国際基督教大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

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国際基督教大学は、「ICU」の名称でも知られる私立の難関大学です。1949年6月、日本と北米のキリスト教界の指導者により、日本における「超教派のキリスト教大学」として設立されました。

国際基督教大学は一般的な大学とは異なり、「教養学部アーツ・サイエンス学科」の1学部1学科制です。1~2年次は基礎科目を履修し、3年次からは興味関心のある専門分野(メジャー)を選択します。

この記事では、国際基督教大学の入試問題の特徴や難易度、合格率、合格に向けた効率的な勉強方法について解説します。

※本記事に記載されている情報は2024年8月21日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

国際基督教大学の入試問題で問われる能力

国際基督教大学が求める学生の人物像や入試の特徴、入試問題の難易度について解説します。

国際基督教大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

国際基督教大学では、学問・キリスト教・国際性の「3つの使命」を掲げています。
キリスト教の精神に基づき、神と人に奉仕する国際的社会人を育成し、恒久平和の確立に資するためです。

人材育成を実現するため、幅広い分野の教育課程を修め、かつ以下の能力を持つ学生に学位を与えるとしています。

国際基督教大学が掲げるディプロマ・ポリシー(学位授与に関する方針)は次のとおりです。

  1. 学問の基礎を固め、自発的学修者として主体的に計画を立てつつ、創造的に学んでいく能力
  2. 日英両語で学び、世界の人々と対話できる言語運用能力
  3. 自他に対する批判的思考力を基礎に、問題を発見し解決していく能力
  4. 文理にわたる多様な知識やデータを統合し、実践の場で活用する能力
  5. 自分の考えを的確かつ効果的に、口頭および記述で表現する能力
  6. それぞれの専修分野における学識に基づき、独自の見識や深い知識を生み出す能力

引用:国際基督教大学 学部 教育方針|国際基督教大学(ICU)

また、アドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)では、以下の資質を持つ学生を求めています。

  1. 文系・理系にとらわれない広い領域への知的好奇心と創造力
  2. 的確な判断力と論理的で批判的な思考力
  3. 多様な文化的背景を持つ⼈々との対話ができるグローバルなコミュニケーション能力
  4. 主体的に問題を発見し、果敢に問題を解決してゆく強靭な精神力と実行力

引用:国際基督教大学 学部 教育方針|国際基督教大学(ICU)

国際基督教大学の教養学部では、基礎を学んでから自分の専門分野を見つけます。
そのため、知的好奇心があり、自らが積極的に学ぼうとする主体性のある学生が求められる傾向です。

なお、国際基督教大学では、カリキュラムの編成や学問的倫理基準などについてもポリシーを設定しています。詳しくは、大学公式ホームページの学部 教育方針をご確認ください

国際基督教大学入試の特徴

国際基督教大学は、多様な選抜方式を提供している点が特徴です。
ここでは、2025年度の入試情報をもとに、国際基督教大学の選抜方式について解説します。

一般選抜

国際基督教大学の一般選抜では、高校までの基礎知識とリベラルアーツ教育に必要な適性が問われます。また、一般選抜の選考は基本的に「日本語」で行われます。

一般選抜の対象は、日本の高校を卒業(予定)または外国の学校を卒業(予定)した方です。ただし、いずれも日本の中学か高校で学んだ経験がある方に限られます。

一般選抜の入試方式は、出題科目と英語外部試験の利用により、4種類に分けられます。

方式人文・社会科学選択自然科学選択日英バイリンガル面接利用英語外部試験利用
科目1. 総合教養【ATLAS】
2. 英語(リスニングを含む)
3. 人文・社会科学
1. 総合教養【ATLAS】
2. 英語(リスニングを含む)
3. 自然科学
<第一次選考>
1.総合教養【ATLAS】
2.英語(リスニングを含む)
<第一次選考>
1.総合教養【ATLAS】
2.英語(外部試験公式スコア利用)
<第二次選考>
3.オンライン個人面接
(日本語・英語)
<第二次選考>
3.オンライン個人面接
(日本語)

なお、総合教養【ATLAS(Aptitude Test for Liberal ArtS)】は、リベラルアーツ教育への適性を判断する入試科目です。

総合型選抜

総合型選抜では、書類選考と面接で合否を判断します。
高校の成績と推薦状に加え、部活動や課外活動、自主研究、理数探究などの成果、英語能力の証明となる書類などを提出します。

