こんにちは!四谷学院の奥野です。
国士舘大学は、1917年に創立された私塾を起源としています。1958年に大学として設置され、政経学部、体育学部、理工学部、法学部、文学部、21世紀アジア学部、経営学部の7学部を持つ私立大学です。
人間形成を重視している国士舘大学では、文武両道教育や実践教育に力を入れています。また、多くのスポーツ選手を輩出しているのも大きな特徴です。
この記事では、国士舘大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。
国士舘大学の受験を考えている方や、合格に向けて何をすべきかわからないという方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2024年7月29日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
国士舘大学の入試問題で問われる能力
まずは、国士舘大学が求めている人物像や入試の特徴、難易度について解説します。
国士舘大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
国士舘大学は「日本の将来を担う、国家の柱石たるべき眞智識者『国士』を養成する」を建学の精神としており、以下を教育理念として掲げています。
「国士」養成のため、四徳目「誠意・勤労・見識・気魄」を兼ね備える教育を行う。 ・「誠意」とは、真心と慈悲の心で、世のため、人のために尽くすこと |
そして、アドミッション・ポリシーでは、求める学生像として以下を掲げています。
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引用:国士舘大学 国士舘大学の3つのポリシー/教育研究上の目的と3つのポリシー/大学案内|国士舘大学|国士舘大学
上記を見ると、国士舘大学は学問に対する意欲が高く、努力を惜しまずやり通し、世の中をよくするため、主体的に行動できる学生を求めているとわかります。
なお、国士舘大学では、学科ごとにアドミッション・ポリシーを設定しています。詳しくは、大学公式ホームページのそれぞれの学科の詳細ページをご確認ください。
国士舘大学の入試の特徴
国士舘大学にはさまざまな選抜制度があります。ここでは、2025年度の入試情報から、主な選抜制度をご紹介します。
総合型選抜
・AO選抜
AO選抜は国士舘大学を第一志望とする方向けの選抜制度で、小論文、面接または口頭試問、書類審査の総合評価によって選抜を行います。
出願するには、以下のいずれかの条件に当てはまる必要があります。
- 高等学校在学中に資格や検定を取得または合格した方
- 高等学校在学中に生徒会やボランティア、部活動などの諸活動への参加実績がある方
- 祖父母・両親・兄弟・姉妹のいずれかが、学校法人国士舘が運営する学校の卒業生または在学生である方。また学校法人国士舘が運営する学校の専任教職員の子女である方
・スポーツ・武道選抜
高校時代にスポーツで優秀な成績を収め、大学教育を受けるのに必要な基礎学力を持つ方の中で、大学でも継続してスポーツを続ける意欲がある方向けの選抜制度です。
高校の3年間でスポーツを継続し、都道府県大会以上の大会に出場した方が出願できます。
小論文、面接または口頭試問、書類審査の総合評価によって選抜を行います。
学校推薦型選抜
・一般公募制推薦選抜
国士舘大学を第一志望とし、高等学校長等から推薦された方が出願できる選抜制度です。
小論文、面接または口頭試問、書類審査の総合評価によって選抜を行います。
一般選抜
・前期選抜/デリバリー選抜/中期選抜/後期選抜
2科目または3科目の学科試験と、書類審査によって合否判定を行います。
加えて、体育学部体育学科と武道学科は実技試験も実施します(後期選抜ではこどもスポーツ教育学科も実技試験を行います)。
デリバリー選抜は全国21会場、中期選抜は関東圏中心の12会場で受験でき、どちらも1回の試験で複数学部の併願が可能です。
また、前期選抜・デリバリー選抜・中期選抜・後期選抜のすべてにおいて、英語外部試験の結果を利用できます。
・大学入学共通テスト利用選抜
大学入学共通テストの成績を利用した選抜制度で、大学入学共通テスト受験前に出願するⅠ期と、受験後に出願できるⅡ期があります(体育学部体育学科と武道学科はⅠ期のみ)。
