兵庫医科大学は、兵庫県西宮市に本部を構える私立の医科大学です。1972年に医学部のみの単科大学として創立されましたが、開学50周年にあたる2022年に兵庫医療大学と統合しました。医学部・薬学部・看護学部・リハビリテーション学部の4学部を擁する医系総合大学として、新しい歴史が始まっています。
この記事では、兵庫医科大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。兵庫医科大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2023年2月24日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
兵庫医科大学の入試問題で問われる能力
初めに、兵庫医科大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。
兵庫医科大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
兵庫医科大学は、建学の精神として、次のような言葉を掲げています。
建学の精神 社会の福祉への奉仕 人間への深い愛 人間への幅の広い科学的理解 |
これは、大学の創立者で精神科医の森村茂樹氏が掲げたものです。森村氏は大学の地にあった武庫川病院の院長で、地域医療・社会福祉医療に先進的に取り組んだ人物でした。このような建学の精神のもと、「人間への深い愛と豊かな人間性を持ち、幅広い知識と優れた技術を備え、かつ科学的な理解に基づいて、社会の福祉に奉仕できる医療専門職者を育成する※」ことを使命としています。
※引用:兵庫医科大学HP 建学の精神
このような兵庫医科大学では、学部共通の「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」として、次のように定めています。
入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)大学全体 本学は、建学の精神並びに目的、使命、教育目標並びに学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)を理解し、主体性をもって学び医療専門職者を志す学生を求めます。また、学生を適正に選抜するために多様な選抜方式を実施します。また、高等学校までに修得すべき「関心・意欲・態度」「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」は学力試験などで判断します。 |
引用:兵庫医科大学HP 入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)
なお、兵庫医科大学では、学部別の「求める人物像」「必要な素養と能力」「選抜の趣旨」などを詳細に定めています。詳しくは兵庫医科大学HPなどでご確認ください。
兵庫医科大学入試の特徴
兵庫医科大学で導入されている選抜方法は「医学部」「薬学部・看護学部・リハビリテーション学部」で異なります。
【医学部】
- 一般選抜
「4科目型」→小論文を加えた4科目での第1次試験と、面接・調査書で判定される第2次試験が実施されます。
「高大接続型」→出願資格に英語資格・検定資格で指定された基準を超えている必要があります。小論文を加えた3科目での第1次試験と、英語・面接・調査書で判定される第2次試験が実施されます。 - 総合型選抜
一般枠と卒業生子女枠があります。第1次試験で書類審査、第2次試験で3科目の基礎適性検査と小論文が課せられます。 - 学校推薦型選抜
一般枠と地域指定枠があります。
【薬・看護・リハビリテーション学部】
- 一般選抜
前期日程(3科目型、2科目型)と中期日程(薬学部)、後期日程(薬学部・看護学部)が実施されます。 - 大学入学共通テスト利用入試
前期日程、面接併用型(第2次試験として面接が課せられる)、後期日程(薬学部のみ)が実施されます。 - 総合型選抜
一般枠と卒業生子女対象枠があります。 - 学校推薦型選抜
公募制で、専願・併願などの日程が5パターンあります。
いずれも詳細は公式サイトか最新の募集要項などでご確認ください。
兵庫医科大学入試の概要
ここからは、兵庫医科大学の入試概要を解説します。
出願資格について
兵庫医科大学の出願資格は、選抜方法ごとに細かく定められています。したがって、受験する選抜方法を選ぶ際には、該当する出願資格を公式サイトなどで必ずご確認ください。
一例として、医学部一般選抜A(4科目型)の出願資格は、次のようになっています。
- 高等学校(中等教育学校の後期課程を含む、以下同じ)を卒業した者及び入学年3月31日までに卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び入学年3月31日までに修了見込みの者
- 外国において、学校教育における12年の課程を修了した者及び入学年3月31日までに修了見込みの者又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定した者
- 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定又は指定した在外教育施設の当該課程を修了した者及び入学年3月31日までに修了見込みの者
- 文部科学大臣の指定した者
- 高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)に合格した者及び入学年3月31日までに合格見込みであることが証明される者で、同年3月31日までに18歳に達する者
- 本学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、入学年3月31日までに18歳に達する者
試験科目や合格要件
ここからは、兵庫医科大学の試験科目や配点を一部抜粋してご紹介します。
今回取り上げるのは、一般選抜の内容です。その他の学部・学科の試験内容については公式サイトより該当する選抜方法をご確認ください。
なお、以下のデータはすべて2023年2月24現在のものです。
医学部 一般選抜A(4科目型)
教科 | 科目・選択範囲 | 配点 |
外国語 | コミュニケーション英語I、Ⅱ、Ⅲ、英語表現I、Ⅱ | 150 |
数学 | 数学I、Ⅱ、Ⅲ、A、B(数列、ベクトル) | 150 |
理科 | 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から2科目選択 | 200 |
小論文 | ― | 50 |
第2次試験 | 面接・調査書 | 100 |
合計 | 650 |
看護学部 一般選抜 前期日程(3科目型)
教科 | 科目・選択範囲 | 配点 |
外国語 | コミュニケーション英語I、Ⅱ、英語表現I | 100 |
国語 | 国語総合(古文・漢文を除く) | 100 |
