宮城大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

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こんにちは!四谷学院の奥野です。

宮城大学は、宮城県黒川郡と仙台市太白区にキャンパスを構える公立大学です。

開学当初の1997年は看護学部と事業構想学部のみでしたが、2005年に食産業学部が設置され、2017年に学群・学類制へと移行し、現在の看護学群・事業構想学群・食産業学群という構成になりました。

以前は県立大学でしたが、2009年からは県が設立団体となり公立大学法人化しています。

この記事では、宮城大学の入試の特徴や難易度、合格につながる勉強方法について解説します。宮城大学の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2024年11月28日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

宮城大学の入試問題で問われる能力

宮城大学が求める学生の人物像について解説します。

宮城大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

宮城大学は、建学の精神として「ホスピタリティ(人間関係)とアメニティ(快い生活環境)の究明と実現」を、理念として以下の内容を掲げています。


大学の理念
高度な実学に基づき、
豊かな人間性、高度な専門性及び確かな実践力を身につけ、
グローバルな視点で地域社会の発展に貢献できる人材を育成するとともに、
学術・文化の向上と豊かで活力のある地域社会の形成に寄与する。

豊かな人間性
先人たちの考えや相手の価値観を尊重し、知性と感性を涵養することで自らの人間性を磨いていく。

高度な専門性
関連するあらゆる学問や技術に関心を寄せ、自らの専門性を高め、時々刻々と変化する社会にしなやかに、かつ、柔軟に対応できる力を身につける。

確かな実践力
地域に根ざし、グローバルな視点で自ら主体的に考え、強い意志を持って実践していく。

引用:宮城大学 大学の理念* | 公立大学法人 宮城大学 – MYU

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)では、求める人材や能力について次のように定められています。


【大学教育を通じてどのような力を発展・向上させるのか】
宮城大学は、地域社会の発展に主体的に貢献できる資質と能力を持った人間性豊かな人材育成を目指しています。このような人材は、高い人間力を備え、広く深く学び続ける力を基盤として、専門的な知識や技能を身につけ、将来にわたって地域社会の進歩に柔軟に対応し、それに貢献できる能力を備えた人材であると考えています。

【入学者に求める能力は何か】
宮城大学が教育目標で掲げる人材を育成するためには、高等学校までの「偏りなく幅広く、継続した学習」の内容をしっかりと身につけていることが望まれます。特に、本学は科学技術による実社会への貢献を目指した「高度な実学」を理念として掲げていますので、理数科目の積極的な習得が望まれます。また、「グローバルな視点」を持つという理念も掲げていますので、コミュニケーション・ツールとしての基礎的な英語力の習得が望まれます。

【高等学校段階までに培ってきたどのような能力をどのように評価するのか】
宮城大学が求める学生を選抜するため、学群・学類ごとに選抜試験を実施します。詳細は各学群のアドミッション・ポリシーを参照してください。

引用:宮城大学 アドミッション・ポリシー(学群)* | 公立大学法人 宮城大学 – MYU

上記の内容から、宮城大学では高等学校までの学習内容をしっかりと理解したうえで、高度な分野の学問を意欲的に学び、地域社会の発展に貢献できる学生を望んでいるといえるでしょう。

なお、宮城大学では、学群ごとにアドミッション・ポリシーを設定しています。詳しくは、大学公式ホームページのアドミッションポリシー(学群)をご確認ください。

宮城大学入試の特徴

宮城大学には、以下6つの選抜方法があります。

  • 一般選抜
  • 学校推薦型選抜
  • 総合型選抜
  • 帰国生徒選抜
  • 社会人選抜
  • 私費外国人留学生入試
ここでは、それぞれの概要を2025年度の入試情報をもとに解説します。

一般選抜

一般選抜は、試験日が前期日程と後期日程に分かれている選抜方法です。大学入学共通テストはもちろん、学群ごとの個別学力検査(面接、論説含む)などの結果から合否が判定されます。

個別学力検査では外国語が必須科目とされていますが、その他の科目や面接・論説の有無は学群ごとに異なります。

主体性等の評価は、看護学群の場合は面接で、事業構想学群・食産業学群の場合は出願者が提出する活動実績報告書をもとに行われます。

なお、合否判定に利用した教科の中で得点のないものがあったり、面接の評価が一定の基準よりも低かったりする場合は不合格となるため、注意が必要です。

学校推薦型選抜

学校推薦型選抜は、志望する学群への適性があると出身学校長に認められた生徒のみが出願できる選抜方法です。
大学入学共通テストの点数や出願書類の内容、面接の成績などから、総合的に合否が判定されます。

