このページでは、令和6年度(2024年度)の大学入学共通テスト「国語」の出題について解説します。
国語
23年度と同様に、今年度も複数テクストの読解が求められました。
メインの課題文の主旨やポイントと、資料とのあいだの対応関係を正確に捉えることのできた受験生は高得点を取ることができたでしょう。
紛らわしい選択肢が少なかったため、昨年度と比較するとやや易化したと言えます。
第1問 評論
昨年と異なり、メインの課題文は一つ(渡辺裕『サウンドとメディアの文化資源学―境界線上の音楽』)でした。
問6は学習の過程を意識したもので、(すでに発表されている2025年度の第3問の試作問題と同様に)生徒が自身で書いたレポートを推敲する、という設定でした。
レポートは課題文のテーマを受けたものですが、今回は問題を解く際に課題文の内容を参照する必要はありませんでした。
次年度以降も、類似のテーマを扱った複数の文章の主旨をスピーディに把握する力が試されると予想されますので、そうした点に注意しながら学習を進めるとよいでしょう。
第2問 小説
昨年と同じく、メインの課題文(牧田真有子「桟橋」)は一つで、問7で資料(太田省吾「自然と工作―現在的断章」)と、それをめぐる教師と生徒の対話が示されました。
設問の形式は空欄補充問題でしたが、第2問のなかではこれが最も難しく、メインの文学的文章と資料の論理的文章の対応関係を素早く理解する力が求められました。
受験生が意識すべきポイントとしては、まずは課題文全体の主旨を正確に読み取ろうとすること、そして、そのうえでテーマや登場人物の心情を自分の言葉で説明できるようにすることなどが挙げられます。
第3問 古文
昨年の歌論(『俊頼髄脳』)に引き続き、今年も和歌をテーマにした課題文(歌文集である『草縁集』)が出題されました。
近世作品の出典からの出題は共通テストになってはじめてでした。
メインの課題文は一つですが、問4で本文の解説文(現代文)が示され、第2問の小説と同じく、空欄補充問題の形式で、本文に沿った内容の選択肢を見抜く力が求められました。
受験生は、重要単語、基本的な文法、和歌の修辞法についての知識を整理したうえで、本文中の和歌を解釈する際には、前後のストーリー(地の文)を踏まえて行うという姿勢を意識しながら対策するとよいでしょう。
第4問 漢文
メインの課題文は漢詩(杜牧の七言絶句「華清宮」)で、その内容と関連した資料Ⅰ~Ⅳ(蔡正孫の「詩林広記」・程大昌の『考古編』)とを組み合わせた問題でした。
問5・6の選択肢はやや複雑なつくりをしており、正解を見抜くのに時間がかかったと思われます。
ポイントは、メインの漢詩と各資料、および資料どうしの類似点や相違点を落ち着いて理解することでした。
受験生としては、メインの課題文の主旨と資料の内容とが、どのような関係にあるのかを常に意識しながら学習に取り組むべきでしょう。
国語の共通テスト対策
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