こんにちは。四谷学院の世界史担当、荒木です。関関同立とは、関西の難関私大である関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学の4校を指しています。今回の記事では、関関同立各大学について世界史の出題傾向を紹介していきます。
入試対策の重要性
あなたもご存じの『孫氏』のなかにはこんな一文があります。
「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」
非常に有名な教訓です、大学受験にも当てはめることができます。それは、「難関大に合格するためには志望校の傾向と対策を把握して、自分に合った効果的な学習をする必要がある」ということです。関関同立を志望校とする受験生で世界史を選択している方は、しっかりチェックしていただければと思います。
関関同立 世界史の入試対策
関関同立の入試において重要なことは、教科書に載っているような基礎的な内容をしっかりと定着させることです。大学・学部によっては、用語集の説明文中にのみ載っている用語や大学受験のレベルを超える問題も一部ありますが、そのような問題で合否が決まることはありません。全単元の基礎内容をきちんと網羅し、取るべき問題を落とさなければ、十分合格点を確保できます。
関西大学の世界史
全問マークシート方式で実施され、全体的に基礎~標準レベルの問題構成となっています。基本は空所補充の問題ですが、正誤問題や地図問題、時系列の並び替え問題なども出題されているので、注意が必要です。特に並び替えの問題は特定の年号を知っていないと解けない問題というより、歴史的事象の時系列を把握していれば解ける問題が多い印象です。また、地域や年代も満遍なく出題されており、各単元の基礎的な部分で穴を作らないことが大切です。
ちなみに空所補充問題の場合、空所直前の問題文から答えを導き出せます。過去問演習や入試本番もそうですが、いきなり語群を見るのではなく、空所に入る語句は何かと自分で考えて、それを語群から見つけるようにすれば、選択肢に惑わされなくて済みます。
関西学院大学の世界史
全問マークシート方式で実施され、、全体的に基礎~標準レベルの問題構成となっています。たまに一部の選択肢で用語集の説明文などにしか載っていない用語を答えさせる問題もありますが、全問マークシート方式なこともあり、基礎~標準レベルの用語知識で十分対応できます。また、関西大学と同じように地域や年代は満遍なく出題されているため、現代史・東南アジア史といった対策が遅れがちな地域も対策しておきましょう。
関西学院大学の問題の特徴は、「アケメネス朝に関する記述として正しいもの」「ルイ14世に関する記述として誤りを含むもの」といった、ある用語に関連する事項は何かを問うことです。この場合、「ルイ14世=〇〇」という1:1の式しか頭に入っていないと、正しい選択肢を選びにくくなってしまいます。世界史はその用語に関連する情報をいかに把握しているかが重要なので、人物や各国の業績は紐づけて覚えるようにしましょう。
同志社大学の世界史
全日程で選択式と記述式の問題が混合しており、全体的に基礎~標準レベルとなっています。しかし選択式の問題では、消去法が使えない問題が多く出題されており、正確な知識が求められている点で解答する難易度はやや高めです。出題内容は他大学に比べると、各大問で一つの地域を重点的に問うことが多いです。例えば古代ギリシアの大問であれば古代ギリシアの内容、中国現代史の大問なら中国現代史の内容しか出題されないということです。したがって各国の縦の繋がりを念入りにおさえつつ、その国や地域が他のどこと関わっていたかをおさえる学習を行いましょう。
また、年代については幅広く問われているので、現代史などの対策が遅れやすい部分も欠かさずに対策しましょう。ちなみに学部にもよりますが、文化史の出題頻度も高いです。文化史は対策できていない受験生が一定数いる分野ですので、他の受験生と差をつけるためにも抜かりなく確認しておきましょう。
立命館大学の世界史
全日程でほぼ全ての問題が記述式で出題されており、年度によっては地図や写真などを用いた問題も散見されます。難易度は基礎~標準レベルですが、中国史の問題は全て漢字で解答しなければならない点、問題文によっては長いものだと2~3行からヒントを探して解答を導く必要がある点を考慮すると、少々手ごわいかもしれません。ただ、問われている内容は教科書レベルのものが中心ですので、まずは重要語句の意味や関連情報の確認を優先しましょう。
立命館大学も全時代・地域から満遍なく出題されています。中国史では縦の流れをおさえるのはもちろんのこと、周辺地域との関わりについてもおさえておきましょう。さらに文化史なども比較的多く出題されており、記述式のため人名や作品名も漢字で書ける状態にする必要があります。記述対策としては、馴染みのない漢字などを重点的に書く練習をすることです。ちなみに生徒からはよく、「今までずっとこの誤った方の漢字で覚えてしまっていました!」という声を耳にするので、教科書の漢字と自分の書いた漢字が相違ないか、きちんと見比べておきましょう。
関関同立のそのほかの科目対策
そのほかの科目について、こちらの記事で詳しく解説していきます。合わせてチェックしてみてくださいね。
→関関同立の「化学」出題傾向を徹底比較!頻出分野は?難易度は?
→関関同立の日本史を徹底解説!出題傾向は?難易度は?【大学受験】
→関関同立の世界史を徹底解説!出題傾向は?難易度は?【大学受験】(このページ)
→地理対策 関関同立の出題傾向を徹底比較!出題傾向は?難易度は?
まとめ
今回は関関同立の世界史について解説しました。冒頭でも述べましたが、関関同立の世界史を攻略するために最も必要なことは、教科書レベルの用語を完璧に仕上げて、基礎~標準レベルの問題を取りこぼさないことです。普段の学習から内容の理解を徹底し、繰り返し用語確認の反復を行いましょう。そして各大学の出題傾向に慣れるために、最後は過去問を活用しましょう。
四谷学院では55段階個別指導と科目別能力別クラス授業のダブル教育で基礎からしっかり学べます。
気になる方はまずは四谷学院の個別相談会に参加してみてください。