こんにちは、四谷学院地理担当の本田です。
今日はMARCHの地理について紹介していきます。基本事項の徹底が何よりも重要という点はどの大学・学部も共通していますが、形式や傾向を知ることで効率よく点数に結び付けることができるのも事実です。特にMARCHを第一志望にしている人は多いかと思いますから、それぞれの大学・学部の出題の特徴を踏まえ、しっかりと対策していきましょう。
【参考記事】
目次
地理で受験可能な大学・学部
地理選択者であれば、おそらく知っている方がほとんどと思いますが、地理で受験できる大学・学部は限られます。まずはMARCHで地理が使える大学・学部を紹介します。
※共通テスト利用方式は除く
・立教大学:法・経済・経営・理以外の学部で選択可。
・法政大学:主に理系学部を除き、A日程は選択可。文学部地理学科のみT日程も可。
なお、青山学院大学・中央大学は、全ての方式・日程で地理での受験は不可です。
※最新情報とは異なる場合がありますので、各大学のホームページ等で最新情報をご確認ください。
形式と地形図・日本地誌・論述の出題有無
MARCHレベルになると、記述式・全範囲から出題・論述有りのパターンが多いですが、そうではない大学・学部も一部ありますので、簡単にまとめています。
△は出題されるが、基本問題中心のため共通テストレベルの対策で大丈夫というレベル
×は近年(少なくとも5年以上)出題されていない
大学 | 方式 | 形式 | 地形図 | 日本地誌 | 論述 |
明治 | 全学部 | マークのみ | △ | 〇 | × |
明治 | 文 | マーク+記述 | 〇 | △ | 1~3行(30~90字) |
明治 | 政治経済 | マーク+記述 | 〇 | 〇 | 20~50字 |
明治 | 商 | マーク+記述 | × | 〇 | 3~4行(100字程度) |
明治 | 農 | マーク+記述 | 〇 | 〇 | × |
立教 | 記述・選択 | 〇 | △ | 1~3行(30~90字) | |
法政 | 文・経営・人間環境・GIS | 記述・選択 | 〇 | 〇 | 字数制限なし |
法政 | 法・国際文化・キャリア | 記述・選択 | 〇 | 〇 | 字数制限なし |
法政 | 経済・社会・ 現代福祉・ スポーツ健康 | 記述・選択 | × | × | 30~150字 |
法政 | T日程 | 記述・選択 | 〇 | 〇 | 字数制限なし |
日本地誌について
日本地誌は小学校・中学校で習うため、高校の教科書ではあまり扱っていません。〇が付いている大学・学部については、早めに過去問を確認して「どのレベルまで問われるか?」を確認した上で、中学校の教科書や参考書等も利用して対策をしましょう。
各大学・学部・日程別の注意点
各大学・学部・日程の難易度や頻出分野、地形図・日本地誌・論述の詳細を紹介します。地理の入試問題においては、基本事項の徹底、暗記ではなく原理・背景知識まで理解することが最優先ということは共通しています。その他どういったところに注力すればよいかの参考にして下さい。
では早速、MARCH各大学を見ていきましょう。
明治大学
明治大学 全学部統一
明治大学の入試問題「地理」において、ほとんどの問題が基本~標準レベルの問題です。取りこぼしで差がついてしまうので、基本事項の徹底をしましょう。
また、試験時間60分に対し、50個程解答しなくてはならないため、スピードも重要です。地形図・日本地誌も含め、各分野まんべんなく出題されます。苦手な分野を残さないことも重要です。国名や地名も聞かれるため、地図帳を使った勉強が必須です。
明治大学 文学部
明治大学文学部の地理の入試問題は基本マーク式です。論述問題が必須、まれに用語や地名の記述が出題される形式です。標準問題中心、一部難問がみられるため、難易度は高めです。基本事項の徹底が重要ですが、用語集や資料集、参考書を活用し、細かい知識・理解をしておかないと差がつけられてしまいます。
第1問で地形図の読図、第2問で系統地理分野から、第3問で地誌分野から出題される傾向が続いています。ただし、2023年度は2題とも地誌分野から出題されたため、地誌分野を重点的に対策しておく必要があります。地形図も細かいところまで聞かれるため、専用の問題集を1冊仕上げておくとよいでしょう。日本地誌は地形図と絡めて出題されますが、そこまで細かい知識は聞かれません。論述は必出です。30~90字程度で書く練習をしておきましょう。
明治大学 政治経済学部
明治大学政治経済学部の地理の入試問題は、大問4題の内3題がマーク式、残り1題が記述+論述という形式がここ何年か続いています。標準問題が中心ですが、大問ごとに難易度の差が大きく、記述+論述の大問は難易度が高くなりやすいという特徴があります。基本事項の徹底はもちろん、用語集や資料集、参考書を活用し、細かい知識・理解をしておきましょう。
1~2題は地誌分野から出題されますが、残りは系統地理分野から出題されるため、系統地理分野の比重が大きいと言えます。特に人口に関する問題が頻出です。政治経済らしく、世界の社会・経済に関する出題も多く、環境問題や災害・民族紛争など、時事的な問題も出題されるため、近年起こった世界的な出来事は詳細を調べておきましょう。地形図は小問1~2題の出題で、基本事項を問う問題が中心です。論述は2022年度に200字の問題が出されましたが、基本事項を並べれば書ける問題でした。それ以外の年度は20~50字でしたので、短くまとめる練習に集中するとよいです。
明治大学 商学部
明治大学商学部の地理の入試問題は、大問5題の内2題がマーク式、2題が記述式、1題が論述という形式がここ何年か続いています。試験時間60分で5題(論述は100字程度)ですので、解答スピードも求められます。
