こんにちは、四谷学院の国語担当、田中です。
国語の勉強は、現代文・古文・漢文とやらなければならないことが多くて、気が付いたら漢文が後回しになっている、という人はいませんか?
実は漢文は、短時間の勉強でも高得点が狙いやすい科目なんです。
高3の夏から始めても遅くない!漢文で点数を取るコツについて伝授します。
漢文を捨てるのはアリ?
先生、実は……7月に学校で模試があったんですけど、漢文が全然読めなくて。
先生
それは大変だ。漢文にはちゃんと勉強時間を回せてる?
それが、現代文とか古文の方に時間がかかって、ついつい漢文は後回しにしちゃってたんですよね。
先生
じゃあ、今からでも漢文の勉強に取り掛からないとね。
でも、もう高3の夏休みですよ?今から漢文やって間に合います?いっそ漢文は捨てて、他の科目に時間を回した方が・・・
先生
あきらめるのはまだ早いよ!
共通テストでは、国語の中で一番得点しやすいのが漢文だと言っても過言ではないんだ。高得点が狙える科目を捨ててしまうなんてもったいない!
共通テストでは、国語の中で一番得点しやすいのが漢文だと言っても過言ではないんだ。高得点が狙える科目を捨ててしまうなんてもったいない!
本当ですか?でも、漢文が一番点数取りやすいって、どうして?
先生
それはね、漢文は『句形』や『単語』といった知識と、問題の答えが直結しやすいからなんだ。実際の出題を、一緒に確認してみようか。
【問題】
「苟近レ我、我当レ図レ之」の解釈として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
①どうか私に近づいてきて、私がおまえの絵を描けるようにしてほしい。
②ようやく私に近づいてきたのだから、私はおまえの絵を描くべきだろう。
③ようやく私に近づいてきたのだが、どうしておまえを絵に描けるだろうか。
④もし私に近づいてくれたとしても、どうしておまえを絵に描けただろうか。
⑤もしも私に近づいてくれたならば、必ずおまえを絵に描いてやろう。
(2022年度 共通テスト本試験より)
先生
実はこの問題は、ここに示されている情報だけで答えが出てしまうんだ。本文を読まなくても答えを導き出せるよ。
本文を読まなくても、ですか!? どうやって?
先生
例えば、1文字目の『苟』。『いやしくも』と読むんだけど、意味は覚えてる?
え~、それを聞くってことは『卑しい』じゃないんですよね?
なんだったかな、見たことはある気がするんだけど。
なんだったかな、見たことはある気がするんだけど。
先生
正解は『かりにも~ならば』。『仮定』の句形で使われる重要語だね。
あ、そういえばそうでした!
あれ? 選択肢の中で、前半が『かりにも~ならば』と同じ意味になってるのって⑤しかないような……
あれ? 選択肢の中で、前半が『かりにも~ならば』と同じ意味になってるのって⑤しかないような……
先生
ダメ押しでもう1つ。
5文字目の『当』も重要語だ。見覚えはない?
5文字目の『当』も重要語だ。見覚えはない?
これは覚えてますよ!再読文字ってやつですよね!
先生
その通り!
返り点を無視して一度読み、次に返り点通りにもう一度読む働きを持つ文字だ。『当』は『当(まさ)に~べし』と読んで、『当然~すべきだ』という意味だね。
返り点を無視して一度読み、次に返り点通りにもう一度読む働きを持つ文字だ。『当』は『当(まさ)に~べし』と読んで、『当然~すべきだ』という意味だね。
それに近いのは、②の『私はおまえの絵を描くべきだろう』か、⑤の『必ずおまえを絵に描いてやろう』ですかね?
ということは、前半も後半も正しい意味になってるのは、⑤だけですね!」
ということは、前半も後半も正しい意味になってるのは、⑤だけですね!」
先生
その通り。ほら、本文を読まなくても答えが分かったでしょう?
本当だ、句形の知識だけで分かっちゃった。」
先生
本来は、ちゃんと前後の文脈を確認して、本当に選んだ答えで正しいかどうかをチェックするのが理想だけどね。でも、入試本番は時間との戦いだ。限られた時間の中で、正確に答えを選ぶ必要があるわけだから・・・
句形や単語の知識で答えを絞り込めば、短時間で高得点が取れる!?
先生
そういうこと。漢文は特にこの手の問題が多いんだ。漢文で高得点が狙える理由、分かってもらえたよね?
なんか俄然やる気が出てきました!」
先生
それは良かった!」
漢文で最優先すべきものは?
先生
漢文の問題で得点するには知識が重要なことも分かってもらえたよね?限られた時間で高得点を狙うためには、単語を見てぱっと意味や用法が思い出せるというレベルに仕上げていく必要があるんだ。
夏休み中に、重要句形の総復習をしようと思います!
先生
うん、その意気だ。もちろん、読解のスキルが必要な問題もあるから、そのあたりは見極めが必要だけどね。それが出来るようになるためにも、しっかり演習を積んでおこう。
はい!」
四谷学院で漢文を得点源に!
漢文の学習で大事なのは、基礎知識を万全に固めることです。
焦っていきなり読解問題に手を出しても、知識が十分でなければ読解で得点することはできません。逆に、知識を固めるだけで安定した得点の見込める科目でもあります。
夏休みには夏期講習を活用して、まずは句形や重要単語の総チェックから始めて、漢文を得点源にしていきましょう!
まずは、夏期の個別相談会にいらっしゃってください。苦手を克服して志望校に合格するための戦略をお話しします。お気軽にお越しください。オンラインでも実施中です!