こんにちは!四谷学院の奥野です。
東京女子医科大学は、日本で唯一の女性のみを対象とした医学教育機関です。日本で27番目の女性医師である吉岡彌生によって、1900年に創立されました。医学部と看護学部の2学部を有しており、附属の研究施設では先端医療の研究が行われています。
この記事では、東京女子医科大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法を紹介します。東京女子医科大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2024年03月07日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
東京女子医科大学の入試問題で問われる能力
まずは、東京女子医科大学が求めている人材(学生)や入試の特徴、難易度について解説します。
東京女子医科大学はどんな人材(学生)を望んでいるのか
東京女子医科大学は「至誠と愛」を理念としています。
これは、創立者である吉岡彌生の患者に接する際の根本的な心構えと、診療や教育などすべての場で求められるものを指します。大学の関係者や学生には、誠実さと慈しむ心が求められています。
また、学部ごとに次のような教育目標が掲げられています。
<医学部>
将来医師が活躍しうる様々な分野で、必要な基本的知識、技術及び態度を身に体し、生涯に亘って学習しうる基礎を固める。
すなわち、自主的に課題に取り組み、問題点を把握しかつ追求する姿勢を養い、医学のみならず広く関連する諸科学を照覧して理論を構築し、問題を解決できる能力及び継続的に自己学習する態度を開発する。さらに、医学・医療・健康に関する諸問題にとり組むにあたっては、自然科学に留まらず、心理的、社会的、理論的問題等も含め、包括的にかつ創造的に理論を展開でき、様々な人と対応できる全人的医療人として素養を涵養する。
引用:東京女子医科大学 教育目的・目標 – 教育の特色 – 医学部 – 東京女子医科大学
<看護学部>
- 豊かな人間性を育み、生活者としての人間を理解する基礎能力を有する。
- 多様な価値観を受容し、国際的な視野に立って思考・活動できる基礎能力を有する。
- 人間を成長発達する存在として捉え、看護学に基づき系統的に理解し、健康維持・増進・回復、疾病予防と回復にむけて働きかける能力を有する。
- 看護の基本技術を身につけ、人間関係の基盤形成と科学的思考に基づいた看護実践能力を有する。
- 地域における保健・医療・福祉・教育等の関係者と連携し、チーム医療を主体的かつ協調的に担う能力を有する。
- 看護学に必要な研究の基礎能力を身につけ、現状の課題を発信する能力を有する。
- 専門職としての倫理観や自己の能力を評価し、女性医療人として生涯発達しつづける能力を有する。
引用:東京女子医科大学 教育理念・教育目的・教育目標 – 教育の特色 – 東京女子医科大学
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)で定める入学者像としては、以下を掲げています。
<医学部>
- きわめて誠実で慈しむ心を持つ人
- 礼節をわきまえ、情操豊かな人
- 独立心に富み、自ら医師となる堅い決意を持つ人
- 医師として活動するために適した能力を有する人
引用:東京女子医科大学 医学部概要 – 医学部 – 東京女子医科大学
<看護学部>
- 看護への強い関心を有し、医療人として社会に貢献する意欲の高い人
- 主体的に学ぶ姿勢と、自ら問題を発見し解決していく態度を備えている人
- 豊かな感性を備え、人間関係を育む力を有している人
引用:東京女子医科大学 看護学部概要 | 看護学部 | 東京女子医科大学
上記の内容から、東京女子医科大学では基礎学力はもちろん、好奇心や自主性、人間性も重視している大学だとわかります。
東京女子医科大学では、このほかにカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)とディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)も掲げています。詳しく知りたい方は東京女子医科大学公式ホームページをご覧ください。
東京女子医科大学入試の特徴
東京女子医科大学で導入されているおもな選抜方式は、大きく以下の2つに分けられます。
一般選抜
医学部では、高等学校などでの学習成果を学科試験で評価し、医師としての適性や社会貢献への意欲、学びに対する意思などを、面接や小論文、適性試験で評価します。