総合型選抜の入試方式は、以下の3種類に分けられます。

  • 英語外部試験利用
  • 理数探究型
  • IB認定校対象
それぞれ出願資格が異なるため、詳細は大学公式ホームページの総合型選抜をご確認ください。

また、総合型選抜は「専願」をメインとするため、複数の方式に出願することはできません。

なお、総合型選抜の選考は一般選抜と同様に、基本的に「日本語」で行われます(IB認定校対象は日英)。

面接はオンラインによる個人面接で、理数探究型とIB認定校対象ではプレゼンも実施されます。

【ユニヴァーサル・アドミッションズ】4月入学帰国生選抜

「ユニヴァーサル・アドミッションズ」という選抜方式のうち、4月入学帰国生選抜の対象は、外国の教育制度で中・高等学校を通じて2年以上継続して教育を受けた方で、選考は「日本語」で行われます。

4月入学帰国生選抜では、十分な日本語能力と海外経験を、リベラルアーツに活かせる学生を求めています。

IELTSやTOEFLなどの英語外部試験の成績に加え、日本語による書類選考と面接で、国際基督教大学が学生に求める資質が備わっているか判断します。

【ユニヴァーサル・アドミッションズ】English Language Based Admissions

「ユニヴァーサル・アドミッションズ」という選抜方式のうち、English Language Based Admissionsとは、大学の講義を受けられる英語力がある方を対象とする試験です。
選考は「英語」で行われます。

選考方法は書類選考のみの「Type A」、書類選考とオンライン個人面接を実施する「Type B」があります。

Type Aは、日本やアメリカの高校卒業資格などを取得(見込み)の方で、SATやACT Plus Writingなどのスコアを提出できる方が対象、Type BはType Aに該当しない方が対象です。

【ユニヴァーサル・アドミッションズ】EJU(日本留学試験)利用選抜

「ユニヴァーサル・アドミッションズ」という選抜方式のうち、EJU(日本留学試験)利用選抜とは、第一言語が日本語や英語ではない方を対象とした入試方式です。

出願資格として、外国の教育制度で高等学校最終学年から遡って継続して6年以上の教育を受けた、などの条件があります。

試験内容は、日本留学試験の成績のほか、IELTSやTOEFLのスコアを利用した書類選考、日本語と英語による面接が実施されます。

なお、EJU(日本留学試験)利用選抜では、入学時期を4月と9月から選択することが可能です。

国際基督教大学の各科目の試験問題の特徴や難易度と対策

国際基督教大学に合格するには、試験科目ごとの特徴や、試験全体の難易度を把握することが大切です。

ここでは、国際基督教大学の一般選抜における試験問題のうち、4科目の特徴について解説します。

英語

英語は多肢選択のマークセンス方式で、試験時間は約70分(リスニング約25分を含む)です。

リーディングとリスニングで構成され、リスニングでは大問3つ、リーディングでは大問2つが出されます。

国際基督教大学では英語が公式言語に含まれるため、英文を和訳せずに英語のまま読んで考える力が必要です。

文章量が多いうえに、英単語や慣用句も難易度が高いため、英語を最優先にして勉強しましょう。

人文・社会科学

人文・社会科学では、10,000字以上ある課題の資料を読んで設問に回答します。試験時間は約70分です。

出題範囲は、文学、哲学、芸術、宗教、政治、経済、歴史、社会などと幅広いのが特徴で、文章量が多いうえに難解な文章が多い傾向です。

人文・社会科学の問題を攻略するには、難しい論文を正確に理解できる国語力が求められます。
学術論文に近い新書を読むこと、語彙力を高めることが受験対策として必要です。

自然科学

自然科学では、数学、物理、化学、生物から2つの分野を選んで解答します。大問は2~3つで、試験時間は約70分です。

いずれの科目も計算問題が多く、正確な計算が求められます。
マークセンス方式では解答が完全一致しないと得点できないため、難しい計算問題も確実に解ける力が必要です。

総合教養【ATLAS】

総合教養【ATLAS】は、リベラルアーツ教育への適性を判断する入試科目です。
2015年度から導入され、「国際基督教大学の講義を体験できる入試」といわれています。

以前は、講義や資料をもとに4つの分野の設問を解く形式でしたが、2025年度入試からは、特定のテーマに関する講義と1つの論述や資料に基づく設問を解く形式に変更されます。

出題される内容は教科書に載っている基礎的なものですが、出題範囲が幅広いため試験に慣れることが重要です。
リベラルアーツを提唱する国際基督教大学らしく、文系・理系を区別しないため、総合的な思考力が問われます。

