国際教養大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

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国際教養大学は、秋田県秋田市にキャンパスを構える公立大学です。2004年に日本初の公立大学法人として設立されました。

すべての授業が英語で行われる、1年間の留学義務があるなど、ユニークな教育システムを導入している点が特徴です。

キャンパス内の4人に1人が留学生という環境で、さまざまな人と深く語り合いともに行動し、人間力を高めることができます。

国際教養大学には国際教養学部のみが設置されており、「グローバル・ビジネス領域」「グローバル・スタディズ領域」「グローバル・コネクティビティ領域」の3つの学問領域から1つを選択して学びを深めます。

この記事では、国際教養大学の入試問題の特徴や難易度、合格に向けた効率的な勉強方法について解説します。

※本記事に記載されている情報は2025年3月18日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

国際教養大学の入試問題で問われる能力

国際教養大学が求める学生の人物像について解説します。

国際教養大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

国際教養大学は、以下のミッションステートメント(理念を実現するための行動指針)を掲げています。


国際教養大学は、「国際教養教育」を教学理念に掲げ、グローバル社会におけるリーダーを育成することを使命とする。

国際教養教育は、世界の広範な事象に関する幅広い知識と深い理解、物事の本質を見抜く洞察力や思考力、これらの上に築かれたグローバルな視野とともに、英語をはじめとする外国語の卓越したコミュニケーション能力を涵養する。

国際教養教育を受けた者は、確固たる「個」を確立し、道義心の修養を通じて開かれた高潔な精神と情熱を持って時代の諸課題に立ち向かい、自らが暮らす地域や所属する国家のみならず広く人類社会に貢献する。

引用:国際教養大学 国際教養学部 ミッションステートメント/3つのポリシー | 公立大学法人 国際教養大学 | Akita International University

また、アドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)では、以下のような学生を求めているとしています。


主体的に学ぶ意欲が強く、鋭い問題意識を持つ学生であって、

■社会科学、人文科学、自然科学の広い分野について均衡のとれた基礎学力、論理的、批判的、創造的な思考力を身に付けた学生あるいは特定分野について卓越した経験や能力を有しながらより広い分野について学修を深めようとする意欲を持つ学生

■海外での学修経験や諸活動への参加経験、国内での国際交流事業などに積極的参加を経験するなど世界の多様な文化、言語、歴史、社会などの国際関係について強い関心と探求心を持つ学生

■国際社会を舞台に活躍できるような実践的な外国語運用能力(特に英語)と、幅広い教養の修得を志す学生

引用:国際教養大学 国際教養学部 ミッションステートメント/3つのポリシー | 公立大学法人 国際教養大学 | Akita International University

上記のように、国際教養大学では、グローバル社会のリーダーとなるための学びに必要な基礎学力や思考力を持ち、主体的に学ぶ高い意欲を持った学生を求めています。

詳しくは、大学公式ホームページの国際教養学部 ミッションステートメント/3つのポリシーをご確認ください。

国際教養大学入試の特徴

国際教養大学では、さまざまな能力や資質を備えた学生を選抜するために、複数の選抜方法を提供しています。ここでは、2025年度の入試情報をもとに、国際教養大学の選抜方法について解説します。

一般選抜試験

国際教養大学の一般選抜試験では、A日程・B日程・C日程の3つの日程が用意されており、すべて併願が可能です。また、ほかの国公立大学と個別学力検査等の日程が異なるため、他大学との併願も認められています。

A日程は大学入学共通テスト6教科6科目に加え、国語と外国語の個別学力試験を受け、それらの結果で合否を判定します。

B日程は大学入学共通テスト3教科3科目に加え、国語と外国語の個別学力試験で合否を判定します。

C日程は大学入学共通テスト1教科1科目(外国語)に加え、英語小論文が課されます。

なお、個別学力検査等は国際教養大学キャンパスのほか、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡でも受験可能です。

特別選抜試験

国際教養大学の特別選抜試験は、総合選抜型入試、学校推薦型入試、外国人留学生入試、グローバル・セミナー入試、グローバル・ワークショップ入試、ギャップイヤー入試など、さまざまな入試方式に分かれています。

