こんにちは!四谷学院の奥野です。
立正大学は、品川と熊谷にキャンパスを構える私立大学です。1872年に、東京芝二本榎にある承教寺の小教院として開学し、2022年に150周年を迎えました。
仏教学部、文学部、経済学部、経営学部、法学部、心理学部、社会福祉学部、地球環境科学部、データサイエンス学部の9学部16学科を擁する総合大学です。
この記事では、立正大学の入試問題の特徴や難易度、合格に向けた効率的な勉強方法について解説します。
※本記事に記載されている情報は2024年9月19日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
立正大学の入試問題で問われる能力
はじめに、立正大学が求める学生の人物像について解説します。
立正大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
立正大学は、「真実を求め至誠を捧げよう」「正義を尊び邪悪を除こう」「和平を願い人類に尽そう」という3つの誓いを、建学の精神として掲げています。
この精神に基づき「モラリスト×エキスパート」つまり、モラルと感性豊かな専門性を兼ね備えた人材の養成を実現するために、以下の内容をアドミッション・ポリシーとして掲げています。
主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度
・世のため人のために自らを役立てることに喜びを感じ、そのために人格的・学問的に自分を磨く努力を惜しまない者。
・学びを社会的に実践し、これを再び学びや人格形成に反映させることで、継続的な学び・成長を志向することのできる者。
・多様な個性を尊重し、有機的につなぎ合わせ、活かし活かされようとする態度を身につけている者。思考力・判断力・表現力
・身につけた知識・技能を活かしながら、課題を発見、探究、解決する過程を継続的に実践できる者。
・自らの考えを形成し、それを他者とのコミュニケーションをとおして適切に表現・共有することで、多様な考えの理解や新たな考えの形成をしていくことができる者。
・多様な知を融合し、新しい意味や価値を創造していくことのできる者。知識・技能
・「モラリスト×エキスパート」としての成長および入学する学部・学科(コース)における専門性の修得に必要な、基礎的学力・技能や社会的知識を備えている者。
引用:立正大学 人材養成に関する目的その他の教育研究上の目的/教育目標/三つの方針 | 立正大学-「モラリスト×エキスパート」を育む。
上記によると、「モラリスト×エキスパート」として社会に貢献できる人物になるために、基礎的な学力や知識を持ち、主体性を持って学び、学んだことを活かして問題を解決しようと試みることができる人物が求められています。
また、立正大学では、学部・学科別のアドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)も定められています。詳しくは、立正大学入試情報サイトのアドミッション・ポリシーをご確認ください。
立正大学入試の特徴
立正大学では、複数の選抜方式を用意しています。ここでは、2025年度の入試情報をもとに、立正大学の選抜方式について解説します。
総合型選抜
総合型選抜には、主に高校時代の活動実績や成果をアピールする「活動評価型」と、大学が提示した課題に取り組む「探究実践型(データサイエンス学部のみ総合評価型)」の2つの型があります。
総合型選抜では、主に以下に示す4つの方式によって評価されます。
- ゼミナール方式(課題について複数人でディスカッションを行う)
- レポート方式(課題についての考えを記述する、または高校時代の活動や入学後に学びたいことをまとめる)
- プレゼンテーション方式(課題からテーマを設定して自主的に取り組んだ内容を発表する)
- フィールドワーク方式(地球環境科学部環境システム学科のみ。野外観察・観測などを行い、それをもとにディスカッションを行う)
ほかに、指定されたスポーツや音楽で優秀な成績を収めた学生が出願できる「文化・スポーツ型」や「総合評価型 トップアスリート選抜」があります。
総合型選抜は、学部・学科によってそれぞれ出願資格が異なります。詳細については、立正大学入試情報サイトの総合型選抜をご確認ください。
学校推薦型選抜
立正大学の学校推薦型選抜には、公募制推薦選抜と指定校制推薦選抜があります。
公募制推薦選抜は、一定の条件を満たし、立正大学に入学するにふさわしい人物であると認められ、学校長に推薦された生徒が出願できます。調査書等の書類や面接、小論文をもとに合否を判定します。
指定校制推薦選抜は、立正大学が指定した対象校からの推薦による入試で、募集要項は対象校へ個別に案内されます。
