夏休みにやっておくべき世界史「文化史」を攻略する3STEP!

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受験前の夏休みにやることが見つからない場合は?
こんにちは。四谷学院の世界史担当、荒木です。
今回は受験生が手をつけづらい世界史の「文化史」の学習法について説明します。

世界史「文化史」の出題割合は意外と多い

文化史は世界史の入試問題で2~3割近く占める重要な単元です。しかし、多くの受験生が通史の対策に時間を取られてしまい、文化史の学習に手が回らなかったり、用語の丸暗記に走ってしまったりと苦戦を強いられています。
そこで、この記事では文化史を攻略するための学習の仕方を3STEPでお伝えします。

文化史攻略の3STEP

STEP1 作品の内容・時代・地域をセットでおさえる

おそらく多くの受験生は文化史を学習する際、著者や作品名のみ覚えているでしょう。
これが大きな誤りです。

次のような問題を解くことができますか?

問 解剖学・植物学・薬学の学問のいずれかに対応する、中国における成果について述べた文として最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。(2022 共通テスト)
①李時珍が、『本草綱目』を著した。
②司馬光が、「資治通鑑」を著した。
③宋応星が、『天工開物』を著した。
④梁の昭明太子が、『文選』を編纂した。

この問題はその作品がどのような内容かまで理解しているか問う問題です。著者と作品名のみを覚えていた人は手も足も出ません。
正解は①の『本草綱目』で、これは明の時代に著された薬学に関する書物です。

また、作品の内容以外にも著者がどこの地域で活躍した人物なのか、何世紀ごろの人物かなどについて、上位校ではセットで出題されます。例えば「17世紀のイギリスに関する記述として、正しいものを選びなさい」という問題で、選択肢の1つに「イギリス人のハーヴェーは血液の循環を発見した」という文章があるといった形です。通史の内容は完璧なのに、文化史の理解が曖昧で点数を落とす。このような惜しいミスをなくすためにも、文化史は人物・著者の関連情報もセットで覚えておきましょう。

一部の大学では、絵画や建築の写真からその名称を答えさせる問題が出されます。資料集などを活用した勉強も行いましょう。

STEP2 赤シートで用語を覚える

STEP1で著者や作品の内容、時代、地域を理解できたら、後はひたすら赤シートを駆使して用語を覚えていくのみです。人間は繰り返し何度も見た情報を長期記憶として保存し、あまり見なかった情報は短期記憶として、すぐに忘れてしまいます。よって赤シートで覚える際は、1単語=2秒で1日3~5周を目安に取り組んでみましょう。

丸暗記と何が違うの?と思ったかもしれませんね。STEP1で情報の整理、結びつきを強められたことで、丸暗記に走るより効率よく覚えられます。あなたも経験があるかと思いますが、初対面でお会いした人の印象について、「趣味や出身地などを沢山話してくれた人」と「名前だけ自己紹介して別れた人」とでは、当然前者の方が記憶に残りやすいですよね?世界史の用語も同じです。用語だけ丸暗記するのではなく、関連情報もおさえることで、結果的に早く覚えることができます。「急がば回れ」とはまさにこのことです。

どんなに頑張っても覚えられない用語も時にはあるかもしれません。その時は用語を100回唱えてみてください。人生で同じ単語を100回も唱えたことはおそらくほとんどの人がないはず。確実にあなたの記憶に刻まれるはずです。

STEP3 問題演習で仕上げる

最後の仕上げは問題演習です。大学の入試問題とは、言ってしまえばパズルのようなものです。自分の頭の中にある数千のピースから、問題文に当てはまるピースを探し出して埋める作業です。ですが、世界史の用語は全てあわせると6000語近くあります。そのような状態で一つひとつ形の合うピースを当てはめてみるのは時間がかかって仕方ないですよね。
実際の入試問題では必ず、問題文で時代や地域、作品の特徴などを載せて考える範囲を限定してくれます。それを踏まえて、思い出す用語の範囲を絞り、解答を導き出す練習を行う必要があります。

分野別問題集などを利用して、世界史「文化史」の部分をターゲットにまず行うのがおすすめです。志望校の過去問演習は秋以降に行いましょう。

まとめ

今回は世界史「文化史」の学習の仕方について解説しました。文化史は後に回せば回すほど負担が増えて、点数を取り切れない原因になります。習った部分から計画的に学習を進めて、点数UPに繋げていきましょう。
また、高校3年生はまだ通史の内容が授業では終わっておらず、学校で習っていない時代の文化史の学習について困るかもしれません。その場合は、習った時代の文化史から順に学習を進めれば問題はありません。

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