ICU(国際基督教大学)の受験対策!難易度や偏差値、合格に向けての勉強法を解説

この記事は約11分で読めます。

こんにちは!四谷学院の奥野です。

国際基督教大学(こくさいキリストきょうだいがく:ICU)は、東京都三鷹市にキャンパスを構える私立大学です。日本におけるリベラルアーツのパイオニアといわれており、文系・理系の枠を超えて幅広く知識を深めたのち、専門性を深める教育を行っています。教養学部のみの単一学部で、2年次修了までに31のメジャー(専修分野)から学びたい分野を自由に選択できます。

この記事では、ICUの入試の特徴や、難易度、入試方式、科目別の試験問題の特徴などをご説明します。ICU受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2022年3月22日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

 

ICU(国際基督教大学)で問われる能力と難易度

1949年創立のICU(国際基督教大学)は、キリスト教の理解と普及を目的に米国式リベラル・アーツ・カレッジの方式を踏襲して作られた大学です。

そんなICUは、キリスト教大学としての歴史を今なお色濃く残しており、「地球市民」や「国際的社会人」として人類の平和に貢献することを理念に掲げています。他の大学では体験できないような講義も行われているので、グローバルな人材を目指す方にはぴったりの大学だといえるでしょう。

 

ICUはどのような人材(学生)を求めているか?

ICUがHPにて公開しているアドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)は、以下の4つ。

・文系・理系にとらわれない広い領域への知的好奇心と創造力
・的確な判断力と論理的で批判的な思考力
・多様な文化との対話ができるグローバルなコミュニケーション能力
・主体的に問題を発見し、果敢に問題を解決してゆく強靭な精神力と実行力

(引用元:ICU 教育方針

ICUは国際社会で活躍できる人材の育成を目標としているため、学問への積極性や新しい考えや知識に対する柔軟性を重視しています。なかでも注目して欲しいのが、「文系・理系にとらわれない」という部分。ICUの入試方式にも影響を与えている「科目の垣根を越えた学問」は、ICUのリベラルアーツを象徴しています。

 

ICUの難易度は?

Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、ICU(国際基督教大学)の入試の偏差値は76です。ただし、ICUの入試は特殊です。偏差値だけでは判断できない点を理解しておきましょう。

出典:Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」

 

ICUの入試の特徴

ICUの入試は独特なので、他大学の入試対策と同じように対策してICUの入試に臨むと、まったく点数がとれない可能性があります。それは、ICUが単純な学力だけではなく、科目の垣根を越えた知識や理解を求めているからです。「リベラルアーツ」と呼ばれるこの教育を取り入れたICUの入学試験は、専用の対策が必要です。

引き続きICUの入試について詳しくご説明するので、チェックしてみてください。

 

ICUの入学試験の概要と詳細


ICU(国際基督教大学)では、以下のような多彩な方法で入学試験を実施しています。

・一般選抜
・総合型選抜
・学校推薦型選抜 など

学校推薦型選抜は、ICUが指定する高等学校の生徒が対象で、いわゆる「指定校推薦」となっています。

選抜方法のうち、多くの生徒が受験し、中心になるのは一般選抜です。

 

一般選抜の2つの方式【A方式とB方式】

ICUの一般選抜には「A方式」「B方式」という2つの方式があります。なお、A方式とB方式は併願可能です。

・A方式
A方式の試験科目は、以下のとおり。250点満点で合否が判定されます。

科目試験時間配点
人文・社会科学80分80点

※いずれか1科目を選択

自然科学
総合教養【ATLAS】(リスニングを含む)80分80点
英語(リスニングを含む)90分90点

・B方式
B方式は、試験が第1次選考と第2次選考の2段階に分かれているのが特徴です。第1次選考では総合教育の試験が行われ、第1次選考の合格者のみ第2次選考に進みます。

科目試験時間配点
第1次選考総合教養【ATLAS】(リスニングを含む)80分80点
英語
第2次選考個人面接

第1次選考の英語は英語外部試験のスコアが求められます。基準となるスコアは、:IELTS 6.5、TOEFL iBT 79、Cambridge English Qualifications 175、GTEC CBT 1300 以上となっています。詳しくは最新の募集要項等でご確認ください。

 

ICUの入試の特徴と科目別の試験問題の特徴

上でご紹介した入試方式や試験科目から、ICU(国際基督教大学)の入試がかなり特殊であることは分かったと思います。
ここでは、それぞれの科目の特徴を解説します。

 