全学部一般選抜
3教科の個別学力検査を受験し、3教科の得点の合計、もしくは高得点の2教科の成績によって合否を判定する選抜方式です。
立正大学の全学部一般選抜は、以下4つに分かれています。
- R方式
- 2月試験(前期)
- 2月試験(後期)
- 3月試験
また、R方式では、出願時に申請した英語外部試験の等級やスコアをみなし得点に換算し、独自試験の英語の得点と比較して、高得点のほうを合否判定に利用することも可能です。
2月試験(前期)の成績上位者100名は、返還不要の奨学金制度「立正大学特別奨学生」の対象となります。
また、2月試験(前期)でデータサイエンス学部を受ける方は、全学部一般選抜での高得点2教科と、大学入学共通テストの数学の合計得点で判定する「共通テスト併用型」に無料で出願できます(ただし、同一試験日程に限ります)。
大学入学共通テスト利用選抜
大学入学共通テストの成績を利用した選抜方式です。学科(コース)によって2教科または3教科の得点で合否を判定し、立正大学の個別学力検査は実施しません。
大学入学共通テスト受験前に出願する「大学入学共通テスト利用選抜(前期)」と、大学入学共通テスト受験後に自己採点の結果を考慮して出願できる「大学入学共通テスト利用選抜(後期)」があります。
なお、大学入学共通テスト利用選抜(前期)の成績上位者50名は、返還不要の奨学金制度「立正大学特別奨学生」の対象となります。
そのほか、立正大学では外国人留学生、専門高校生、海外帰国生、社会人、編入学希望者等を対象とした試験制度が導入されています。
詳細は、立正大学入試情報サイトの入試情報を知るをご覧ください。
立正大学の各科目の試験問題の特徴や難易度と対策
立正大学に合格するには、試験科目ごとの特徴や、難易度を把握する必要があります。
ここでは、立正大学の2024年度全学部一般選抜〈2月試験(前期)〉における試験問題のうち、英語、国語、世界史の特徴について解説します。
英語
英語はマーク式で大問は7つ、試験時間は60分です。
前半の大問5つは基本的な文法問題や並べ替え問題、英文和訳、会話問題が出され、後半の大問2つは長文問題が出されています。
問題自体は特別難しいものではなく、基本的な文法や語法を押さえておけば解答できるでしょう。
ただし、問題数がやや多いため、過去問を解く際は時間配分に注意する必要があります。英文を読むスピードを上げるために、長文問題に積極的に取り組みましょう。
国語
国語はマーク式で大問は3つ、試験時間は60分です。
大問1と2は現代文の問題で、大問3は現代文、古文、漢文のうち1つを選択します。
現代文は、漢字や語彙の問題、文章の内容を把握する問題などが出されています。
古文は、文法や現代語訳、読解、背景知識に関する問題、漢文は句法や読解、書き下し文の問題が出されています。
問題数がやや多いため、時間配分を意識して演習に取り組みましょう。大問3に関しては、過去問題をすべて解いたうえで、最も点数が取れる分野を選んで対策するとよいでしょう。
世界史
世界史はマーク式で大問が4つ、試験時間は60分です。
基本的な問題がほとんどで、出されやすい問題の傾向は特にありません。そのため、すべての地域や年代をまんべんなく学ぶ必要があります。出題範囲が膨大なため、早めに対策を始めることをおすすめします。
正誤問題がよく出されるので、教科書の内容を正確に押さえておきましょう。問題演習に取り組み、間違った問題や理解が曖昧な問題は必ず復習して解けるようにしておいてください。
立正大学入試の難易度
Benesseの「マナビジョン」のデータによると、2024年9月19日時点の立正大学の偏差値は43~60です。大学入学共通テストの得点率は44~79%となっています。
学部ごとの偏差値は以下のとおりです。
学部 | 偏差値 |
仏教学部 | 45~51 |
文学部 | 50~59 |
経済学部 | 50~57 |
経営学部 | 51~55 |
法学部 | 52~57 |
心理学部 | 55~60 |
社会福祉学部 | 43~51 |
地球環境科学部 | 43~51 |
データサイエンス学部 | 45~49 |
参照:立正大学/偏差値・入試難易度【2024年度入試・2023年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報
立正大学試験の概要
立正大学の出願資格、試験科目と配点、出願者数や合格者数のデータなど、試験の概要について解説します。
出願資格について
立正大学の出願資格は、選抜方式によって異なります。ここでは、全学部一般選抜・大学入学共通テスト利用選抜の出願資格をご紹介します。
全学部一般選抜・大学入学共通テスト利用選抜の出願者は、以下8つの条件のうちいずれかを満たす必要があります。