看護学部では、調査書・志望理由書・学科試験によって、基礎学力や思考力、表現力、態度などをもって総合的に評価します。
学校推薦型選抜
医学部の学校推薦型選抜には、一般推薦と「至誠と愛」推薦があります。
「至誠と愛」推薦については、3親等以内の親族が至誠会の会員または準会員で、至誠会からの推薦を受けた者が対象です。
それぞれ、推薦書・調査書・面接・小論文・思考力試験などをもとに合否判定がされますが、一般推薦のみ小グループ討論があります。
看護学部の学校推薦型選抜は一般推薦のみで、出身高等学校の推薦を尊重し、調査書や志望理由書といった提出書類の審査を通じて学力を確認します。
また、思考力や表現力、態度などを多面的に評価するため、小論文と面接が実施されます。
選抜方式の詳細については、東京女子医科大学 受験生サイトをご確認ください。
東京女子医科大学の各科目の試験問題の特徴や難易度と対策
東京女子医科大学の入試対策をするために、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、東京女子医科大学医学部の一般選抜における、試験問題の特徴を科目ごとに紹介します。
数学
東京女子医科大学医学部の数学の試験時間は60分で、全体的な難易度は標準~やや難しいレベルといえるでしょう。各大問は小問集合になっています。
確率や数列、三角関数などさまざまな分野から出題されますが、頻出傾向にあるのは確率や整数、微積分です。年度によって難易度が変動する場合があるため、基本を押さえつつも、難しい問題にも対応できるよう十分な対策をしておくことが大切です。
英語
東京女子医科大学医学部の英語の試験時間は60分で、長文読解や空欄補充、自由英作文が出題される傾向にあります。過去問を利用して対策を行い、内容把握や適文挿入、空欄補充のテクニックを身につけましょう。
理科
東京女子医科大学医学部の理科の試験時間は、2科目で120分です。物理の出題分野は力学・電磁気・熱力学・波動などで、難易度は標準からやや難しいレベルとされています。
化学と生物は、全範囲から出題され、化学は難易度が高い傾向にあります。生物は基礎レベルの問題が多いものの、難易度が高めの問題も出されます。
どちらも教科書などで基礎をしっかりと身につけたうえで、過去問演習を重ねることが大切です。
東京女子医科大学入試の難易度
Benesseの「マナビジョン」のデータによると、東京女子医科大学の看護学科の偏差値は51。
医学部の偏差値は67です(2024年03月07日時点)。
また、学部ごとの偏差値は以下のとおりです。
学部 | 偏差値 |
医学部 | 67 |
看護学部 | 51 |
参照:東京女子医科大学/偏差値・入試難易度【2023年度入試・2022年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報
東京女子医科大学試験の概要
ここからは、東京女子医科大学の入試概要を解説していきます。
出願資格について
ここでは、東京女子医科大学の一般選抜における出願資格を紹介します。
- 高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者および入学年の3月卒業見込みの者。
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者および入学年の3月修了見込みの者。
- 高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者および入学年の3月31日までに所定の要件に該当する見込みの者。
東京女子医科大学 令和6年度学生募集要項(一般選抜) 東京女子医科大学看護学部
試験科目や配点
東京女子医科大学では学科試験が課されるのは一般選抜のみのため、ここでは一般選抜における試験科目や配点などを紹介します。
なお、以下のデータはすべて2024年03月07日現在のものです。
<医学部>
教科 | 科目 | 配点 |
数学 | 「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」 「数学A」「数学B(数列、ベクトル)」 | 100 |
英語 | 「コミュニケーション英語Ⅰ」「コミュニケーション英語Ⅱ」 | 100 |
理科 | 「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」から2科目を選択 | 200 (100×2) |
