国際医療福祉大学は、栃木県大田原市に本部を構える日本初の医療福祉系総合大学(私立)です。メインとなる大田原キャンパスのほか、千葉県成田市など合計5キャンパスに11学部28学科(特別専攻科2つを含む)が設置されています。6つの附属病院を生かして「チーム医療・チームケア」を体験できる環境が整っており、医療福祉のほぼ全域をカバーできる職種を養成しています。
この記事では、国際医療福祉大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。国際医療福祉大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2022年12月15日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
国際医療福祉大学の入試問題で問われる能力
初めに、国際医療福祉大学が求めている人物像と入試の特徴について解説します。
国際医療福祉大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
医療福祉系の総合大学である国際医療福祉大学では、次のような理念を掲げています。
- 3つの基本理念
・人間中心の大学
・社会に開かれた大学
・国際性を目指した大学 - 7つの教育理念
・人格形成
・専門性
・学際性
・情報科学技術
・国際性
・自由な発想
・新しい大学運営
このような理念から、建学の精神「『共に生きる』社会の実現」を目指している国際医療福祉大学では、アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)を次のように定めています。
本学が入学者に求める要件 本学は、建学の精神であるに基づく深い人間理解の上に、高度な知識・技能を修得し、また多職種と連携・協働してその責務を果たし、日々進化する保健・医療・福祉分野の需要に対応できる指導的な人材の育成を実現すべく、学生、社会人、留学生、帰国生徒に対して学修の機会を提供し、このような社会的な需要に応える教育を展開するものである。本学が入学者に求める要件は、以下のとおりである。 1.知識・技能 2.思考力・判断力・表現力 3.主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度 |
引用:国際医療福祉大学 アドミッション・ポリシー(一部抜粋)
なお、アドミッション・ポリシーの全文と、各学科の「求める学生像」は、国際医療福祉大学 アドミッション・ポリシーからご確認ください。
国際医療福祉大学入試の特徴
国際医療福祉大学で導入されている選抜方法は以下のとおり、多数実施されています。
- 一般選抜前期・後期
医学部以外の9学部で実施される、入学試験の中心となる選抜方法です。前期は日程A・B・Cの3日程で行われ、いずれも本学を含む最大18ヵ所に試験会場が用意されます。日程は自由選択制なので、3日間すべて同一学部・学科を受験することも可能です。また1回の受験で、指定された範囲内の複数の学部・学科が併願できます。後期は大田原キャンパスなど大学で実施され、1科目または2科目の学科試験と個人面接により選考が行われます。 - 一般選抜(医学部)
医学部の一般選抜は前期・後期の区別はなく、一次選考(英・数・理と小論文)・二次選考(個人面接)が実施されます。 - 大学入学共通テスト利用選抜
大学入学共通テストの成績と提出書類により選考が行われます。共通テストで利用する教科数は2教科または3教科です。医学部では一次選考で5教科、二次選考で英語、小論文、個人面接が課せられます。 - その他の選抜方法
学校推薦型選抜※、総合型選抜※、帰国生徒特別選抜、特待奨学生特別選抜※、社会人選抜※、留学生特別選抜が実施されています。
※医学部での実施はありません。
いずれも詳細は国際医療福祉大学2023年度学生募集要項(PDF)をご確認ください。
国際医療福祉大学入試の概要
ここからは、国際医療福祉大学の入試概要を解説します。
出願資格について
国際医療福祉大学の出願資格は、選抜方法ごとに定められています。一般選抜での出願資格は、次のようになっています。
- 高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者および入学年の3月に卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者および入学年の3月に修了見込みの者
- 学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、および入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
なお、国際医療福祉大学では、出願手続きは国際医療福祉大学インターネット出願サイトから行います。自分の専用ページ「マイページ」を作成する際に、出身校などを登録する手順があるので、出願サイトの指示にしたがって入力してください。
マイページの入力手順などは、国際医療福祉大学2023年度学生募集要項(PDF)などでご確認ください。
試験科目や合格要件
ここからは、国際医療福祉大学の試験科目や配点を、一部抜粋してご紹介します。
