このページでは、令和7年度(2025年度)の大学入学共通テストの「物理」の出題について解説します。
物理
2025年度の物理はグラフを選択する問題が随所に盛り込まれており、物理現象の定性的な理解が求められました。
一方で,問題文をよく読んで正しく立式することで正答を導くことができる基本的な問題も多く、原理についての理解を固められていれば高得点が可能であったでしょう。
「暗記ではなく基本原理の理解」という、物理学習の原則を確認できるテストでした。

以下、注目したい設問について触れてみます。
第1問 小問集合
問3は合力の位置と向きを調べる問題でした。
力のモーメントによる考察ができたかどうかで差がついたでしょう。
問4は電場・磁場中を横切る荷電粒子の運動に関する思考力を問う問題でした。
電場のみの場合は放物運動、磁場のみの場合は等速円運動になることに気づくことができれば正答できます。
第2問 力学
単振り子の周期を測定する探究活動の問題でした。
問1と問2は単振り子に関する理解ができていれば得点できたでしょう。
問3は実験誤差に関する問題ですが、与えられた式の意味が分かれば難しくはなかったと思います。
問4では不要な数値が与えられていますが、惑わされずに運動と実験結果を対応させて解答したいところです。
第3問 A熱力学 B波動
2021年度ぶりにA・Bに分かれたテーマの出題でした。
Aの熱力学では、P-V図を温度と体積のグラフに書き換える問題や、やや見慣れない変化をするグラフが出題されました。
いずれもP-Vグラフについての正しい理解があれば得点できたでしょう。
Bの波動では、苦手意識を持つ人が多い正弦波の式が使われており動揺した受験生も多かったと思いますが、式に関する知識がなくとも冷静に問題文を読めば解答できるように作られています。
第4問 電磁気学
RC回路とRL回路について、動く導体棒による電磁誘導の問題でした。
コンデンサーとコイルのスイッチ操作に対する基本的な理解を問われています。
しかし,特にコイルについては充分な学習ができていない受験生も多いため、差がついた大問と言えるでしょう。
また、回路全体のエネルギー収支についても問われており、日ごろの演習量によって差がついたと思われます。
物理の共通テスト対策

