後悔しない高校生の塾選び。大学受験におすすめの塾・予備校は?ポイントを解説

この記事は約12分で読めます。

こんにちは、受験コンサルタントの田中です。
大学受験のために「そろそろ塾や予備校に通わなきゃ」と考えてはいるけれど、塾選びに迷っているという高校生も多いでしょう。たくさん調べても情報が多すぎてかえって決めきれないとか、あちこちの塾や予備校から資料請求したけれど結局全部には目を通していないとか…というお話も珍しくありません。

そこで今回は、塾選びで迷子になっている高校生とその保護者の方に向けて、プロの視点から「高校生の塾選びのコツ」を紹介します。
ぜひあなたにピッタリな塾・予備校を見つけて、第一志望の大学合格のために頑張りましょう!

塾選びは難しい

大学受験においては、「どんな塾・予備校を選ぶか」というのはとても大切が、とても難しい問題でもあります。それは、正解は一つではないからです。

これから大学合格を目指す高校生が、どんな塾や予備校を選ぶのがベストか?ということについて解説していきますが、一人ひとりの状況に合わせて、「自分はこれが当てはまりそうだな」とチェックしてみてください。保護者の方にも参考にしていただき、「うちの子は、ここは塾選びのポイントになりそう」と見つけていただければ幸いです。

塾に通い始める理由で多いのは?

まず最初に、皆さんがどんな理由で塾や予備校に通っているのか、きっかけについて確認していきます。

Q.塾に通い始めた理由は?
A.
・成績が悪い
・学校の授業についていけない
・周りが予備校に通い始めた
・志望校や目標が定まった
・保護者に言われて

それぞれの理由について、事例を挙げながら見ていきましょう。

成績が悪い

もっとも直接的な原因、「成績が悪い」という理由です。学校の定期テストや模試の成績が悪いために塾に通い始めるというケースです。
この場合、塾に求めていることは「成績を上げること」なのですが…実は違うニーズが隠れていることが多くあります。そこで、塾に通い始める前に、まずは「なぜ成績が悪いのか」という点を深めてみましょう。あなたにピッタリの塾選びができるかと思います。

A君の場合

MARCH志望だが、模試の成績が悪く、このままではまずいと思って、塾に行きたいと保護者に相談した。塾に通い始めたものの、成績は上がらず、転塾を決意。受験コンサルタントと相談する中で、基礎を飛ばして応用問題ばかりにこだわっていたことが判明。

⇒基礎から学び直しをすることで成績が向上!志望校もレベルアップし、早慶を目指すことに。

学習意欲があるものの、成績につながらず、A君のモチベーションは非常に落ちてしまっていました。しかし、基礎からやり直すことで、知識の穴を埋めることができ、「わかった」「できた」を積み重ねて自信を回復。もともと意欲も目標も高かったので、すぐに成績に反映した好事例です。

高校の授業についていけない

学校の授業の難易度・スピードについていけないというお悩みです。高校1、2年生に多く聞かれます。
このとき塾に求めていることは、「学校の授業の予習・復習をしたい」ということですが、学校の授業がない「春期」「夏期」「冬期」などの講習を活用するのがおすすめです。長期休暇がない場合には、個別指導などを活用して、ギュッと短期間で集中するのが良いでしょう。

Bさんの場合

高2になってから、授業が急に難しく感じるようになった。高1で習ったことを前提として授業が進んでしまう。そこで授業についていくために一生懸命予習をしているため、復習に時間が取れていないという状況。

⇒復習を徹底して基礎力を強化、効率的な学習法が身に付き、新学期が始まってから授業についていけるように。

「学校の授業についていけない」ということでしたが、実は「予習・復習が正しくできていない」という課題がありました。夏期講習でまずは集中的に復習。理解の土台となる基礎を強化しました。並行して、正しい予習・復習の仕方を身につけることで、効率的に勉強できるようになりました。新学期からは授業にも余裕がでて、得意科目は先取りもできるように!

周りが予備校に通い始めた

高校2年生あるいは3年生になると、クラスのほとんどが塾や予備校に通っている、という状況になります。まだ大丈夫だろうと思っていたら、いつの間にかみんな塾に行って勉強している…そこで焦って塾を探し始める、というパターンです。「みんなが行っているから」という外的要因で塾に行くため、モチベーションが低い傾向が多く、自分なりの目標が持てると意欲的に勉強に取り組めるようになります。

C君の場合

志望校はまだはっきり決まっていないけど、そろそろ予備校に行かなきゃと思って、あちこちの予備校・塾の説明会に参加してみたけれど、ピンと来ない。そこでアドバイスをもらって、大学のオープンキャンパスに行ってみることに。

⇒「この大学で●●の勉強したい!」と強く感じ、志望校志望学科が決定すると、勉強へのモチベーションがアップ!

