令和5年度共通テスト 「化学」総評 | 共通テスト解答速報2023

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このページでは、令和5年度の大学入学共通テスト理科の化学の出題について解説します。

化学

2023年度の化学は、昨年度に引き続き、分量が多く難度のある出題でした。昨年度に引き続き、計算問題が多く出題されており、その出題にも多様性が見られる点が最大の特徴でしょう。1つ1つの計算は教科書レベルのものですが、複数のステップを踏んでようやく正答にたどり着ける計算、グラフの読み取りが求められる計算、目新しく何を問われているかがぱっとわかりにくい計算など、随所に思考力を問う過程が混ざっている点で、得点力に差がつくといえます。
以下、分野ごとに特徴的な設問を見ていきましょう。

理論化学

理論化学の分野から幅広く出題されました。知識問題では、第1問 問2を除けば、各単元の基本事項を理解していれば得点できました。計算問題では、第2問 問1・問3・問4のような典型的な基本計算は確実に得点したいですが、体積の変化など細かい条件を見落とさないことが大切です。

印象的な設問としては、第1問 問4bです。何をしようか戸惑った受験生も多かったのではないでしょうか。ここでは、まず実験結果から「①結晶40gの体積が15cm3」という関係を読み取ります。そのうえで、図2の単位格子について質量は計算できることに気づけば「②単位格子では質量が4.8×10-22 gで体積が□g」という関係がわかるので、①と②の比例関係から単位格子の体積が求められたわけです。このように与えられた情報を「言葉で整理」しながら、何が求められているかを考えることが大切です。

無機化学・有機化学

いずれも知識問題は基本レベルのものですから確実に得点したいです。差がついたのは第4問 問4のトリグリセリド(油脂)の出題でしょう。教科書レベルよりは難度が高いですが、国公立大二次試験・私立大個別試験では頻繁に見かける典型的な応用問題です。同様に、第1問 問3cの限界イオン半径比、第5問 問2のヨウ素滴定も頻出の応用問題ですから、共通テスト対策だけを意識しすぎず、一般入試を見据えた学習をしていくことが、得点力を高めるうえでは必要不可欠といえます。

新高3生・高2生へのアドバイス

共通テストの科学では、複雑な計算問題の出題も見られますが、まずは1つ1つの基本計算を確実に活用できるかが第1歩です。
目の前の1つ1つの基本事項の定着を大切にしてください。そのうえで意識したいことは、公式を丸暗記するのではなく「公式の意味を言葉で説明できるようになること」、ふだんの計算練習のときから「計算式のみ書くのではなく、数学のように言葉を補いながら答案をつくること」です。この意識は付け焼刃では身に付きませんので、今のうちから着実に準備をしていきましょう。


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