学校長が推薦できる人数は、志望する学群や学校の所在地(宮城県内・県外)によって異なります。

総合型選抜

総合型選抜は、第1次選考が行われたあと、その合格者に対して第2次選考が行われ、合否が決定される選抜方法です。

第1次選考では、特定のテーマに関するレクチャーを講師から受け、受講内容のレポートを作成します。これらの活動と自己申告書・調査書の内容から、総合的に合否が判定される流れです。

第2次選考は2日間あり、1日目はレクチャー(第1次選考時のレクチャーを前提にしたもの)を講師から受けて、その内容に関する議論を少人数で行い、これまでの内容を振り返ったレポートを作成します。2日目に行うのは、口頭試問を含む面接です。

2日間の活動内容を評価した成績と自己申告書、調査書等の出願書類の内容を総合的に判定して選抜を行います。

各選考の具体的な流れやレポートについては、大学公式ホームページの宮城大学入試ガイドをご確認ください。

帰国生徒選抜

帰国生徒選抜は、日本国籍を持ち、外国の学校教育を受けている方を対象とした選抜方法です。

所定の要件を満たし、宮城大学指定の資格・検定試験のスコアを提出できる方が受験できます。合否は面接・出願書類の内容をもとに判定されます。

なお、2024年度までは「帰国子女入試」という名称で実施されていました。

社会人選抜

社会人選抜は、2002年4月1日以前に生まれ、社会人(家族のために家事へ従事している方含む)として働いている方を対象とした選抜方法です。

所定の要件を満たし、宮城大学指定の資格・検定試験のスコアを提出できる方が受験できます。

合否は、面接・出願書類の内容をもとに判定されます。

私費外国人留学生入試

私費外国人留学生入試は、日本国籍を持っていない方かつ日本の永住許可を取得していない方を対象とした選抜方法です。

受験するには、所定の要件を満たすだけでなく、日本留学試験の特定の教科・科目を受験しており、宮城大学指定の資格・検定試験のスコアを提出できなければなりません。

合否は、日本留学試験の成績や日本語での面接、出願書類の内容をもとに判定されます。

なお、帰国生徒選抜・社会人選抜・私費外国人留学生入試の詳細については、大学公式ホームページの学生募集要項をご確認ください。

宮城大学の各科目の試験問題の特徴や難易度と対策

宮城大学への合格を実現させるには、科目ごとの試験問題の特徴や、入試の難易度をあらかじめ把握しておくことが大切です。

ここでは、宮城大学の一般選抜(前期日程)の試験問題のうち、外国語(英語)・数学・理科の特徴について解説します。

外国語(英語)

外国語の試験は記述式で、試験時間は90分です。大問は5つで長文読解2問、会話文2問、英作文1問で構成されています。

難度はそこまで高くないものの、長文読解が2問あるため、英語を素早くかつ正確に読み取る必要があります。

会話の流れを把握して適切な選択肢を選ぶ問題もあるため、日頃から英語の本や新聞を読んで長文に慣れておきましょう。
これは語彙力の向上にもつながります。

英作文では、問いに対する自分の考えを英語で書くスキルが求められます。
過去問を繰り返し解き、学校の先生や塾の講師から添削を受けるのが効果的です。

数学

数学の試験も記述式で、試験時間は90分です。大問は6つの構成で、大問4~6が選択問題となり、記載されている問題の中から1つ選んで解答する形式になっています。

さまざまな単元から出題されるため、数年分の過去問を解き、問題の傾向を把握しておきましょう。

なお、2025年度の入学者選抜要項(PDF)では、新課程に伴い、試験範囲が変更されています。
試験対策をする際は、必ず最新の情報をチェックしてください。

理科

理科の試験も記述式で、試験時間は90分です。大問は4つで、化学基礎・化学と生物基礎・生物のどちらかを選んで解答します。

どちらも試験科目の全範囲から出題されるため、苦手分野から出題された場合は大きく点数を落としてしまうおそれがあります。

全体的にまんべんなく学習しつつ、数学と同様に数年分の過去問を解いて、問題の傾向や形式を把握するようにしましょう。

宮城大学入試の難易度

Benesseの「マナビジョン」のデータによると、宮城大学の偏差値は47~55、大学入学共通テストの得点率は53~66%となっています(2024年12月16日時点)。

