令和5年度共通テスト「日本史A・B」総評 | 共通テスト解答速報2023

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このページでは、令和5年度の大学入学共通テスト「日本史」の出題について解説します。

日本史B

昨年同様、多彩な資料を用いた出題がなされ、知識問題と考察問題がバランスよく配分された出題でした。

知識問題では共通テスト後も毎年出題されている年号配列が5問出題され、政治史だけではなく文化史や経済史の流れも問われました。他にも歴史的事象の名称、経緯、背景を問う問題が複数出題されています。政治・経済・文化といった時代全体の大きな流れをしっかりとおさえる力が求められていると言えるでしょう。

また、読解問題では、史料の読み取り問題が5問出題されましたが、こちらは例年どおり、丁寧に史料や注を読むことで、比較的素直に解答が選べる問題でした。選択肢に書いてある内容が史料のどこに書いてあるのかを慌てずに確認すれば正解にたどり着けたはずです。
考察系問題では、大問3問5の経済の動きについて模式図を用いた問題や、大問4問3の江戸時代の名簿を用いた問題が特徴的でした。いずれも、日本史の基本的な知識と、図や資料から読み取れる内容とを結び付けて考えれば、難しい問題ではありませんでした。

日本史A

昨年同様、資料を多用した出題方式で知識と、知識問題と考察問題がバランスよく配分された出題でした。大問2と4は日本史Bとの共通問題でした。
知識問題では共通テスト後も毎年出題されている年号配列が4問出題され、大問3の問4では経済史の流れが問われました。大問3問2でもインフレやデフレによる影響を考えさせる問題が出題され、政治史だけではなく、経済分野についても確かな知識が求められています。大問1問6や大問3問5のような文化史の問題も必ず出題されますので、政治・経済・文化といった時代全体の大きな流れをしっかりとおさえる力が求められていると言えるでしょう。

資料問題では、大問1問2の切手を用いた問題、問7の絵はがきを用いた問題、大問3問1や大問4問4の数値が入った表など、初見の資料から読み取れることと、歴史的知識を組み合わせて考える問題が複数出題されています。日本史の資料問題は一見難しそうに見えることがありますが、解答の根拠になる部分を丁寧に読めば比較的素直に解答がでますので、慌てずに取り組みましょう。

新高3生・高2生へのアドバイス

今年度の出題内容からも、共通テストでは単に言葉を覚えるのではなく、歴史の流れをつかみ、当時の社会状況や経済の仕組みなどについても理解できているかを重視していることがわかります。このような点に留意しながら日本史の学習を進めていきましょう。

日本史の共通テスト出題形式の特徴

共通テストでは、「語句記述/選択型・時代整序型・正誤判定型」「資料型」の出題形式が多く見られます。
資料型の問題は、歴史を単に暗記科目としてとらえるのではなく、歴史的な資料を通して考える力、考察力・判断力・読解力をはかるタイプの問題になります。一般的な大学では出題されないため、過去問演習による対策が効果的です。


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