こんにちは!四谷学院の奥野です。
国立大学法人滋賀医科大学は「一県一医大」の構想のもと、1974年に医学部医学科の単科大学として開学しました。現在、学科は医学科と看護学科の2つが設置されています。
この記事では、滋賀医科大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。
滋賀医科大学の受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2023年8月3日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて、必ずご確認ください。
目次
滋賀医科大学の入試問題で問われる能力
まずは、滋賀医科大学が求めている人物像や入試の特徴、難易度について解説します。
滋賀医科大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
滋賀医科大学の医学科と看護学科、それぞれの教育目標は以下のとおりです。
<医学科の教育目標>
医学部医学科では、本学の使命のもと、豊かな教養と確かな倫理観を備え、高度な専門的知識と技能を有し、教育・研究・臨床等の実践の場で中心的な役割を担い、地域医療、社会福祉、国際社会に貢献する人材の育成を目指しています。
<看護学科の教育目標>
医学部看護学科では、本学の使命のもと、豊かな教養と確かな倫理観を備え、高度な専門的知識と技術を有し、教育・研究・臨床等の実践の場で中心的な役割を担い、地域のニーズに合わせた看護職の役割を理解することができる次のような能力を備えた人材育成を目指しています。
- 教養と倫理観
看護の対象となる多様な人々の信条、人格、権利を尊重し、確固たる倫理観をもって行動できる豊かな人間性を養う。- 専門性
看護実践のエキスパートを目指して、健康上のニーズを把握し、支援するために必要な基本的能力、包括的な保健・医療・福祉の実践における多職種・多機関との連携・協働の必要性を認識し、看護職としての責任を果たす能力を養う。- 科学的探究心と国際性
問題発見力・論理的思考力を身につけ、国際的見地に立ち、将来の看護専門職リーダーとして成長できる素養を養う。- 地域医療への貢献
国内外の保健・医療・福祉環境の変化に関心を持ち、地域医療に貢献できる能力を養う。
引用:滋賀医科大学 医学部看護学科(教育目標)
そして、このような教育目標に基づいて掲げられているアドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)は、以下のとおりです。
<医学科のアドミッション・ポリシー>
- 医学の修得に必要な幅広い基礎学力と応用力を有する者
- 十分なコミュニケーション能力を持ち、協調性や他者への思いやりのある者
- 大いなる好奇心を持って、自ら考え自ら解決する気概のある者
- 地域医療に深い関心を持ち、特に滋賀県の医療に貢献する意欲を持つ者
- 国内外における医学・医療研究の実践及び発展のために、生涯を通じて真摯に取り組む者
<看護学科のアドミッション・ポリシー>
- 看護学の修得に必要な基礎学力と応用力がある者
- 十分なコミュニケーション能力を持ち、看護学の修得や課題の探究に真摯に取り組むことができる者
- 能動的学習や生涯学習ができ、協調性や他者への思いやりがある者
これらのアドミッション・ポリシーを見ると、学力はもちろん、人間性も重視している大学だということがわかります。
また滋賀医科大学では、カリキュラム・ポリシーやディプロマ・ポリシーも掲げられています。詳しく知りたい方は滋賀医科大学ホームページをご覧ください。
滋賀医科大学入試の特徴
滋賀医科大学で導入されている入試方式は、大きく以下の3つに分けられます。
一般選抜(前期日程)
医学科の一般選抜は、大学入学共通テストと個別学力検査、面接、調査書などを総合して行われます。
大学入学共通テストでは基礎学力が問われ、個別学力検査では数学と理科、外国語(英語)により、幅広い教養と深い知識のほか、応用力・理解力・読解力・語学力が問われます。
面接と調査書の評価ポイントは、意欲や協調性、倫理観、コミュニケーション能力などです。
看護学科の一般選抜も医学科と同様に、大学入学共通テストと個別学力検査、面接、調査書などを総合して行われます。
個別学力検査では、小論文で理解力・思考力・表現力、面接と調査書では、論理性・協調性・コミュニケーション能力などが評価されます。
なお、後期日程は実施されていません。
学校推薦型選抜
学校長の推薦書・調査書・志願理由書・大学入学共通テスト・面接を総合して、選抜が行われます。医学科は、これらに加えて小論文の評価もあります。
医学科第2年次学士編入学試験
医学科のみ、第2年次学士編入学試験が実施されます。
第1次試験(学力試験)の成績と出願書類により判定された合格者が、第2次試験(小論文・面接)を受けられ、第1次試験と第2次試験を総合して最終合否が決まる仕組みです。
※2024年度の医学科第2年次学士編入学試験では、選抜方法の変更(数学の追加)が予告されています。必ず最新情報をご確認ください。
滋賀医科大学 令和6年度 医学部医学科第2年次学士編入学試験 選抜方法等の変更(予告)
滋賀医科大学の入試概要
ここからは、滋賀医科大学の入試概要を解説します。
出願資格について
滋賀医科大学の出願資格は、入試方式ごとに定められているため、ここでは一般選抜(前期日程)における出願資格をご紹介します。
ほかの入試方式の出願資格は、令和6年度入学者選抜要項でご確認ください。
一般選抜(前期日程)に出願できるのは、次のいずれかに該当し、大学入学共通テストで必要な教科・科目を受験した者とされています。
