奈良県立医科大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

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こんにちは!四谷学院の奥野です。

奈良県立医科大学は、医学部医学科と医学部看護学科からなる公立大学です。2025年度には新キャンパスが開校し、よりよい環境で医学・看護学教育を受けられる予定です。

この記事では、奈良県立医科大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。奈良県立医科大学の受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2023年6月28日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

奈良県立医科大学の入試問題で問われる能力

まずは、奈良県立医科大学が求めている人物像や入試の特徴、難易度について解説します。

奈良県立医科大学はどんな人材(学生)を望んでいるのか

奈良県立医科大学は、理念として以下の内容を掲げています。

本学は、医学、看護学およびこれらの関連領域で活躍できる人材を育成するとともに、国際的に通用する高度の研究と医療を通じて、医学および看護学の発展を図り、地域社会さらには広く人類の福祉に寄与することを理念とする。

引用:建学の精神、大学の理念 等|奈良県立医科大学

そして、この理念に基づいて掲げているアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)は、以下のとおりです。

<医学科>

  1. 医師となる自覚が強く、人を思いやる心をもつ、人間性豊かな人
  2. 患者の立場に立って判断し、患者が安心して受診できる医師となれる人
  3. 将来性豊かで、奈良県だけでなく日本、世界の医学界をリードできる人
参考:アドミッションポリシー | 奈良県立医科大学

<看護学科>

  1. 自らを律し、人を思いやる心をもつ、人間性豊かな人
  2. 幅広い知識と確かな基礎学力を有し、看護学への興味と科学的探究心をもって学習に取り組める人
  3. 国際的な視野で考え行動できるとともに、地域の保健・医療・福祉に貢献する熱意と行動力のある人
  4. 奈良県立医科大学を愛し、その将来を担う志をもつ人
参考:アドミッションポリシー | 奈良県立医科大学

これらのアドミッションポリシーを見ると、学力はもちろん人間性も大切にしている大学だということがわかります。

各学科のアドミッションポリシーについて詳しく知りたい方は、以下の大学公式ホームページにてご確認ください。

医学部医学科 アドミッションポリシー|奈良県立医科大学
医学部看護学科 アドミッションポリシー|奈良県立医科大学

奈良県立医科大学入試の特徴

奈良県立医科大学で導入されている入試方式は、大きく以下の2つに分けられます。

一般選抜

前期日程、後期日程とも第1段階選抜は大学共通テストのみ実施されます。
その後の第2段階選抜では個別学力検査など(学科試験、面接試験)が実施され、それらの成績や調査書をもとに合否が決まる方式です(※)。

なお、医学科は前期日程、後期日程ともに実施されますが、看護学科は前期日程の実施のみのため、看護学科を目指している方は注意しましょう。

入学志願者数が募集人員に対して一定数を超えた場合は、第1段階選抜の合格者に対して第2段階選抜が行われます。

※2024年度、一般選抜の前期日程においては、第2段階選抜の個別学力検査等が廃止、小論文試験の実施が予告されています。

必ず最新情報をご確認ください。

令和6年度医学部医学科一般選抜(前期日程)の選抜方法の変更について(予告) |奈良県立医科大学

学校推薦型選抜

出願資格をすべて満たし、学校長からの推薦を受けられる人のみが利用できる方式です。

医学科では、共通テストと個別学力検査などの成績、調査書、志望理由書、学校長からの推薦書を踏まえて合否を決定します。

看護学科は、英語を使った小論文試験、面接試験、調査書、志望理由書を踏まえて合否を決定します。

なお、医学科には緊急医師確保枠と地域枠の2つがありますが、看護学科で行われるのは地域枠のみです。

奈良県立医科大学の入試概要

ここからは、奈良県立医科大学の入試概要を解説します。

出願資格について

奈良県立医科大学の出願資格は、入試方式ごとに定められているため、ここでは医学科の一般選抜における出願資格をご紹介します。

他の入試方式の出願資格は、令和6年度入学者選抜要項でご確認ください。

医学科の一般選抜に出願できるのは、次のいずれかに該当し、大学入学共通テストにおいて学校指定の教科・科目をすべて受験した人とされています。

  1. 高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者および入学年3月に卒業見込みの者
  2. 通常の課程による12年の学校教育を修了した者および入学年3月に修了見込みの者
  3. 外国において、学校教育における12年の課程を修了した者および入学年3月修了見込みの者またはこれに準ずる者で文部科学大臣の指定した者
  4. 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者および入学年3月修了見込みの者
  5. 専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者
  6. 文部科学大臣の指定した者
  7. 高等学校卒業程度認定試験規則(平成17年文部科学省令第1号)による高等学校卒業程度認定試験に合格した者(同規則附則第2条の規定による廃止前の大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)による大学入学資格検定に合格した者を含む)
  8. その他、相当の年齢に達し高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると本学が認めた者
参考:令和6年度入学者選抜要項|奈良県立医科大学

