このページでは、令和7年度(2025年度)の大学入学共通テスト「数学Ⅱ・B・C」の出題について解説します。
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新課程
新「数学Ⅱ、数学B、数学C」
2025年度の数学ⅡBCは、個々の大問はおおむね標準的な難易度として構成されているものの、全体としての問題の分量はやや多めであり、70分という限られた時間の中でいかに効率よく解答していくかが問われたテストであったといえるでしょう。
必答3問+選択3問という構成は今後も続くと思われ、この分量感にいかに対応するかが、共通テスト数学ⅡBC対策の中心課題といえるでしょう。

以下、各問題の注目すべきポイントについて述べます。
第1問 三角関数
sinやcosの値が等しくなるような角度の関係を考える問題で、類似の出題例も多く標準的な難易度でした。
第2問 対数関数
常用対数表の読み取りが出題されました。
問われている数学的内容は基本的で、文意を素早く読み取り数式化して処理する能力が必要となります。
第3問 微分・積分
F(x), G(x)とその導関数f(x)について、主に定性的な内容を考察させる問題でした。
計算量は少なく内容も基本的で、教科書レベルの基本をしっかり理解していれば完答できたでしょう。
第4問 数列
格子点の個数を求める問題が出題されました。
難易度としては高くありませんが共通テストの題材としてはめずらしく、ひろく高校数学全体を学習していく姿勢が今後も必要でしょう。
最後の設問は恒等式の内容が含まれ、手際よい処理が必要でした。
第5問 確率分布と統計的推測
正規分布および信頼区間と母平均検定に関する標準的な出題でした。
検定は標準的な両側検定ではなく片側検定が出題されましたが、『統計的に検証したい仮説を「対立仮説」、…』など文章がていねいに書かれており、解きやすかったと思われます。
第6問 空間ベクトル
球面上で正三角形をつくれるかどうかを考えさせる、おもしろい問題でした。
誘導がついているので、誘導にしっかり乗って計算をすすめられたかどうかです。
第7問 複素数平面
いろいろな曲線からは出題されず、複素数平面単独の出題でした。
見た目ほどの分量はありませんが、後半はひねりが加えられていて混乱した受験生もいたと思われます。
旧課程
旧「数学Ⅱ、数学B」
旧課程の数学ⅡBは、従来は必答問題が第1問・第2問でしたが、2025年度は第1問~第4問へと分割され、このうち第1問~第3問が新課程の数学ⅡBCと共通、第4問で「図形と方程式」が出題されました。
また、選択問題のうち第6問「数列」と第7問「ベクトル」は新課程数学ⅡBCと共通で、第5問「確率分布と統計的推測」を選択しなかった場合は、旧ⅡBと新ⅡBCで全体の約5/6が共通問題でした。
全体の難易度はおおむね2024年度と同程度であったと言えますが、やはり問題の全体的分量は多く、スピード感をもって解答できたかが点差につながったでしょう。

以下、各問題の注目すべきポイントについてコメントします。
第1問 三角関数
新課程数学ⅡBC、第1問と同じ内容でした。
第2問 対数関数
新課程数学ⅡBC、第2問と同じ内容でした。
第3問 微分・積分
新課程数学ⅡBC、第3問と同じ内容でした。
第4問 図形と方程式
三角関数と軌跡の融合問題でしたが、題意の読み解きに時間を要し、また後半がやや煩雑で、全体としてはやや難しい問題でした。
第5問 確率分布と統計的推測
信頼区間に関する設問で、変量の変換によって信頼区間がどう変化するかを見極めるのがポイントでしたが、計算量もさほど多くなく解きやすい問題だったでしょう。
第6問 数列
新課程数学ⅡBC、第4問と同じ内容でした。
第7問 空間ベクトル
新課程数学ⅡBC、第6問と同じ内容でした。
数学の共通テスト対策

