【大学受験】苦手科目と得意科目はどちらを優先して勉強すべき?

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こんにちは!四谷学院 受験コンサルタントチームの伊達です。

模試や学校のテストが返却される時期になると、こういった相談が増えます。
『テストの点数を上げたいけれど、どの科目を優先すべきかがわかりません。
「苦手科目を克服する」べきなのか、「得意科目を武器にする」べきなのか。どちらが良いでしょうか?』


「どの科目から手をつけるか」は非常に重要な視点です。
ただ、自分が成績を上げていくために、どの科目をどれくらいの割合で勉強していけば良いか…はなかなか判断が難しい問題ですよね。

今回は、成績をアップさせて志望校合格を勝ち取るためには「苦手科目と得意科目のどちらを優先すべきなのか」についてお話しします。

苦手科目を得意科目よりも優先的に対策すべき

結論から言うと、苦手科目の対策を優先すべきです。
実際に多くの先輩が、苦手科目の早期対策を行ったことで現役合格をつかんでいます。

なぜ苦手科目の対策を優先した方が良いのか、理由も確認していきましょう。

① すぐに得点アップできる可能性がある!

テストや模試が近く、今すぐ得点をアップさせたい!と考える人も多いでしょう。
努力しているのになかなか結果が出ないと、モチベーションは下がってしまいますからね。
そんなときこそ、苦手科目から手をつけましょう

すぐに結果を出したいのなら、得意科目を伸ばす方が早いのでは?
苦手科目って時間がかかりそうなイメージだし…
生徒
生徒
このように感じる人がいるかもしれません。
ただ、テストで出題される問題は、すべてが同じ難易度というわけではない点に注意が必要です。

テストの構成を知っておこう

たとえば、平均点が60点、赤点が30点になるようなテストについて考えてみます。

授業の中で「ここは大事だから覚えておくように」と言われた重要事項や、教科書に太字で書かれている基本的な知識を押さえていれば、少なくとも赤点は回避できるでしょう。
全体の3~4割は、すぐに得点できる比較的「易しい問題」だと言えます。
平均点に到達するには、一夜漬けで知識を頭に詰め込む勉強では足りません。
遅くとも1~2週間前にはテスト勉強モードに切り替え、学期中に習った範囲の復習やノートの見直しを行う人が多いでしょう。
全体の3~4割は、対策しておけば得点が期待できる「標準的な問題」だと言えます。
定期テストや模試で、満点の人が続出するようなことはありません。
わかっていたはずがミスをしてしまうこともあれば、そもそも一筋縄ではいかない難しい問題が混ざっていることもあります。
相対評価で成績を決めるときに、「多くの人が満点をとれる試験」になってしまうと判別できませんからね。
全体の2割ほどが、発展的な内容を含む「難しい問題」だと言えます。
たとえば苦手科目を英語、得意科目を数学だと仮定します。
前回のテストで、苦手な英語は赤点を危うく回避した40点、得意な数学は平均超えの70点だったとしましょう。
2週間後に迫ったテストで、すぐに総合点や学年順位を上げるには英語と数学のどちらを優先的に対策すべきでしょうか。

苦手科目はすぐに点数を上げやすい?

では、「得点をすぐに上げたい!」という視点で考えてみましょう。
自信や達成感を得ることは、勉強のモチベーションを高めてくれるため、この「即効性」というのは実に大事です。

40点の英語は、「取りこぼし」が目立ちます。
苦手意識が強いあまり、「前日にひたすら知識を詰め込んで、赤点だけでも回避しよう」と考えているかもしれませんね。
「どうせ高得点なんて無理だから…」と、あきらめて対策の時間を割かない人もいるでしょう。

人間の脳は、膨大な情報量でパンクしてしまわないよう、物事を忘れやすいようにできています。
学習してから24時間が経過するころには、その内容の1/4程度しか記憶には残っていない」という実験結果があるくらい、すぐに忘れてしまうのです。
同じ実験の中で「人間の記憶量は1時間も経つころには半分以下になっている」と証明されていることを考えても、どれだけ一夜漬けは効率が悪いかわかるでしょう。

しかし、まだ2週間も残っていれば、教科書やノートの見直しを行う時間は十分に確保できます。
くり返し情報を入れることで、脳に定着する割合は高まっていきますからね。
テスト前の勉強期間を確保し、確実に知識を定着させるよう復習をくり返せば、すぐに次のテストからでも得点アップを実現できるでしょう

