こんにちは、四谷学院の英語担当、山岡です。本日は、慶應義塾大学の英語の試験についてお話します。次に学部ごとの出題傾向についても解説します。慶大を志望している受験生の方は、ぜひじっくり読んでみてください。
目次
慶應義塾大学の英語の特徴
慶應義塾大学(以下、「慶應大学」)の英語の試験はとてもユニークです。
どの学部も1000語程度の長い文章を読む長文読解問題が中心となっていますが、文学部で英語の辞書を持参可能であることが象徴しているように、単に単語の意味がわかるだけでは文章全体の意味を把握できないような、複雑な論理展開の文章や抽象度の高い文章も多数出題されます。
英語に限らず様々な文章に触れ、文章理解力や思考力を培うことが求められていると言えるでしょう。
それでは、慶應大学の各学部の出題傾向を見ていきましょう。
慶應大学 各学部の出題傾向
文学部
文学部の英語の試験時間は120分で、英語辞書を2冊まで持ち込み可能です。
文学部では大問が1つのみで、2000語近くの長文読解が出題されます。下線部和訳、和文英訳に加えて、100字~120字の内容説明など、他の私立大学に比べて記述問題が圧倒的に多くなっています。
文章の語彙レベルは高いですが、英英、英和、和英辞典などの辞書を2冊まで持ち込めることを考慮に入れれば太刀打ちできないものではありません。しかし、表面的な語の意味を調べても文脈や文章全体が意味するところを理解していないと解答できない問題がほとんどです。特に内容説明問題では、文章全体から読み取ったことを時間内に簡潔にまとめる力が問われます。
経済学部
経済学部の英語の試験時間は100分です。
700~1000語の長文読解が3~4題、自由英作文が1題出題されます。加えて会話の英訳が出題された年度もあります。
特徴的な点は、同じテーマについて多角的に論じているなど、長文読解の文章が関連していることです。さらに自由英作文は提示された問題文に対する自分の意見を、関連する文章の見解や事柄を引用しながら述べなければなりません。単なる英文読解力を超えて、即座に論旨を要約しそれに対する意見をまとめる力、さらに正確な英語で表現する高度な力が求められます。
法学部
法学部の英語の試験時間は80分です。
法学部では、700~1000語の長文読解が1題出題される他、語彙力を問う問題、会話文の空所補充、インタビューの質問と回答を合致させる問題などバラエティ豊かな出題形式です。中でも単語の英語での定義を選択する問題などは、非常に高い語彙力が要求されます。単語帳での勉強に限らず、長文中に出てくる単語の意味も辞書を引いて覚えるなど、普段から様々な単語に触れておくことも有効です。
会話文は、近年では議論に近い内容のものも出題されています。会話文に特徴的な表現を押さえておくことはもちろん、話者の意見を正確に汲み取る読解力も重要です。
商学部
商学部の英語の試験時間は90分です。
商学部では、800~1000語の長文読解が3題出題される他、70語~200語の短い文章を読み、1つの文章に対して主にその要旨に対する1つの設問に答える問題など、読解問題が多数出題されます。
読解問題の設問文はすべて英語で、読む文章の合計語数は3000語を超えることもあり、試験時間に対して非常に多い分量です。
短文中の空所補充は、選択した動詞を適切な語形に変えて解答する、もしくは選択した動詞を名詞形に変えて解答する記述問題となっています。この問題は、基本的な文法の徹底はもちろん、日頃から派生語等に気を配り語彙力を伸ばすことで十分対応可能ですので、スピードを持って解き、その分読解問題に時間を割くのが良いでしょう。
医学部
医学部の英語の試験時間は90分です。
医学部では700~1000語程度の長文読解が2~3題出題され、そのうち1題は設問が英語です。
和文英訳、英文和訳、内容説明など、記述量がかなり多く、求められる語彙レベルも非常に高いです。また提示されたテーマに対する意見を100語程度で述べる自由英作文も出題されます。社会的、時事的要素を含むテーマが示されている年度もあり、様々な事柄に対する自分の考えを英語でまとめる力が求められます。90分という短い試験時間を考えると、全体として極めて高い英語処理能力が問われていると言って良いでしょう。
理工学部
理工学部の英語の試験時間は90分です。
理工学部は、600~900語程度の長文読解が2題出題されます。他学部に比べると短くはありますが、問題文の要約文等を読みその空所に適語を入れる設問もあり、合計すると読む英文量は少ないとは言えません。会話文も出題されますが、下線部の意味を問う問題や内容一致、会話に関連する文の空所補充など、長文読解問題に近い設問の形式となっています。
また、近年英文を日本語で要約する問題や、日本語で書かれた文章の指定された部分を英訳する問題など新傾向の出題もあるため、今後の動向を見据えた対策が必要です。
総合政策学部・環境情報学部
総合政策学部と環境情報学部の英語の試験時間は120分です。総合政策学部と環境情報学部の出題形式は共通しています。
出題は全て長文読解で、700~900語の文章が2題と、1500語程度の超長文が1題出題されます。問いは空所補充と、英語の設問による内容に関する問題です。空所補充では文法・語法・語彙力を問うものはもちろんのこと、幅広く空所の前後の文脈を理解していないと解答できないものもあります。
内容に関する問題も選択肢が紛らわしいものが多く、総じて難易度は非常に高いです。合計語数は3000語程度で、特に超長文問題では、英文を読むスピードを保ちながらも段落ごとの要旨を掴み、論理展開をしっかりたどる訓練を積み重ねることが重要です。
総合政策・環境情報学部は受験の際に試験科目を選択可能で「数学および外国語」を選択した場合には長文読解(700語~900語)が2題のみの出題となります。
看護医療学部
看護医療学部の英語の試験時間は90分です。
看護医療学部では、独立した文法問題として空所補充が出題される他、短い文章中の整序問題など文法・語法・語彙の知識を重点的に問われています。
英文は300語~400語程度と比較的短めで、近年は内容一致問題などを含む長文総合読解問題は出題されていません。しかし、文脈から考えて文章中の不適切な語を指摘し代わりの適語を選択する問題など、しっかりと文脈をとれていないと解けない問題が大多数です。そのため文法の基本を徹底した上で長文読解を中心に対策を進めていく点で他学部と変わりはありません。
自由英作文は2020年度の出題以降は姿を消しています。
薬学部
薬学部の英語の試験時間80分です。
薬学部では、関連するテーマについての600語~1000語程度の長文読解が3題出題され、加えて3つの文章の要約となる選択肢を選ぶ問題が出題される形式が近年続いています。問いは空所補充、内容一致など一般的な長文読解の出題形式が多く、設問文は全て英語です。
また、記述問題は整序問題や本文から語を抜き出すのみなど記述量が少ない傾向が続いていましたが、近年30~40字指定の内容説明問題が出題されるなど、記述量が増えています。
まとめ「慶應義塾の英語 入試対策 学部別の特徴と難易度を解説!」
慶應大学の各学部の出題傾向を見てきました。慶應大学の英語は他の私立大学とは大きく異なる出題も多く、時間をかけて対策を行うことが合格のカギとなります。
慶應義塾大学の科目別対策
慶應義塾大学の科目ごと、学部ごとの入試対策について、詳しい記事がありますので、ぜひご覧ください。
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