「予備校に求めるものは何か?」「どんな塾だったら合格できそうだと思うか」自問自答してみるとよいでしょう。やるべきことが明確になれば、あとはそれに向かって走るだけ!できるだけ早い段階で、できるだけ具体的な目標を持つことをおすすめします。

志望校や目標が定まった

志望校や志望学科がきまると、入試科目や配点がわかるので勉強の仕方も効率的になってきます。ただし、「落とし穴」があることもお忘れなく!

D君の場合

現在高2で第一志望はとりあえず決まっている。そこで大手予備校に話を聞きに行ったら、「そこの入試では数学を使わないから、数学捨てていいよ」と言われた。でも、数学を捨てたらほかの大学が受けられなくなるのでは?

⇒第1志望が決まっても併願校は未定。さらに、成績アップすれば志望校変更もありうるので、選択肢は広く持とう。

効率を追い求めると出てくるのが「●●の科目を捨てる」「●●の分野を捨てる」という発想です。「絶対この大学に行きたい!」というよほど強い希望がない限り、第一志望以外の併願校も考慮して入試科目を考える必要があります。志望校の決めつけは選択肢を狭める危険性があるので気をつけましょう

保護者に言われて

保護者に言われて塾に通う場合は、「周りが予備校に通い始めた」というケース以上に、モチベーションが低いことがあります。

・予備校の説明会などで様々な情報を得る
・オープンキャンパスに行くなど、目標を持つきっかけを作る
・友達から通っている予備校・塾の様子などを聞く
このようにしてまずは意識を高めていくことが大切です。

保護者に言われて…だけど、予備校の説明会に参加する・資料を請求することができれば、まずは「一歩を踏み出した」ということは素晴らしいことです。これがきっかけになって、志望校合格への日々がスタートするのです!

塾選びのコツ

塾選びで大切なことは「自分に合っているか」ということです。いくら口コミが良くても、自分に合った塾でなければ成績は上がりません。自分に合っているかどうかを確認するためのポイントをいくつかご紹介します。

目的をはっきりさせる

塾や予備校は大きく3つの役割があります。

予備校・塾の3つの目的
  • 学習習慣をつける(自習室の活用、学習計画の作成など
  • 学校の授業の補習を行う(学校の成績を上げる、苦手を克服するなど)
  • 大学受験対策を行う(志望校対策、受験戦略を立てるなど)

このうち自分はどこに重点を置きたいのか、優先して強化したい部分を考えましょう。

塾や予備校によってカリキュラムやサポートが異なります。例えば、学習習慣をつけたいのであれば、気軽に使える自習室があり、質問しやすい制度が整っている塾・予備校を選びましょう。もしも学校推薦型選抜(指定校制)の受験を予定している場合には、学校の定期試験の成績が重要です。そのために学校の補習に力を入れている塾・予備校を選ぶとよいでしょう。また、大学受験対策が目的であれば、進路相談サポートが充実していたり、志望校ごとのコースを選べたり、受験戦略を得意とする塾・予備校が適しています。

ただし、どの目的でも重要なのは「基礎固め」です。
基礎がないのに、いきなり志望校の過去問題に取り組んでも、模試の判定は上がりません。前に授業で扱ったことをわかっていないなら、今授業で習ったことも理解できません。
理解が不十分なところを見つけ、埋める。この繰り返しです。もちろん、時間に限りがありますから、効率的に学習していく必要があるでしょう。このように「できた」を積み上げていくことで、学習習慣も身についていきます。

授業形態を選ぶ

予備校や塾の授業形態は多様化しています。様々な授業のやり方がありますので、それぞれのメリットとデメリットを把握したうえで、選択できるとよいでしょう。
主な授業形態は以下の通りです。

集団授業と個別授業

対面授業の中で多くの予備校が行っているのが集団授業です。集団授業は、教室にいるほかの生徒たちと一緒に、緊張感の中で切磋琢磨していきます。大きな教室に生徒を集めて授業を行う大人数の集団授業もあれば、小さな教室で少ない生徒に対して授業を行う少人数制授業もあります。人気講師の授業は希望者も多いため大人数で行われる場合が多く、教室が一体となって盛り上がりを見せる反面、授業を受けただけで勉強した気になる、質問がしにくいというデメリットもあります。少人数の場合には、クラスレベルが適切であれば適度な緊張感の中、先生と生徒の間でコミュニケーションをとりながら授業が進むため、理解度が高いというメリットがあるでしょう。デメリットは、授業が難しすぎたり簡単すぎたりする場合には、大人数授業以上に授業が苦痛になるということが挙げられます。

