大学入試の小論文は自分の意見を論述するものであり、学力試験のように決まった正解はありません。そのため、書き方に自信がない方や苦手に感じている方もいるでしょう。
今回は、いつから小論文対策を始めればよいのか、どのような対策をすればよいのかを具体的に解説します。
目次
大学入試における小論文ってどのようなもの?
大学入試における小論文とは、設問に対して自分の考えや意見を論述する試験です。論理的思考力や読解力、教養、人間性などを評価するために用いられます。
小論文の出題内容は、大学や学部、選抜方式によってさまざまです。主な出題形式を以下にまとめました。
課題文読解論述型 | 日本文の課題文に対して要約・説明や論述をさせる |
図表分析型 | グラフや表などの資料を提示し、読み取りや論述をさせる |
テーマ型 | 指定したテーマについて論述させる |
英文問題 | 英文の設問に対して日本文もしくは英文で説明や論述をさせる |
理科論述型 | 理数系の教科知識をもとに論述させる |
教科論述型 | 教科の知識を利用して論述させる |
小論文は作文・感想文とは異なり、書き方が決まっています。まずは、小論文の性質について理解しておきましょう。
小論文と作文・感想文の違い
小論文では、自分の考えを論理的かつ客観的に述べる必要があり、テーマの掘り下げや根拠の提示が求められます。自分の主観や感想を述べる作文・感想文とは異なるため注意しましょう。
小論文の構成は「序論→本論→結論」
小論文は、序論・本論・結論の3部構成が基本です。
まず序論で自分の考えを明確に示したうえで、本論で事実や事例、反論とそれに対する回答などを提示し、考えの根拠について詳細に説明します。そして、結論で全体をまとめます。
ただし、結論はすでに序論で述べているため、文章量や内容によっては結論を省略してもかまいません。
「意見」と「感想」の違いに気を付けよう
小論文では、自分の意見を明示するよう求められます。
意見とは、論理的な根拠に基づき、自分の考えを客観的に説明することです。根拠なく個人の主観を述べるだけでは、感想にすぎません。小論文を書くときには、感想にならないように注意しましょう。
小論文はどこを評価されるのか
小論文には決まった答えがないため、減点方式で採点されます。主な評価基準は以下の3点です。
設問を理解しているか
設問の趣旨を正しく理解して論述することは、小論文の基本です。
例えば、設問に「データを活用して」「反論を交えて」などの指定がある場合、指定内容を満たしていなければ大きく減点されます。
適切な回答ができているか
提示されている資料を正しく理解したうえで意見が述べられているか、根拠に基づいて論述が展開されているかなどを評価されます。
また、文章の一貫性も重要です。途中で論点や意見がすり替わってしまうと、減点の対象となります。
日本語に不備がないか
文法や表現を誤用している場合や、誤字・脱字などがある場合も減点の対象になります。段落や改行が適切であるか、原稿用紙が正しく使用されているかも評価されます。
小論文対策は、いつから始めればいいの?
あくまでも目安ですが、小論文の対策には少なくとも2ヵ月は必要とされています。入試の時期から逆算して、早めに対策を始めましょう。
小論文対策スタートの目安
総合型選抜・学校推薦型選抜 | 春頃から |
私立大学 | 9月・10月頃から |
国立大学 | 5月頃から(後期試験を受験する場合は前期試験終了後すぐ) |
小論文対策って何をするの?
志望している大学の出題傾向にもよりますが、小論文対策で大切なポイントは基本的には共通しています。これから対策を始める場合は、ぜひ参考にしてください。
情報収集する
小論文を書くためには、トピックスを幅広く押さえておくことが大切です。
最近の時事問題、志望分野に関係する話題、テーマ、自分が将来学びたいと考えていることなど、受験する大学や学部の出題傾向に合わせて、情報収集をしておきましょう。
情報収集の際は、ある主義・主張に加えて、その背景や反対意見などの周辺情報も集めておくと、より説得力のある小論文を作成できるようになります。
文章は、書いてこそ上達するものです。時間の許す限り、志望校の過去問や出題傾向が似ている大学の過去問を中心に、たくさんの文章を書きましょう。
もちろん、適当に書いていても上達には結びつきません。1つのテーマに対していくつかの文章を書いてみる、書き終えた後にしばらく時間を置いて読み直してみる、何度も推敲するといった、丁寧な対策が実力アップにつながります。
添削指導を受ける
小論文の対策で一番重要なことは、第三者に添削してもらうことです。自分の書いた文章を読んでもらったうえで客観的な指摘を受け、一緒に直していくことで視野が広がります。自分の文章が採点者の目にどのように映るかを冷静に判断できるため、小論文が得意な人にとっても、添削指導を受ける意義は大きいといえるでしょう。
添削指導は、小論文のプロから受けることがベストです。高校の先生にチェックしてもらうのもよいですが、「小論文のプロ」の力を借りることで、確実で効果的な指導を効率よく受けられます。
プロの個別指導を受ける
「情報収集」「たくさん書く」「プロの添削指導」この3つの対策がすべて行えるのが、大学受験小論文のプロの先生による「個別指導」です。
自学・自習で行うときと最も大きな違いは 「効率のよさ」「納得感」にあります。
添削指導を受けても、返却までに1週間もかかってしまうと、答案が戻ってきた頃には、書いた内容をすっかり忘れてしまっているでしょう。それでは、せっかく添削指導を受けても効果が激減します。
個別指導なら、その場で指導が受けられ、気になることは納得できるまで何度でも質問が可能です。
前述のとおり、小論文は「自分の意見を述べるもの」であるため、自分が納得していない内容では読み手に伝わりません。だからこそ、文章に正面から取り組む姿勢が必要です。
英語の小論文対策は?
小論文の出題形式には、英文で出題され、論術を課されるものもあります。
この場合は、「小論文」だけの対策では十分とはいえません。英文の難易度によって、英語対策を優先すべきか、小論文対策を優先すべきかを考える必要があります。
日本語の小論文との違い
日本語で出題される小論文では、ほぼすべての時間を論述に充てられるでしょう。しかし、設問が英文で書かれている場合は、設問を読み解く時間も必要になります。限られた時間の中、いかに短時間で英語を読み解くかの訓練が必要です。
どこが大事な部分なのかを見極める
英語の設問の場合、設問の意味や求めるところを正しく理解する必要があります。すべてを同じ温度感で読むのではなく、文章の要点を意識して読むことがポイントです。文章が長い場合には、要点をメモするのもよいでしょう。
過去問を必ずやろう
小論文の一番の対策は、多くの文章を書くことです。英文での出題に慣れるためにも、過去の試験で出題されたものに対して、実際に自分の意見を述べる練習を重ねましょう。
小論文対策には、「個別指導」が絶対おすすめ
「小論文」の対策は、出題傾向によって対策方法が変わってきます。
もちろん、そのほかの筆記科目もあるため、小論文にばかり時間をかけてはいられません。
予備校・塾の小論文対策クラスも効果的ですが、「1対1の個別指導」なら、最短の時間で最適な対策ができます。
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