原則専願となっていますが、外国人留学生入試やグローバル・セミナー入試は他大学との併願が可能です。

・総合選抜型入試
総合選抜型入試Ⅰと総合選抜型入試Ⅱがあり、Ⅰは4月入学者、Ⅱは9月入学者向けです。

出願するには、英検準1級相当の資格を取ること、高校在学中に1年程度の留学で30単位程度を取ること、国際バカロレアのDiploma Programを修了し最終試験6科目に合格することのいずれか1つを満たす必要があります。

総合選抜型入試は、調査書等の書類と英語小論文試験、面接の結果によって合否を判定します。

・学校推薦型入試
調査書の成績が4.0以上かつ英検2級相当の資格を持っている方、もしくは学業やスポーツ、文化活動などで優秀な成績を修めた方が出願可能です。
調査書等の書類と英語小論文試験、面接の結果によって合否を判定します。

・外国人留学生入試
外国人留学生入試には、4月入学の外国人留学生入試Ⅰと、9月入学の外国人留学生入試Ⅱがあります。日本国籍を持たず、日本国の永住許可や特別永住許可を得ていない方向けの入試方式です。

提出書類をもとに総合的に評価するほか、必要に応じて追加書類の提出を求めたり、ビデオ通話サービスによる面接を実施したりします。

・グローバル・セミナー入試
秋田県内の高校生で、国際教養大学が実施したグローバル・セミナーに参加した方向けの入試方式です。グローバル・セミナーで提出したレポート、調査書等の書類、日本語および英語での面接の結果で合否を判定します。

・グローバル・ワークショップ入試
全国の高校生が受験できる入試方式です。出願するためには、グローバル・ワークショップにエントリーし、書類審査を通過したのちにワークショップに参加して出願候補者になる必要があります。

グローバル・ワークショップ入試は、調査書等の書類、日本語および英語での面接、ワークショップの活動で合否を判定します。

・ギャップイヤー入試
高校卒業後の4~8月(ギャップイヤー期間)にボランティアなどの独自活動を行い、その経験を通じて、大学での学びをより能動的・主体的にしたいと考える方向けの入試方式です。出願時には、ギャップイヤー期間に行う活動についての計画書を提出する必要があります。加えて、英語小論文試験と日本語および英語での面接を行い、合否を判定します。

そのほかの入試方式について詳しくは、大学公式ホームページの学部入試情報をご確認ください。

国際教養大学の各科目の試験問題の特徴や難易度と対策

国際教養大学に合格するには、試験科目ごとの特徴や、試験全体の難易度を把握することが大切です。

ここでは、国際教養大学の一般選抜試験(A日程)における試験問題の特徴について、2023年度個別学力試験の問題をもとに解説します。

国語

国語は記述式問題で、試験時間は60分です。2023年度試験では、現代文の課題文1つを読み、3つの設問にそれぞれ定められた文字数で答える形式でした。

問1は100字以内、問2は150字以上200字以内、問3は300字以上350字以内と指定されています。

問1と問2は課題文の内容を説明する問題です。課題文や設問で問われている内容を正しく理解し、自分の言葉で記述する力が求められます。

問3は課題文を手がかりに自分の考えを述べる問題です。意見や根拠を明確にしたうえで、読み手に伝わる文章を書けるように対策する必要があるでしょう。

外国語(英語)

外国語(英語)は記述式問題で、設問は1問のみ、試験時間は120分です。2023年度試験では、60行程度の英語で書かれた課題文を読み、英語で書かれた設問をもとにエッセイを書く問題が出されました。

非常に長い英文を時間内に読んで内容を把握する必要があるため、日頃から長文を速く読む練習をしておきましょう。

また、エッセイの指定単語数は300語以上と量が多いため、まず考えを整理して書きたい内容を洗い出し、構成を決めてから書き出すことをおすすめします。単語や文法といった英語の基礎を固めたうえで、英語のエッセイを書く練習を行い対策しましょう。

国際教養大学入試の難易度

Benesseの「マナビジョン」のデータによると、国際教養大学の偏差値は69~70です(2025年3月18日時点)。

なお、大学入学共通テストの得点率は81~95%となっています。

参照:国際教養大学/偏差値・共通テスト得点率(入試難易度)【2025年度入試・2024年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報