早く対策を始めることで自分の負担を減らせる

また、定期テストの間隔を考えると、一夜漬けの場合は約2か月分の授業をすべて復習しなければいけません。
2週間前から勉強を始めることで、一気に思い出さなければいけない範囲を減らすことができるため、自分の負担が減るのです。

さらに、一夜漬けで失敗して低い点数をとってしまうと、その科目への苦手意識はより強くなってしまいますよね。
勉強は、後回しにすればするほど、遅れを取り戻すのが難しくなります。
苦手科目こそ早くから対策を始めることで、自分の負担を減らしていきましょう

得意科目を武器にするのには時間がかかる

一方で、平均点よりも得点できている70点の数学を見てみましょう。
「易しい問題」だけでなく、「標準的な問題」までしっかり理解できていないと、これだけの得点は難しいですね。

裏を返すと、ここからさらに得点を積み上げようとする場合、「難しい問題」にも着手しなければいけません。
当然難易度は高く、教科書には載っていない発展的な問題が出題されることもあるため、普段のテスト対策とはまた別の「確かな実力」を身につける必要があります。

ここでいう実力とは、得意科目であっても一朝一夕で身につくようなものではありません。
初見の問題や発展問題を解けるようにするには、ただワークや過去問を解き、解法のパターンを覚えていく勉強では到底足りないのです。
くり返し解いてパターンを覚えるだけではなく、問題集などで多くの良問に触れ、時間をかけて思考力や応用力を鍛えていかなければなりません。

ただ、「良問とそうでない問題を判別するのがそもそも難しい」「解説を読んでも理解できないことがあって困っている」といった悩みを抱えている高校生は非常に多いです。
四谷学院では、現在の知識量で解けるべき良問を厳選し、プロの先生が納得いくまで説明してくれるので、実力アップにはうってつけですね。

環境を整えたとしても、得意科目をさらなる武器へと仕上げていくには、時間がかかります。
苦手科目を後回しにしてしまっていたあなたも、得点をアップさせて自信をつけるために、次のテストは「苦手科目から勉強を始める」ことを意識してみましょう。

② 苦手科目の方が伸びしろも大きい!

苦手科目を優先することは、点数にすぐ結びつきやすいだけでなく、大幅な得点アップにもつながります。

①と同様、苦手な英語が40点、得意な数学が70点というケースで考えてみましょう。

数学をさらに鍛えた場合、どれだけ努力しても「最大30点」しかアップが見込めません。
周りも得点できない難しい問題を解けるようになるまで実力をつけたのに、上がり幅が小さいというのは、もったいないように感じますね。

一方、英語は倍となる「最大60点」分の上がり幅があります。
これだけでも、対策に力を入れる価値はある…と思えますよね。

元々苦手だった科目が、基礎を固め直したことで面白いように伸び、最終的には一番の得意科目になっている」というのは、珍しいことではありません。
E判定やD判定からの逆転合格をつかむ先輩たちは、この「大きな伸び」を経験しているのです。

また、数学と同じように「30点アップ」の70点を目標とした場合はどうでしょう。
特に難しい問題を解けるようにならずとも、標準的なレベルまで完璧にすれば充分にねらえる点数です。
満点までの伸びしろや、目標点までへの到達難易度から考えても、苦手科目を優先して対策を始めるべきだとわかります。

大学受験は総合戦です。
「得意科目でほかをカバーする」ではなく、「全科目でしっかり得点する」戦術の方が、間違いなく勝率が高いと言えるでしょう。

③ プレッシャーが軽減される!

入試本番や、出願校を判断する際の模試など、重大な試験についても考えてみましょう。
苦手科目を克服した人と、得意科目でその分をカバーしようとする人では、どういった違いがあるでしょうか。

得意科目のみ伸ばした場合

まずは、得意科目でカバーするタイプを考察します。
国公立志望で、世界史が得意、化学が苦手だとしましょう。
共通テストでは、1日目に社会・国語・英語、2日目に数学・理科の試験を行います。
今回の例で言うと、得意な世界史が1日目の最初の科目として実施されることになりますね。