試験科目や合格要件

奈良県立医科大学の試験科目や配点は、以下のとおりです。

ここでは、一般選抜(前期日程)において必要な大学入学共通テストの試験科目などについて、まとめています。なお、以下のデータはすべて2023年6月28日現在のものです。

医学部

<医学科>

教科科目配点
国語「国語」 必須100
地理歴史

公民

「世界史B」「日本史B」「地理B」

「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」

上記から1科目を選択
※2科目を受験した場合は、第1解答科目の成績を採用

100
数学「数学Ⅰ・数学A」 必須200
「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」から1科目選択
※ただし、「簿記・会計」「情報関係基礎」を選択解答できるのは、高等学校等においてこれらの課程を履修した者および文部科学大臣の指定を受けた専修学校高等課程の修了(見込み)者に限る
理科「物理」「化学」「生物」から2科目選択300
外国語「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」から1科目選択
※「英語」を選択する場合は、リスニングテストも必ず受験する
200

<看護学科>

教科科目配点
国語「国語」 必須200
地理歴史

公民

「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」

「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」

上記から1科目選択
※2科目を受験した場合は、第1解答科目の成績を採用

100
数学「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」
「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」上記から1科目選択※2科目を受験した場合は、高得点の科目の成績を採用
※「簿記・会計」「情報関係基礎」を選択解答できるのは、高等学校等においてこれらの課程を履修した者及び文部科学大臣の指定を受けた専修学校高等課程の修了(見込み)者に限る
100
理科①「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」
②「物理」「化学」「生物」①から2科目または②から1科目選択
※①および②を受験した場合は、いずれか高得点の成績を採用する。ただし、②で2科目を受験した場合は、第1解答科目の成績を採用
100
外国語「英語」

※リスニングテストを含む

200

※最新の情報は必ず、最新の募集要項にてご確認お願いします。

出願者数や合格者数のデータ

奈良県立医科大学の出願者数や合格者数は、以下のとおりです。なお、ここでご紹介しているのは、2023年度における一般選抜(前期日程)のデータです。

※最新の入試データは、奈良県立医科大学の入学試験結果でご確認ください。

学部学科・専攻受験者数合格者数実質倍率
医学部医学科189228.6
医学部看護学科123522.4

※最新の入試データは、奈良県立医科大学の入学試験結果でご確認ください。

各科目の試験問題の特徴

医学科の一般選抜(前期日程・第2段階選抜)と学校推薦型選抜で実施する個別学力検査は、180分の試験時間のなかで英語・数学・理科の3教科を同時に解く入試方式(トリアージによる奈良医大入試方式※)です。
※以降、「トリアージ入試」とします。

奈良県立医科大学では、このように特徴的な入試方式を取り入れているため、入試対策として試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。

ここでは、奈良県立医科大学の一般選抜(前期日程)における、個別学力検査の試験問題の特徴を科目ごとにご紹介します。

※先述のとおり2024年度入試より、医学科の一般選抜(前期日程・第2段階)では学科試験を廃止し、小論文での入試に変更が予定されていますのでご注意ください。

数学

大問5問の試験です。難易度は標準~やや難しいレベルですが、60分程度ですべて解けるとよいでしょう。ベクトルと確率が頻出傾向にあり、記述式の問題では微分積分がよく出題されます。

英語

大問3~4問で、長文問題の語彙と内容は比較的易しく、設問はオーソドックスな傾向にあります。配点では長文問題が全体の半分以上を占めるため、早い段階から入念な対策が必要です。

理科

理科は、物理・化学・生物の3科目から1つ選んで解答します。

化学の試験では小問が17~19問出され、やや易しい~標準的なレベルの問題が多い傾向にあります。高分子や有機、無機などの知識問題から取りかかり、残りの時間で計算問題を解きましょう。

