関する問題がありました。
この問題は、単位の考え方がわかっていれば、長い説明文を読まなくても解答することができました。
単位の基本的な考え方
「速さ」を例に、単位の基本的な考え方を説明してみましょう。
速さや距離の公式を覚える際に、「みはじ」や「はじき」を覚える人も多いですよね?
しかし、10 m/s ならの 単位「m/s」を見れば暗記する必要はありません。
2sなら10×2 = 20 m進む
0.5sなら10×0.5 =5 m進
以下の図のように、10 m/sの解釈を基準として、秒数(s)が×2されているため距離(m)も×2という単純な比例の考え方です。
これはどんな単位でも同じ考え方です。
たとえば、化学のmol計算で出てくる
「モル×アボガドロ定数を=粒子数」という計算手順を暗記している人が多いですが、同じく暗記は不要です。
まず、のように、空白になっている箇所に“個”を補ってください。すると、以下のようにm/sと同様に、単位から考えることができます。
これは、モル体積(22.4 L/mol)やモル質量( g/mol)でも同様に考えることができ、
「モル×22.4=体積」のような暗記は不要になります。
このように、化学や物理の場合は、問題文に単位が書いてあることが非常に多いです。ぜひ単位に注目し、この考え方を使う癖をつけていきましょう。
2021年1月実施の共通テスト数1A(本試験)の問題
第2問に陸上競技に関する出題がありました。
「ピッチ」「ストライド」という陸上競技をしていな人にとっては見慣れない語句が
出てきてました。さらに、約1ページにわたって語句の説明もあり、困惑した人も多かったのではないでしょうか。
ただ、今回の単位の考え方を使えば、(1)(解答欄ア)は簡単に解答できます。
問題文には、「ピッチ」「ストライド」が以下のように単位付きで説明がありました。
1秒あたりの歩数:ピッチ(歩/秒)
問題(1)はストライドをx、ピッチをzとして、xとzで平均の速度(m/秒)を表す問題でした。
平均の速度の単位はm/秒なので、ピッチとストライドから「1秒あたり何m進む」かを求める方針になる。
ストライド x m/歩:1歩あたりx m進む
よって、1秒あたりのz歩ではz×x m進むと分かるので、速度はzx m/sとなる。
ストライド x m/歩:1歩あたりx m進む
もちろん、説明書きを正しく読むことが大前提ですが、単位に注目して考えれば、比例計算というシンプルな考えで解くことができる。