標準問題が中心ですが、地名は細かいところまで聞かれるため、地図学習が必須です。地形図の出題はありませんが、他は全範囲からまんべんなく出題されています。商学部らしく、統計問題がやや多い印象ですので、統計対策は念入りに行いましょう。貿易や民族紛争、環境問題など時事的な問題も出題されているため、近年起こった世界的な出来事は詳細を調べておきましょう。論述は定番化しているテーマを扱う問題がほとんどなので、論述問題集でしっかり対策しておけば対応できるはずです。
明治大学 農学部
明治大学農学部の地理の入試問題は、マーク式が中心、一部記述式となっています。記述式は基本用語や地名を書かされる程度で、難易度は標準レベルという印象です。まずは基本事項を徹底していきましょう。
全範囲まんべんなく出題されていますが、理系学部・農学部らしく、自然地理学と農業、統計問題が頻出となっています。知識ではなく、成因などが聞かれる思考問題が多いため、穴埋めなどの暗記ではなく、背景まで理解することが重要です。地形図は必出となっています。距離の計算なども求められるため、地形図問題集を1冊仕上げておきましょう。日本地誌も割と細かいところまで聞かれます。中学・高校受験用の参考書などを活用し、盲点となりやすい日本地誌も確認しておきましょう。
立教大学
立教大学の入試問題「地理」は、標準レベルの問題が中心ですが、論述問題にやや難問がみられます。また、地形図読図に時間がかかるため、解答スピードも求められています。全ての分野から出題されていますが、近年は自然環境・地誌・地形図が頻出しているため、重点的に対策しましょう。
自然環境は成因を聞かれるため、用語を正確に覚えるだけでなく、理解することが重要です。地形図は地図記号・等高線の読み取りはもちろん、距離や標高差、地形断面図の描図問題も出されているため、地形図問題集を利用し念入りな対策が必要です。日本地誌は単独で出題されず、地形図と絡めて数問出題される程度ですので、共通テストレベルの知識でも問題なさそうです。論述問題に難問が多いため、普段から説明する・書く練習が必須です。
法政大学
法政大学 文・経営・人間環境・GIS(グローバル教養)学部
法政大学の地理の入試問題は、標準レベルの問題が中心ですが、一部細かい知識が聞かれ、この問題で差がつきます。細かい知識は用語・地名が多いため、用語集や一問一答を活用し、地図学習も徹底しましょう。
試験範囲は全範囲まんべんなく出題されます。地形図はやや細かい問題もみられるため、地形図問題集を1冊仕上げましょう。日本地誌も細かい知識が聞かれるため、中学・高校受験用の参考書を活用しましょう。論述問題は字数制限がありませんが、だいたい40字~70字くらいの分量なので、短文でまとめる練習が必要です。
下記の法・国際文化・キャリアデザイン学部と難易度・形式ともに近いため、こちらの過去問も対策として有効です。
法政大学 法・国際文化・キャリアデザイン学部
法政大学の法・国際文化・キャリアデザイン学部の地理の問題は、難易度・形式ともに上に書いた文・経営・人間環境・GIS(グローバル教養)学部に近いため、同様の対策をしましょう。
法政大学 経済・社会・現代福祉・スポーツ健康学部
法政大学 経済・社会・現代福祉・スポーツ健康学部において、地理は標準レベルの問題が中心ですが、一部細かい知識が聞かれ、この問題で差がつきます。特に地誌分野が頻出で、空間認識の正確さを問う問題が多いため、地図学習は必須です。
経済学部では、経済学部らしく統計問題も頻出かつ難易度が高いため、統計集の確認も徹底しましょう。
社会学部では、社会学部らしく時事的な問題も多いため、普段から新聞やニュースにふれて、社会問題などは詳細も調べておきましょう。
論述は30~150字と幅が広いですが、50字程度が中心となるため、どちらかというと短文でまとめる練習に力をいれましょう。
法政大学 T日程(地理学科)
法政大学 T日程(地理学科)の入試問題は、地理学科用の問題なので、難易度はかなり高くなっています。地図投影法など細かいところまで聞かれるため、用語集や一問一答などを利用しつつ、成因を聞かれることも多いため、普段から「なぜ?」と疑問に思うことを意識して詳細を調べるようにしましょう。
地形図は毎年出されるわけではありませんが、出た場合には難問が多いため、地形図問題集を1冊仕上げておきたいです。日本地誌も高校教科書レベルを超えた問題が出されるので、中学・高校受験用の問題集などを利用し、細かいところまで確認しましょう。
論述問題は必出、かつ難易度が高いため、対策は必須です。字数制限はありませんが、だいたい50~100字程度の問題を使い練習しておきましょう。統計問題も難問が多いため、基本統計集に加え、『世界国勢図会』や『日本国勢図会』などの詳細な統計集も確認しましょう。
まとめ「【MARCH】地理対策 マーチの出題傾向を徹底比較!」
今回は、MARCHの地理について紹介してきました。どの大学・学部においても、基本事項の徹底が何よりも重要という点は共通していますが、志望大学の問題形式や傾向を知ることは合格への近道となります。
なお、冒頭でお伝えした通り、地理で受験できる大学・学部は限られます。現時点では、青学・中央大は全ての方式・日程で地理をつかって受験できる学部はありません。ただし、最新情報とは異なる場合がありますので、定期的に志望大学のホームページ等をチェックして、常に最新情報を確認しておきましょう。
四谷学院では55段階個別指導と科目別能力別授業のダブル教育で、基礎を徹底的に学びます。さらに志望校対策として、夏期講習・冬期講習で地形図ゼミ、日本地誌、論述対策講座を設定しており、MARCH対策も万全です。
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