こんにちは、四谷学院の受験コンサルタント田中です。
「評定平均」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。「内申点」と同じように使われる言葉ですね。
推薦入試において重要な要素となる内申書に記載される大切な数字が評定平均値です。
推薦入試には色々な種類がありますが、特に「学校推薦型選抜」の場合には一定以上の評定平均値がなければ出願すらできません。いうまでもなく、評定平均を上げる・維持するということは非常に重要となってきます。
今回の記事では、学校推薦型選抜の出願条件で一般的に使われる基準である評定平均の具体的な計算方法や、学校推薦型選抜への影響について詳しく解説していきます。
目次
評定平均とは
評定平均は、高校1年生から高校3年生の1学期までの全科目の評定を計算した数値のことを言います。つまり、高校に入学してから大学に出願するまでの成績ということになります。
ポイントは2つあります。
・対象期間は高校1年生から。高校入学したての成績からすでに計算に含まれます。
・大学入試科目以外も含む全科目が対象です。
推薦入試での評定平均の重要度
特に学校推薦型選抜において評定平均が重視される傾向にあり、高校在学時の成績や学習態度などをこの数値によって判断します。
なお、総合型選抜の場合には高校から推薦をもらう必要はありませんが、大学によっては評定平均値の提出が求められることがあります。
評定平均の計算法
学年末の評定評価(5段階)が科目ごとに出されます。それをすべて足して科目数で割った数が評定平均となります。
小数点以下第2位を四捨五入します。評定平均の計算方法はとてもシンプルですね。履修科目には、実技(体育・芸術・家庭など)の教科も含まれます。
高校における履修科目の5段階評価とは、成績や学習態度から算出されますので、当然ながら定期試験等の成績が大きくかかわるということです。
なお、大学によって出願に必要な評定平均は異なります。情報収集をして、あなたの志望校合格に必要な評定平均を明らかにしておきましょう。
ちなみに難関大学の推薦であれば「評定平均5」が必要と考えましょう。
教科別評定平均
学校推薦型選抜の出願条件として、高校で履修している全科目を対象とする「全体の評定平均」が必要となる場合と、「教科別の評定平均」が必要となる場合があります。
先ほど計算式を見たのは「全体の評定平均」です。履修科目すべて、つまり、主要5教科以外の体育や家庭科の評価もすべて含んでいます。
一方で、大学側が指定する教科(科目)のみの評定平均が必要になるケースがある、というわけです。
例えば、 「全体の評定平均3.5以上かつ英語は4.0以上」のように、全体の評定平均値だけでなく、特定の教科の評定平均を基準に加える大学もありますので、注意が必要です。
評定平均のつけ方
高校における履修科目の5段階評価とは、「成績や学習態度から算出される」ということで、基本的には定期試験(定期考査)がベースとなります。
では、とても成績は良いけれど授業態度が悪い、という場合はどうなるでしょうか?当然ですが、定期テスト以外の要素も含めて評価をしますから、定期テストで同じ点数の生徒同士であれば、授業態度が良い生徒の方が評価は高くなるといえるでしょう。「テストの点数だけ高ければよい」というわけではありません。
3観点評価
学習指導要領において評価の観点が、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つが挙げられています。
この3つの柱に対応した形で評価されます。
「知識・技能」「思考・判断・表現」
各教科で身につけるべき知識や技術について、十分に習得しているか、という点が評価されます。
「思考・判断・表現」
基礎的な知識や技能をうまく活用しながら、自分なりに考え、判断をし、人に伝えるために表現する力も求められます。
「主体的に学習に取り組む態度」
学習に対して粘り強く取り組み、さらに自らの学習を調整しようとする、という2つの側面から評価されます。
