こんにちは!四谷学院の奥野です。
鹿児島大学は、9学部と9つの大学院研究科を擁する総合大学です。
鹿児島県鹿児島市に郡元キャンパス、桜ヶ丘キャンパス、下荒田キャンパスの3つのキャンパスを構え、学部と大学院を併せると約11,000人以上の学生が在籍しています。
国際交流にも力を入れており、各国からの留学生の受け入れや学生の海外派遣など、海外研修・海外留学に対する支援を行なっているのも特徴です。
この記事では、鹿児島大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格に向けた効率的な勉強方法をご紹介します。鹿児島大学の受験を考えている方はぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2023年4月11日現在のものです。最新の情報は鹿児島大学の公式ホームページでご確認ください。
目次
鹿児島大学の入試問題で必要とされる能力
まず鹿児島大学が求めている人物像と、入試難易度を解説します。
鹿児島大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
鹿児島大学では、学生の潜在能力発見と適性開花に努め、自主自律と進取の精神を持つ人材を育成するために以下を教育目標として掲げています。
- 1幅広い教養と高度な専門的知識・技能を身につけ、諸課題を発見・探究・解決する能力を育む。
- 豊かな人間性と倫理観を身につけ、向上心をもって自ら困難に立ちむかう態度を養う。
- 地域における活動に積極的に関わり、社会の発展に貢献できる行動力を養う。
- グローバルな視野をもち、国際社会の発展に貢献できる実践的な能力を育む。
鹿児島大学の入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)では、上記の教育目標を理解したうえで、以下に掲げる基礎学力や意欲、行動力を有する学生を求めています。
- 鹿児島大学の教育目標に共感し、それを実現できる基礎学力や考える力と意欲をもつ人
- 人間としてのモラルを大切にし、教養をより高めようとする人
- 知的向上心に富み、専門職業人として社会に貢献することをめざす人
- ボランティアやインターンシップをはじめ、広く具体的体験に積極的に取り組む意志をもつ人
鹿児島大学ではこのほか、学部ごとにディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーを定めています。詳細は鹿児島大学の公式ホームページをご確認ください。
鹿児島大学の入試の特徴
鹿児島大学は国立大学のため、大学入学共通テストと鹿児島大学が実施する個別学力検査を中心とした試験の総合得点で結果が決まります。
ただ、一般選抜以外にも、総合型選抜や学校推薦型選抜などさまざまな入学試験が実施されています。ここではそれぞれの選抜方法を確認していきましょう。
一般選抜(前期・後期)
一般選抜は、志望する鹿児島大学の学部・学科が指定する教科・科目を大学入学共通テストで受験し、その後、鹿児島大学が実施する個別学力検査を受ける選抜方法です。前期日程と後期日程があります。
前期日程は全9学部で行われ、医学部医学科では2段階選抜が実施されます。後期日程は、法文学部の心理学コースや教育学部の中等教育コースでは実施されないため注意してください。
総合型選抜
総合型選抜は、大学入学共通テストを課さないAO型選抜と、大学入学共通テストを課す自己推薦型選抜の2種類があります。
AO型選抜は、理学部理学科の数理情報科学プログラム、物理・宇宙プログラム及び水産学部水産学科の水圏科学領域、水産資源科学領域、食品生命科学領域で実施されます。
自己推薦型選抜は、以下の学部・学科の入学定員の一部においての実施です。
法文学部-人文学科(全コース)
理学部-理学科(全プログラム)
医学部-保健学科(看護学専攻)
歯学部-歯学科
工学部-建築学科
農学部-全学科、国際食料資源学特別コース(農学系サブコース)
水産学部-国際食料資源学特別コース(水産学系サブコース)
共同獣医学部-獣医学科
出願要件や提出書類、選抜方法などは、鹿児島大学の公式ホームページでご確認ください。
その他の選抜
その他、学校推薦型選抜や国際バカロレア選抜、私費外国人学部留学生選抜が行なわれています。
鹿児島大学の受験を考えている方は、いずれも最新の学生募集要項をご確認ください。鹿児島大学の公式ホームページで入学者選抜要項などを閲覧できます。
鹿児島大学の入試の概要
ここからは、鹿児島大学の入試概要を解説します。
出願資格について
鹿児島大学の出願資格は入試の選抜方法ごとに異なります。ここでは一般選抜における出願資格を一部ご紹介します。
一般選抜での出願資格は、大学が指定した大学入学共通テストの教科・科目をすべて受験し、以下の項目のいずれかに該当する人です。
(1) 高等学校又は中等教育学校を卒業した者及び令和5年3月卒業見込みの者
(2)特別支援学校の高等部又は高等専門学校の3年次を修了した者及び令和5年3月31日修了見込みの者
(3)学校教育法施行規則第150条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び令和5年3月31日までにこれに該当する見込みの者 (次の①から⑥のいずれかに相当する者)
①外国において、学校教育における12年の課程を修了した者及び2023年3月31日までに修了見込みの者, 又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定したもの
②文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者及び2023年3月31日までに修了見込みの者
③専修学校の高等課程 (修業年限が3年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る) で、文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者及び令和5年3月31日までに修了見込みの者
④文部科学大臣の指定した者
⑤高等学校卒業程度認定試験規則による高等学校卒業程度認定試験 (旧規程による大学入学資格検定を含む) に合格した者及び令和5年3月31日までに合格見込みの者で、令和5年3月31日までに18歳に達するもの
