和歌山県立医科大学の受験対策!難易度や偏差値、合格に向けての勉強法を解説

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こんにちは!四谷学院の奥野です。

和歌山県立医科大学は、紀三井寺キャンパスと三葛キャンパス、伏虎キャンパスの3つのキャンパスを構える医療系総合大学です。1945年に創立され、80年近くの歴史があります。

この記事では、和歌山県立医科大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法を紹介します。

和歌山県立医科大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2023年9月12日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

和歌山県立医科大学の入試問題で問われる能力

まずは、和歌山県立医科大学が求めている人材(学生)や入試の特徴、難易度について解説します。

和歌山県立医科大学はどんな人材(学生)を望んでいるのか

和歌山県立医科大学は、以下のような基本理念を掲げています。

和歌山県立医科大学は、医療系総合大学として、基礎的、総合的な知識と高度で専門的な学術を教授研究し、豊かな人間性と高邁な倫理観に富む資質の高い人材の育成を図り、地域医療の充実など県民の期待に応えることで地域の発展に貢献するとともに、人類の健康福祉の向上に寄与することを使命とする。

引用:和歌山県立医科大学 法人運営の基本理念

そして、アドミッションポリシー(入学者受入方針)は、この基本理念に基づいて掲げられています。

なお、アドミッションポリシーは学部によって異なるため、参考として医学部を取り上げて紹介します。

医学部のアドミッションポリシーは、以下のとおりです。

  1. 科学的探求心と豊かな人間性・高邁な倫理観を有する人
    医学を志す人には、旺盛な科学的探求心とともに豊かな人間性、高い倫理観が必要です。人としての豊かな感性、人間性を有し、ボランティア活動などを通じて社会との深い係わりがあるとともに、高い倫理観を有する人を求めます。
  2. 医学を修得するための幅広い能力を有する人
    医学の修得には、自然科学のほか人文・社会科学に関する学問の修得が必要です。自然および人間・社会についての幅広い知識と向学心、自分白身で問題を解決できる能力を持った人を求めます。
  3. コミュニケーション能力及びリーダーシップを備えた協調性の高い人
    医師には医学的知識とともに患者および家族、職場の同僚と十分コミュニケーションできる能力(情報の共有と良好な患者・医師関係が築ける能力)が必要です。医療人として自己研鑽ができ、自己の理念を持っているとともに協調性に優れ、リーダーシップを発揮できる人を求めます。
  4. 地域医療に関心があり、国際的視野を有する人
    本学は県民の医療を支えるとともに、国際的にも活躍できる医師を育成します。地域医療に関心があるとともに、国際社会でも活躍できるための能力を高め、積極的に地域社会および国際社会に貢献できる人を求めます。

引用:和歌山県立医科大学 入学者受入方針(アドミッションポリシー)

ほかの学部のアドミッションポリシーなどを詳しく知りたい方は、和歌山県立医科大学の「入学者受入方針、入学者数・在学生数、卒業・就職状況等」をご覧ください。

和歌山県立医科大学の入試の特徴

和歌山県立医科大学で採用されているおもな選抜方法は、一般選抜と学校推薦型選抜の2種類です。

一般選抜

大学入学共通テストの受験後に、個別学力検査を受ける方式です。医学部と薬学部は前期日程のみですが、保健看護学部は後期日程もあります。

大学入学共通テストでは、医学部と薬学部は5教科7科目、保健看護学部は5教科5~6科目を受験します。

なお、志願者数や志願倍率などによっては、大学入学共通テストの成績をもとに第1段階選抜が行われます。

第1段階選抜が行われる条件は学部によって異なるため、詳細は和歌山県立医科大学の「入試・入学案内」から、各学部の学生募集要項をご確認ください。

学校推薦型選抜

学校推薦型選抜は、出願資格をすべて満たし、高等学校長からの推薦を受けられる人のみが受験可能な選抜方式です。

大学共通テストの結果と面接、推薦書、調査書などを総合して合否が決まります。

入試の詳細については、各学部の募集要項や和歌山県立医科大学の「入試・入学案内」でご確認ください。

和歌山県立医科大学の入試概要


ここからは、和歌山県立医科大学の入試概要を解説します。

出願資格について

和歌山県立医科大学の出願資格は、選抜方式や学部によって異なります。

そのため、ここでは参考として医学部医学科の一般選抜における出願資格を紹介します。

出願資格が与えられるのは、大学入学共通テストにおいて大学が指定する教科・科目を受験したうえで、以下のいずれかに該当する人です。

ただし、「県民医療枠」(全国募集)出願者は、以下の4にも該当しなければなりません。

  1. 高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。以下同じ。)を卒業した者および入学年の3月卒業見込みの者
  2. 通常の課程による12年間の学校教育を修了した者および入学年の3月修了見込みの者
  3. 学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者および入学年の3月末までにこれに該当する見込みの者
  4. 「県民医療枠A及び県民医療枠C」(A、Cともに全国募集)に出願する者は、卒業後、本学および和歌山県が指定する公的医療機関等で最低9年間勤務することを確約でき、医師や研究者として県民医療に貢献したいという強い意欲のある者であること。
参照:和歌山県立医科大学 令和6年度(2024年度)入学者選抜要項