国際教養大学試験の概要


国際教養大学の出願資格、試験科目と配点、出願者数や合格者数のデータなど、試験の概要について解説します。

出願資格について

国際教養大学の出願資格は、選抜方法によって異なります。ここでは、出願者数が最も多い一般選抜試験の出願資格をご紹介します。

2025年度一般選抜試験に出願できるのは、以下のいずれかに該当する方です。


①高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者または入学年の3月に卒業見込みの者
②通常の課程による12年の学校教育を修了した者または入学年の3月に修了見込みの者
③学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者および入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
参照:国際教養大学 2025(令和7)年度 入学者選抜要項(PDF)

ほかの選抜方法の出願資格については、大学公式ホームページの学部入試情報をご確認ください。

試験科目や配点

国際教養大学の試験科目や配点は、選抜方法によって異なります。ここでは、一般選抜試験(A日程)について、試験科目と配点をご紹介します。

<一般選抜試験(A日程)>
●大学入学共通テスト(6教科6科目)

教科科目・範囲等配点
国語『国語』100点
地理歴史・公民『地理総合,地理探究』、『歴史総合,日本史探究』、『歴史総合,世界史探究』、『公共,倫理』、『公共,政治・経済』、『地理総合/歴史総合/公共』(※1)から1科目選択100点
数学『数学Ⅰ』、『数学Ⅰ,数学A』、

『数学Ⅱ,数学B,数学C』から1科目選択

100点
理科『物理』、『化学』、『生物』、『地学』、

『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』(※2)から1科目選択

100点
外国語『英語(リスニング含む)』100点
情報『情報Ⅰ』50点

※1 『地理総合/歴史総合/公共』は3つの出題範囲から2つを選択解答
※2 『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』は4つの出題範囲から2つを選択解答

●個別学力試験

教科科目・範囲等配点
国語『現代の国語』、『言語文化』、『論理国語』、『文学国語』、『国語表現』100点
外国語(英語)『英語コミュニケーションⅠ』、『英語コミュニケーションⅡ』、『英語コミュニケーションⅢ』、『論理・表現Ⅰ』、『論理・表現Ⅱ』、『論理・表現Ⅲ』100点

参照:国際教養大学 2025(令和7)年度 学生募集要項 一般選抜試験(PDF)

出願者数や合格者数のデータ

国際教養大学における正規学生の出願者数や合格者数(2024年度)は、以下のとおりです。

入試方式出願者数受験者数合格者数実質倍率
一般選抜試験A日程3133021152.6
B日程344257534.8
C日程12295615.8
特別選抜試験グローバル・セミナー入試4040211.9
グローバル・ワークショップ入試131352.6
総合選抜型入試Ⅰ8885175.0
総合選抜型入試Ⅱ262573.6
学校推薦型入試107107412.6
外国人留学生入試Ⅰ151535.0
外国人留学生入試Ⅱ161653.2
ギャップイヤー入試151452.8

参照:国際教養大学 過去の入試情報 2024年入学 正規学生入試(PDF)

国際教養大学に合格するための勉強方法


ここからは、国際教養大学に合格するための勉強方法をご紹介します。

国際教養大学に入るには、何をすればいい?

国際教養大学では、グローバル社会のリーダーになるために、鋭い問題意識を持ちながら主体的に学ぶ意欲があり、基礎学力を身につけた学生を求めています。

偏差値は69~70、大学入学共通テストの得点率は81~95%で、入試の難度はかなり高いといえるでしょう。

個別学力試験で利用する国語と英語では、特に高いレベルの学力が求められます。記述式問題が出されるため、単なる知識の暗記では太刀打ちできません。

設問の内容を理解し、解答をわかりやすく表現する力が試されます。過去問や似た問題を繰り返し解いて対策しましょう。

受験期の過ごし方

国際教養大学の一般選抜試験を受ける場合は、国語と英語の論述対策に力を入れつつ、大学入学共通テストで利用する科目の勉強も進めていかなければなりません。

長文読解力や論述力をつけるためには、粘り強く勉強を続ける必要があるため、早いうちからコツコツと学習に取り組むことが大切です。

学習計画を立てずに勉強していると、受験までに目指す学力に到達できないおそれがあるため、必ず長期のスケジュールを立てて勉強に取り組みましょう。以下を参考に、自分に合ったスケジュールを立ててみてください。

