こんにちは!四谷学院 受験コンサルタントチームの伊達です。
共通テストが終わり、受験生は具体的な出願校を決める時期になりました。
新学年が近づくタイミングで「そろそろ大学受験について真剣に考えないとな」と感じている高1・2生も多いでしょう。
最近受験を本格的に意識し始めた生徒から、このような相談を受けることがあります。
『大学入試の制度がよくわかりません。そもそも何回チャンスがあって、何校までなら受験できますか?』
今回は、この疑問についてお答えします。
目次
国公立大学
国が運営する国立大学と、市などの地方公共団体が運営する公立大学。
設立や運営元は異なりますが、学費はほぼ変わらず「国公立大学」とまとめられることが多いです。
国公立大学を受験するには、1次試験である「大学入学共通テスト」と、2次試験の「個別試験(大学ごとの個別学力検査)」を受ける必要があります。
その国公立大学の受験チャンスは最大3回です。
詳しく見てみましょう。
前期日程
1月の中旬に共通テストを受け終えると、2月の終わりには最初のチャンスである前期日程を迎えます。
共通テストが終わり、2次試験を迎えるまでの準備期間は1か月程度。
大きな山を1つ越えたからといって、ゆっくりしている暇はありません。
また、共通テストの自己採点結果をもとに、2週間ほどで出願校を決める必要があります。
「やらなければならない作業が想像以上に多くて、2次試験の対策に集中できなかった…」という失敗に陥ることがないようにしたいですね。
・少しでも出願の可能性がある大学については願書を取り寄せておき、事務手続きは最小限に抑える
【2024年度 国公立前期試験 入試スケジュール】
(2023年) 9月25日 ~ 10月5日 | 共通テスト 出願受付 |
(2024年) 1月13日・14日 | 共通テスト 本試験 |
1月27日・28日 | 共通テスト 追試験 (体調不良者などを対象) |
1月22日~2月2日 | 2次試験 出願受付 |
2月25日 以降 | 2次試験(前期) 試験日 |
3月6日~10日 | 合格発表 |
3月15日 | 入学手続き締切日 (手続きを行わない場合は合格無効) |
中期日程
前期試験が終わって2週間も経たないうちに、2回目のチャンスである中期日程を迎えます。
しかし、この中期日程は一部の公立大学しか実施していません。
国立大学はそもそも実施しておらず、公立でも一部の大学、かつ特定の学部のみであるため、自分の志望系統に合致するケースはあまり多くありません。
それでも、前期・後期の2回しかない国公立の受験チャンスを増やせることを考えると、通いたいと思える大学がないか確認しておいた方が良いでしょう。
【2024年度 国公立中期試験 入試スケジュール】
(2023年) 9月25日 ~ 10月5日 | 共通テスト 出願受付 |
(2024年) 1月13日・14日 | 共通テスト 本試験 |
1月27日・28日 | 共通テスト 追試験 (体調不良者などを対象) |
1月22日~2月2日 | 2次試験 出願受付 |
3月8日 以降 | 2次試験(中期) 試験日 |
3月20日~24日 | 合格発表 |
3月27日 | 入学手続き締切日 (手続きを行わない場合は合格無効) |
後期日程
中期日程の試験が終わると、すぐに最後のチャンスである後期日程の試験日を迎えます。
前期日程や私立大学の合格発表が出そろっている時期のため、進学先が決まっていて「出願はしたが受けには行かない」というケースも多いでしょう。
注意すべきは、前期日程で合格して手続きを行った場合、後期試験の合格対象にはならないという点です。
つまり、「前期日程で国公立の安全校をおさえておき、後期日程で挑戦する」ということはできません。
必ず前期日程で志望順位の高い大学に出願しましょう。
また、基本的に後期日程は前期日程よりも合格するのが難しい傾向にあります。
国公立大学に進学する最後のチャンスであるからこそ、確実に合格をつかめるよう、後期では安全と思われる大学に出願する受験生が多いため、合格枠を奪い合うライバルは前期よりも強力になることが多いのです。
そもそもの合格者数も、大半の大学では後期日程の方が極端に少なくなっています。
【2024年度 国公立後期試験 入試スケジュール】
(2023年) 9月25日 ~ 10月5日 | 共通テスト 出願受付 |
(2024年) 1月13日・14日 | 共通テスト 本試験 |
1月27日・28日 | 共通テスト 追試験 (体調不良者などを対象) |
1月22日~2月2日 | 2次試験 出願受付 |
3月12日 以降 | 2次試験(後期) 試験日 |
3月20日~24日 | 合格発表 |
