武蔵大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

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武蔵大学は、東京都練馬区に本部を構える、文系の私立大学です。明治の末から昭和初期に活躍し「鉄道王」と呼ばれた実業家・根津嘉一郎が、1922年(大正11年)に設立した旧制武蔵高等学校をルーツとしています。経済学部・人文学部・社会学部の3学部を擁していますが、2022年4月に国際教養学部が新設される予定です。

この記事では、武蔵大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。武蔵大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2022年3月25日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

 

武蔵大学の入試問題で問われる能力

初めに、武蔵大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説しましょう。

 

武蔵大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

武蔵大学は、ルーツである旧制武蔵高等学校時代の「人間形成を根幹に、明日の新しい日本を担う、優れた人材を育てる」という理想から、「建学の三理想」という教育の原点となる建学の理念を掲げています。

武蔵大学 建学の三理想
1.東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物
2.世界に雄飛するにたえる人物
3.自ら調べ自ら考える力ある人物

引用:武蔵大学HP 建学の理念と教育の基本目標

建学の三理想という理念に基づき、武蔵大学では「自立」「対話」「実践」を教育の基本目標として表明。自立や対話から得た知を実践として社会に還元し、実践から得られた体験を知に還元する「知と実践の融合」の精神を持って人材育成を行っています。

このような武蔵大学で掲げている全学の「アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)」は、以下のとおりです。

アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
【求める学生像と受入れの基本方針】
<1. 本学での学修に必要な学力を有している人 (知識・技能・思考力・判断力・表現力・発信力)
2. 広くリベラルアーツを学び、専門的な知識・課題解決力を身につけようとする意欲のある人 (教養・知識・技能)
3. 基礎的な論理的思考力・判断力、さらに課題発見・解決に必要とされる十分な知識を身につけようとする意欲のある人(思考力・判断力・表現力・発信力)
4. グローバルな思考力および異文化を理解するために必要な外国語能力を身につける意欲のある人(外国語運用能力・異文化理解)
5. 多様な人々の人権を尊重し、主体的に他者と協働して社会に貢献しようとする意欲のある人 (主体性・対話力・協働性)

引用: 武蔵大学2024年度入学試験要項(PDF)

なお武蔵大学では、学部・学科ごとや、入試形態別のアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)も詳細に定めています。詳しくは武蔵大学2024度入学試験要項(PDF)でご確認ください。

 

武蔵大学入試の特徴

武蔵大学で導入されている選抜方法は、一般選抜や総合型選抜などがあり、一般選抜のなかにはいろいろな方式や型が用意されています。文系のみの大学なので、併願しやすいのが特徴です。

  • 一般選抜:一般方式
    多くの人が受験する一般選抜では、一般方式として「全学部統一型」「全学部統一グローバル型」「個別学部併願型」という3つの型があります。「全学部統一型」は、文字どおり同一の試験で全学部の選抜を行う方式で、統一試験の利点を生かし、すべての学部学科専攻(4学部9学科2専攻)に併願が可能です。「全学部統一グローバル型」は、外国語の試験を、指定されている英語検定や英語資格のスコアから得点化し、合否判定を行います。こちらもすべての学部学科専攻(4学部9学科2専攻)で併願できますが、「全学部統一型」と「全学部統一グローバル型」の併願は不可なので注意してください。「個別学部併願型」は学部ごとに試験を行う方式です。試験日が2日あり、併願可能な学部学科専攻が指定されているので、詳細は募集要項等でご確認ください。
  • 一般選抜:大学入学共通テスト方式
    大学入学共通テストの成績のみで合否判定を行う方式で、前期日程・後期日程があります。
  • 総合型選抜:AO入学試験
    武蔵大学のAO入学試験は専願ではないため、他の大学との併願が可能です。ただし大学内のAO試験での併願は不可となっています。全学部で実施されており、「課外活動重視型」や「語学力・文化理解力重視方式」など多彩な方法で選抜が実施されます。
  • その他の選抜方法
    上記以外の選抜方法では、学校推薦型選抜(指定校制推薦入学)、帰国生徒対象入試、社会人入試、外国人学生特別入試などが実施されています。

受験を考えている場合は、該当する選抜方法の募集要項などでご確認ください。武蔵大学HP募集要項よりダウンロードが可能です。

 

武蔵大学入試の概要


ここからは武蔵大学の入試概要を解説します。

 