Ⅰ期の成績上位者は成績優秀奨学生として、入学金や授業料などが原則4年間免除されます。
国士舘大学には、ほかにも外国人留学生選抜や海外帰国生徒選抜、編入学・転入学選抜、外国人留学生編入学選抜といった選抜制度があります。
詳細は、大学公式ホームページの入試情報をご確認ください。
国士舘大学の各科目の試験問題の特徴や難易度と対策
国士舘大学の入試対策をするためには、試験問題の特徴や傾向をつかむことが大切です。
ここでは、国士舘大学の一般選抜における試験問題の特徴を、科目ごとにご紹介します。
英語
英語は大問5つで構成され、試験時間は60分です。
基本的な英語力を問われる問題が多く、また長文読解問題が1~2題出題されます。普段から長文や会話文形式の問題に慣れるようにしましょう。
数学
数学Ⅰ・数学Aは大問5つ、数学Ⅱ・Bは大問3つ、数学Ⅲは大問2つで構成されており、試験時間はそれぞれ60分です。
マーク式で、標準レベルの問題が多く出されます。教科書で基礎をしっかりと固め、確実に解けるように対策しましょう。
国語
国語は現代評論の大問3つから構成され、試験時間は60分です。
評論の内容を読み取り空欄を補充する問題や、漢字問題、文学史問題などが出されます。文章量や問題量がやや多いため、さまざまなジャンルの評論文になるべく多く触れ、長文に慣れておきましょう。
日本史
日本史は大問4つで構成され、試験時間は60分です。
高等学校で学んだ内容を正しく理解しているかを問う問題が多く、マーク形式で回答をします。
原始・古代、中世、近世、近現代の各時代から出題されるため、幅広く知識をつけることが大事です。
世界史
世界史は大問5つで構成され、試験時間は60分です。
世界史では、歴史の流れを時系列に沿って正しく理解しているかを問われます。そのため、特定の時代・分野を重視しない幅広く知識をつけることが大事です。
また、回答は全問マーク式となります。
政治・経済
政治・経済は大問4つで構成されており、試験時間は60分です。地方自治や自衛隊、株式会社の仕組み、国際経済など、幅広い分野から出題されます。
教科書の内容をしっかり押さえ、過去問演習に繰り返し取り組みましょう。
地理
地理は大問4つで構成され、試験時間は60分です。
出題される内容はすべて教科書に書かれている内容から出題されます。一部、時事問題も出題されるので、普段から日本地図や世界地図などを見る習慣をつけるといいでしょう。
回答を暗記するのではなく、なぜそうなるのかという理由まで理解することが大切です。
物理
物理は大問3つで構成され、試験時間は60分です。
出題形式はマーク形式となりますが、選択肢の中にも似たような数値や記号、式が並ぶので、焦らずに落ち着いて解くことが大事です。
また、複雑そうな問題も基本的な知識の組み合わせて解けるようになるので、公式を暗記するのではなく、その公式の意味を正しく理解するようにしましょう。
化学
地理は大問4つで構成され、試験時間は60分です。
化学では、高校で学んだ基本的な部分に加え物理化学・無機化学・有機化学から出題されます。
マーク式となっていますが、選択肢が8個あるため、問題をしっかりと理解して解くことが大事です。
教科書に書いてある練習問題は必ず解けるようにしましょう。
国士舘大学入試の難易度
Benesse「マナビジョン」のデータによると、2024年7月29日時点の国士舘大学の偏差値は44~65です。大学入学共通テストの得点率は60~82%となっています。
学部ごとの偏差値は以下のとおりです。
学部 | 偏差値 |
政経学部 | 52~65 |
体育学部 | 44~59 |
理工学部 | 51~55 |
法学部 | 49~60 |
文学部 | 48~64 |
21世紀アジア大学 | 50~54 |
経営学部 | 55~62 |
参照:国士舘大学/偏差値・入試難易度【2024年度入試・2023年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報
国士舘大学の入試の概要
ここからは、国士舘大学の入試概要を解説します。
出願資格について
国士舘大学の出願資格は、選抜制度によって異なります。ここでは、一般選抜の出願資格についてご紹介します。
一般選抜の出願資格があるのは、以下(1)~(3)のいずれかに該当する方です。