試験科目や配点

和歌山県立医科大学の試験科目や配点を見てみましょう。

ここでは、参考として一般選抜における大学入学共通テストの受験科目の範囲を取り上げます。

なお、以下のデータはすべて2023/9/12現在のものです。

医学部・薬学部

大学入学共通テストでは、以下の5教科7科目を受験します。

教科科目配点
国語「国語」200
地理歴史

公民

「世界史B」「日本史B」「地理B」

「倫理,政治経済」

上記から1科目選択

100
数学「数学Ⅰ・数学A」必須
「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」から1科目選択
200
理科「物理」「化学」「生物」から2科目選択200
外国語「英語(リスニングを含む)」200

第二段階選抜では、個別学力検査(「理科」「数学」「英語」)と個人面接、調査書、自己推薦書の要素をもとに評価されます。

保健看護学部

大学入学共通テストでは、以下の5教科5~6科目を受験します。

教科科目配点
国語「国語」200
地理歴史

公民

「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」

「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理,政治・経済」

上記から1科目選択

100
数学「数学Ⅰ・数学A」200
理科「物理基礎」「生物基礎」「化学基礎」から2科目選択
または
「物理」「生物」「化学」から1科目選択
100
外国語「英語(リスニングを含む)」200

第二段階選抜の前期日程では小論文と面接、後期日程では総合問題と面接が行われます。

※最新の入試データは、和歌山県立医科大学の入試・入学案内でご確認ください。

出願者数や合格者数のデータ

和歌山県立医科大学の出願者数や合格者数を紹介します。
なお、ここで取り上げているのは2023年度入試における、一般選抜前期日程の結果です。

学部受験倍率定員受験者数合格者数
医学部2.17615776
薬学部2.97020173
保健看護学部2.0407842

各科目の試験問題の特徴や難易度と対策

和歌山県立医科大学を受験する場合、一般選抜での出願となる方が多いでしょう。

一般選抜では個別学力検査の成績も含めて合否が決まるため、個別学力検査の対策も必要です。

そのため、ここでは和歌山県立医科大学の入試対策として、一般選抜における個別学力検査の入試科目別の特徴と対策方法を詳しく解説します。

英語

大問4題で構成されており、試験時間は120分です。試験内容は長文問題が3題、和文の英訳問題が1題となり、英文和訳と内容説明が中心です。

試験時間は長いものの、記述形式の解答に不慣れだと短く感じるかもしれません。

日常的に英文を読んで読解力を高めるほか、過去問を使って記述力を高める演習を行いましょう。

数学

試験は4つの大問で構成され、各大問には2〜3の小問が含まれています。
試験時間は120分ですが、難易度が標準~難しめのレベルとなり、計算量や記述量が多いため、時間の配分には注意が必要です。

