名古屋工業大学の受験対策!難易度や偏差値、合格に向けての勉強法を解説

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こんにちは!四谷学院の奥野です。

名古屋工業大学は、愛知県名古屋市にキャンパスを置く国立大学。名古屋工業専門学校と、愛知県立工業専門学校を前身とする歴史ある大学です。工学部のみの単科大学で、「名工大(めいこうだい)」の愛称で親しまれています。

この記事では、名古屋工業大学の入試の特徴(難易度や受験者数、実質倍率など)や、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。

名古屋工業大学の受験を考えている方、志望校合格に向けて勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2023年8月6日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

名古屋工業大学の入試問題で問われる能力

はじめに、名古屋工業大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。

名古屋工業大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

名古屋工業大学は、次の3課程を有する、工学部の単科大学です。

  • 高度工学教育課程(生命・応用化学科、物理工学科、電気・機械工学科、情報工学科、社会工学科の5学科の総称)
  • 創造工学教育課程(学部4年間と大学院博士前期課程2年間をつなげた6年一貫教育)
  • 基幹工学教育課程(電気・機械工学コースと環境都市工学コースの2コース。5年間の夜間主課程)

また名古屋工業大学は、以下を教育理念としています。

『ものづくり』『ひとづくり』『未来づくり』を理念として、将来にわたって人類の幸福や国際社会の福祉を達成する方向を示し、同時にそれに対応できる人材を育成する

引用:名古屋工業大学 ポリシー

上記の教育理念のもと、「数理的知識とその活用の能力を中心に基礎学力をもち、本学の理念をよく理解し、工学の使命を果たす意欲をもつ人」を幅広く国内外から受け入れるとのこと。

各課程のアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)は、以下のとおりです。

<高度工学教育課程>

  1. 高等学校等で学習する教科・科目の基本的な知識を習得し、これを活用して課題解決を行う能力をもつ人、特に英語の基礎学力と表現力をもつ人
  2. 工学や科学技術の学習に特に必要となる数学と理科に関する論理的・数理的・科学的思考力をもつ人
  3. 知的探究心が旺盛で、自ら新しい課題を見つけ挑戦し、ものやしくみを創造することで、自然との共生の上に人類の幸福に貢献する意欲をもつ人

<創造工学教育課程>

  1. 高等学校等で学習する教科・科目の基本的な知識を習得し、これを活用して課題解決を行う能力をもつ人、特に英語の基礎学力と表現力をもつ人
  2. 工学や科学技術の学習に特に必要となる数学と理科に関する論理的・数理的・科学的思考力をもつ人
  3. 知的探究心が旺盛で、自ら新しい課題を見つけ挑戦し、ものやしくみを創造することで、自然との共生の上に人々の幸福に貢献する意欲をもつ人
  4. 他者と意見を交わすことのできるコミュニケーション力をもつ人

<基幹工学教育課程>

  1. 高等学校等で学習する教科・科目の基本的な知識を習得し,これを活用して課題解決を行う能力をもつ人
  2. 工学や科学技術の学習に特に必要となる数学と理科に関する論理的・数理的・科学的思考力をもつ人
  3. 知的探究心が旺盛で,自ら新しい課題を見つけ挑戦し,ものやしくみを創造することで,自然との共生の上に人類の幸福に貢献する意欲をもつ人

引用:名古屋工業大学 アドミッション・ポリシー

なお、名古屋工業大学では、カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)やディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)が定められています。詳細は名古屋工業大学公式ホームページをご覧ください。

名古屋工業大学入試の特徴

名古屋工業大学は国立大学のため、一般選抜では大学入学共通テストと、個別学力検査(いわゆる2次試験)を受験するのが一般的です。

また、出願時に提出する調査書やエントリーカードも、評価項目に含まれます。

名古屋工業大学の入試制度には、以下のような種類があります。

一般選抜(前期日程・後期日程)