- 高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者および入学年3月に卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者および入学年3月に修了見込みの者
- 学校教育法施行規則第150条(第1号~第5号)の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者および入学年3月31日までにこれに該当する見込みの者
- 学校教育法施行規則第150条第7号の規定により、入学年3月31日までに18歳に達成する者で、教育施設において修業年限3年以上、高等学校に準ずるカリキュラムおよび卒業に必要な総授業時数を有する課程を修了または入学年3月31日までに修了見込みと本学において認定した者
試験科目や配点
滋賀医科大学の試験科目や配点は、以下のとおりです。
ここでは、一般選抜(前期日程)において必要な大学入学共通テストの試験科目などについて、まとめています。
なお、以下のデータはすべて2023年8月3日現在のものです。
医学部
<医学科>
教科 | 科目 | 配点 |
国語 | 「国語」 | 200 |
地理歴史 公民 | 「世界史B」「日本史B」「地理B」「倫理,政治・経済」から1科目選択 | 100 |
数学 | 「数学I・数学A」「数学Ⅱ・数学B」 | 100 ※1 |
理科 | 「物理」「化学」「生物」から2科目選択 | 100 ※1 |
外国語 | 「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」から1科目選択 | 100 ※1・2 |
<看護学科>
教科 | 科目 | 配点 |
国語 | 「国語」 | 200 |
地理歴史 公民 | 「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理,政治・経済」から1科目選択 | 100 |
数学 | 「数学I」「数学I・数学A」「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・数学B」から1科目選択 | 100 |
理科 | 「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」から2科目選択 または「物理」「化学」「生物」から1科目選択 | 100 |
外国語 | 「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」から1科目選択 | 200 ※2 |
※1 医学科は、大学入学共通テストの教科「数学」「理科」「外国語」における各科目の得点を100点満点に換算します
※2 大学入学共通テストにおいて、外国語「英語」を選択した場合、リーディング(100点)とリスニング(100点)の配点については、医学科・看護学科ともに比率を4対1に換算します
※最新の情報は必ず、最新の募集要項にてご確認お願いします。
出願者数や合格者数のデータ
滋賀医科大学の出願者数や合格者数は、以下のとおりです。なお、ここでご紹介しているのは、2023年度における一般選抜(前期日程)のデータです。
学部 | 学科・専攻 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
医学部 | 医学科 | 219 | 194 | 62 | 3.1 |
看護学科 | 63 | 48 | 47 | 1.0 |
※最新の入試データは、滋賀医科大学の入学者選抜状況でご確認ください。
各科目の試験問題の特徴や難易度と対策
滋賀医科大学の入試対策をするために、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、滋賀医科大学の一般選抜(前期日程)における、個別学力検査の試験問題の特徴を科目ごとにご紹介します。
英語
英語の試験は90分で、大問1と大問2に長文読解があり、大問3は100~200文字の和文英訳です。構文や語彙は標準レベルですが、記述問題が多いため、文章の主旨や文脈を理解して短く簡潔な言葉で解答する力が問われます。
数学
数学の試験は4つの大問からなり、試験時間は120分です。
難易度は標準~やや難しいレベルで、証明や作図、複雑な計算を要する問題が多く、思考力が重要視されます。過去問に積極的に取り組み、実践的な対策を行いましょう。
物理
物理の試験は、3つの大問から構成されています。
試験時間は理科2科目で150分となり、1科目に割ける時間は75分です。問題の量が多く、難易度は標準~やや難しいレベルです。電磁気や力学、波動の範囲からの出題が多くなっています。
生物
生物の試験は4つの大問からなり、動物や人に関する問題が多く出題される傾向にあります。
実験方法や現象の仕組みなどを説明する問題が多いため、記述問題に特化した対策を行うことが重要です。
教科書を読み込んで正確な知識を身に付けつつ、過去問や考察系の問題集を活用するとよいでしょう。
化学
化学の試験は3つの大問からなり、化学平衡や電気分解、酸化還元、化合物構造などの問題が多く出される傾向にあります。
化学式や構造式、実験結果などの記述問題も多く、設問の条件をしっかり読んで正確に答える力が求められます。
滋賀医科大学入試の難易度・偏差値
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、滋賀医科大学の医学科は偏差値72、共通テスト得点率は83%、看護学科は偏差値56となっています。以下は、学科別の偏差値データです。
学部 | 偏差値 |
医学部(医学科) | 72 |
医学部(看護学科) | 56 |
滋賀医科大学に合格するための勉強方法
ここからは、滋賀医科大学に合格するための学習方法をご紹介します。
滋賀医科大学に入るには、何をすればいい?
