このページでは、令和7年度(2025年度)の大学入学共通テスト理科基礎の「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の出題について解説します。
物理基礎
2025年度の物理基礎は、おおむね前年度と同程度の難易度だったと思われます。
しかし、第1問の問1は中性子線の透過力に関する知識が求められ、第2問の問5は、前問の問4のグラフからb=2aであることを見抜く必要があったため、物理基礎としては難易度が高かったと思われます。
また第3問では熱容量や比熱の定義、電気回路に関する知識が問われました。
問5の実験考察の問題では、液体の量を増やすことで液体以外による影響が小さくなることに気づけるかがポイントです。
いずれの問題に対しても物理量についての正しい理解が求められており、教科書をまんべんなくていねいに学習する姿勢が重要です。

化学基礎
2025年度の化学基礎は、おおむね前年度と同程度、標準的な難易度だったと思われます。
知識問題では、1分野の知識だけで判断できる問題もありますが、第1問の問2や問8、第2問の問2のように、複数の分野の知識を活用する問題もあるので、注意しましょう。
計算問題では、基本的な計算が中心ではあるものの、題意や情報を正しく整理する力が問われました。
例えば、第2問の問2aでは、問題から、2Hg+O2 → 2HgOという反応が起こっていることを理解し、その反応式を書いておくことで、発生した酸素の物質量がHgOの物質量の1/2であることに気づくことができます。
また、第1問の問9b、第2問の問3など、やや難度の高い計算問題もありましたが、第2問の問3aは「過不足がある反応の量的関係の計算」、問3bは「混合気体の平均分子量を求める計算」が正しく理解できていたかで差がつきました。
問3bは、四谷学院の冬期講習でも複数回扱ったテーマですので、取り組みやすかったでしょう。

生物基礎
2025年度の生物基礎は、おおむね前年度と同程度、標準的な難易度だったと思われます。
全体として基本的な知識をしっかり習得できているか、が問われた出題でした。
第1問の問4や第2問の問6も考察問題のように見えますが、それぞれ、分化や抗体産生に関する正しい知識があれば、正答を選べました。
第3問の問4や問5もやや難しく見えますが、ここではバイオームに関する知識を、ただの1問1答のように暗記するのではなく、ストーリーを意識して流れを理解しながら覚えていくことが求められています。
例えば問5では、日本の垂直分布について、山地帯=夏緑樹林、低地帯=照葉樹林となるのは中部地方ですが、どのバイオームが分布するかは年平均気温によって決まるため、緯度によって同じ標高でも気温は高くなったり低くなったりするから垂直分布も変化する、という点まで知識として理解していたかが問われていました。
一つひとつの知識について、正しく理解することを心がけていきましょう。

地学基礎
2025年度の地学基礎は、前年度とおおむね同程度、標準的な難しさであったと思われます。
細かい知識が要求される問題はなく、基本的な知識を押さえたうえで出題文をしっかり読めば、十分に高得点がとれる問題だったでしょう。
計算が必要な問題は今年度は出題されませんでしたが、第2問の問2、第4問の問1がグラフを元に思考する問題でした。
難しくはありませんが、グラフの意味することと出題意図を正しく読み取る理解力が必要です。
大問は全4問ですが、第1問はA 太陽系の天体・地球の構造 B 火成岩と火山 C 地層のそれぞれ別個の分野からの出題でした。
地球の歴史に関する出題は今年度は見られませんでしたが、ジャンルを狭めずまんべんなく学習する姿勢が重要です。

理科基礎の共通テスト対策