大学入学共通テスト(5教科7科目)に加え、数学・理科・英語の3教科の個別学力検査が行われます。創造工学教育課程に関しては、小論文も課されます。

大学入学共通テストの5教科7科目は以下のとおりです。

教科科目
国語「国語」
地理歴史

公民

「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理,政治・経済」から1科目
数学「数学Ⅰ・数学A」は必須

「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」から1科目

理科「物理」「化学」「生物」から2科目
外国語「英語(リスニングテストを含む)」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」から1科目

参考:名古屋工業大学 2024年度(令和6年度)工学部入学者選抜要項

なお、創造工学教育課程を受験する場合、2段階選抜が行われる場合があります。

2段階選抜が実施されるのは、募集人員に対して入学志願者が前期日程で約4倍、もしくは後期日程で約8倍に達した場合です。

大学入学共通テストの成績で第1次選抜を行い、合格者に対してさらに検査等を実施します。

学校推薦型選抜

いわゆる推薦入試ですが、共通テストを課す日程と、課さない日程があります。学科により出願要件が異なるため、選抜要項をしっかりチェックしましょう。

総合型選抜

高度工学教育課程と基幹工学教育課程で実施される入試制度です。
募集要項は、名古屋工業大学ホームページの入試案内から、閲覧・ダウンロードが可能です。

名古屋工業大学の入試概要


ここからは、名古屋工業大学の入試概要を解説します。

受験資格について

名古屋工業大学の受験資格は、大学入学共通テストで大学が指定する5教科7科目を受験し、なおかつ次の内容に該当する人とされています。

  1. 高等学校または中等教育学校を卒業した者および入学年の3月卒業見込みの者
  2. 通常の課程による12年の学校教育を修了した者および入学年の3月卒業見込みの者
  3. 学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者および入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
参考:名古屋工業大学 2024年度(令和6年度)工学部入学者選抜要項

なお、3番目の要件に該当する場合は、詳細を入学者選抜要項で確認しておきましょう。

試験科目や合格要件

ここでは、一般選抜(前期日程)における、個別学力検査の試験科目や合格要件を紹介します。

個別学力検査の試験教科は数学・理科・英語で、これは基幹工学教育課程を除く全課程・全学科共通です。

試験科目は次のとおりです。なお、以下のデータはすべて2023年8月6日現在のものです。

個別学力検査の科目名

<高度工学教育課程>

学科・コース名教科科目
生命・応用化学学科

物理工学科

社会工学科

(建築・デザイン分野)

(環境都市分野)

(経営システム分野)

数学「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」は全範囲からの出題

「数学A」は、「場合の数と確率」および「図形の性質」からの出題

「数学B」は、「数列」および「ベクトル」からの出題

理科「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」から1科目
外国語「コミュニケーション英語Ⅰ」「コミュニケーション英語Ⅱ」「コミュニケーション英語Ⅲ」「英語表現Ⅰ」「英語表現Ⅱ」
電気・機械工学科

情報工学科

数学「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」は全範囲からの出題

「数学A」は、「場合の数と確率」および「図形の性質」からの出題

「数学B」は、数列およびベクトルからの出題

理科「物理基礎・物理」
外国語「コミュニケーション英語Ⅰ」「コミュニケーション英語Ⅱ」「コミュニケーション英語Ⅲ」「英語表現Ⅰ」「英語表現Ⅱ」

参考:名古屋工業大学 2024年度(令和6年度)工学部入学者選抜要項

<創造工学教育課程>

学科・コース名教科科目
(材料・エネルギーコース)

(情報・社会コース)

数学「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」は全範囲からの出題

「数学A」は、「場合の数と確率」および「図形の性質」からの出題

「数学B」は、「数列」および「ベクトル」からの出題

理科「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」から1科目
外国語「コミュニケーション英語Ⅰ」「コミュニケーション英語Ⅱ」「コミュニケーション英語Ⅲ」「英語表現Ⅰ」「英語表現Ⅱ」
その他小論文