(1)高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。以下同じ。)を卒業した者および入学年の3月に卒業見込みの者。 (2)通常の課程による12年間の学校教育を修了した者および入学年の3月修了見込みの者。 (3)学校教育法施行規則第150条の規程により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者および入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者。 |
なお、上記(3)には条件が細かく設定されています。ほかの選抜制度と併せて出願資格の詳細を知りたい方は、大学公式ホームページの入試情報をご確認ください。
試験科目や配点
国士舘大学の試験科目や配点は、選抜制度や学部ごとに定められています。ここでは、一般選抜(前期選抜)の試験科目についてご紹介します。
<政経学部>
教科・科目名 | 配点 | |
『英語』(「英語コミュニケーションⅠ」、「英語コミュニケーションⅡ」、「論理・表現Ⅰ」) | 必須 | 100点 |
『国語』(「現代の国語」、「言語文化(古文,漢文を除く」) | 必須 | 100点 |
『地理総合,地理探究』、『歴史総合,日本史探究』、『歴史総合,世界史探究』、『公共,政治・経済』、『数学Ⅰ,数学A』 | 1科目を選択 | 100点 |
書類審査(調査書) | 必須 | ‐ |
<体育学部>
教科・科目名 | 配点 | |
『国語』(「現代の国語」、「言語文化(古文,漢文を除く」) | 必須 | 100点 |
『英語』(「英語コミュニケーションⅠ」、「英語コミュニケーションⅡ」、「論理・表現Ⅰ」)、『地理総合,地理探究』、『歴史総合,日本史探究』、『歴史総合,世界史探究』、『公共,政治・経済』、『数学Ⅰ,数学A』 | 1科目を選択 | 100点 |
実技(体育学科は運動適性、武道学科は運動適性と武道基礎能力のいずれか選択) | 体育学科、武道学科のみ必須 | 150点 |
書類審査(武道活動調書) | 武道学科のみ必須 | 50点 |
書類審査(調査書) | 必須 | ‐ |
書類審査(運動能力証明書) | 必須 | ‐ |
<理工学部>
教科・科目名 | 配点 | |
『数学Ⅰ,数学A』 | 必須 | 100点 |
『英語』(「英語コミュニケーションⅠ」、「英語コミュニケーションⅡ」、「論理・表現Ⅰ」)、『数学Ⅱ,数学B,数学C』 | 1科目を選択 | 100点 |
『国語』(「現代の国語」、「言語文化(古文,漢文を除く」)、『数学Ⅲ,数学C』、『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』 | 1科目を選択 | 100点 |
書類審査(調査書) | 必須 | ‐ |
<法学部・文学部・21世紀アジア学部・経営学部>
教科・科目名 | 配点 | |
『英語』(「英語コミュニケーションⅠ」、「英語コミュニケーションⅡ」、「論理・表現Ⅰ」) | 必須 | 100点 |
『国語』(「現代の国語」、「言語文化(古文,漢文を除く」) | 必須 | 100点 |
『地理総合,地理探究』、『歴史総合,日本史探究』、『歴史総合,世界史探究』、『公共,政治・経済』、『数学Ⅰ,数学A』 | 1科目を選択 | 100点 |
書類審査(調査書) | 必須 | ‐ |
出願者数や合格者数のデータ
国士舘大学の一般選抜(前期選抜)における出願者数や合格者数(2024年度)は、以下のとおりです。
学部 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
政経学部 | 1,000 | 962 | 383 | 2.5 |
体育学部 | 472 | 456 | 219 | 2.1 |
理工学部 | 617 | 581 | 355 | 1.6 |
法学部 | 498 | 487 | 322 | 1.5 |
文学部 | 916 | 870 | 538 | 1.6 |
21世紀アジア学部 | 54 | 52 | 43 | 1.2 |
経営学部 | 602 | 583 | 200 | 2.9 |
参照:国士舘大学 令和6年度 入学者選抜結果(前期選抜)(PDF)
国士舘大学に合格するための勉強方法
ここからは、国士舘大学に合格するためにどのように勉強すべきか解説します。
国士舘大学に入るには、何をすればいい?