ICUの入試の特徴

ICUの一般入試におけるA方式では、「人文・社会科学」または「自然科学」のいずれか1つを選択する必要があります。しかし、「人文・社会科学」も「自然科学」も一般的な受験科目にはないので、どのような内容なのか想像できない方も多いでしょう。それぞれの試験内容は、以下のようになっています。

・人文・社会科学
文学、哲学、芸術、宗教、政治、経済、歴史、社会の領域からテーマが出題されます。そのテーマについての資料を読み、それに関する設問に答える方式です。

・自然科学
数学、物理、化学、生物の4分野のなかから2分野を選択して解答します。それぞれの出題範囲は、以下の表のとおりです。

分野出題範囲
数学数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列、ベクトル)
物理物理基礎・物理
化学化学基礎・化学
生物生物基礎・生物

人文・社会科学が体系的な知識、読解力などを必要とするのに対し、他の大学の受験勉強と同じような対策ができるのが自然科学。文系の方は人文・社会科学を選択するしかないので独自の試験対策が必要ですが、理系であれば選択科目についてはそこまで難しく考える必要はないでしょう。

 

総合教養ATLAS(マーク式80分40問)

ICUの入試科目で独特なのが、総合教養【ATLAS】でしょう。リベラルアーツのベースである人文科学、社会科学、自然科学の3要素が統合されており、「数量的領域」「言語的領域」「分析的領域」に加えて「講義を聴く」力が求められる科目です。具体的な試験の流れは、以下のとおり。

まず様々なテーマに関する15分ほどの講義を聴き、そのあと講義の内容に関する論述や資料を読み、それぞれの設問に回答します。

これは、ICUで行われているリベラルアーツの授業を疑似体験するような試験方式。与えられた資料や講義に対しての判断力、思考力、柔軟な問題解決能力が問われます。

IQテストのような試験だと、イメージするとわかりやすいかもしれません。

 

英語

「ICUは英語ができないと入学できない」というイメージを抱いている人が多くいますが、試験では入学後の「英語での学び」に適性があるかどうかを評価されます。英語でものを考え、英語で理解・分析し、回答する能力が問われる試験となっています。

試験はリスニング30分、リーディング60分の2つのパートに分かれており、リスニングの分量が多いのが特徴です。さらに、リスニング内の会話や講義は1度しか流れないので、高いリスニング能力が必要になります。

 

ICUの募集人員・出願資格

ICU(国際基督教大学)を受験する際には、募集人員や出願資格もチェックしておきましょう。なお、以下で紹介するのは2023年度入学試験要項「一般選抜」(PDF)の内容です。

 

募集人員

ICUが募集しているのは250名。A方式が240名、B方式は10名の内訳です。

 

出願資格

ICUが定めている出願資格は、以下のうち、いずれかを満たすことが必要で、A方式・B方式共通です。

1.高等学校または中等教育学校を卒業した者、および入学年の3月31日までに卒業見込みの者
2.通常の課程による12年の学校教育を修了した者、および入学年の3月31日までに修了見込みの者
3.高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、および入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者

参照:2023年度入学試験要項「一般選抜」(PDF)

ただし、上記に当てはまっていなくても、ICUが独自に行っている教養学部入学資格認定を取得すれば受験は可能です。以下のページから、認定を受けられるかチェックしてみてください。
国際基督教大学教養学部入学資格認定について

 

ICUに合格するために有効な試験対策


ICU(国際基督教大学)の試験は独特なので、試験対策をどのように行えば良いのか、悩んでしまう受験生もいるでしょう。
ここでは、ICUに合格するために有効な試験対策をご紹介します。

 

身に付けるべき力

ICUの合格を目指すために身に付けるべき力は、大きく分けて以下の3つです。以下を身に付ければ、効率良く合格を目指せるので、自分で学習を進める際には意識してみてください。

・英語対策
ICUの試験において、学習がそのまま得点につながりやすいのが英語です。国際系の大学ということもあり、難易度は高め。難しい単語が含まれる場合もあり、さらに速読力も問われるような内容になっています。
1度しか会話文などが流れないリスニングですが、内容自体は聞きやすいものになっているようです。しかし聞き逃しはできないので、何度も繰り返し過去問やリスニング演習を行い、英語に耳を慣らしておきましょう。