国際基督教大学入試の難易度

Benesseの「マナビジョン」のデータによると、2024年9月17日時点の国際基督教大学の偏差値は80で、国内の私立大学でもトップクラスの難易度を誇ります。

人文・社会科学選択や自然科学選択などの入試方式で、難易度に違いはありません。

参照:国際基督教大学(ICU)/偏差値・入試難易度【2024年度入試・2023年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報

国際基督教大学の試験の概要


国際基督教大学の出願資格、試験科目と配点、出願者数や合格者数のデータなど、試験の概要について解説します。

出願資格について

国際基督教大学の出願資格は、選抜方式によって異なります。ここでは出願者数が最も多い、一般選抜の出願資格をご紹介します。

一般選抜の出願資格では、以下3つの条件のうちいずれかを満たす必要があります。

1.高等学校または中等教育学校を卒業した者、および入学年の3月31日までに卒業見込みの者

2.通常の課程による12年の学校教育を修了した者、および入学年の3月31日までに修了見込みの者

3.高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、および入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者

a.外国において、学校教育における12年以上の課程を修了した者、および入学年の3月31日までに修了見込みの者、またはこれに準ずる者で文部科学大臣の指定した者

b.文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者、および入学年の3月31日までに修了見込みの者

c.専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る)で、文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者、および入学年の3月31日までに修了見込みの者

d.文部科学大臣の指定した者

e.高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定を含む)に合格した者、および入学年の3月31日までに合格見込みの者で、入学年の3月31日までに18歳に達する者

f.本学による個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、入学年の3月31日までに18歳に達する者

参照:国際基督教大学 一般選抜|国際基督教大学(ICU)

ほかの選抜方式の出願資格は、大学公式ホームページのICUの入試についてをご確認ください。

試験科目や配点

国際基督教大学では、2025年度入試から選抜方式が大幅に変更されます。

A方式とB方式をとっていた一般選抜は、人文・社会科学選択と自然科学選択、日英バイリンガル面接利用、英語外部試験利用へと細分化されます。

2025年度入試に対応した、一般選抜の試験科目と配点は次のとおりです。

選抜方式試験科目配点
人文・社会科学選択総合教養【ATLAS】80点
英語(リスニング含む)80点
人文・社会科学80点
自然科学選択総合教養【ATLAS】80点
英語(リスニング含む)80点
自然科学80点
日英バイリンガル面接利用総合教養【ATLAS】80点
英語(リスニング含む)80点
オンライン個人面接
(日本語・英語)※
英語外部試験利用総合教養【ATLAS】80点
英語(外部試験公式スコア利用)
オンライン個人面接
(日本語)※

※第二次選考

参照:国際基督教大学 入学者選抜結果|国際基督教大学(ICU)

出願者数や合格者数のデータ

2024年度の選抜結果における、各選抜方式の出願者や合格者のデータは次のとおりです。

選抜方式出願者数合格者数
一般選抜(A方式)926273
一般選抜(B方式)7010
総合型選抜300111
社会人入学試験22
学校推薦型選抜224224
4月入学帰国生入学試験28794
English Language Based Admissions(April Entry)11669
English Language Based Admissions(September Entry)387200
EJU(日本留学試験)利用選抜(4月入学)3812
EJU(日本留学試験)利用選抜(9月入学)94

参照:国際基督教大学 入学者選抜結果|国際基督教大学(ICU)

出願者数は一般選抜が圧倒的に多く、倍率はA方式で3.4倍、B方式で7倍、総合型選抜で2.7倍、4月入学帰国生入学試験で3.1倍と、選抜方式によって差があります。

国際基督教大学に合格するための勉強方法


ここからは、国際基督教大学に合格するための勉強方法をご紹介します。

国際基督教大学に入るには、何をすればいい?

国際基督教大学の偏差値は79と、私立大学のなかでもトップクラスの難易度を誇ります。

受験する方の多くは、国公立大や早慶上智にも合格していることが多い傾向です。

国際基督教大学では、リベラルアーツ教育を掲げています。
人文・社会科学や自然科学はリベラルアーツ教育の基礎となるため、入試の時点で基礎を学ぶ機会が得られるでしょう。

一般選抜を受験する場合は、公式言語でもある英語力と、学術論文や資料を読み解ける国語力を身につけることが大切です。

受験期の過ごし方

国際基督教大学を一般選抜で受験する場合、難易度が高い英語を最優先に勉強することが大切です。

早慶レベルの参考書に取り組むことで、大学側が求める英語力を身につけられるでしょう。

また、過去問を徹底的に学習し、苦手な部分は参考書などで補う必要があります。
粘り強く勉強を続ける必要があるため、志望校を決めた段階で早めに基礎を固めておきましょう。