⑥本学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で令和5年3月31日までに18歳に達するもの
引用:鹿児島大学 出願資格
試験科目や合格要件
ここからは、鹿児島大学の試験科目や配点を一部の学部・学科を抜粋してご紹介します。
今回取り上げるのは、法文学部法経社会学科(法学コース)と医学部医学科における一般選抜(前期日程)の内容です。その他の試験内容については、鹿児島大学 令和5年度 一般選抜要項にてご確認ください。
なお、以下のデータはすべて2023年4月11日現在のものです。
・法文学部法経社会学科(法学コース)
教科 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 国語 150 | 国語総合・現代文B・古典B 200 | 350 |
地歴 公民 | 世B、日B、地理B、倫・政経から2科目 150 | ― | 150 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅰ・数A から1科目 数Ⅱ、数Ⅱ・数Bから1科目 100 | ― | 100 |
理科 | 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目 または 物理、化学、生物、地学から1科目 50 | ― | 50 |
外国語 | 英、独、仏、中、韓から1科目 150 | 英(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・英語表現Ⅰ・Ⅱ) 200 | 350 |
合計 | 600 | 400 | 1,000 |
・医学部医学科
教科 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 国語 200 | ― | 200 |
地歴 公民 | 世B、日B、地理B、倫・政経から1科目 100 | ― | 100 |
数学 | 数Ⅰ・数A 数Ⅱ・数B 200 | 数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B 200 | 400 |
理科 | 物理、化学、生物、から2科目 200 | 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から2科目 400 | 600 |
外国語 | 英語 200 | 英(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・英語表現Ⅰ・Ⅱ) 200 | 400 |
その他 | ― | 面接 120 | 120 |
合計 | 900 | 920 | 1,820 |
出願者数や合格者数のデータ
鹿児島大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2023年度入試(令和5年度)の一般選抜(前期日程)のデータです。
学部 | 募集人員 | 志願者数 | 志願倍率 |
法文学部 | 280人 | 641人 | 2.3倍 |
教育学部 | 124人 | 275人 | 2.2倍 |
理学部 | 111人 | 349人 | 3.1倍 |
医学部 | 152人 | 557人 | 3.7倍 |
歯学部 | 37人 | 204人 | 5.5倍 |
工学部 | 307人 | 608人 | 2.0倍 |
農学部 | 154人 | 299人 | 1.9倍 |
水産学部 | 67人 | 177人 | 2.6倍 |
共同獣医学部 | 20人 | 230人 | 11.5倍 |
各科目の試験問題の特徴や難易度
鹿児島大学の入試対策のために、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、鹿児島大学一般選抜での試験問題の特徴について、教育学部学校教育教員養成課程初等教育コース(一般)の一部科目を抜粋してご紹介します。
英語
試験時間は90分で、大問は5問程度です。出題例としては長文読解が2題、文法・語彙が1題、英作文が2題といった具合です。
長文読解は説明問題が多い傾向です。内容はわかりやすいものの、記述量が多いためスピーディな対応が求められます。
文法・語彙の難易度は基礎・標準レベルです。
英作文の出題内容はやや特殊で、英文中の日本語を英語に訳す問題と、英語の質問に英語で答えその理由を100語程度の英語で回答する問題が出題されます。
そのため、過去問を研究して出題形式に慣れておくこと、英作文のルールを学んで英文の言い回しを覚えること、構文集などを使って重要な構文を使用した例文を暗記しておくことなどが重要です。
国語
試験時間は90分です。大問は例年、現代文・古文・漢文が1題ずつの計3問出題されています。記述式の問題が出題されるため、正しい漢字なども書けるようにしておきましょう。
また、問題文は短いものの、説明問題が2~3問あるためある程度の時間が必要になります。基礎を固めて対策しましょう。
数学
試験時間90分の記述式で、大問は例年3問程度です。鹿児島大学の数学は全体的に大学入試の標準レベルの出題が多いため、基礎の理解と正確な計算力が重要です。
例としては、整数、図形と方程式、三角関数、指数と対数、確率、数列、平面ベクトル、空間ベクトルなどから出題されます。
3問のうち問1は必須解答ですが、問2と問3は複数の問題から選択して解答する形になります。過去問を何度も解いて、自分が得意な問題を素早く見抜く練習をするといいでしょう。
鹿児島大学入試の難易度・偏差値
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、鹿児島大学の入試の偏差値は48~70、共通テスト得点率は51~84%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。
学部 | 偏差値 |
法文学部 | 54~61 |
教育学部 | 49~55 |
理学部 | 52~56 |
医学部 | 55~70 |
歯学部 | 60~62 |
工学部 | 48~55 |
農学部 | 51~55 |
水産学部 | 50~55 |
共同獣医学部 | 65~67 |
鹿児島大学に合格するための勉強方法
ここからは、鹿児島大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
鹿児島大学に入るには、何をすればいい?