・読解力
どの試験方式を選んだとしても、必要になってくるのが読解力。総合教養や選択科目で、テーマに関する論文や論述、資料を読み解く必要があります。
特に「人文・社会科学」ではA4×10枚ほどの論文を読んで設問に解答しなければならないため、読むスピードと正しく理解する力が重要です。
長文に慣れておくのはもちろん、硬めの文章に日頃から慣れておくことも対策のポイント。

・論文読解のための背景知識
2つ目と少し被りますが、論文の読解を深く正しく行うためには「背景知識」が必要です。つまり、与えられた論文から正しい判断をしたり、思考を発展させたりするためには、出題分野である哲学や言語、歴史や宗教などの基礎知識が必須だということです。
そのためには、他大学の試験対策はもちろん、読書などから得られる教養が大切だといえるでしょう。

ICUに合格したい方は四谷学院へ

四谷学院には、効率の良い学習を実現する、独自の「ダブル教育システム」があります。ここでは「ダブル教育システム」を構築する、2つの要素を詳しくご説明します。

 

科目別能力別授業

四谷学院の科目別能力別授業とは、科目と能力の2つでクラス分けを行う方式。

一般的な予備校で行われている「総合得点でのクラス分け」ではなく、科目ごとに、自分の学習レベルに合ったクラスの授業を受けることで、暇を持て余したり、授業レベルについていけなくなったりすることがありません。

さらに、自分の学習レベルに合った授業を受けることで、理解のスピードが速くなり、結果的に理解が深まるのも、科目別能力別授業のポイント。各科目における自分の学習レベルを正確に把握することで、得意不得意を客観的に捉えられる利点もあります。

科目別能力別授業の詳細はこちら!

 

55段階個別指導

科目別能力別授業と併用して行うのが、55段階個別指導。

「知識のインプット」がメインの集団授業に対し、「知識のアウトプット」を行います。

実は、知識はインプットしただけでは活用できないケースがほとんど。自分で知識を思い出し、応用し、活用できるようにするためには、繰り返しの訓練が必要です。

四谷学院の55段階個別指導はマンツーマンで「理解」「実践」を繰り返し行うので、知識の定着を効率良く図ることができます。生徒の理解度に合わせた演習問題を行い、着実なステップアップを目指します。

55段階個別指導の詳細はこちら!

 

ICUに合格するためには独自の試験対策が必要

【ICU(国際基督教大学)の入試概要】

  • 一般選抜はA方式とB方式の2種類
  • 出題方式はかなり特殊
  • 設問自体の難易度はそれほど高くないが、知識量が必要

【ICU(国際基督教大学)の入試データまとめ】

  • 教養学部の偏差値は76(Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」調べ)

【ICU(国際基督教大学)まとめ】

  • 入試問題が独特なので、予備校の対策クラスなどで独自の対策が必要
  • 読解力や思考力が必要になるので、過去問で訓練しておくと良い

世界的に評価の高いICU(国際基督教大学)は、国内でも珍しいリベラル・アーツ・カレッジのパイオニアです。学部や学科、科目に捉われない体系的な学習をすることで、深い教養を身に付けることができます。

ICUは、自分1人で入試対策を行うのがかなり難しい大学でもあります。四谷学院の「科目別能力別集団授業」と「55段階個別指導」を組み合わせたダブル教育システムを利用し、効率良く合格を目指しましょう。興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2023年3月22日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

 

失敗しない予備校選びは説明会参加が重要!

予備校選びは合否に直結すると言っても過言ではありません。ネットで口コミを調べたり予備校のパンフレットを見たりするだけでは、得られる情報に限界があります。自分に合った予備校を選ぶには、説明会に参加して、ご自身の目で確かめるのが一番!

以下の記事では、予備校の入学説明会について詳しく解説しています。ぜひチェックして、予備校の説明会に参加するときに感じがちな疑問や不安を解消してください。

予備校の入学説明会って何をやるの?どうやって参加する?
入学前に説明会を行っている塾・予備校がほとんどです。 これからあなたが長い時間を過ごす場所になりますから、 「ここで目標に向かってがんばれそうか?」 「自分の力を100%引き出してくれそうか?」 説明会に参加して、ご自身の目で確かめるのが一番です。 この記事では、予備校の説明会に参加するときに感じがちな、あなたの疑問や不安を解消します。

タイトルとURLをコピーしました