なお、高校3年生の1年間は、長期的な計画を立てて受験勉強を進めることが重要です。季節ごとの過ごし方については、下記を参考にしてください。

  • 春(4~5月):基礎固めを徹底する時期です。英単語や文法などを覚え、教科書レベルの問題を確実に解けるようにしておきます。
  • 夏(6~8月):夏休みの間に苦手分野を克服しましょう。「週に○ページ問題集を進める」など、短期的なスケジュールを立てるとモチベーションの維持に役立ちます。
  • 秋(9~11月):入試レベルの問題演習で、応用力を身につける時期です。志望校の過去問で傾向を把握し、過去問対策も並行して進めていきましょう。
  • 冬(12月~):入試直前期は、過去問を繰り返し解いて実践力を鍛えます。時間配分を意識して取り組み、不明点があれば基礎に戻って確認することも大切です。

予備校で勉強する場合

国際基督教大学の試験問題は、一般的な大学とは大きく異なります。高度な英語はもちろん、難解な論述を問題なく読める国語力や読解力が必要です。

そのため、国際基督教大学に特化した専門の予備校、または個別指導の予備校に通うとよいでしょう。

前者の専門予備校では、英語外部試験の対策やディスカッション、帰国子女向けの対策など、リベラルアーツ教育を実践的に学ぶことが可能です。

一部が非公開となっている過去問を、大学から許可を得て公開している予備校もあります。

ただし、専門予備校の多くは都市部にあるため、地方在住の方は通いにくいこともあるでしょう。

その点、全国に展開している大手の個別指導の予備校であれば、地方在住でも通いやすく、国際基督教大学に必要な基礎学力や理解力を身につけることが可能です。

四谷学院のカリキュラムのご案内

国際基督教大学を受験する場合、科目別能力別授業と55段階個別指導の「ダブル教育」を実施する四谷学院をおすすめします。
ここでは、四谷学院のカリキュラムについて詳しく解説します。

科目別能力別授業

四谷学院の科目別能力別授業では、科目ごとにレベル別でクラスを編成し、生徒の習熟度に合わせた授業を展開します。

クラスは大人数ではないため、程よい緊張感と質問しやすい雰囲気のなかで学力を伸ばすことが可能です。

55段階個別指導

四谷学院の55段階個別指導では、受験に必要な知識を55段階のレベルに分け、マンツーマンの指導を行います。中学1年のレベルから少しずつ段階を踏み、志望校合格レベルまで到達します。

55段階個別指導では、わからない問題もその場で質問できるため、限られた時間で効率よく学力を伸ばすことが可能です。

四谷学院のダブル教育により、国際基督教大学に合格できたケースは複数あります。
ダブル教育で基礎をしっかり固めつつ知識を定着させることで、特殊な入試問題でも対応が可能です。

国際基督教大学入試は志望学科に合わせた対策が重要!

【国際基督教大学の入試概要】

  • 選抜方式は、一般選抜、総合型選抜、4月入学帰国生選抜などがある
  • 偏差値79と難易度はトップクラスのレベル

【国際基督教大学の入試データまとめ】

  • 倍率は一般選抜A方式で3.4倍、B方式で7倍、総合型選抜で2.7倍、4月入学帰国生入学試験で3.1倍(いずれも2024年度)

【勉強方法まとめ】

  • 英語のレベルが非常に高いため、最優先で勉強を継続すること
  • 総合教養【ATLAS】など特殊な科目が多く、基礎を固めつつ理解力や読解力を高める必要がある

国際基督教大学の受験対策は、「ダブル教育」を実施する四谷学院がおすすめです。基礎をしっかり固めたい方、長期的に指導を受けて国際基督教大学に挑戦したい方は、四谷学院の詳細をご確認ください。

※本記事でご紹介した情報は2024年8月21日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

失敗しない予備校選びは説明会・相談会参加が重要!

国際基督教大学に限らず、大学受験を成功させるには、予備校選びも重要です。

予備校を選ぶ際は、インターネットや口コミの情報だけで判断せず、説明会・相談会に参加することをおすすめします。教室の雰囲気や実際のテキストなどを自分の目で確認したうえで、入学を検討しましょう。

以下の記事では、予備校の入学説明会について詳しく解説しています。説明会でチェックすべきポイントなどをご紹介しているので、ぜひ予備校選びにお役立てください。

予備校の入学説明会って何をやるの?どうやって参加する?

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