令和7年度共通テスト「国語」総評 | 共通テスト解答速報2025

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このページでは、令和7年度(2025年度)の大学入学共通テスト「国語」の出題について解説します。

国語

古文・漢文については、24年度と同様に、複数テクストの読解が求められました。
しかし評論・小説の課題文はそれぞれひとつずつで、センター試験型に戻ったかたちになりました。

今年から加わった第3問の資料読解型の問題は、2022年に発表されていた試作問題のBと似た要素がありました。

全体としては選択肢数が基本四つになり、紛らわしい選択肢も少なかったため、昨年度と比較するとやや易化したと言えるでしょう。

令和7年度共通テスト国語 正解 | 共通テスト解答速報2025
国語 問題はこちら(産経新聞へリンクします) 「2025年度 大学入学共通テスト特集」TOPに戻る 国語の共通テスト対策

第1問 評論

課題文は一つ(高岡文章〈たかおかふみあき〉「観光は『見る』ことである/ない―『観光のまなざし』をめぐって」)でした。

問1は傍線部と同じ漢字を選ばせる従来型の問題でした。
(ウ)の「テイ(呈)した」がやや難しかったかもしれません。

問2~問6は、各傍線部の前後の内容をしっかりと押さえれば正解を選ぶことのできる問題であり、別の課題文やレポートなどを参照させる設問もなく、非常にオーソドックスなつくりをしていたと言えます。

受験生は、筆者の主張、および論理展開の仕方について、しっかりと理解しながら解き進める姿勢を意識するとよいでしょう。

第2問 小説

第1問と同様に、課題文は一つ(蜂飼耳〈はちかいみみ〉「繭の遊戯」)でした。

全体は大きく3つのパートに分けられますが、全体を通して他の大人たちから厄介者扱いされている「おじさん」に対する「わたし」の見方が、どのように変化しているのかを読み取ることが求められました。

複数の設問において、傍線部そのものに正解を見きわめるためのヒントが含まれていました。
また表現上の工夫についても問われており、これも従来型の問題と言ってよいでしょう。

昨年と同じく、受験生が意識すべきポイントとしては、まずは課題文全体のストーリー(主旨)を正確に読み取ろうとすること、そして、そのうえで浮かび上がってくるテーマや登場人物の心情を自分の言葉で説明できるようにすることなどが挙げられます。

第3問 実用文+資料

本年度から導入された新傾向の問題です。
外来語の言い換えというテーマについて複数の資料(Uさんがまとめた文章、資料Ⅰ「外来語に関する意識の調査」、資料Ⅱ「インフォームドコンセント」の言い換え提案(2006年)、資料Ⅲ「外来語に関する意識の2002年と2022年の比較」)をもとに考察させるものでした。

「言葉づかい」をテーマにしていると同時に、生徒のまとめた文章を加筆・修正する問題が含まれている点で、試作問題の第B問と似ていたと言えるでしょう。
問1・2は(その試作問題と比較しても)解きやすいレベルの設問でした。

ただし、問3については資料Ⅲ内の図4のグラフがやや複雑で、グラフの読み取りに慣れていない生徒は、解くのに時間がかかったことでしょう。
受験生としては、実用文で提示されたテーマや問題提起を正確に理解したうえで、はじめに資料をおおまかに見て各グラフが何を示しているかを確認し、そのうえで各設問を解く際に再度ポイントとなる箇所を細かくチェックしていくという姿勢で学習に取り組むべきでしょう。

第4問 古文

昨年と異なり、今年はメインの課題文が二つ(『有明の別』、『源氏物語』若菜下の巻)でした。

文章Ⅰ(有明の別)では、リード文や人物関係図をしっかりと参照することが、本文の正確な理解につながったでしょう。

また、文章Ⅰと文章Ⅱ(源氏物語)が似たテーマを扱っていることにはすぐに気付きますし、その詳細については問3で示された生徒たちの会話文でとてもわかりやすく整理されていますので、いずれの空欄を埋めるのも容易だったでしょう。

問1の重要単語はいずれも基本的なものばかりでした。
問2の敬語は共通テストになって以来はじめての出題ですが、選択肢は絞りやすいものでした。

受験生は、重要単語、基本的な文法についての知識を整理したうえで、会話文をヒントにしながら、複数の課題文の類似点や相違点を読み取る姿勢を意識して対策するとよいでしょう。

第5問 漢文

課題文はおおきく二つ(『論語』+皆川淇園〈みながわきえん〉『論語繹解』、田中履堂〈たなかりどう〉『学資談』)で、文章Ⅰは『論語』をはじめに引用して、それについて注釈を加えた文章で、文章Ⅱは、Ⅰの著者の弟子が書いた読書論でした。

問2・3・6については、Ⅰが学問論でⅡは読書論でも、基本的に同じことを述べている点に気付けば、正解を選ぶのは容易だったでしょう。

問1の重要語句ではやや見慣れないものも含まれていますが、二つの文章の主旨が理解できてしまえば、文脈から判断できたでしょう。
同様に、問4の返り点の付け方・書き下し文、問5の「又」・「亦」の用法も、傍線部前後の文脈をしっかりと押さえることで対応できたはずです。

受験生としては、基本的な知識を前提にして、課題文の主旨をしっかりと理解し、そのうえで個々の設問を判断していく姿勢を意識しながら学習に取り組むべきでしょう。

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