面接

参考:名古屋工業大学 2024年度(令和6年度)工学部入学者選抜要項

試験科目や配点

一般選抜(前期日程)の配点は以下のとおりです。配点比率が特徴的なので、確認しておきましょう。

区分国語地理歴史
公民
(1科目選択)
数学理科外国語配点合計
大学入学共通テスト200100200200200(900点)
合計900点に2分の1をかけて、450点満点に換算する450点満点
個別学力検査4004002001,000点満点
1,450点満点

参考:名古屋工業大学 2024年度(令和6年度)工学部入学者選抜要項

上表を見ると、大学入学共通テストよりも個別学力検査の配点比率が高くなっているのがわかります。

出願者数や合格者数のデータ

名古屋工業大学の出願者数や合格者数は、次のようになっています。
なお、ここで取り上げているのは、2023年度における一般選抜(前期日程)のデータです。

学科・コース名出願者数受験者数合格者数実質倍率
生命・応用化学科3433191332.4
物理工学科278270654.2
電気・機械工学科3293171122.8
情報工学科341323893.6
社会工学科(建築・デザイン分野)193188444.3
社会工学科(環境都市分野)7372282.6
社会工学科(経営システム分野)8176194.0
創造工学教育課程(材料・エネルギーコース)4437211.8
創造工学教育課程(情報・社会コース)4443143.1

参考:名古屋工業大学 2023年度(令和5年度)入学者選抜状況

各科目の試験問題の特徴

名古屋工業大学の入試対策をするには、最も志願者数が多い一般選抜について、個別学力検査の対策をすることが大切です。

個別学力検査で受ける教科は、工学部全体で「数学」「理科」「英語」の3教科。いずれも標準~やや難しいレベルなので、十分な準備が必要です。

数学

名古屋工業大学の数学はすべて記述式で、大問は4つ。試験時間は120分です。

過去に、大問4つのうち2問が数Ⅲの積分が出題されたケースがあるなど、出題範囲が偏ることがあります。

積分に加え、微分・数列・確率・複素数平面などが頻出傾向にあります。これらの範囲は優先的に学習を進め、苦手な分野があれば、しっかり復習しておきましょう。

記述式のため、考え方や途中式などを分かりやすく書けるように演習するのがおすすめです。

理科(物理、化学)

記述式の問題が多く、大問は物理と化学それぞれ3つで構成されています。試験時間は物理と化学合わせて100分のため、十分な対策が必要です。

物理は小問数が多いという特徴があります。

頻出傾向にあるのは力学分野の問題です。電磁気に力学の問題を含んだパターンの問題もあるため、力学は攻略しましょう。

出題パターンをつかむためにも、過去問の対策が重要です。

化学では、有機化学・無機化学・理論化学の範囲から、幅広く出題されます。計算量がかなり多く、時間配分がカギになります。

過去問を解く際には、100分で解答できるかどうか、時間を計って取り組むのがおすすめです。

英語

英語は大問5つ。1~4問は長文読解で、5問目は自由英作文となっています。

試験時間は80分で、長文読解が大問4つあるため、速読ができるかどうかがポイント。

また、英作文以外は選択回答が大半で、傾向は私立大学の入試に近いものとなっています。例年、科学に関する内容が含まれるのが特徴です。

英作文は60~80語で解答します。

近年は日本語で出題されていますが、英語で出題されるときもあるので、過去問に取り組んで慣れておきましょう。

名古屋工業大学入試の難易度

名古屋工業大学の入試の偏差値は60~67で、大学入学共通テストの得点率は68~80%です。偏差値は学科によって異なるため、自分が目指したい学科の偏差値を確認しておきましょう。

学科偏差値
情報工学科61~67
生命・応用化学科61~65
物理工学科61~66
電気・機械工学科61~66
社会工学科/建築・デザイン分野62~67
社会工学科/環境都市分野61~65
社会工学科/経営システム分野61~65
創造工学教育課程/材料・エネルギーコース60~66
創造工学教育課程/情報・社会コース60~66

参考:マナビジョン 名古屋工業大学/偏差値・入試難易度

名古屋工業大学に合格するための勉強方法


ここからは、名古屋工業大学に合格するための学習方法をご紹介します。

名古屋工業大学に入るには、何をすればいい?