適性試験・小論文 | 医師としての適性を判断する | – |
参照:東京女子医科大学 令和6年度学生募集要項(一般選抜) 東京女子医科大学医学部
なお、上記は第1次試験の試験科目であり、第2次試験では第1次試験合格者に対して面接試験を実施します。
<看護学部>
教科 | 科目 | 配点 |
理科 | 「化学基礎」「生物基礎」から1科目を選択 | – |
英語 | 「コミュニケーション英語Ⅰ」「コミュニケーション英語Ⅱ」 | – |
国語 | 「国語総合(古文・漢文領域を除く)」 | – |
参照:東京女子医科大学 令和6年度学生募集要項(一般選抜) 東京女子医科大学看護学部
※最新情報は必ず、最新の募集要項にてご確認ください。
出願者数や合格者数のデータ
東京女子医科大学の出願者数や合格者数は、以下のとおりです。なお、ここで紹介するのは2023年度の一般選抜におけるデータです。
学部 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
医学部 | 917 | 873 | 99 | 8.8 |
看護学部 | 292 | 290 | 127 | 2.3 |
※最新の入試データは、東京女子医科大学 受験生サイトをご確認ください。
東京女子医科大学に合格するための勉強方法
ここからは、東京女子医科大学に合格するための学習方法を紹介します。
東京女子医科大学に入るには、何をすればいい?
東京女子医科大学の偏差値は、医学部が67、看護学部が51です。また、医学部の実質倍率は8.8倍と高いため、しっかりとした対策が必要だと考えられます。
1つのミスが合否に影響を与えかねないため、見直しの習慣を身につけて得点アップにつなげましょう。入試直前期には、過去問を繰り返し解き、出題傾向を把握するのがおすすめです。
受験期の過ごし方
受験期の過ごし方は、合否に大きな影響を与えます。そのため、長期的なスケジュールを立てて、計画的に学習を進めることが大事です。
東京女子医科大学の合格に向けて、下記を参考にスケジュールを立ててみてください。
- 春(4~5月):教科書の内容を中心に学び、基礎を身につける時期です。同時に、英語や古文の単語・文法などの暗記も進めましょう。
- 夏(6~8月):苦手な分野に焦点を当てて、学習を進める時期です。夏休みは集中的に学べるよい機会なので、小さな目標を設定して地道にクリアしていきましょう。夏休みが終わると、これまでの学習の総復習や苦手科目に専念する時間が減ります。やり残しがないように、学習計画を立てて有意義に時間を使いましょう。
- 秋(9~11月):夏までに築いた基礎力をもとに、応用力を身につけます。問題演習を活用して、これまで学んだ知識や解法をアウトプットする訓練をしましょう。わからないところがあれば、理解を深められるように繰り返し解いてください。
- 冬(12月~):入試本番の時間配分などを意識しながら、過去問を集中的に解くなどして実戦力を養います。解いたあとは、解答や解説を確認して復習することが重要です。
予備校で勉強する場合
予備校を利用すると、プロの講師から的確なアドバイスを得られ、効率的な学習が期待できます。
ただし、集団授業では受動的な学習に陥りやすいため注意が必要です。授業に参加するだけでは知識が定着しない可能性があるため、わからないところは積極的に質問し、理解を深める努力をしましょう。
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東京女子医科大学入試は丁寧に解く力が重要!
【東京女子医科大学の入試概要】
- 基礎学力はもちろん、好奇心や自主性、人間性も重視している大学
- 選抜方式は、大きく分けて「一般選抜」と「学校推薦型選抜」の2つ
- 難易度は標準~やや難しいレベル
【東京女子医科大学の入試データまとめ】
- 一般選抜の実質倍率は看護学科が2.3倍、医学部が8.8倍(2023年度)
【勉強方法まとめ】
- 医学部は特に実質倍率が高いため、しっかりとした対策が必要
- 基礎を徹底し、小さなミスをしないように注意深く解くことが大切
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※本記事でご紹介した情報は2024年03月07日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
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