出願資格について

武蔵大学の出願資格は、選抜方法により詳細に定められています。ここでは一般選抜の一般方式と、大学入学共通テスト方式での出願資格をご紹介しましょう。

具体的な出願資格は、以下のようになっています。

1.高等学校(特別支援学校の高等部を含む。以下同じ。)又は中等教育学校を卒業した者(入学年3月までに卒業見込みの者を含む)
2.通常の課程による 12 年の学校教育を修了した者(入学年3月までに修了見込みの者を含む)
3.高等学校を卒業したものと同等以上の学力があると認められる者(入学年3月31日までにこれに該当する見込みの者を含む)
参照: 武蔵大学2024年度入学試験要項(PDF)

なお、上記3番に該当する場合は、詳細を武蔵大学2024年度入学試験要項(PDF)で確認しておきましょう。また、その他の選抜方法で受験する場合は、武蔵大学HP募集要項で方式ごとの募集要項をご覧ください。

 

試験科目や合格要件

武蔵大学は文系のみの私立大学なので、必要な教科・科目は限られてきます。ここでは試験科目や配点を具体的にご紹介しましょう。

今回は、一般選抜一般方式の「全学部統一型」について取り上げます。

「全学部統一型」は、その名称のとおり、全学部全学科を同じ試験内容・配点で実施する選抜方法です。同じ試験を受けるので、どの組み合わせでも併願が可能なのが特徴といえます。

なお、2022年4月に新設予定の国際教養学部も試験内容は同じですが、国際教養学科グローバルスタディーズ専攻では外国語(英語)の配点が他の学部より高く、国際教養学科
経済経営学専攻では1教科追加(数学基礎)されています。

一般選抜の詳細は武蔵大学2024年度入学試験要項(PDF)でご確認ください。また、その他の選抜方法は、武蔵大学HP募集要項で方式ごとの募集要項がダウンロードできます。

なお、以下で取り上げるデータはすべて2022年3月25日現在のものです。

 

一般選抜一般方式【全学部統一型】
教科科目・選択範囲配点
外国語コミュニケーション英語I、Ⅱ、Ⅲ、英語表現I、Ⅱ※いずれも配点は100点
※3教科のうち2教科受験し、合計得点で合否判定
※3教科受験した場合は、得点が高い教科から2教科の得点を採用する
国語国語総合(漢文を除く)
※古文は選択問題で、現代文のみでも受験可能
選択
(地歴公民または数学)
【世界史B】
【日本史B】
【政治・経済】
【数学Ⅰ、Ⅱ、A、B(数列、ベクトル)】
以上より1科目選択
合計200

 

出願者数や合格者数のデータ

武蔵大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2021年度一般選抜の結果を合計したものです。

学部募集人数出願者数受験者数合格者数志願倍率実質倍率
経済2756,7826,6641,722253.9
人文2253,2423,2001,12014.42.9
社会1824,6374,5471,02525.44.4

出典:大学受験パスナビ 武蔵大学

 

各科目の試験問題の特徴や難易度

武蔵大学の試験問題の特徴や傾向をチェックしておきましょう。

武蔵大学では、公式ホームページに「入試の傾向と対策、サンプル問題」というページがあり、受験教科すべての出題傾向や対策について、出題者が詳細にまとめた内容を公開しています。

問題の構成や出題のねらいなど、「ここまで公表するの?」と驚くほどの内容となっているので、受験生は必ず確認するようにしてください。

また詳細な解説のおかげか、一般選抜の合格者の得点率がかなり高くなっています。合格には7割~8割以上の得点が必要になりますので、傾向をつかみつつ、しっかり準備しましょう。

ここでは、武蔵大学が公開している試験問題の特徴を、一部抜粋してご紹介します。

 

英語

武蔵大学の英語はマークシート方式で、試験時間は60分です。出題は大問が5問で、次のような構成になっています。全体的に問題数は抑えてあり、余裕を持って解答できる量です。

1.穴埋め問題
2.英文完成問題
3.比較的短い英文の読解問題
4.長文読解問題
5.長文読解問題

基本的な内容をしっかり理解していれば解答できる内容ですが、重要表現や文法などは例文を活用して身に付けておきましょう。英文読解や文法の問題集を1冊ずつ用意し、徹底的に反復練習するのがおすすめです。

 

国語

マークシート方式で試験時間は60分。出題は大問が次のような3問となっていますが、2問目と3問目は選択問題につき、実質2問の出題となります。もし3問とも解答した場合は、2問目と3問目で得点の高いほうが判定に採用されます。