国士舘大学の偏差値は44~65、大学入学共通テストの得点率は60~82%です。学部によって難易度に差が生じますが、おおよそ平均的なレベルといえます。
国士舘大学を受験するのであれば、志望学部の試験科目を確認し、過去問で出題範囲や傾向を押さえておきましょう。
まずは、教科書の例題をしっかり解けるようにしておくことが重要です。また、国語は評論読解が大問で3つ出題されるため、日頃から長文を読むことに慣れておきましょう。
受験期の過ごし方
志望校合格に向けて成績を伸ばすには、何をいつまでにやればよいのかを決め、長期的なスケジュールを立てて取り組むことが重要です。以下を目安に、大学受験を見据えた1年間のスケジュールを立ててみましょう。
- 春(4~5月):この時期は基礎をしっかり固めます。教科書の例題などを確実に理解し、きちんと解けるようにしておくことが大切です。暗記ものは量が多く、定着するのにも時間がかかるため、早めに取り組んでコツコツと積み上げていきましょう。
- 夏(6~8月):夏休みは、苦手を克服するためのまとまった時間が取れる最後のチャンスです。この時期にしっかりと苦手をつぶしておくことで、夏休み明けからスムーズに演習に入れます。
- 秋(9~11月):夏までに身につけた基礎をもとに、問題演習に取り組みます。過去問や模試を利用して、入試レベルの問題が解ける応用力を身につけましょう。
- 冬(12月~):志望校合格に向けて最後の仕上げを行います。本番を意識し、時間配分を考えながら過去問に取り組みましょう。直前期でも、不明点があれば焦らず基礎に立ち返って確認してください。
予備校で勉強する場合
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しかし「予備校に通ってさえいれば安心」というわけではありません。人数が多い集団授業の予備校では、自分のレベルに合った指導が受けられず、授業を受けていること自体に満足して学力が身につかないことがあります。
予習・復習で授業の内容をしっかり理解する、積極的に質問するなど、主体的に学習に取り組むことが求められます。
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国士舘大学入試は基礎力の徹底が重要!
【国士舘大学の入試概要】
- 選抜制度には、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜などがある
- 難易度はおおよそ平均レベル
【国士舘大学の入試データまとめ】
- 一般選抜(前期選抜)における実質倍率は、1.2~2.9倍(2024年度)
【勉強方法まとめ】
- 志望学部の試験科目を確認し、出題範囲や傾向をチェック
- 教科書の内容を確実に押さえ、基本レベルの問題を取りこぼさないよう対策する
- 国語は評論を読むことに慣れておく
自分のレベルに合った指導で、苦手を確実に克服し得意を伸ばしたいなら、効率よく学べる四谷学院の「ダブル教育」がおすすめです。
成績を上げたい方、志望校に合格できる力をつけたい方は、ぜひお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2024年7月29日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
失敗しない予備校選びは説明会・相談会参加が重要!
受験を成功させるには、自分に合った予備校を選ぶことが大切です。しかし、インターネットや口コミの内容だけでは、十分な情報は得られないでしょう。
予備校の説明会・相談会に足を運び、授業内容や校舎の雰囲気を自分の目で確かめることをおすすめします。
以下の記事では、予備校の説明会に参加するにあたっての疑問や、チェックすべき項目をご紹介しています。ぜひ、予備校選びにお役立てください。