- 高等学校または中等教育学校を卒業した者、および入学年の3月までに卒業見込みの者。
- 特別支援学校の高等部または高等専門学校の3年次を修了した者、および入学年の3月までに修了見込みの者。
- 外国において、学校教育における12年の課程を修了した者、および入学年の3月までに修了見込みの者、またはこれらに準ずる者で文部科学大臣の指定した者。
- 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程または相当する課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者、および入学年の3月31日までに修了見込みの者。
- 専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であること、その他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以降に修了した者、および入学年の3月31日までに修了見込みの者。
- 文部科学大臣の指定した者。
- 高等学校卒業程度認定試験に合格した者(大学入学資格検定に合格した者を含む。)、および入学年の3月31日までに合格見込みの者で、入学年の3月31日までに18歳に達する者。
- 本学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、入学年の3月31日までに18歳に達する者。
ほかの選抜方式の出願資格は、立正大学入試情報サイトのデジタルパンフレットをご確認ください。
試験科目や配点
立正大学の試験科目と配点は、選抜方式や学部・学科(コース)、試験日によって異なります。
ここでは、全学部一般選抜〈2月試験(前期)〉における2025年2月3日実施の試験科目と配点をご紹介します。
<地球環境科学部環境システム学科を除いた全学部全学科(地歴公民受験)>
教科・科目名 | 配点 | |
国語 | 現代の国語・言語文化(現代文必須、選択問題は現代文・古文・漢文のうちいずれかを選択) | 100点 |
地歴・公民 | 日本史探究、世界史探究、地理総合・地理探究、政治・経済より1科目選択 | 100点 |
外国語 | 英語(英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) | 100点 |
※法学部、文学部、仏教学部、データサイエンス学部、地球環境科学部、社会福祉学部においては、3教科のうち高得点の2教科で判定(文学部文学科英語英米文学専攻コースは英語を含む2教科)
<経済学部、データサイエンス学部、地球環境科学部(理科受験)>
教科・科目名 | 配点 | |
国語または数学 | 現代の国語・言語文化(現代文必須、選択問題では現代文・古文・漢文いずれかを選択)または数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B・C) 上記より1教科選択 | 100点 |
理科 | 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、地学基礎・地学より1科目選択 | 100点 |
外国語 | 英語(英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) | 100点 |
※データサイエンス学部と地球環境科学部においては、3教科のうち高得点の2教科で判定
出願者数や合格者数のデータ
2024年度の全学部一般選抜〈2月試験(前期)〉における、各学部の出願者数や合格者数のデータは次のとおりです。
学部 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
仏教学部 | 47 | 41 | 28 | 1.5 |
文学部 | 944 | 899 | 611 | 1.5 |
経済学部 | 433 | 410 | 205 | 2.0 |
経営学部 | 407 | 387 | 168 | 2.3 |
法学部 | 258 | 238 | 117 | 2.0 |
心理学部 | 846 | 812 | 300 | 2.7 |
社会福祉学部 | 130 | 121 | 104 | 1.2 |
地球環境科学部 | 186 | 179 | 163 | 1.1 |
データサイエンス学部 | 116 | 106 | 76 | 1.4 |
立正大学に合格するための勉強方法
ここからは、立正大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
立正大学に入るには、何をすればいい?