学群ごとの偏差値は以下のとおりです。

学群偏差値
看護学群52~55
事業構想学群49~53
食産業学群47~53

参照:宮城大学/偏差値・入試難易度【2024年度入試・2023年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報

宮城大学試験の概要


宮城大学の出願資格、試験科目と配点、出願者数や合格者数のデータなど、試験の概要について解説します。

出願資格について

宮城大学の出願資格は、選抜方法によって異なります。ここでは、一般選抜の出願資格をご紹介します。

宮城大学の一般選抜に出願できるのは、以下のいずれかに該当し、かつ各学群で指定されている大学入学共通テストの科目をすべて受験している方です。


(1)高等学校を卒業した方又は入学年の3月に卒業見込みの方
(2)中等教育学校を卒業した方又は入学年の3月に卒業見込みの方
(3)通常の課程による12年の学校教育を修了した方又は入学年の3月に修了見込みの方
(4)学校教育法施行規則第150条(第6号を除く。)の規定に基づき高等学校を卒業した方と同等以上の学力があると認められる方又は入学年の年3月31日までにこれに該当する見込みの方
参照:宮城大学 令和7年度入学 入学者選抜要項(PDF)

このほかの選抜方法の出願資格については、大学公式ホームページの令和7年度入学 入学者選抜要項(PDF)もしくは学生募集要項をご確認ください。

試験科目や配点

宮城大学の試験科目や配点は、選抜方法や学群によって異なります。ここでは、看護学群における一般選抜(前期日程)の試験科目・配点をご紹介します。

事業構想学群・食産業学群の試験科目や配点については、大学公式ホームページの入学者選抜要項(PDF)をご確認ください。

教科・科目名(大学入学共通テスト)配点
国語『国語』200
地理歴史

公民

『地理総合,地理探究』『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』『公共,倫理』『公共,政治・経済』から1科目を選択100
理科次の(1)又は(2)のいずれか

(1)『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』において、「地学基礎」を除くいずれか2出題範囲を選択

かつ『物理』『化学』『生物』から1科目を選択

 

(2)『物理』『化学』『生物』から2科目を選択

・基礎を付した出題範囲と基礎を付していない科目について、同一名称を含むもの同士の選択を認めます。

・『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』を選択する場合は、「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」から2出題範囲を選択解答してください。

200
数学『数学Ⅰ,数学A』200
『数学Ⅱ,数学B,数学C』

・「数学B」及び「数学C」については、数列(数学B)、統計的な推測(数学B)、ベクトル(数学C)、及び平面上の曲線と複素数平面(数学C)の4項目のうち3項目の内容の問題を選択解答してください。

外国語『英語(リスニングを含む。)』250
情報『情報Ⅰ』100
教科・科目名(個別学力検査等)配点
外国語「英語」

「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」「英語コミュニケーションⅢ」「論理・表現Ⅰ」「論理・表現Ⅱ」「論理・表現Ⅲ」から出題する。

150
論説事象を論理的に考察する力や資料をもとに科学的に読み解く力等を多角的に評価する。150
面接個別面接評定

参照:宮城大学 令和7年度入学 入学者選抜要項(PDF)

出願者数や合格者数のデータ

宮城大学の一般選抜における出願者数や合格者数のデータ(2024年度試験)は、以下のとおりです。

学群前期/後期出願者数受験者数合格者数実質倍率
看護学群前期129100512.0
後期14050105.0
事業構想学群前期2652101141.8
後期27277253.1
食産業学群前期185149801.9
後期29876203.8

参照:宮城大学 令和6年度入学 入試統計

宮城大学に合格するための勉強方法


ここからは、宮城大学に合格するための勉強方法をご紹介します。

宮城大学に入るには、何をすればいい?