1.抽象度の高い論説型の文章(漢字に関する設問を含む)
2.教養や文化をテーマにしたエッセイ
3.古文

日頃より論説や小説、新聞などの読書体験を積むことで、読解力や漢字などの総合的な国語力が養えます。国語力は受験のためだけでなく、入学後の勉学の基本となることを認識して学習を進めましょう。

 

政治・経済

マークシート方式で試験時間は60分、選択科目の一つです。大問は3題で、問題数は40問程度となっており、政治・経済・社会の範囲からまんべんなく出題されます。各分野を関連付けながら、苦手な分野を作らないように学習を進めてください。

 

武蔵大学入試の難易度

武蔵大学の入試の偏差値は60~67です。大学入学共通テストの得点率は72%~83%となっています。

出典:武蔵大学/偏差値・入試難易度【2023年度入試・2022年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報

 

武蔵大学に合格するための勉強方法


ここからは、武蔵大学に合格するための勉強方法をご紹介します。

 

武蔵大学に入るには、何をすればいい?

武蔵大学の入試は一般選抜で実施される「全学部統一型」など、わかりやすい入試制度となっており、入試教科・科目も限られることから、絞り込んだ学習が可能となっています。

先ほどもご紹介したように、大学が公式に「入試の傾向と対策、サンプル問題」を公開しているので、出題の構成や内容、ねらいを確認しながら、受験勉強を進めることができるでしょう。

しかし多くの受験生が傾向をつかみながら十分な準備をして受験に臨むため、合格最低点が高得点になりがちです。したがって、1つのミスが合否を分ける事態になってしまいます。

求められる傾向を押さえつつ、基礎を徹底して、どれだけミスなく解き切るかが問われています。

 

受験期の過ごし方

受験期となる高校3年生の1年間をどのように過ごすかで、合否の確率は変わってくるでしょう。しかし、がむしゃらに勉強するだけでは効果が上がりません。受験まで年間を通じた長期的なスケジュールを立てるようにし、計画的に受験勉強に取り組んでください。

  • 春(4〜6月):徹底して基礎を身に付けましょう。教科書の内容を中心に学習し、早い時期に苦手分野の洗い出しをします。暗記ものは単語集や用語集を活用し、できるだけ早く取りかかるのがおすすめです。
  • 夏(7〜9月):苦手分野を徹底して克服しましょう。長期休暇中は、まとまった学習時間が取りやすくなるので、ぜひ成績アップを狙ってください。短い間隔でスケジュールを組むのも、モチベーションを保つコツといえます。「一日に問題集を10ページ進める」など、自分に合った方法を取り入れるのがおすすめです。
  • 秋(10〜12月):大学入学共通テストの対策を始めましょう。基礎固めをしながら応用力も磨くことで、私立大対策にもなります。
  • 冬(1月〜):過去問を集中的に学習し、演習を積みましょう。時間配分にも注意して取り組んでください。志望校の解答形式を確認しながらミスなく問題を解くようにし、最後の仕上げをします。

 

予備校で勉強する場合

ひとりで受験勉強に取り組む場合、継続する意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになりがちです。しかし「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れないのをご存じでしょうか。

その理由は、集団授業。大手予備校の場合は、一度に多くの生徒が同じ授業を受けることも日常的に行われています。講師の授業を受け身で聞いて、集団のなかでわかった気になっているだけの場合もあり、知識がしっかり定着しない心配があります。

さらに集団授業のなかでは、苦手分野が取り残される可能性も捨てきれません。集団授業でわからなかったところは、あとから自分で講師に聞きに行くなどの積極性がないと、思うような学習の効果は出ないかもしれません。

 

四谷学院のカリキュラムのご案内

予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。

 

科目別能力別授業

大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。

四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。

 

55段階個別指導

科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。

55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。

 

武蔵大学入試は丁寧に解く力が重要!

【武蔵大学の入試概要】

  • 一般選抜がメインの受験方法で、一般方式(全学部統一型、全学部グローバル型、個別学部併願型)や大学入学共通テスト方式がある。
  • 難易度は標準~やや難。

【武蔵大学の入試データまとめ】

  • 一般選抜で実施される方式を合計した実質倍率は2.9~4.4倍。志願倍率は14.4~25.4倍。

【勉強方法まとめ】

  • 難問奇問はないので基本的な知識中心に、教科書や用語集を丁寧に学習するのがおすすめ。
  • 問題数はさほど多くないが、全教科60分の試験なので時間配分の練習もしておく。

武蔵大学は、難易度は標準からやや難レベルですが、公式に出題の傾向や対策を公開しているゆえに合格最低点が高く、ハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。

自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2022年3月25日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

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