滋賀医科大学は、入試の難易度がやや高めの大学です。
入試問題の量や出題されやすい分野はほぼ決まっていますが、教科によっては出題傾向が変わる可能性があります。
合格するためには、標準レベルの問題を確実に解答できるようにしたうえで、過去の出題傾向にとらわれすぎず、配点が高く優先順位の高い科目・分野から対策を進めることが大切です。
受験期の過ごし方
高校3年生の1年間は、滋賀医科大学の合格に向けての重要な期間で、計画的な学習と努力が合否を左右します。下記を参考にスケジュールを立て、目標に向かって進んでいきましょう。
- 春(4~5月):基礎学力の定着に集中する時期です。この時期に基礎をしっかり固めれば、ほかの受験生との差をつけられます。
- 夏(6~8月):夏は苦手分野を克服する大切な期間です。この時期に滋賀医科大学の偏差値に届いている科目は応用力を高め、偏差値に届いていない科目は基礎力を高めることを意識して、勉強を進めましょう。
- 秋(9~11月):2学期は学力を応用レベルにまで高めるため、問題演習に時間を割きましょう。滋賀医科大学の過去問を解いて、力試しをしてみてください。その際はただ解くだけではなく、間違えた問題の対処法などを考えることが大切です。
- 冬(12月~):過去問を活用して、入試対策を進めましょう。この時期は、知識の増加よりも応用力の向上に注力し、最後の仕上げを行います。
予備校で勉強する場合
予備校の集団授業では、個人に合わせた指導がしづらく、苦手分野で取り残される可能性があります。
そのため、自分の苦手分野や理解できなかったところは積極的に質問し、自主的に学習を進める姿勢が重要です。
自分に合った学習計画を立てて、予備校を効果的に活用しましょう。
四谷学院のカリキュラムのご案内
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四谷学院では一般的な予備校と異なり、テストの総合得点だけでなく、科目と能力の2つでクラス分けされます。
これにより、自分のレベルに合った授業を受けられ、理解力を高めることが可能です。質問しやすいアットホームな雰囲気で、集中して学習できる環境が整っています。
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55段階個別指導は、解答力を身に付けるための学習方法です。
理解が不十分な部分をプロの講師に個別指導してもらうことで、自分のペースで学習できるため、得意科目は先に進めつつ苦手科目はじっくりと学力をつけられます。
滋賀医科大学入試は丁寧に解く力が重要!
【滋賀医科大学の入試概要】
- 学力はもちろん、人間性も重視している大学
- 入試方式は、一般選抜(前期日程)、学校推薦型選抜、医学科第2年次学士編入学試験の3つ
- 難易度は標準~やや難しい
【滋賀医科大学の入試データまとめ】
- 倍率は医学科3.1倍、看護学科1.0倍(2023年度)
【勉強方法まとめ】
- 記述問題が多いため、過去問をもとにして対策していくのがおすすめ
- 入試ではハイレベルな戦いになりやすいため、基礎を徹底したうえで、応用問題を解く力をつけることが大切
滋賀医科大学の入試対策としておすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育」です。自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めるため、気になる方はぜひお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2023年8月3日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
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予備校選びは、大学受験の合否に大きな影響を与えます。インターネットで確認できる情報だけでは限りがあるため、実際に説明会に参加して、自分に合った予備校を選びましょう。
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