このページでは、令和7年度(2025年度)の大学入学共通テスト「数学Ⅰ・A」の出題について解説します。
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新課程
新「数学Ⅰ、数学A」
2025年度の数学Ⅰ、 数学Aは、計算の分量はさほど多くないものの問題設定の読み取りや解法選択にとまどうような問題が随所に見られ、全体の難易度としては2024年度の数学Ⅰ、数学Aと同程度だったでしょう。
一つの問題設定に対して、「まずある解法を設問の中で詳し目に説明し、次の設問でその解法を使って問題を解かせる」という共通テスト数学ならではの誘導が、今年度も見られました。
短時間で問題を解いていくためには、このような誘導の流れに習熟する必要がありますが、個々の設問としては基本的な数学的思考力が問われる内容であったと言えます。
以下、各問題の注目すべきポイントについてコメントします。
第１問 [1] 数と式
(1)での因数分解のしかたの説明をヒントとして(2)に利用します。
必要条件・十分条件に関する問題が出題されましたが、方程式①をみたすxが一つだけである場合として重解の場合と①が1次方程式となる場合があることを正しく見抜く必要があります。
第１問 [2] 図形と計量
図形の状況を正しく読み取ることと、三角形PABに対して行った議論が三角形QABでもそのまま利用できることを見抜く力が必要でした。
第２問 [1] 2次関数
噴水の軌跡から放物線の式を導く問題で、内容としては標準的です。
文章を素早く読み取り、数式に表現していく力が求められます。
第２問 [2] データの分析
新しい内容である「外れ値」「仮説検定の考え方」が出題されましたが、内容としては基本的でした。
二つの変量の和について分散を考える問題が出されましたが、分散と期待値の関係、変量の変換などについて自分で公式を導いたことがある人は、その経験が活かせたでしょう。
第３問 図形の性質
空間図形が出題され、特に(1)および(2)の(iii)が空間に独自な内容で考えにくかったと思われます。
(2)の(i)および(ii)は、平面上の問題としては円と相似に関する標準的な内容で、あわてず図をしっかり書いて考えれば難しくなかったでしょう。
第４問 確率
期待値をテーマとした出題で、数学的内容は難しくありませんが、「1回目に当たりがでず、かつ2回目に当たりが出る確率」のような設定を正しく読む(誤って条件つき確率として読まない)ことが必要でした。
旧課程
旧「数学Ⅰ、数学A」
旧課程の数学ⅠAは、必答問題のうちの3/4と選択問題のうち「図形の性質」が新課程の数学ⅠAと共通でした。
新課程と学習事項として重なる部分はあるが異なる問題が出題されたのは「データの分析」と「確率」ですが、トータルとしての難易度感などは新課程数学ⅠAと同程度だったでしょう。
以下、各問題の注目すべきポイントについてコメントします。
第１問 [1] 数と式
新課程数学ⅠA、第1問[1]と同じ内容でした。
第１問 [2] 図形と計量
新課程数学ⅠA、第1問[2]と同じ内容でした。
第２問 [1] 2次関数
新課程数学ⅠA、第2問[1]と同じ内容でした。
第２問 [2] データの分析
最頻値とヒストグラムを利用した平均の計算が出題されました。
個々の設問は難しくなく、手際よく処理する能力が要求されます。
第３問 確率
じゃんけんの問題で、(1), (2)は同じような問題を解いていた人も多かったと思われ、普段の問題演習量が得点に結びついたでしょう。
(3)は設定を理解するのに苦労しそうで、ルール1とルール2の違いがどこであらわれるかを素早く見抜く必要があります。
第４問 整数の性質
(1), (2)は素因数分解および一次不定方程式に関する標準的な出題でした。
(3)以降はやや複雑で、mがどのような性質をみたせばよいのか、およびそれを基に条件をみたすnを求めるところが難しかったでしょう。
第５問 図形の性質
新課程数学ⅠA、第4問と同じ内容でした。
数学の共通テスト対策