名古屋工業大学の入試で特徴的なのは、個別学力検査の配点比率が大学入学共通テストより高い点です。

大学入学共通テストと個別学力検査の合計点数で1,450点満点ですが、そのうち個別学力検査の数学と理科がそれぞれ400点満点という高配点。

この2教科で800点満点となり、配点全体の半分以上を占めています。

したがって、個別学力検査の数学と理科でいかに点数を伸ばすかが、合格へのカギを握っているといっても過言ではありません。

名古屋工業大学の個別学力検査は、試験全体の記述問題の量や物理の小問数、英語の長文読解の問題数などが多く、大変な部分もありますが、標準レベルの問題も多くあります。

過去問にしっかり取り組み、出題されやすい分野から優先的に学習を進めていきましょう。

受験期の過ごし方

高校3年生の1年間は、過ごし方次第で合否の確率が変わりかねない、重要な期間です。計画を立てずにやみくもに勉強するのではなく、年間を通して長期的なスケジュールを立て、受験勉強を進めましょう。

  • 春(4~5月):徹底的に基礎を身に付ける時期です。数学では青チャートレベルの問題、英語では文法や英単語などに取り組んでください。また、夏に向けて苦手分野の洗い出しも行いましょう。
  • 夏(6~8月):この時期は引き続き基礎を身に付けつつも、苦手分野へ集中的に取り組みます。約1ヵ月ある夏休みに、1週間単位などの短期的なスケジュールで苦手克服に努めるのもおすすめです。
  • 秋(9~11月):応用力を磨きつつ、11月ごろからは大学入学共通テストの対策を始めましょう。共通テスト対策は短期的に行い、残りの期間は個別学力検査対策を行います。記述式対策として、実践的な問題集などに取り組みましょう。
  • 冬(12月~):過去問演習を集中的に行う時期です。出題形式や傾向を知ることで、本番を落ち着いて迎えられます。過去数年分に取り組み、時間配分の練習もしておきましょう。

予備校で勉強する場合

自分1人で受験勉強に取り組むのは、自分に合った勉強法をつかめないと、なかなか継続できないでしょう。一方で「予備校にさえ通っていれば安心」とも言えません。

一般的な予備校の授業は集団授業です。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が同じ授業を受けることになるでしょう。

講師の授業を受け身で聞いて終わってしまうケースもあり、知識が定着しないことも心配されます。

また、集団授業に流されて苦手分野が取り残されてしまう可能性も、予備校のデメリットとして挙げられます。

授業では理解できなかったところは、自分で講師に聞きに行くなどの積極性がないと、苦手分野の克服は難しいでしょう。

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名古屋工業大学入試は丁寧に解く力が重要!

【名古屋工業大学の入試概要】

  • 工学部の単科大学なので、要求される学力の分野がはっきりしている
  • 個別学力検査の特徴的な配点比率を考慮した対策が重要
  • 難易度は標準~やや難しいレベルに分類される

【名古屋工業大学の入試データまとめ】

  • 2023年一般選抜(前期日程)の実質倍率は1.8~4.3倍

【勉強方法まとめ】

  • 特に個別学力検査の理科と数学の配点が高いため、頻出傾向のある分野を中心に十分な学習が必要
  • 物理など問題数の多い教科があるため、過去問を使って時間配分の練習をしておく

名古屋工業大学の合格をつかむためには、周りの学生と差をつけることが大切です。そのためには基礎を徹底し、いかにミスを少なくするかがポイントになるでしょう。

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※本記事でご紹介した情報は2023年8月6日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

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