以上のことから、ペーパーテストのほか実験や実技、グループワーク等が行われます。暗記や一問一答のような単純な知識ばかりでなく、教科等横断的な知識の使い方や多面的・多角的に物事を見るといった点も大切にされ、「物理×数学」「英語×公民」「芸術×地理歴史」など、異なる教科をまたぐ授業が高校では実施されています。「多面的に学び、考える力」を身に付ける機会となっています。こうした定期試験以外の日々の授業や活動において、3観点の習得をアピールできるとよいでしょう。
出席日数
授業の出欠についても、評価に影響します。
大学や高校によって基準が異なりますが、高校3年生の1学期までで「10日以内」が目安とされています。遅刻や欠席が多い場合、校内選考で落ちてしまう可能性が高くなります。
課外活動・部活動
公募制特別推薦選抜においては、スポーツや文化活動、委員会やボランティア、地域での取り組みなどの課外活動実績をメインとして選抜されますが、通常の指定校推薦においては、成績がメインとなり、そのほか、課外活動実績、生活態度などで評価されます。
10段階評価の場合
高校によっては10段階評価で成績をつけている場合があります。その場合は、5段階に直して計算します。
この換算方法は学校ごとに異なります。例えば、10段階のうち「9」「10」を「5」とする高校もあれば、「8」「9」「10」を「5」とする高校もあります。
評定が高ければ選択の幅が広がる
学校推薦型選抜について評定平均が大切である理由の1つとして「数字で判断できる」ということがあります。面接や小論文などは、それぞれの思いが表現されるものであり、唯一の正解があるテストというわけではありません。一方で、評定平均は数字ですから、誰でもわかりやすく客観的に判断が可能です。実際、総合型選抜(旧AO入試)の出願の多くは、まずは評定平均で足切りがされます。
選考過程には面接や小論文、各種提出書類と様々な準備が必要となってきますが、評定平均さえ満たしていれば、どこの大学であっても「受験」することができます。
なお、評定平均が高いほど、合格率も高くなるとされています。
評定平均を上げるには
評定平均は、推薦型選抜において絶対に外せない基準ですが、評定平均をアップさせるための対策ポイントはどんなものなのか、詳しく見ていきましょう。
高校1年生からの積み重ねが重要
評定平均とは、先ほども説明した通り「高校1年生から3年生1学期までの全科目の評定」を計算した数字のことです。
高校生活の途中から急にがんばっても、それまでの成績が悪ければ評定平均を上げるのは厳しくなります。
具体的な数値を見ていきましょう。
すべての評定値を足すと53になり、科目数13で割ると4.07です。「小数点以下小数点以下第2位を四捨五入する」というルールなので、評定平均は「4.1」となります。
「評定平均4.5」を目指すのであれば、すべての評定値を足して58以上にしなければいけません(四捨五入で4.5になればOK)。現在53なのであと5点アップする必要があります。
例えば、社会が低いので2科目ともアップさせて、日本史3→4、世界史3→4としたとしてもまだ足りません。評定値5の科目をあと3つ増やさなければいけません。
しかもこれまでの評定値のすべての平均が評価の対象となりますから、これまで「4.5」に届かなかった分を底上げするには、それ以上の点数を取らねばならない、ということです。
高校1年生から考えれば、定期試験はまだたくさんありますから、一度失敗しても挽回は可能です。しかし、高校2年生の後半から逆転を目指すとなると、かなり厳しくなってしまうということがお分かりいただけるかと思います。
定期試験対策
高校の定期試験において、試験前に一時的に詰め込む・暗記、いわゆる一夜漬けで対応しようとする高校生も少なくありませんが、日々の理解の積み重ねによって継続的に学習内容を定着させていく必要があります。基本的な土台が身についていなければ、その後の発展的な内容についていくことも難しいでしょうし、学習へのモチベーションも維持しにくくなります。
高校の成績を上げる方法について、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ-評定平均とは?内申点を上げるための対策
今回は、推薦入試に不可欠な評定平均の具体的な計算方法や学校推薦型選抜への影響について解説しました。
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