宮城大学の偏差値は47~55、大学入学共通テスト得点率は53~66%で、やや平易~標準レベルといえます。

宮城大学は、地域社会に貢献できるような人間性の高い人材の育成を目指しており、入学時は高等学校までの学習内容をしっかりと身につけていることが求められます。

個別学力検査では、難度の高い問題が出されるわけではないものの、どの教科も幅広い知識が必要です。苦手分野を残さないよう、基礎固めをしっかりと行いましょう。

過去問を繰り返し解いて問題の傾向や形式をつかみつつ、英作文などは学校の先生や塾の講師から添削を受けることをおすすめします。

受験期の過ごし方

高校3年生の1年間の過ごし方は、志望校の合否に大きな影響を与えます。後悔しないためにも、下記を参考にして長期的なスケジュールを立てましょう。

  • 春(4~5月):基礎固めに集中する時期です。教科書の問題や基本的な問題は、この段階でしっかりと解けるようにしておきましょう。英単語や文法の暗記にも、早いうちから取りかかります。
  • 夏(6~8月):夏休みはまとまった時間を確保しやすいため、苦手分野やミスしやすい分野を学習し、克服しておきましょう。「毎週○ページ問題集を進める」など、短期的なスケジュールを組むのも有効です。
  • 秋(9~11月):この時期からは入試レベルの問題に挑戦し、応用力を鍛えていきます。これまで学んだ知識や解法を実際に使えるよう練習し、間違えた問題に関しては、間違えた原因やミスしないための対処法を考えることが大切です。
  • 冬(12月~):入試本番と同じ時間配分で過去問を解き、実戦力を鍛えます。必要があればその都度、基礎に戻って必ず確認し、本番で全力を出せるように最終調整しましょう。

予備校で勉強する場合

宮城大学の合格率を上げるには、長期的なスケジュールを立てて学習に取り組むことが重要です。
独学ではすべてをスケジュールどおりに進めることが難しく、モチベーションも下がりやすいため、効率的に学習を進めたい方は、予備校に通うことをおすすめします。

ただし、予備校の授業は講義形式の場合が多く、講師の話を聞くだけの受け身の学習になる可能性があります。

集団授業の性質上、生徒一人ひとりにきめ細かい指導をするのは難しいため、理解できなかった点を聞けないこともあるでしょう。

「苦手分野が多い」「基礎から着実に力をつけていきたい」という方は、予備校に通っても思うように成績が伸びないかもしれません。

四谷学院のカリキュラムのご案内

「独学はハードルが高いが、予備校も合わない気がする」と感じる方におすすめなのが、科目別能力別授業と55段階個別指導のダブル教育を行う四谷学院です。

科目別能力別授業

科目別能力別授業は、入学時に2種類のテストを受け、その結果をもとにクラス分けを行うのが特徴です。

「数学は基礎クラス」「現代文は選抜クラス」など、自分のレベルに合ったクラスで授業を受けられるため、内容が難しすぎたり簡単すぎたりする心配がありません。

レベル診断テストは毎月実施され、いつでも最適な授業が受けられるようになっています。

授業は、講師の声がマイクなしで聞こえるほどの規模で行い、わからない点があっても気軽に質問しやすい雰囲気になっています。

55段階個別指導

55段階個別指導は、受験で必要となる知識やテクニックを段階的に学べるシステムです。級が上がると、以前学んだ内容も難易度を変えて出題されるため、着実に解答力を鍛えられます。

マンツーマンで指導を受ける分、間違えた問題や改善点をその都度解説してもらえるのも魅力です。

宮城大学の入試は志望学群に合わせた対策が重要!

【宮城大学の入試概要】

  • 選抜方法は、一般選抜・学校推薦型選抜・総合型選抜・帰国生徒選抜・社会人選抜・私費外国人留学生入試の6つ
  • 偏差値は47~55で、難易度はやや平易~標準レベル

【宮城大学の入試データまとめ】

  • 一般選抜の実質倍率は、1.8~5.0倍(2024年度)

【勉強方法まとめ】

  • 基礎を徹底的に固める
  • 過去問に繰り返し取り組み、傾向や問題の形式などを把握する

宮城大学の受験対策は、「ダブル教育」を採用している四谷学院がおすすめです。「宮城大学への受験を考えているが、独学だと不安」という方は、四谷学院の詳細をご確認ください。

※本記事でご紹介した情報は2024年11月28日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

失敗しない予備校選びは説明会・相談会参加が重要!

大学受験の成功率を高めるうえで、重要になるのが予備校選びです。

予備校を決める際は、インターネットやパンフレットの情報を見るだけでなく、実際に説明会・相談会へ参加して教室の雰囲気や講師との相性を確認しましょう。

以下の記事では、予備校の説明会・相談会でチェックすべきポイントなどをご紹介しています。ぜひ予備校選びの参考にしてください。

予備校の入学説明会って何をやるの?どうやって参加する?

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