鹿児島大学は国立大学のため、入試は一般選抜が中心です。一般選抜では大学入学共通テストを受験後、各学部の個別学力検査を受ける流れです。
総合型選抜にはAO型選抜と自己推薦型選抜がありますが、それぞれ各学部学科によって選抜方法などが異なります。
一部例外もありますが、この記事で紹介した法文学部法経社会学科(法学コース)などを見ると、個別学力検査よりも共通テストの配点のほうがおおむね高くなっています。
そのため大学入学共通テスト対策も含め、まず基礎を徹底することが重要です。さらに、ミスをできるだけ少なくして解き切ることを意識しましょう。
多くの受験生は、過去問などを研究し、自分が志望する学部・学科で求められる学習内容を絞り込んで勉強しています。1つのミスが合否を分けることもあるため、取りこぼしのないよう注意しましょう。
受験期の過ごし方
大学受験は、受験期の約1年で合否の確率が変わるといっても過言ではありません。漫然と取り組むのではなく、年間を通じた長期的なスケジュールを立てて、受験勉強に臨みましょう。
- 春(4~6月):基礎を徹底して身につけます。教科書の内容を丁寧に学習し、苦手分野の洗い出しを行ないましょう。英単語や文法などの暗記ものは単語集や用語集を使い、重点的に取り組みます。
- 夏(7~9月):苦手分野を徹底して克服していきます。長期休暇中は自分のペースで学習に取り組めるため、この時期にはぜひ成績アップを狙いましょう。勉強時間や問題集のページ数など1日・1週間などを短く区切ってスケジュールを組むとモチベーションを保ちやすくなります。
- 秋(10~12月):基礎固めが完璧にできたら、大学入学共通テストの対策を始めます。基礎力に加え応用力も磨くことで、個別学力検査の対策にも役立ちます。
- 冬(1月~):過去問を集中的に学習し、演習を積みます。時間配分に注意しながらミスなく問題を解くようにしましょう。過去問を解くだけでなく、解答や解説を見て復習が必要な箇所を洗い出し、最後の仕上げをします。
予備校で勉強する場合
独学で受験勉強に取り組む場合は、勉強を続ける意志と適切な情報を収集する力が問われます。しかし「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れません。
多くの予備校は集団授業を取り入れており、大手予備校では一度に多くの生徒が同じ授業を受けるのが日常的です。このような集団授業では、講師の授業を受け身で聞き、わかった気になってしまうことが多く、知識が定着しない心配があります。
また集団授業では、わからなかったところを自分から講師に聞きに行くなど積極的に取り組まないと、苦手分野がそのままになってしまいやすく、十分な学習の効果が出ない可能性もあります。
予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。
四谷学院のカリキュラムのご案内
四谷学院の「ダブル教育システム」なら、上記のような予備校の欠点をカバーすることが可能です。ここからは、ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしていきましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では志望校やテストの総合得点でクラス分けをするため、苦手科目の授業についていけない、得意科目の授業が物足りないといった「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがちです。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けします。科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組みのため、無理なく理解が進み、効率的な成績アップが望めます。
科目別能力別授業の詳細はこちら!55段階個別指導
55段階個別指導では、科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげます。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底的に分析した55のテストを受験し、理解に穴がある点、考え方が不完全な点などを段階的にチェックします。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導するのが特徴です。
55段階個別指導の詳細はこちら!まとめ:鹿児島大学入試はミスなく解き切る力が重要!
【鹿児島大学の入試概要】
- 国立大学なので一般選抜が中心。その他、総合型選抜(AO型選抜・自己推薦型選抜)、学校推薦型選抜や国際バカロレア選抜、私費外国人学部留学生選抜なども実施されている。
- 難易度は標準~やや難。
【鹿児島大学の入試データまとめ】
- 一般選抜(前期日程)の学部での実質倍率は2.1倍(令和5年度入試)。
【勉強方法まとめ】
- 標準レベルの出題が多いため、基本的な知識を十分に身につけるのがおすすめ。
- 併せて時間配分の練習をしておく。
鹿児島大学は入試難易度が標準からやや難レベルの国立大学です。鹿児島大学に合格するには、基礎を理解したうえで、いかにミスなく問題を解き切るかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。
自分の理解レベルに合った授業により、効率的な成績アップが望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2023年4月11日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
失敗しない予備校選びは説明会参加が重要!
予備校選びは大学受験の合否に直結するといっても過言ではありません。インターネットの口コミや予備校のパンフレットだけでは、得られる情報に限りがあります。自分に合った予備校を選ぶには、実際に説明会に足を運び、自身の目で確かめるのが一番です。
以下の記事では、予備校の入学説明会について詳しく解説しています。ぜひ一度目を通して、予備校の説明会に参加する際に感じがちな疑問や不安を解消してみてください。