3月27日 | 入学手続き締切日 (手続きを行わない場合は合格無効) |
国公立大学 まとめ
国公立大学を受験するチャンスは、前期・中期・後期の、最大で3校。
ただし、中期日程は一部の公立大学のみが実施しているため、前期と後期の2校を受験する人がほとんどです。
前期の手続き締切(合格後の入学手続き)は、中期や後期の合格発表前であるため、「前期で安全なところをおさえておいて中期や後期でチャレンジする」ということはできません。
募集人員を見ても、中期や後期の場合は数名程度のことが多く、「行きたい大学には前期日程で挑戦」し、「中期や後期で安全圏の大学をおさえる」形が良いでしょう。
いずれにせよ、1次試験となる共通テストの得点次第で出願先が大きく変わるため、まずは共通テスト対策を万全にしていきましょう。
私立大学
私立大学の受験可能回数は、大学によって異なります。
受験科目や日程も大学が独自に設定するため、入試要項などで最新の情報を必ず確認しましょう。
私立大学の入試は、「一般入試」と「推薦入試」に大きく分かれます。
それぞれ見ていきましょう。
一般入試
一般入試は、学部ごとにつくられた問題によって合否を判定する「個別学部入試」と、全学部共通の問題を解き学部ごとの基準で合否を判定する「全学部入試(全学部統一)」があります。
基本的には、「個別学部入試」の方が第一志望に合格する可能性は高まります。
学部ごとに問題の対策が必要な前者と、複数の学部にも出願できる後者では、「全学部入試」の方が受験しやすくライバルも増えやすいことが想像できるでしょう。
例:明治大学の法学部と政治経済学部を受験したい場合
メリット
・学部ごとの対策が必要なため、ライバルが限られる。
・学部ごとの傾向を意識して対策することで、ライバルに差をつけやすい。
・一発勝負ではないため、一方の学部で失敗したとしても、切り替えて次の学部に挑むことができる。
メリット
・1度の試験で、複数の学部に出願できるため、負担を増やさずにチャンスを広げることができる。
・学部ごとに対策する必要がないため、併願校として設定する際の負担を減らせる。
・個別学部入試より早い日程で実施されることが多いため、試験本番や合格を先に経験することができる。
一般入試は、いずれの方式も何校でも受験可能です。
また、「3日連続で試験日が設定されており、そのうち何回でも挑戦できる」ケースも少なくありません。
1月下旬以降の試験期間において、試験や移動による疲労などもしっかりと考慮した上で、実力が発揮しやすい受験スケジュールを組みましょう。
3月入試(後期日程)に注意
私立大学のなかにも、「中期」や「後期」日程を設置している大学があります。
体調不良などで実力が発揮しきれなかった場合など、最後の最後まで挑戦できるチャンスがあることで助けられた受験生も大勢います。
ただし、「最初から3月入試や後期日程をたよりにする」のはやめましょう。
3月入試や後期日程というのは、合格者数が極端に少ないため、計算に入れるのは危険です。
その日程までの試験で想定以上に入学予定者を確保してしまった場合、それ以上合格者を出さないようにするケースもあります。
安全校を含め、進学する可能性がある大学は早い時期に受験スケジュールへ組み込み、後期日程などはあくまで最終手段だと考えておくのが良いでしょう。
推薦入試
近年は「推薦入試」の合格者数を増やしている大学が多く、合格者の4割以上を占めています。
「指定校推薦」や「公募推薦」があり、合格基準や必要科目は大学・学部によって異なります。
また、推薦入試も「単願」と「併願」に分かれます。
「単願」の場合は、合格したらその大学に進学することを約束する必要があるため、本当に行きたい大学かどうか検討した上で出願しましょう。
一方で「併願」可能としている入試であれば、ほかの大学の推薦入試はもちろんのこと、一般入試を受験することもできます。
ただし、進学するかどうか決定する期限は大学によって異なるため、その点は注意が必要です。
一般入試以上に大学の独自性が強いため、募集要項を必ず確認しておきましょう。
私立大学 まとめ
私立大学は、何校でも受験することができます。
ただし、「単願」の推薦入試の場合は、合格するとその大学へ進学することになるため、よく確認しておきましょう。
志望度が高いことを表明できる形式のため、合格可能性が高まることも多く、もちろんただマイナス要素になるわけではありません。
また、チャンスを拡大させることは大事ですが、「5日連続で受験日を設定する」「あまりにも高いレベルの大学に‟だけ”出願する」というのは、逆に合格の可能性を下げてしまいます。
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