今回取り上げるのは一般選抜前期の内容です。国際医療福祉大学の一般選抜前期は、学部・学科により、3科目型・2科目型で実施されています。その他の選抜方法については、国際医療福祉大学2023年度学生募集要項(PDF)にてご確認ください。
なお、以下のデータはすべて2022年12月15日現在のものです。
保健医療学部(放射線科・情報科学科を除く)などの3科目型
国際医療福祉大学の保健医療学部(放射線科・情報科学科を除く)で実施される3科目型の試験内容は次のとおりです。なお、同じ試験内容が適用されるのは以下の6学部です。
- 保健医療学部(放射線科・情報科学科を除く)
- 成田看護学部
- 成田保健医療学部(放射線科・情報科学科を除く)
- 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部
- 小田原保健医療学部
- 福岡保健医療学部
教科・項目 科目・選択範囲など 配点 英語 コミュニケーション英語I、Ⅱ 英語表現I 100 選択科目 以下の9科目から1科目を選択 国語総合、日本史B、数学ⅠA、数ⅡB、
物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、
物理基礎・化学基礎、生物基礎・化学基礎
100 小論文 600文字以内 段階評価
※なお、保健医療学部・成田保健医療学部の放射線科・情報科学科も3科目型になりますが、選択科目が以下の6科目に指定されています。
→数ⅡB、物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、物理基礎・化学基礎、生物基礎・化学基礎
医療福祉学部の2科目型
教科 | 科目・選択範囲 | 配点 |
選択科目(合計10科目から2科目選択) | ◎英語、◎国語総合 日本史B、数学ⅠA、数ⅡB、 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、 物理基礎・化学基礎、生物基礎・化学基礎 ※◎の2科目から最低1科目を選択 | 100×2科目 |
出願者数や合格者数のデータ
国際医療福祉大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2022年度の一般選抜前期の結果です。
学部 | 募集人数 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
保健医療 | 196 | 734 | 175 | 4.2 |
医療福祉 | 25 | 70 | 49 | 1.4 |
薬 | 55 | 423 | 170 | 2.5 |
成田看護 | 42 | 524 | 60 | 8.7 |
成田保健医療 | 114 | 911 | 157 | 5.8 |
赤坂心理・医療福祉マネジメント | 34 | 107 | 60 | 1.8 |
小田原保健医療 | 73 | 542 | 109 | 5.0 |
福岡保健医療 | 74 | 224 | 90 | 2.5 |
福岡薬 | 40 | 494 | 115 | 4.3 |
医 | 105 | 2,938
| 278 (正規合格者数) | 10.6 |
出典: 入試区分別入試結果(2022年度入試)(PDF)
2022年度入学試験集計表【医学部】(PDF)
各科目の試験問題の特徴や難易度
国際医療福祉大学の試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、国際医療福祉大学一般選抜(医学部以外)での試験問題の特徴を一部抜粋してご紹介します。
英語
国際医療福祉大学の一般選抜では、医療福祉学部を除き、英語が必須となっています。試験時間は選択科目と合わせ2科目で120分の設定なので、時間配分は調節が可能です。
マークシート方式で大問は5問。長文問題、文法語彙問題(空所補充・並べ替え・書き換え)、会話文の内訳です。
小論文
国際医療福祉大学の一般選抜では、小論文が必須科目になっている学部があります。内容は医療や福祉分野の専門知識を問うものではなく、幅広いジャンルから出題されます。わかりやすい文章で時間内にまとめられるかどうかが問われているので、誤字・脱字にも注意しましょう。
国際医療福祉大学入試の難易度・偏差値
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、国際医療福祉大学の入試の偏差値は47~71、共通テスト得点率は52~86%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。
学部 | 偏差値 |
医 | 70~71 |
薬 | 54 |
福岡薬 | 53 |
保健医療 | 52 |
医療福祉 | 48~51 |
福岡保健医療 | 47 |
小田原保健医療 | 5459 |
成田看護 | 57 |
成田保健医療 | 53 |
赤坂心理・医療福祉マネジメント | 50 |
国際医療福祉大学に合格するための勉強方法
ここからは、国際医療福祉大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
国際医療福祉大学に入るには、何をすればいい?