個別授業は、1対1もしくは1対2程度で先生から指導を受けるスタイルになっています。一人ひとりに合った授業展開と質問のしやすさが特徴です。授業スケジュールの自由度も高いので忙しい高校生にとってはメリットも多いと言えるでしょう。デメリットとしては、競い合い高め合う仲間がおらず、競争意識を持ちにくいことや、個別塾によっては大学受験のための進路指導が十分でない可能性があります。また費用が集団授業に比べて高額になりがちなことが挙げられます。

対面授業とオンライン授業

教室で先生から直接指導を受けることができるのが対面授業です。文字通り、先生と生徒が向きあって授業を行います。先生やほかの生徒など周囲の目もあり、緊張感をもって授業に集中できるというメリットがありますが、授業の時間や場所が決まっているので、都合に合わない場合には、授業を遅刻したり欠席したりすることになってしまいます。

一方で、インターネットを介して授業を受ける形態をオンライン授業と言います。ライブで指導してもらうこともあれば、録画された映像を視聴するタイプもあります。オンライン授業の場合には、比較的自由度が高いことが特徴です。自宅で受講できるので、移動時間・費用を節約することもできます。ただし強制力が働きにくいため、授業中ボーっとしてしまう生徒も多いようです。
こうしたデメリットを補強できるのが、個別指導のオンライン塾です。家庭教師に比べて負担も少なく、全国どこでも受講することができるというメリットがあります。

映像授業

映像授業には、校舎に通って視聴するタイプと、パソコン・タブレット・スマートフォンで授業を受けることができるオンラインタイプがあります。
対面授業では定員締切になってしまう有名講師の授業でも、映像授業ならば手軽に受けられるという点がメリットです。また、自分の都合の良い時間に映像視聴ができ、授業選び・時間割選びの制限が少ないのも特徴です。一方で、映像授業は対面授業と比べて緊張感に欠けたり、疑問が生じてもその場で解決できないことが多かったりするので、集中して授業を受ける工夫や質問サポートとの併用が必須です。

自習室をチェックする

家だとなかなか集中できないという高校生も多いかと思います。自分の部屋だと本やゲーム、スマホなど、誘惑も多いものです。学校が終わった後、塾の授業の前後や休日にも使えますから、自習室は受験生に今や欠かせないものと言えるでしょう。

実際に多くの高校生が塾・予備校を選択する際のポイントとして「自習室を使いたいから」という理由を挙げています。自習室の席数や利用時間、学校や自宅からの距離など含めて、自習室の使いやすさも塾選び・予備校選びのポイントとなるでしょう。

通いやすさで選ぶ

とても良い塾・予備校に出会えたとしても、自宅から遠かったり授業の時間が遅すぎたり早すぎたりすると、通い続けることが難しくなってしまいます。通いやすさは、勉強の継続に直結しますから軽視できません。無理なく・無駄なく・負担なく勉強することができる塾・予備校を選ぶとよいでしょう。

特に地方においては、自分の気に入った予備校や塾が、通学圏内にあるとは限りません。気に入った予備校や塾に「オンラインコース」があれば、通いやすさの問題はクリアできます。先ほど解説したようにオンラインにはメリットも多いので、なんとなく抵抗がある、対面にこだわりたいという場合でも一度オンラインでの学習を検討してみるとよいでしょう。

進路指導サポートをチェックする

近年、大学入試のシステムはどんどん複雑化しています。同じ大学の同じ学部でも、複数の方法で試験を受けることができるので、自分にとって有利な受験方式を調べることも必要となってきます。受験に必要な科目や配点、合格最低点、合格率など、確認すべき点は多くあります。
また、学部学科名や偏差値だけで志望校を選ぶのではなく、将来やりたいことや大学で学びたいことを念頭に置いて大学選びをしたいもの。そのためにはオープンキャンパスに参加するのが一番ですが、参加できる数にも限りがあります。志望校の候補を絞るための情報は膨大ですから、すべて一人で調べるのは大変です。

大学受験のプロである塾・予備校の進路指導サポートを活用することで、勉強に集中することができ、また大学入試を有利に進めていくことができるはず。高校の進路サポートが十分でない場合や、自分で進路を決めたいと思っている場合には、大学受験のサポートが受けられる予備校をしっかり選ぶとよいでしょう。

まとめ「後悔しない高校生の塾選び。大学受験におすすめの塾・予備校は?ポイントを解説」

今回は、後悔しない高校生の塾選びについてお話ししました。もしあなたが、調べれば調べるほどわからなってしまった・・・という状態にあるならば、ポイントを1つずつ確認していきましょう。
そして、ぜひあなた自身の目で確かめてほしいと思います。
まずは四谷学院の個別相談会に参加しましょう!大学受験について気軽にご相談ください。

タイトルとURLをコピーしました