立正大学の偏差値は43~60で、学部・学科(コース)にもよりますが、基礎~標準レベルといえます。
立正大学では、モラルと感性豊かな専門性を兼ね備えた人材の養成を目指しており、専門性の修得に必要な基礎学力や知識は、入試の勉強を通しても身につけられるでしょう。
特に難しい問題が出されるわけではないため、全学部一般選抜を受験する場合は、標準的な問題をしっかり解けるようにする必要があります。過去問に取り組み、出題傾向や時間配分もチェックしておくことも大切です。
受験期の過ごし方
受験は長期戦となるため、きちんと計画を立てて学習を進める必要があります。下記を参考に、高校3年生の1年間の学習スケジュールを立ててみましょう。
- 春(4~5月):基礎をしっかり定着させる時期です。まずは、教科書レベルの問題をしっかりと理解できるように学習を進めましょう。英単語や文法などの暗記は時間がかかるため、早いうちからコツコツと繰り返し行ってください。
- 夏(6~8月):まとまった時間が取れる夏休みは、じっくり苦手克服ができるラストチャンスです。苦手をしっかり洗い出し、夏休みが終わるまでに苦手な分野や単元がない状態にしておくと、秋からスムーズに演習に取りかかることができます。
- 秋(9~11月):入試レベルの問題に積極的に取り組み、演習力を高める時期です。過去問を分析し、どのような問題をどこまで解けるようになれば合格できるのか、目標を定めて対策を進めましょう。模試を活用するのもおすすめです。
- 冬(12月~):直前期は、時間配分を意識しながら過去問演習を繰り返します。不明点があればその都度基本に戻り、本番でしっかり解けるように復習しておきましょう。
予備校で勉強する場合
受験に合格するには、長期的なスケジュールを立てて学習に取り組むことが重要です。
しかし、一人では学習スケジュールの立て方がわからない方や、1年間もモチベーションが続くのか不安を感じる方も多いでしょう。
そういった悩みを持つ方は、大学入試対策専門の予備校に通うことをおすすめします。
大学入試に合わせたカリキュラムの授業を受けることで、適切なペースで学習を進めることができます。
受験を控えた仲間がたくさんいる環境で学ぶことにより、モチベーションも高まるでしょう。予備校に行けば、大学の試験情報なども手に入れることができます。
ただし、予備校は規模が大きいため、講師がつきっきりで指導してくれる環境ではありません。生徒の数も多く、予備校の授業スピードについていけなくなることもあるでしょう。
「ある程度基礎が固まっており、受験に向けて応用力を高めたい」という方には予備校が適していすが、「まずは基礎からじっくり学びたい」「苦手分野がたくさんある」という方には向いていないかもしれません。
四谷学院のカリキュラムのご案内
「立正大学を受験したくて予備校を考えているが、授業についていけるか不安」という方には、四谷学院をおすすめします。四谷学院は、科目別能力別授業と55段階個別指導の「ダブル教育」が特徴の予備校です。
科目別能力別授業と55段階個別指導について、それぞれ解説します。
科目別能力別授業
四谷学院の科目別能力別授業は「得意な現代文は選抜クラス、苦手な古文は基礎クラス」といったように、科目ごとにレベル別でクラスを編成するのが特徴です。
自分のレベルに合った授業を受けることができるため、授業についていけなくなることや、無駄な授業を受けることがなくなり、学習効率がアップします。
講師の目がクラス全員に届く規模のため、アットホームで質問もしやすく、仲間と励まし合いながら学力を高めることが可能です。
55段階個別指導
四谷学院の55段階個別指導は、受験に必要な知識を55段階に分け、中学1年生レベルから段階を踏んで学ぶことにより、無理なく志望校合格レベルまで学力を高められるシステムです。
間違えた問題や理解があいまいな問題は、プロ講師がその場でマンツーマンの指導を行ってくれるため、疑問点をすぐに解決できます。
四谷学院のダブル教育で苦手を残さず基礎をしっかり固め、演習力を高めることで、立正大学に合格できる力が身につきます。
立正大学入試は過去問の傾向に沿った対策が重要!
【立正大学の入試概要】
- 選抜方式は、総合型選抜、学校推薦型選抜、全学部一般選抜、大学入学共通テスト利用選抜などがある
- 偏差値は43~60で、基礎~標準レベル
【立正大学の入試データまとめ】
- 全学部一般選抜〈2月試験(前期)〉の実質倍率は1.1~2.7倍(2024年度)
【勉強方法まとめ】
- 過去問を解いて出題傾向を把握し、傾向に沿った対策を行う
- 標準レベルの問題を確実に解けるように演習し、苦手を残さない
- 英語や国語の長文に積極的に取り組み、読解スピードを上げる
立正大学の受験対策は、「ダブル教育」が強みの四谷学院がおすすめです。苦手を克服し、基礎をしっかり固めて演習力を高めたい方は、ぜひ四谷学院のホームページにて詳細をご確認ください。
※本記事でご紹介した情報は2024年9月19日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
失敗しない予備校選びは説明会・相談会参加が重要!
大学受験を成功させるうえでは、予備校選びが重要になります。自分に合っていて、確実に学力を伸ばすことができる予備校を選ぶ必要があります。
予備校を選ぶ際には、パンフレットやインターネットの情報だけで決めるのではなく、実際に説明会・相談会に参加するとよいでしょう。
「授業の雰囲気はどうか」「質問はしやすそうか」「やる気を持って学べる環境か」など、気になることを自分の目でしっかりチェックすることで、失敗しない予備校選びが叶います。
以下の記事では、予備校の説明会・相談会でチェックすべきポイントについて詳しくお伝えしているので、参加を考えている方はぜひご覧ください。