国際医療福祉大学の入試方法は多いものの、やはり一般選抜が中心です。試験科目数は少ないものの、選択科目が多いため、事前にしっかり確認して受験勉強を進めるようにしましょう。小論文が必須科目になっている学部・学科もあるため、対策が必要です。
また大学入学共通テストを利用した選抜方法では、指定された選択科目の範囲で、高得点の科目1~2科目が判定に利用されます。得意科目があって高得点が狙える場合などは、共通テスト対策をしっかり行い十分に得点できていれば、合格のチャンスも高まります。
受験生は過去問などから自分が志望する学部・学科で求められる学習内容をつかみ、絞り込んで勉強して入試に臨みます。つまり、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。
大学入学共通テストを含め、基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかが問われます。
受験期の過ごし方
高校3年生という受験までの1年間をどう過ごすかにより、合否の確率が変わるといっても過言ではありません。やみくもに勉強するのではなく、本番までの長期的なスケジュールを立て、計画的に受験勉強を進めてください。
- 春(4~6月):徹底して基礎を身に付ける時期。教科書の内容を丁寧に学習しながら、苦手分野の洗い出しも行いましょう。暗記ものは好みの単語集や用語集を用意して、1日でも早く取りかかるのがおすすめです。
- 夏(7~9月):苦手分野を徹底して克服する時期。長期休暇中は、まとまった学習に取り組めるので、ぜひ成績アップを狙いましょう。「1日に問題集を10ページ進める」など、短期目標を取り入れるのも、モチベーションを保つコツです。
- 秋(10~12月):基礎固めが完璧にできたら、大学入学共通テストの対策を始める時期。基礎固めはもちろんのこと、応用力も磨くことで、私大入試や個別学力検査対策にも役立ちます。
- 冬(1月~):過去問を集中的に学習し、演習を積む時期。個別学力検査対策には、時間配分も大切です。時間内にミスなく問題を解くようにし、最後の仕上げをします。過去問を解いて終わり、ではなく、解答や解説を見て復習が必要な箇所がないか確認しましょう。
予備校で勉強する場合
独学で受験勉強に取り組む場合、継続する意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになります。だからといって「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れないのをご存じでしょうか。
その理由は、集団授業にあります。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が集まって授業を受けることも珍しくありません。大きい集団のなかで講師の授業を受け身で聞き、わかった気になっているだけの場合もあり、知識が定着しない心配があります。
また集団授業のなかで、苦手分野が取り残される可能性もあるでしょう。授業でわからなかったところは、自分で講師に聞きに行くなど積極的に取り組まないと、思うような学習の効果は期待できません。
予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。
科目別能力別授業の詳細はこちら!
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。
55段階個別指導の詳細はこちら!
国際医療福祉大学入試は丁寧に解く力が重要!
【国際医療福祉大学の入試概要】
- 一般選抜が中心で、大学入学共通テスト利用選抜など、多くの方法がある。
- 難易度は標準~やや難。
【国際医療福祉大学の入試データまとめ】
- 2022年度一般選抜前期の学部での倍率は1.4~10.6倍。
【勉強方法まとめ】
- 基本的な知識を十分に身に付け、教科書や用語集を丁寧に学習するのがおすすめ。過去問にも取り組む。
- 時間が足りなくなる科目が多いので、時間配分の練習をしておく。
国際医療福祉大学は、難易度は標準からやや難レベルですが、医療・福祉に特化した大学ゆえにハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2022年12月15日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。