物理の試験では、大問が4~5問が出題されます。難易度は標準~やや難しいレベルで、力学や電磁気学、熱力学、波動などの出題頻度が高めです。解答に論述や作図は求められず、基本は答えのみ記述します。

生物の試験では大問が10問で、やや易しい~標準レベルの問題で構成されています。出題傾向としては、正誤問題や計算問題、論述問題などが多めです。

奈良県立医科大学入試の難易度

Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、奈良県立医科大学の入試の偏差値は59~80、共通テスト得点率は64~92%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。

学部偏差値
医学部(医学科)77~80
医学部(看護学科)59

出典:Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」

奈良県立医科大学に合格するための勉強方法

ここからは、奈良県立医科大学に合格するための学習方法をご紹介します。

奈良県立医科大学に入るには、何をすればいい?

奈良県立医科大学の入試は超難問ではなく、標準~やや難しいレベルの問題が多いとされています。基礎知識を固めて、基礎的な問題はしっかりと得点できるようにしましょう。

また、奈良県立医科大学は競争率が高く、1つのミスが合否を左右する場合があります。解答を見直す癖をつけ、ミスを減らす工夫もしておく必要があります。

受験期の過ごし方

受験期の過ごし方は、合否に大きな影響を与えます。長期的なスケジュールを立て、計画的に取り組むことが大切です。

奈良県立医科大学の合格に向けて、下記を参考にスケジュールを立ててみましょう。

  • 春(4~6月):基礎を徹底的に身に付ける期間です。教科書の内容を中心に学習を進め、苦手分野の洗い出しも行います。
  • 夏(7~9月):苦手分野の克服に集中する期間です。夏休み期間は集中して学習に取り組めるため、成績向上のチャンスでもあります。
  • 秋(10~12月):大学入学共通テストの対策を始めましょう。個別試験対策も考慮して、基礎知識から応用力までを身に付けるために繰り返し演習を行います。
  • 冬(1月~):集中的に過去問を解き、演習を積んでいきます。ただ解くだけでなく、解答や解説を見て復習しましょう。特に奈良県立医科大学では一部の学科試験で、3科目を180分で解くトリアージ入試を採用しているため、優先順位を考えてスムーズに解答できるようにすることが重要です。

予備校で勉強する場合

予備校の授業は集団授業が一般的であり、授業を受けて講師の話を聞いているだけでは知識が定着しづらい場合があります。
苦手分野で取り残される可能性もあるため、自発的に学習に取り組み、わからない点は積極的に質問する姿勢が大切です。

四谷学院のカリキュラムのご案内

予備校の授業に起こりがちな問題を解決したいのなら、四谷学院の科目別能力別授業と55段階個別指導の「ダブル教育システム」をおすすめします。

科目別能力別授業

四谷学院の科目別能力別授業では、科目と能力の2つでクラス分けが行われます。これにより、自分のレベルに合った授業を受けることが可能です。

苦手科目の授業についていけない、あるいは得意科目だと物足りないといった「科目ごとのレベルの不一致」が解消されます。

55段階個別指導

55段階個別指導により、科目別能力別授業に加えて解答力を身に付けられます。55段階のテストを通じて学力を段階的にチェックし、級を進めていきます。

55段階の体系化された指導で、中学から東大レベルまでを細分化して、無駄なく学ぶことが可能です。

奈良県立医科大学入試は丁寧に解く力が重要!

【奈良県立医科大学の入試概要】

  • 学力はもちろん、人間性の豊かな学生を求めている
  • 入試方式は大きく分けて一般選抜と学校推薦型選抜の2つ
  • 難易度は標準~やや難関

【奈良県立医科大学の入試データまとめ】

  • 倍率は2.4~8.6倍(2023年度)

【勉強方法まとめ】

  • 一部の個別学力検査は3科目を180分で解くトリアージ入試となっているため、慣れるためにも繰り返しの演習が重要
  • 特に医学科は入試でハイレベルな戦いになりやすいため、基礎を徹底し、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要

この奈良県立医科大学の入試対策としておすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。

自分の学習レベルに合った授業により、効率よく成績アップすることが期待できるでしょう。気になる方はぜひ、お問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2023年6月28日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて、必ずご確認ください。

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