  • 春(4~5月):この時期は基礎力定着を徹底しましょう。教科書の内容を中心に学習しつつ、英単語や文法などの暗記も進めておくことが大切です。
  • 夏(6~8月):まとまった時間が取れる夏休みは、大学入学共通テストで利用する科目の対策を進めていきましょう。特に歴史系の科目は学習する量が多く時間がかかるため、早いうちから着手することをおすすめします。苦手分野があれば夏休みの間にじっくり取り組んで克服しておきましょう。
  • 秋(9~11月):入試レベルの問題や過去問を利用し、今までインプットしてきた知識をアウトプットする演習を行います。間違えた問題があれば、なぜ間違えたのか、次はどうすべきかを徹底的に考えましょう。
  • 冬(12月~):過去問や予想問題集を繰り返し解き、大学入学共通テストの出題形式に慣れましょう。このとき、時間配分を意識して取り組むことが重要です。大学入学共通テスト後は個別学力試験の演習に集中します。論述問題に取り組む場合は、学校の先生や塾の先生などに添削してもらうとよいでしょう。

予備校で勉強する場合

国際教養大学の入試では、出題形式のポイントを押さえて勉強に取り組む必要があります。

特に記述力が試されるため、独学で受験勉強を進めるのが難しいこともあるでしょう。勉強する中で生じた疑問点や不明点を解決できない場合や、集中力が続かない場合もあります。

効率的に受験勉強を進めたい方は、独学ではなく予備校で勉強することをおすすめします。予備校に通えば、志望校合格に向けた指導を受けられるだけでなく、学習スケジュールや進路に関する相談などのサポートを受けられます。

ただし、予備校に行けばすべて解決する、というわけではありません。

大人数がいっせいに授業を受ける予備校では、自分のレベルやペースに合わせて授業が進むわけではないため、授業が合わない可能性があります。

不明点や疑問点があるたびに授業を止めて質問し、ゆっくり教えてもらうのは現実的ではないでしょう。

四谷学院のカリキュラムのご案内

「大人数の予備校が合わない」「ついていけるか心配」という方は、科目別能力別授業と55段階個別指導の「ダブル教育」を行う四谷学院をご検討ください。

ここからは、科目別能力別授業と55段階個別指導について詳しく解説します。

科目別能力別授業

科目別能力別授業では、生徒のレベルに合わせて科目ごとに細かくクラス分けを行います。全科目で自分に合ったレベルの授業を受けられるため、効率よく理解力を高めることができます。

大人数ではないアットホームな授業で質問もしやすく、仲間と切磋琢磨しながら高め合える環境です。

さらに、学力の伸びに合わせて、年度の途中でもクラスレベルを上げることも可能です。

55段階個別指導

四谷学院の55段階個別指導は、受験に必要な知識や解法を55段階のレベルに分け、少しずつ段階を踏んで志望校合格レベルへの到達を目指す学習システムです。

55テキストで1つの級を学習したら、55テストを解き、その場でプロ講師に答案を採点してもらうという流れで進みます。理解できていない箇所は、マンツーマンで丁寧に解説してもらえます。

1対1で答案を見てもらえるので、論述力アップにも効果的です。

理解できるまでじっくり質問でき、限られた時間で効率よく学力を伸ばすことが可能です。

国際教養大学入試は出題形式に合わせた対策が重要!

【国際教養大学の入試概要】

  • 一般選抜試験に加え、多くの特別選抜試験を用意しており、さまざまな能力や経験、資質を持った学生を受け入れている
  • 偏差値は69~70で難関レベル

【国際教養大学の入試データまとめ】

  • 一般選抜試験(A日程)の実質倍率は、2.6倍(2024年度)

【勉強方法まとめ】

  • 個別学力試験の国語と英語を重点的に対策する
  • 過去問を活用し、出題傾向に合った対策を行う

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※本記事でご紹介した情報は2025年3月18日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

失敗しない予備校選びは説明会・相談会参加が重要!

大学受験を成功させるうえでは、大切な1年間を過ごす予備校の選び方が重要になります。

予備校は、インターネットや口コミの情報だけで判断するのではなく、予備校の説明会・相談会に参加したうえで選ぶことをおすすめします。自分の目で授業のやり方や教室の雰囲気を見て「ここなら頑張れそう」「自分に合っていそう」と思える予備校を選びましょう。

以下の記事では、予備校の入学説明会でチェックすべきポイントをご紹介しています。予備校選びに悩んだら、ぜひ参考にしてください。

予備校の入学説明会って何をやるの?どうやって参加する?

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