世界史で高得点をとれれば良いスタートダッシュを決めて、それ以降の科目にも自信を持って臨めるかもしれません。
しかし、反対に得意科目で失敗してしまうと、その後に取り返すことは難しくなるでしょう。
得意科目で目標点を下回っているのに、続く科目はそれよりも自信がないものしかありません。

それなら、本番でも失敗しないようにとことん得意科目の実力をつければ良い!
生徒
生徒

そう上手くいくでしょうか。
自分の人生を大きく左右する共通テスト。初めて迎える大学入試で、しかも最初に受ける科目。
「この1科目で全部が決まるかもしれない」というプレッシャーがかかるなかで、自分の実力を出し切るのは相当難しい
ということは想像できるでしょう。

また、「試験が終わるよりも前に、途中で自己採点を行う」ことは、避けるべきだとされています。
得意科目の好結果が先にわかれば弾みがつくかもしれませんが、人間は不安の方が大きくなるもの。
かなりの手ごたえがない限り、「得点できていなかったらどうしよう」というネガティブな気持ちを抱えてしまう人が多いでしょう。

苦手科目が先、得意科目が後の時間に実施される場合も大きく変わりません。
「この科目だけは失敗できないぞ」という重圧は、本来の実力を発揮できなくなる一番の原因となります。
科目間で「得意」「苦手」の差が大きいほど、各科目におけるプレッシャーは大きくなる…と言えるでしょう。

苦手科目を克服した場合

苦手科目の対策に力を入れ、極端に失点してしまうような科目がなくなった場合はどうでしょうか。
平均的に得点が期待できるため、ひとつの科目に対して「これで失敗したら取り返しがつかない…」というプレッシャーを感じることもありません。

高得点を取るには、普段の実力を出し切ることが何より大切です。
それを妨げる一番の要因である「プレッシャー」を軽減することができれば、良い結果がついてくる可能性は高くなります。
平常心で試験に臨むためにも、極端な苦手科目をつくらないよう、早いうちに対策していきましょう。

④ 苦手科目を後回しにするほど克服が難しくなる!

今苦手だと感じている科目について、あなたはいつから「苦手かもしれない」と感じ始めましたか?
「中学のころからずっと苦手だった」という人もいれば、「最近難しくなってから苦手かも」という人もいるでしょう。

ところで、「特別に対策したわけでもないのに、苦手だった科目がいつの間にか克服できていた」というケースを聞いたことがあるでしょうか?
食べ物の好き嫌いであれば、「久しぶりに食べたら意外と美味しかった」ということはありますよね。

しかし、勉強で「久しぶりに真面目に取り組んだら意外と解けるようになってしまった」ということはまずないでしょう。
なぜなら、勉強というものは積み重ねが重要であり、後に学ぶ内容の方が難しくなっているからです。

たとえば数学では、高校1年生までに学ぶ「2次関数」が理解できていなければ、それ以降の「三角関数」や「微分・積分」にはまったく歯が立ちません。
ゲームのRPGで例えると、必要な装備アイテムを揃えず、レベル上げもしていないのに、終盤のボスに挑むようなものですね。

苦手科目の対策を後に回せば回すほど、敵(学習内容)のレベルは上がっていき、取りこぼしているアイテム(基礎知識)が増えてしまいます。
苦手なものほど早急に対策に取りかかることが、自分の負担を減らしてくれるのです。

まとめ

今回は、「苦手科目の克服を優先的に行うべき」というテーマについてお話しました。

勉強に限らず、苦手なものに対して立ち向かうのは、誰でも気が進まないものです。
だからこそ、苦手なものに接する回数を増やしてみてください。

人間は何度も目にしたり触れたりしたものに対して、徐々に苦手意識が薄れていきます。
最初は「気が合わないかもな」と思っていた人が、何度も話しているうちに「意外と話合うじゃん!」と、親しくなっていくのにも似ていますね。

「1日10分だけ教科書を読み返す」「問題集を1ページだけでもやってみる」。
小さな一歩で構いません。毎日の積み重ねが、あなたの苦手意識を払しょくしてくれるでしょう。

でも苦手科目を自分ひとりで対策し続けるのって大変そう…
生徒
生徒

そんなときは、四谷学院を頼ってください。
ただ暗記するだけの勉強ではなく、先生のわかりやすい解説や質問対応で「なるほど!」と感じる機会が増えると、苦手意識はどんどん薄れていきますよ。

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