理科 | 化学基礎・化学または生物基礎・生物から1科目選択 | 100 |
合計 | 300 |
出願者数や合格者数のデータ
兵庫医科大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。医学部とそれ以外の学部では入試方法が異なっているため、ここで紹介するのは2022年度医学部一般選抜A(4科目型)、それ以外の学部は一般選抜前期(3科目型)の結果となっています。
学部 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
医 | 1,478 | 1,396 | 146 | 9.6 |
薬 | 108 | 104 | 91 | 1.1 |
看護 | 221 | 210 | 33 | 6.4 |
リハビリテーション (理学療法学科) | 87 | 85 | 12 | 7.1 |
リハビリテーション (作業療法学科) | 29 | 29 | 18 | 1.6 |
出典:兵庫医科大学2022年度入試(医学部)、(薬学部・看護学部・リハビリテーション学部)
各科目の試験問題の特徴や難易度
兵庫医科大学の試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、医学部一般選抜での試験問題の特徴を、科目を抜粋してご紹介します。
英語
試験時間は90分で、近年は大問が5つの構成です。選択式・記述式の併用ですが、全体的に記述量が多く、配点の多くは記述問題と想定しておくとよいでしょう。
長文問題が3問で、いずれもボリュームがあり、思考力や表現力が問われます。専門性の高い文章が出題される点も特徴です。過去問を活用し、時間配分も注意して演習を積んでおきましょう。
数学
試験時間は90分で、大問は3問です。数Ⅰから数Ⅲまでまんべんなく出題され、毎年異なる分野の出題がみられます。ただし数Ⅲの範囲から多く出題され、確率と微分、積分は頻出です。難易度は標準的といわれていますが、普段から解答の過程をきちんと書く習慣をつけることが対策として役立ちます。
兵庫医科大学入試の難易度・偏差値
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、兵庫医科大学の入試の偏差値は50~67、共通テスト得点率は57~74%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。
学部 | 偏差値 |
医 | 67 |
薬 | 50~52 |
看護 | 58~61 |
リハビリテーション | 52~59 |
兵庫医科大学に合格するための勉強方法
ここからは、兵庫医科大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
兵庫医科大学に入るには、何をすればいい?
兵庫医科大学の入学試験は一般選抜が中心ですが、医学部と薬・看護・リハビリテーション学部で異なった選抜方法が設定されているなど、少し複雑になっています。しかし公式サイトから調べやすくなっていますので、試験科目などの内容を十分に調べて選抜方法を決定しましょう。
受験生は過去問などから自分の志望する学部・学科で求められる学習内容をつかみ、絞り込んで勉強して入試に臨みます。つまり、1つのミスが合否を分ける事態になってしまいます。基礎を徹底するのはもちろんのこと、時間内にどれだけミスなく解き切るかが重要です。
受験期の過ごし方
高校3年生という受験期の過ごし方により、合否の確率が変わるといっても過言ではありません。やみくもに勉強するのではなく、年間を通じた長期的なスケジュールを立てて、受験勉強に取り組みましょう。
- 春(4~6月):徹底して基礎を身につける時期。教科書の内容を丁寧に学習し、同時に苦手分野の洗い出しを進めてください。暗記ものは単語集や用語集を使って、1日でも早く取りかかるのがおすすめです。
- 夏(7~9月):苦手分野を徹底して克服する時期。長期休暇中は、まとまった学習に取り組むチャンスです。ぜひ成績アップを狙いましょう。長期スケジュールに「1日に問題集を10ページ進める」などの短期スケジュールを組み合わせるのも、学習を続けるコツです。
- 秋(10~12月):基礎固めが完璧にできたら、大学入学共通テストの対策を始める時期。基礎固めを十分に行い、応用力も磨くことで、私大入試対策にもなります。
- 冬(1月~):過去問を集中的に学習し、演習を積む時期。時間配分も意識しましょう。ミスなく問題を解くようにし、最後の仕上げをします。過去問を解いて終わり、ではなく、解答や解説を見て復習が必要な箇所がないか確認しましょう。
予備校で勉強する場合
独学で受験勉強に取り組むことは、不可能ではありません。しかし継続する意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになってしまいます。一方で「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れないのをご存じでしょうか。
その理由は、予備校の集団授業にあります。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が同じ授業を受けるのは日常的です。集団の中で講師の授業を受け身で聞き、わかった気になっているだけの場合は、十分に知識が定着しない心配があります。
また集団授業のなかで、苦手分野が取り残される可能性も捨て切れません。授業でわからなかったところは、自分で講師に聞きに行くなどの積極性がないと、思うような学習の効果が出ないかもしれません。
予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。
科目別能力別授業の詳細はこちら!
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。
55段階個別指導の詳細はこちら!
兵庫医科大学入試は丁寧に解く力が重要!
【兵庫医科大学の入試概要】
- 一般選抜が中心で、総合型選抜、学校推薦型選抜などが実施されている。医学部と薬・看護・リハビリテーション学部では入試方法が異なるので注意する。
- 難易度は標準~やや難。
【兵庫医科大学の入試データまとめ】
- 一般選抜の実質倍率は1.1~9.6倍(2022年度)。
【勉強方法まとめ】
- 基本的な知識を十分に身につけ、教科書や用語集を丁寧に学習するのがおすすめ。
- 記述問題が多く時間が足りなくなる場合があるので、過去問を使って時間配分の練習をしておく。
兵庫医科大学は、医学部の単科大学から2022年度より医系総合大学として生まれ変わりました。医師国家試験合格率も近年トップレベルとなっており、人気も高くハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2023年2月24日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。