出題分野は整数の性質や微積分、図形と方程式など幅広く、整数の性質の証明問題や関数の図形的な考察が必要な問題がよく出されています。

計算力と論理的思考能力を高め、問題解決のプロセスを正確に記述する演習を積みましょう。

物理

試験は大問3題で構成され、試験時間は理科の2科目で150分です。

問題の大半が適語補充形式で、力学や電磁気などの実験をもとにした出題が多く見られます。

難易度が標準~やや難しいレベルとなり、大問ごとに異なるため、時間配分には注意が必要です。

化学

試験は2~3の大問で構成されており、物理と同じく試験時間は理科2科目で150分となっています。難易度は全体的に高めです。

試験時間から単純計算すると1科目あたり約75分で解くことになりますが、問題の量と難易度を考えると、時間不足が予想されます。

理論や有機化学、高分子の分野からの出題が多く、化学反応式や計算問題など記述が必要な問題が多い傾向にあります。

そのため、記述対策として演習を重ねることが大切です。

生物

試験は大問3題で構成されています。試験時間は理科2科目で150分、難易度は標準~やや難しいレベルといえるでしょう。

実験や考察に関する表・グラフの読み取り問題や論述問題が多い傾向にあります。
問題量が多いうえに問題文が長めのため、時間配分に注意しましょう。

また、問題文や図を丁寧に読み取り、幅広い分野を学習することも大切です。

和歌山県立医科大学の難易度・偏差値

Benesseの「マナビジョン」のデータでは、和歌山県立医科大学の入試の偏差値は54~73、大学入学共通テストの得点率は64~83%となっています。

学部ごとの偏差値は以下のとおりです。

学部偏差値
医学部73
薬学部65
保健看護学部54~57

参照:マナビジョン「和歌山県立医科大学の偏差値」

上表のとおり、和歌山県立医科大学の偏差値は学部によって大きく異なることから、入試の難易度も異なると考えられます。

最も偏差値の高い医学部を近隣の公立大学と比較すると、大阪公立大学や奈良県立医科大学よりもレベルはやや下に位置します。

しかし、これらの大学との差は大きくないため、十分な対策が重要です。

和歌山県立医科大学に合格するための勉強方法


ここからは、和歌山県立医科大学に合格するための学習方法を紹介します。

和歌山県立医科大学に入るには、何をすればいい?

和歌山県立医科大学の合格を目指すなら、入試問題の出題傾向を把握しましょう。
出題傾向がある程度決まっているため、傾向や各科目の配点を把握することで学習の優先順位をつけることができます。

また、基礎知識の習得が大切です。
難しい授業や高度な問題に焦点を当てるよりも、先にしっかりと基本を固めることが合格への近道となります。

そのほか、問題数の多さや記述問題の多さから時間配分の訓練も大切となります。

受験期の過ごし方

高校3年生の1年間を有意義に過ごすためには、長期的な学習計画を立てましょう。ここでは、時期ごとの受験勉強のコツを紹介します。

  • 春(4〜5月):基礎学力を築く時期です。重要な単語や用語は早めに学びつつ、苦手分野の洗い出しもしておきましょう。
  • 夏(6〜8月):苦手分野の克服に集中します。長期休暇を利用して学習に取り組む絶好の機会です。1日単位や1週間単位などで取り組む課題の量や目標を決めると、計画倒れがしにくくなります。
  • 秋(9〜11月):大学入学共通テストの対策を始める時期です。個別学力検査の対策も兼ねて基礎を復習し、応用力を向上させましょう。
  • 冬(12月以降):過去問に取り組み、出題傾向を把握します。最後の仕上げとして、本番と同じ時間配分で過去問を解きましょう。

予備校で勉強する場合

和歌山県立医科大学の合格を目指すなら、予備校の活用がおすすめです。
とはいえ、単に予備校に通うだけでは、効率的に学力を向上させることはできません。

一般的な予備校は集団授業が主流です。集団授業の予備校に通う場合、講師の授業を受けるだけでは、知識が定着しづらい、苦手分野が十分にカバーできないといったことがあります。

そのため、予備校に通うだけで満足せず、自主的な予習復習や補完を行いましょう。
また、疑問点があれば積極的に質問し、講師のサポートを受ける姿勢も重要です。

四谷学院のカリキュラムのご案内

一般的な予備校で起こりがちな問題を回避したいなら、四谷学院の「ダブル教育」がおすすめです。ダブル教育システムの2つのポイントを解説するのでチェックしてみてください。

科目別能力別授業

予備校の多くは、志望校やテストの総合点をもとにクラス分けを実施します。

そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりと「科目ごとのレベルの不一致」が起こることがあります。

四谷学院で行う「科目別能力別授業」は、科目と能力の2つでクラス分けする点が特徴です。

全科目自分のレベルに合った授業を受けられるため、無理・無駄がなく理解が進み、効率的に理解力の向上を目指せます。

55段階個別指導

科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが「55段階個別指導」です。

55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底的に分析して作られた55テストを使い、理解に穴があるところや考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを個別にチェック。解答力が身に付いているかを確認しながら、級を進めます。

中学校レベルから東大レベルまでの55段階をスモールステップで進めていき、解答力を磨きます。

和歌山県立医科大学入試は丁寧に解く力が重要!

【和歌山県立医科大学の入試概要】

  • 入試方式は大きく分けて一般選抜と学校推薦型選抜の2つ(大学共通テストの受験は必須)
  • 難易度は標準~難しいレベル

【和歌山県立医科大学の入試データまとめ】

  • 2023年度入試の一般選抜前期日程での倍率は2.0〜2.9倍。

【勉強方法まとめ】

  • 幅広い分野から出題されるため、基礎をしっかりと固める。過去問の分析は必須
  • 問題数が多いうえに記述問題が多いため、時間配分の練習が重要

和歌山県立医科大学は、将来医療関係に就きたい学生が集まる医療系総合大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になるでしょう。

そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育」。

自分の学習レベルにあった授業で、効率的な理解力・解答力の向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2023年9月12日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

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