このページでは、令和5年度の大学入学共通テスト理科基礎の「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の出題について解説します。
物理基礎
2023年度の物理基礎はおおむね前年度と同程度の難易度だったと思われますが、第1問の問2(弾性力の位置エネルギー)や第2問の問4・問5(落体の運動)は基本となる公式から自分で式を組み立てる必要があり、物理基礎としてはやや高度な出題でした。第3問の問2では電力(kW)と電力量(kWh)の違いに注意する必要があります。
化学基礎
2023年度の化学基礎は平均点も前年からほぼ変わらず、共通テストとして標準的な難易度であったと言えるでしょう。その一方で、第2問はクロム酸銀を試薬として用いた塩化物イオン濃度の測定実験という本格的な出題で、問題文も長く問われる事項も多岐にわたるものでした。実験器具のあつかい方なども含めて、教科書および化学図説をベースにていねいに学習していくことが要求される出題であったと言えます。
生物基礎
2023年度の生物基礎の平均点は、ほぼ前年と同じくらいでした。計算が必要な問題は第1問の問4のみで難しいものではなく、第2問の実験考察問題が最も学力差が出た問題であったと思われます。この問題は難しくはありませんが文章も長く、実験考察における基本的な考え方が身についているかを問われます。
地学基礎
2023年度の地学基礎は前年度から平均点はほぼ変わらないみこみで、標準的な難易度であったと思われます。計算が必要な問題は第1問の問1と第2問の問1ですが、前者(エラトステネスの方法で地球の全周を測定する)はどんな問題集にも必ずのっている頻出問題、後者(高気圧の通過時間)も状況の把握は容易で解きやすかったでしょう。また、前年度に引き続き大問は全4問で、第4問として日本の自然環境について問われました
新高3生・高2生へのアドバイス
共通テストの理科基礎「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のいずれにおいても、教科書をまんべんなくていねいに学習する姿勢が重要です。単に知識を暗記するのではなく、例えば教科書に記載のある実験で各操作がどのような意味を持っているかを考えるなど、つねに理由を問う姿勢をもつようにしましょう。